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困難や恐怖を成長の機会と捉え、「自信」を選択することをすすめるTEDトークを紹介します。
タイトルは、How to uncage the confidence within(内にある自信をどう解き放つか?)
STEM分野での女性のキャリアを後押しする企業、AthenaのCEOである Holly Smithson(ホリー・スミスソンさん)のトークです。
STEMは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)を意味します。
自信を解き放つ:TEDの説明
From military bases to the White House and a bold romantic leap, Holly Smithson’s life is a testament to the astonishing power of uncaged confidence. Facing death head-on through a cancer diagnosis revealed a profound truth: life’s toughest challenges are powerful invitations for growth.
軍事基地からホワイトハウス、そして大胆な恋愛の決断まで、ホリー・スミスソンの人生は、解き放たれた自信が生み出す驚くべき力を証明しています。
乳がんの診断で死と向き合った彼女は、人生の厳しい試練が成長への強力な招待状であるという深い真実に気づきました。
収録は2024年の8月。動画の長さは10分。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの説明はこちらです⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
実体験に基づいた力強いメッセージのあるトークです。
いつも自信があった
私にとって「自信」は副操縦士のようなものでした。
経歴を見れば、私はものすごく自信がある人のように思えるでしょう。
軍人の子供だったので、アメリカ全土、そしてさまざまな外国で育ち、若いころはホワイトハウスで働いていました。
恋愛が理由で、高給だったその仕事をやめ、しばらくしてからまたカリフォルニア・ドリーミングを求めてアメリカに舞い戻りました。
こうした選択をするたびに、私は未知への恐怖に挑むリスクをとってきました。経済的な安定、身体の安全、そして心を開くことなどの恐怖です。
私の自信のレベルに応じて、いつも人生は応えてくれました。自信を持てば持つほど、人生はエキサイティングになっていったんです。
がんの診断を受ける
でも、私の自信を打ちのめすできごとがありました。自信を失い、檻の中に囚われる自分の物語を作ってしまったんです。
乳がんの診断をうけたとき、私は死と向き合い、人生をこれまでとは違う形で見ることになりました。
この瞬間、私は、自信と共に立ち向かい、ガンが私に教えてくれようとしていることを知ろうとするか、恐怖の檻の中に閉じこもり続けるか、どちらかを選択できました。
選択のパワー
わたしたちは毎日、たくさんの意思決定をしています。簡単な決断もあれば、難しいものもあります。
いずれにしろ、自信を持つことは選択です。
自信は、わたしたちの核となる価値観に根ざしていて、誰でも持てるものです。
自信を持って人生と向き合うか、足りないことやできないことを語る物語に囚われ、そこに自分を閉じ込めるか、どちらかを選ばなければなりません。
私は檻の中で、ガンが自分を殺す物語に囚われていましたが、同時に、その考えを追い払おうともしていました。
私は、今、人生の一番いい時期にいる、女性のグローバルなリーダーシップを応援する会社のCEOという好きな仕事をしている。こんなにポテンシャルのある人生をガンが奪うはずがないと。
それでも、診断を受けた次の年は、私は檻の中で冬眠していました。
人生は私たちのためのもの
その間、ストレスが病気に与える影響や、抑圧された物語から解放されようともがくエネルギーについて書かれた本やポッドキャストをたくさん消化し、がんになったせいで、大事な部分で自信を失っていたことに気づきました。
私は、「人生は私たちに起こるものではなく、私たちのために起こるものだ」ということを忘れていたんです。
これは、すべてのことに言えます。
皆さんにとって、「がん」に相当するものが何であろうとも。
たとえば、それは会社の倒産や、家庭内暴力から生き延びること、子供を失うような経験であったとしても、すべての困難は私たちを最大限に成長させるための招待状です。
もしこの「がんという寄り道」がなければ、私は今このステージに立っていなかったでしょう。
