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がんばって捨てた物をお母さんが使っているから、モヤモヤします。こんな時、筆子さんはどうやってモヤモヤした気分を解消しますか? という質問をいただきました。
この記事で回答しますね。
まずメールを紹介します。Yさんからです。
せっかく捨てた物をお母さんが使っていてがっかり
件名:質問です
いつもためになる記事をありがとうございます。少しずつですが物を捨てることが出来るようになってきました。
今日は質問がありメッセージを送りました。もしよろしければ、お時間がある時にお答えいただけたら嬉しいです。
早速質問なのですが、私は物を捨てる時は何度も悩んで、捨てる決心をする事が多いです。ですがそうやって捨てた物を母が使っていたりすることがあります。
『私は捨てたし、コレは私のものじゃない。それに使っているからいいんじゃないの』
と思おうと最初は努力しました。
でも自分が捨てた物が毎日見えるところにあるため、どうしても『頑張って捨てたのに、捨てた事になってない‥』とモヤモヤしてしまいます。
これで、物を捨てることをやめませんが、やる気みたいなのが削がれてしまいます。
そういう時、筆子さんならモヤモヤをどのように解消されますか?
では、失礼します。
Yさん、こんにちは。お問い合わせありがとうございます。
う~ん、ここ、そんなに悩むところでしょうか? 自分が捨てたものを別の人が使っているだけです。
ただ捨てただけでなく、それを誰かが有効活用してくれているのがわかり、とてもありがたい状態ですよね?
お母さんが何を使っているのかわからないので、この記事では、Yさんが捨てた服をお母さんが着ている、と仮定してお答えします。服じゃないかもしれませんが、ほかの物でも考え方は同じです。
いま、服があふれているので、寄付センターに持っていっても、コンディションによっては、そのままゴミ箱行きになることがあります。フリマやオークションで売ったとしても買った人が、ちゃんと着るかどうかはわかりません。
「安いから、買っちゃおう」「メルカリのポイントを使わないと期限が来ちゃうから買っちゃおう」というのりで購入した人は、1度や2度、着ることがあっても、そのままクローゼットやたんすの奥に押し込む、という可能性がひじょうに高いです。
日本中の家の洋服ダンスの中に、着られないまま埋もれている服が五万とあるんじゃないでしょうか?
そんな状態の中、Yさんが捨てた服は、お母さんのおかげで、服としての使命を全うしようとしています。
よかったじゃないですか。
とはいえ、こういうふうに思えないから質問されたのでしょう。その場合、以下のように考えてみてはどうでしょうか?
1.断捨離の目的の見直し
なぜ物を捨てているのか、その目的を再確認してください。
理由もなく断捨離しているのではなく、自分なりのゴールがありますよね?
たとえば、
●とにかく掃除が大変だから、少し物を減らして管理をラクにしよう。
●部屋のスペースを物が占拠しているから、少し間引いて、手足を伸ばせるようにしよう。
●朝、着るものに迷うから、数を減らして迷わずにすむようにしよう。
●物がありすぎて、探しものばかりしている生活から抜け出したい。
●物がありすぎて、同じ物を何度も買ってしまうのをやめたい。
●目障りだから少し物を片付けたい。
などなど。
さんざん迷って服を捨てたら、お母さんが着ていた。でも、自分は自分のゴールに近づいているということがわかれば、べつにモヤモヤしないんじゃないでしょうか?
断捨離は心地よく暮らすための手段であり、目的ではありません。
目的に近づいているなら、そんなに悩むこともないのでは?
