野原に立つ女性

TEDの動画

自信喪失から立ち直るには?(TED)

自信がなくて一歩踏み出せない人に勇気を与えてくれるTEDトークを紹介します。

タイトルは、Freedom from Self-Doubt (自信喪失からの解放)。

講演者は、B.J. Davis(B.J. デイビス)さん。彼は薬物濫用とその関連の精神疾患を治療する機関のディレクターです。



自信を回復する:TEDの説明

A former felon, turned doctor, clinical director, and professor, Dr. B J Davis is living proof that our past doesn’t dictate our future. Our past can refine us. He shares his story of coming to the realization that he needed to create own miracle.

医者、臨床院長、教授を務める元重罪者のB.J. デイビスは、過去が未来を決めることはないことを示す生き証人です。

過去は私たちを磨きます。彼は、自分自身で奇跡を作るべきだと気づいた体験をシェアします。

動画の長さは13分57秒。英語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。

☆TEDが始めての人はこちらに説明があります⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

とても説得力のあるプレゼンです。





薬物で現実から逃避していた

私は薬物濫用とそれに伴って起きる精神疾患の治療をする機関の共同ディレクターです。

今の自分を当然のことと思う日は1日もありません。

1999年、私は2度めの仮釈放を受けました。

1度じゃ足りなかったんですね。

8年以上、薬物にかかわる重罪のため、刑務所で暮らしました。

10年以上、朝起きるとクラックを吸い、寝る前にクラックを吸っていました。

自分の時間のほとんどを、無力な自分や希望のない現実から逃げるために、ハイになることに費やしていたんです。

母からもらった大事な8000ドルの車を売って、20ドルの薬のかたまりを4つ買ったこともあります。

とても痛ましい思い出なので、この話を人前でするのは今日が初めてです。

飛び降り自殺はしないものの、人生をあきらめる寸前でした。

母が病気になった

しかし、2度めに刑務所に入ったとき、特別なできごとがありました。

2ヶ月たったころ、元妻から手紙が届きました。

誰よりも私が愛し、とても大切にしている私の母が、心臓発作を起こし、おそらく死ぬだろうという内容でした。

この人は私の実の母ではありません。実の母は、私が生まれてすぐに、私を捨てました。

本当の母親は、生涯自分の子供として私を育ててくれた女性です。

自分がどんな人間だったか、考えざるを得ませんでした。

病院で1人で寝ている77歳の母をなぐさめることができない息子になってしまいました。

母がもっとも私を必要としているときに。

現実逃避のためにハイになる自分勝手な要求を優先した息子でした。

変わろうと思った

このとき、自分が嘘をついて生きてきたと認めるしかありませんでした。

何年も私は、自分が、愛すべき息子で、誠実なパートナーで、子供を支える父親で、善良な市民だと皆や自分に言ってきましたが、それは違いました。

自分の人生を変えなければならないと思いました。

母が、自慢できる息子になるために。

こうして、小さな変化の種(たね)が、私の中に植えられました。

出獄したあと、学校に戻ることにしました。

体重240ポンド(約108キロ)の、中年で黒人の元受刑者が溶け込むのに、20代の白人中心の共学のコミュニティ・カレッジほど最適な場所はないですから。

いい先生に出会う

でも、私は幸運でした。この地元の学校で、人生を変えてくれた2人の教授に会ったのです。

先生たちとの交流のおかげで、薬物を使用するライフスタイルが、それまで私から奪っていた自尊心や目的、意味、自信を取り戻しつつありました。

自分で奇跡を生み出せるのだ、と気づいた瞬間を決して忘れることはないでしょう。

すべてはシーナ教授のオフィスに行ったときに始まりました。

私は自分のしたことをほめてもらおうと思って出かけました。賞賛を得ることが、私の新しいドラッグでした。

教授は私がしたことをに関する話を聞き、淡々とこう言ったのです。

「B.J.、素晴らしいわよね? 自分自身を信じ始めたとき、人はいろいろなことができるのよね」

その後、教授は、すぐに机に向い、何もなかったように、やっていた仕事を続けました。

教授のオフィスから出て、呆然と歩きながら、いったい何が起きたのか考えていました。

期待していたほど、賞賛してくれなかったことに、ちょっと腹も立てていました。

でも、このできごとが、私の中にあった変化の種をかきまぜたのです。

進学を勧められた

数カ月後、テスト中に、ミラー教授がサクラメント州立大学のカウンセリングプログラムの修士号課程の願書を私の席に置きました。