自信を持つかどうかは自分次第
病気は私に、がんから贈り物を見つける必要があると教え、私は実際、学びました。
自分の物語のパワーを軽視してはいけません。
私の物語は、私が無力だと説き伏せようとしました。
でも私は自信を選びました。自信はいつも選択だからです。
自信を選んでいない方はぜひそうしてください。自分のパワーを忘れさせている原因になっている物語はガソリンをかけて燃やしましょう。
私もそうしました。
一度、自信を解き放てば、それを活用するための3つの鍵があります。
その「マスターキー」を持っているのは他でもない、あなた自身です。
自分には自信があり、それは選択できると意識することが重要です。
私たちは、外の世界というジャングルを完全にコントロールすることはできません。でも、頭の中のサルのような思考はコントロールできます。
次のチャレンジに出会ったら、「どうして、私が?」と問いかけるのではなく、「このできごとから何を学べるか?」と自問してください。
理由を考えようとするとパワーを奪われます。
価値観に基づく行動をする
2つ目の鍵は、自分の核となる価値観に基づいて行動することです。
これはとても大切なことです。自分の価値観を見極める時間を取ってください。
価値観に基づいて、自信を持って行動すれば、自然に力が生まれます。
人生という教室では、自信があなたのインストラクターであり、価値観こそが、恐れや限界の物語を打ち破る力を持っています。
自分のことをがんの犠牲者だと思っていたけれど、病気を師として迎えようと考えを変えたとき、私は自己成長や自己実現を大事にするという自分の核となる価値観に従いました。
そうやって私は自信を解き放ったのです。
自信は培われていくもの
自信を選択したいけれど、恐怖や自分に対する疑いを起こすできごとがたくさんあるこの世界で、どうやって自信を選択できるのか?
こうあなたは聞きたいかもしれません。
3つ目の鍵は、自信は固定している特徴ではないと理解することにあります。
練習し、何度も繰り返せば、自信が培われていきます。
決められたレールからはずれるだけでも、自信が生まれ、私たちは成長します。
恐れとともに進んでいく
「自信を持つためには恐れを持たないことが必要だ」というナンセンスな考えは捨てましょう。
本当の自信は、恐怖とともに踊る術を学ぶことです。恐怖と自信は共存します。
恐怖という爆弾の向こう側には、目的への大きな招待状が待っています。
私がそのいい例です。
今日私はこのステージに立ち、皆さんに自信を解き放ってほしいと願っています。
自信は誰にでもあることを伝えたい。
自信を人生の副操縦士だと自覚すればするほど、自分の中にある自信に気づくでしょう。
/// 抄訳は以上です ////
自信に関するほかのプレゼン
自信を失わせる3つの習慣とその落とし穴にはまらない方法(TED)
私たちには選択する力がある
スミスソンさんは自信は特別な人が持つものではなく、私たち全員が選択できる力であると言っています。
私もそう思います。
どんな人も、自信のあることがひとつやふたつありますので、ほかのことに関しても、自信を引き出せばいいんです。
このトークからわかる自信を引き出すコツは以下の6つです。
・自信を選択する意識を持つ
・恐れを受け入れ、それと共存する
・核となる価値観を知る
・実践を繰り返す
・困難を成長の機会と捉える
・否定的な物語を手放す
このうち、特に難しいのは、困難を成長の機会と捉えることと、否定的な物語を手放すことだと思います。
困難を成長の機会として捉えるコツは、トークでも言っているよに、「なぜ私がこんな目にあうのか?」と考えるのではなく、「この状況から何を学べるか?」と質問を変えることです。
否定的な物語を手放すコツは、「たっぷりあるマインド」(ポジティブシンキング)が役立つでしょう。
たっぷりあるマインドになるおすすめの練習法6つ~もう十分ある、と考える。
どんなできごとも、最低でも2つの角度から物語を語れるので、前向きな視点で物語を作ってみてください。
がんの宣告はショックなできごとですから、いきなり前向きには考えられないと思います。
ですが、否定的に考えても、自分のためにはなりません。
自信もポジティブシンキングも、結局、自身の選択です。
私たちは選ぶことができるのを忘れないでください。
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スミスソンさんは、「自信を解き放つと、それは3つの鍵がついてくる」と言っています。
1つ目の鍵が何か明言されていませんが、トーク全体の流れから「自信を選択する意識を持つこと」がその鍵であると考えられます。
自信は私たちに与えられた力であり、すべてはそれを選ぶことから始まるというメッセージが繰り返し語られているからです。
2つ目の鍵は価値観に基づいて行動すること、3つ目の鍵はその行動を繰り返すことです。