まあ、Yさんのゴールが、「自分の捨てた服を2度と目にしないこと」「とにかく目の前から物を撤去すること」「捨てた服のことを2度と思い出さないこと」だったら、お母さんが着ているとまずいわけですが。
その場合は次を読んでください。
2.どんな状態なら自分は満足するのか考える
Yさんは、何か不満に思っていることがあるからモヤモヤしているのだと思います。自分の期待したようにことが運んでいないから、不満なのでしょう。
では、どんなふうに事態が進展したら、自分は満足するのか、そこを考えてください。
そして、その状態を手にするために、行動を起こしてください。
この短いメールからだけでは、Yさんが本当に求めていることが何なのかわかりません。属性もさっぱりわかりません。学生なのかなあ、と思っていますが。
仮にYさんの望みの状態が「いったん捨てた服はこの家から完全に出ていき、自分の目には2度とふれない状態にすること」だとします。
現状は、お母さんがYさんの捨てた服を着ており、服はこの家から出ていません。
そこで、捨てた服を完全にこの家から出すプランを考え、実行してください。
以下のような方法があるでしょう。
●お母さんに服を返してもらって、今度は完全に捨てる(家の外に持ち出すところまできっちり自分でやる)。
●お母さんに「その服、私の目の前で着ないで」と頼んでみる。
●新しい服を買ってきて、お母さんが着ている元自分の服と交換してもらう。その後、古い服を完全に捨てる。
●Yさんが家を出て一人暮らしをする(家族と同居していなければ、誰かが拾って、自分の目の前で着る事態にはなりません)。
このようにいくつかのプランを出し、それぞれのプランが現実的かどうか、達成できそうかどうか考えてみます。
私ならこの段階で、「自分の考え方を変えたほうが早い」と思います。たとえ家族といえど、他人はコントロールできないからです。無理やりコントロールする方法もなくはないですが、多くの場合、自分の思考や行動を変えるほうがずっと簡単です。
他人はコントロールできない話⇒夫が断捨離を邪魔しても「他人はコントロールできない」ことを知っておく
ですが、これは私の結論なので、Yさんは、一度ご自身でしっかり考えて、アクションプランを考え、実践してください。
そうすれば、現在かかえているモヤモヤは解消できると思います。
3.モヤモヤの正体を明らかにする
一口にモヤモヤといっても、いろいろな感情があります。
気持ちのどこかにわだかまりがあって、さっぱりしないから、モヤモヤしているわけです。そのモヤモヤはどんな感情なのか、もう少し具体的に捉えることができると、それだけでラクになるし、その感情を解消する方法も見い出すことができます。
「なんだかわからないけど、イライラしている」という状態から、「ああ、私はこういうことに怒っているんだ」とわかれば、「怒りの感情を持っている」と気づき、では、どうしたら怒らなくてすむのか考えることができるわけです。
Yさんのモヤモヤは具体的にはどんな感情なのでしょうか?
思い通りにことが運ばないと、人は、がっかりする、ストレスがたまる、イライラする、悲しい、やる気がなくなる、こんな状態になります。
怒り、悲しみ、不安、欲求不満、挫折感、無力感。Yさんはどんな感情でいるのでしょうか?
「頑張って捨てたのに、捨てたことになっていない」と感じているそうですから、挫折感かもしれませんね。
モヤモヤの正体がわかったら、ではどうしたらそんなふうに考えなくてもすむのか、ここを考えてみます。これは、視点を変える、つまり考え方や発想を変えることで対応できます。
たとえば、イライラの解消ならこんな方法があります⇒日常生活の小さなイライラから解放されストレスを感じない5つの方法。
こちらもイライラしない考え方です⇒すぐにイライラしたり、細かいことが気になる性格を直す7つの方法。
不満が募る場合は、期待値を下げてください⇒理想と現実のギャップにがっかりして動けなくなったときの対処法。
4.目の前のこと・できていることにフォーカスする
ネガティブな感情になっているときは、もう済んでしまったことを悔やんだり、これから起こるかもしれないことを心配していることが多いのです。
そこで、いま、目の前にある状況に視点を向けるようにしてください。いま、自分がすべきことや、やりたいことについて考えるのです。
お母さんが自分の服を着ている状況は、お母さんから、その服を引き剥がしでもしない限り、なくならないわけです。
モヤモヤを解消するために、Yさんがすべきことは以下のどちらかではないでしょうか?
●すんだことはすんだことと考える。今後は断捨離をきっちり完了することに尽力する
●お母さんから服を取り戻す具体的な行動に出る
さらに、問題点ではなく、うまくいっていることやできていることに目を向けてください。
お母さんが服を拾ってしまったものの、その前の「捨てる行動」ができたのは素晴らしいことです。ここに目を向けてください。
最後までしっかり自分で捨てなかったから、お母さんがその服を着る結果になってしまっただけ。今度は、最後まできっちり捨てを完了させればいいのです。
私も、何度か、夫が私の捨てた物を拾って家に戻したので、だんだん捨て方を工夫するようになりました⇒捨てた物は家族に見せず、自分で最後まで断捨離を完了すべき理由
誰でも、うまくいかないことがあると、そちらに目が行ってしまい、「だめだった~」「やな感じ」「不愉快だ」と思います。まあ、これは自然なことです。ですが、ひととおり、「ダメだった感」を味わったら、「じゃあ、今度はどうしたらいいんだろう」と考え、その失敗から学ぶほうにシフトしてください。
すると、モヤモヤ感は消えます。
以上、4つのうち、できそうなことから試していただき、うまくいかなかったら、またメールください。
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今回は、せっかく捨てた物を家族が拾って使っている状況から派生した質問にお答えしました。
家族に拾ってほしくなかったら、「そもそもなぜ家族が拾ったのか?」という点についても考えるべきでしょう。
ちゃんとゴミ収集所なり、寄付センターなりに、自分できっちり持ち込むところまでやるようにすれば、断捨離したものが、家に舞い戻ってくることありません。