テストのあと、先生のオフィスに行き、願書を見せながら質問したんです。

「なんですか、これ?」

教授はためらうことなくこう言いました。

「きみには読む能力があると信じていますよ。自分でわかるはずです」

さらに私は、質問しました。

「ということは、私にできるということですか?」

教授は、忍耐強く淡々と、「もちろんです」と答えました。

そして、教授は、話は終わったとばかり、机に向き直りました。

このときも当惑しながら、オフィスから出ました。

でもこのときは、自信を喪失していた私の中に植えられた自分を信じる種が、根を張り、成長し始めました。

自分を信じるべきだと気づく

その瞬間気づきました。私を信じなければならない人は、自分自身なのだど。

目に涙があふれたとき、刑務所から出て、初めて自由を感じました。

3年後、長年の薬物使用のせいで感じていた恥ずかしさや痛み、絶望という感情的な足かせから自由になったのです。

私のような人間は何年もこう言われてきました。

「1度中毒者になったら、ずっと中毒者だ」

「1度犯罪者になったら、ずっと犯罪者だ」

「1度負け犬になったら、ずっと負け犬だ」

でも、これは、自分がそう信じたときだけ真実になると気づいたのです。

自信を失うことが、どれほど、自分を麻痺させるか、痛い思いをしてようやく学びました。

自己不信のせいで、人は、喜びより惨めさを、充実より空虚を、自由より囚われることを、選んでしまうのです。

そんな必要は全くないのに。

博士号を取得

2006年、刑務所を出て7年後に、私は、臨床心理学の博士号を受けるため、ステージの上を歩きました。

聴衆の中に、母がいました。

息子を心配して、眠れない夜を何度も過ごした母です。このとき、母は85歳でした。

母は私の受刑中に亡くならず、「こうなるはずだ」とずっと信じていた息子が、本当にそうなるのを見届けたのです。

1999年以前はこれが私の人生でした。希望も目的もありませんでした。

刑務所

これが現在の私の生活です。

充実した生活

自分を信じる力が人生を変える

人々が、立ち直って成功したり、リハビリがうまくいったりすると、皆、それを奇跡だと言いますが、こうした言葉にイライラします。まるで、努力や忍耐がなかったかのようですから。

自分自身を信じる力を得たから、人生の方向を変える力を得られたと私は言いたいのです。

だからこそ、私は、今、私と同じような問題を抱えている人たちに希望を与えることができています。

私は生き証人ですから。

人の過去が、その人の未来を決める必要はないと示す生き証人です。

自分で選択できる

私が得た教訓を得るのに、刑務所に行く必要はありません。というより、まったくおすすめしません。

でも、自分で選択できることを知っておいてください。

過去に自分を定義させる(define)か、磨かせる(refine)かどうか。

クリニックにやってくる、依存症や人生のつらい問題と闘っている何千人もの人に話していることがあります。

奇跡を待つ必要はありません。自分自身で作り出せるのです。

//// 抄訳ここまで ////

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自分を信じてみよう

B.J.さんは、10年も薬物中毒でしたから、この状態から抜け出しただけでもすごいのに、学び直しをし、博士号を取得して、今は、人を助けているのも、本当にすごいですね。

彼は、すべては自分を信じるところから始まった、と言っています。

自分を信じることはそれほどパワフルなのです。

汚部屋の片付けにしても、自分ならできると信じると、成功に近づきますので、自信喪失気味の人は、ぜひ、自分を信じてください。

汚部屋や買い物グセに悩む多くの人が、「こんなことも私はできないのか」と、自己嫌悪を感じていますが、この感情は、全く、自分を助けてくれないんです。

自己嫌悪は自分を嫌う気持ちですが、そんなに嫌いなら、もっと好きになれる自分に変わるべきです。

自信をもつ方法は、過去記事にたくさん書いています。

最近では、一昨日書いた記事が参考になるでしょう⇒ストレスを増やす5つの思考パターン~手放せばもっとシンプルに暮らせる。

今日、私がおすすめするのは、ネガティブなことばかり言うのをやめることです。

ふだんの言葉遣いを変えてみてください⇒毎日を楽しく過ごす簡単な方法。それは言葉遣いに注意すること。

無理に嘘っぽいポジティブなことを言う必要はありません。

モーニングページなどに、ネガティブなことをだらだら書いてもOKです。

ただ、「私にはできない!」という否定的な決めつけをしたところで終わらず、それ以外の可能性もあるのではないかと、もう一歩、考えを進めてください。

この作業は全くお金がかかりません。

その後、どんなに小さなことでもいいので、成功に近づく行動を積み重ねてください。

断捨離中に、「これを捨てるとあとで困るかも」と心配になったときも、「大丈夫、私がなんとかできるから」と自分を信じましょう。

その瞬間から人生が変わります。





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