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長いあいだ、ずっと片付けたいと思っているのに、片付けられません。という読者の質問に回答します。
整理収納アドバイザーの資格をとったのに、部屋を片付けることができないそうです。
では、まずメールをシェアしますね。ちょっと長いのですが、そのまま掲載します。
ペンネームは、「筆子さんたすけて」という方です。
ずっと片付けで悩んでいます
件名: 私がもし余命が一ヶ月だったら何をしておきたいか
上が高校生、中に中、小学生、下の子幼稚園のいる母親です。毎日朝早くから、遅くまで働いている真面目な夫の妻でもあります。
片付けは、ずっと私のテーマでした。
一番目の子供が小さい時からです。さかのぼれば、子供の頃からです。
片付けがうまくいかなくて、毎日追われている生活で今まで生きてきたたように思います。
だから思いっきり、子供と遊んだ毎日を過ごせなかったことを後悔しています。今もそうです。
5年前に大切な母が亡くなって一昨年大切な父がまた亡くなりました。
人生について悔いのないようにと、改めて自分の中で感じるようになりました。
そこから、金額がお高いですが整理収納アドバイザーの方に自宅に来ていただいて一緒にお片づけを一度しました。
いったんはすっきりしても、すぐにリバウンドです。また、整理収納アドバイザーの資格2級も金額が高く感じましたが、片付けを解決したいと思い、取りました。
でもそれで解決するわけではありません。
また今断捨離トレーナーの方にお願いしようかと悩みながらも、金額が高くて思い切りができないです。
また、自身が断捨離トレーナーになろうかと思うこともありましたが、金額が高いので勇気がないです。
また、最近はトレーナーの方の「ごきげん」という言葉が気になり、そこに入る勇気がないです。
筆子さんもはじめは、散らかったお部屋だったことを読んだように思います、、私もすっきりされた筆子さんになりたいと思っています。
スッキリしたら人生の原点となり、人生のスタートになるように感じます。
子供の中には、男の子で反抗期の子がいます。受験生です。悲しくなりますが、家の中の環境が解決の鍵となるように感じてます。
立つ鳥跡を濁さずの言葉が、看護学生の頃から、いつも心によぎります。
筆子さんに私の気持ちを聞いてほしい気持ちがあり、投稿しました。
漠然としたメッセージとなり、明確な質問の文でなくすみません。毎日多くの人のためにお返事されていてすごいなと思ってます。
お時間ないかと思うのですが、もしお返事していただけるなら、大変嬉しいです。
お便りありがとうございます。
メールの一番最初に、「ペンネーム、筆子さんたすけて。」と書いてあったので、これがペンネームなのだろうと解釈しました。
で、このペンネームは長くて呼びかけにくいので、便宜上、F子さんとお呼びします。
ようするに、F子さんは、小さいころから、片付けが苦手で、部屋がずっと汚くて悩んでいるのですよね?
整理収納アドバイザーと一緒に片付けたけれど、リバウンドしたし、自分自身が整理収納に関して学んだのに、あいかわらず部屋は汚い。
いま、断捨離のトレーニングを受けようかと思っているし、いっそ自分がトレーナーになりたいとも考えている。しかし、費用がかかるので二の足を踏んでいる、どうしたらいいか?
こんな質問だと理解しましたが、合っているでしょうか?
3つのことをアドバイスさせていただきます。
本当の問題は何なのか自分で見つける
ご自身でも、「漠然としたメッセージ」と書かれていますが、F子さんの、もっとも解決したい問題は何なのでしょう?
それを見つけない限り、問題を解決できません。
こちらに問題解決の方法を書いているので読んでみてください⇒お金に関する不安を手放す方法。悩んでいても何も解決しない。
F子さんのメールのタイトルは、「余命1ヶ月だったら何をしたいか」となっています。
あと1ヶ月しか生きられないとしたら、部屋の片付けをしたい、と思っているのですか?
違うと思います。
断捨離や、部屋を片付けることは人生の目的ではないです。まあそういう人もいるのかもしれませんが、人は、身の回りを片付けるために生まれるのではない、と私は思います。
自分の使命を果たしたい、望む生き方をしたい、と思うとき、部屋がスッキリしていたほうが都合がいいので片付けるのです。
自分は不幸だと感じている若い女性が、ダイエットを決意するとき、「やせれば幸せになる(つまり自分の問題は何もかも解決する)」と思いがちです。
しかし、やせたときに残るのは、自分がやせたという事実だけで、それは人生の問題とは何も関係ありません。
まあ、きれいになって自信がつき、前よりは楽しくなるかもしれませんが、やせても相変わらず、うつうつとした日々を過ごすことだって考えられます。
ダイエットの成功イコール幸福ではないのと同様に、断捨離の成功イコール幸せではないと思います。
そこは切り離して考えてはどうでしょうか?
お子さんが小さいとき遊んであげられなかったこと、また、いま、お子さんが反抗期であることは、部屋が汚いことと関係があるのでしょうか?
部屋が散らかっていても家族仲良く暮らしてそこそこハッピーな家はあるんじゃないかなあ、と思います。逆に、部屋の中がとてもスッキリしているのに、家族の心がバラバラの家もあると思います。
自分の課題を見つけるために
F子さんは、部屋が片付けられない問題以前に、大きな課題があるように思います。
以下のようなことを考えてみてください。
●いまの自分がもっとも求めていること
●なぜ片付けられないのか?
●いまの自分がもっとも解決したい問題は何か?
●すでに自分は何年も生きているのに、なぜ、新たな「人生のスタート」が必要だと感じるのか?
●これからどんな人生を送りたいのか?
リバウンドしない捨て方を知って実践する
以前、整理収納アドバイザーと一緒に片付けてたのに、リバウンドしてしまったそうですね。リバウンドしない方法をお伝えします。
部屋が片付かないのは物が多すぎるから
まず部屋が汚くなる理由ですが、一番は、物が多すぎることです。
家の収納スペースに入り切らないほどのたくさんの物を持ったり、自分の管理能力を超えるほどの物を持っているから、部屋が片付かないだけなのです。
私も若い頃は、散らかった部屋に住んでいましたが、その原因は、物が多すぎたからです。これに尽きます。
もう使わない物や、持っていても意味がない物を処分したら、簡単に片付くようになりました。
私は、特に物の整理や収納、掃除が得意なほうではありません。ごく一般的な管理能力を要していると思います。
家事が好きなほうでもありません(むしろ嫌いです)。
それでも、スッキリした環境で暮らしているのは、物が少ないからです。
いろいろな物を整理したり、収納しようと試みる前に、いらない物をばさっと捨ててしまうことをおすすめします。
F子さんは、お子さんが4人いてお忙しいと思います。そういう忙しい人ほど、所持品を減らすべきです。物は少ないほうが絶対ラクです。
物を減らしてしまえば、人を雇って片付けてもらう必要は生じません。
物を捨てる方法は過去記事にたくさん書いていますので読んでください⇒まとめのまとめ:捨てるコツをぎゅっと詰め込みました。
物を増やさない生活習慣を身につける
不用品を捨てながら、物を増やさない生活習慣を取り入れるようにしてください。
以前、リバウンドしてしまったのは、捨てたあと、物を増やす生活習慣や、散らかす暮らし方を変えなかったからだと思います。
誰かに一気に捨ててもらうと起こりがちな現象です。
他人と一緒にがーっと捨てたとき、確かに部屋は片付きます。しかし、自分自身は何も変わっていないのです。
物理的な物は捨てたものの、物を増やす生活習慣は捨てることができず、そのまま残してしまったのではないでしょうか?
だから、また部屋が散らかったのです。
物を捨てながら、「どうしたら、今後、物が増えないか」ご自身で考え、そういうライフスタイルを取り入れるようにしてください。
過去記事が参考になると思います。
これならもうリバウンドしない、断捨離習慣を身につける7つの秘訣
せっかく片付けたのになぜリバウンドする?断捨離後にきれいな部屋を保つ3つの秘訣
もっと自信をもつ
最後にお伝えしたいのは、もっと自分に自信を持つことです。
F子さんのお便り全体に、自分を嫌う気持ち、卑下する感情、自分の人生を後悔している気持ちがただよっています。
一言で言うと、セルフエスティームが低いです。
セルフエスティームとは?⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴
ですが、実際のF子さんは、お子さんを4人育てながら、整理収納アドバイザーの資格を取ったりする、わりとがんばっている主婦だと思います。
そうした自分ががんばっているところ、自分の得意なところ、自分のいいところにもっと目を向けてください。
部屋が汚いからといって、そこまで自分に自信を失うことはありません。
人の生き方はさまざまですから。
いまは、「モノを捨てて、スッキリした部屋に住むほうがよい、そのほうがかっこいい」といった風潮があるかもしれません(ないですかね?) ですが、こんなものは、いつでも逆転します。
そのうち、「物が少ないのはダサい、こだわりの物に囲まれる生活がよいのである」という人が増えるかもしれません。
そうした世の中の流れとはべつに、自分自身の信じる道を行く軸のようなものを持ってください。
こちらを読んでみてください⇒もっと自分を好きになろう。ラディカル・セルフ・ラブのすすめ(TED)。
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今回は読者の質問に回答しました。
断捨離すれば、何もかもバラ色になる、と思いがちですが、そんなことはありません。
人間生きている限り、いろいろな問題や課題にぶつかります。けれども、自分の望む生活を見据えて、考えながら環境を整えていくと、ちょっとやそっとのことでは、動じない自分になります。
「捨てさえすればうまくいくのだ」と、思考停止状態になるのではなく、いろいろ考えながら捨てるとよいでしょう。