ランドリーバスケット

ミニマルな日常

最終更新日: 2019.03.21

不用になって捨てるとき苦しむのかと思うと、必要な物も買えない

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コツコツと実家の片付けをがんばっている読者Nさんの質問に回答します。

捨てるのがとても苦手なので、あとで捨てずにすむように、必要な物を買わないでいる。これも、結局、物に執着していることなのかしら、というご質問です。

まずメールをシェアしますね。Nさんからです。

Nさんは、質問を3つ書かれていましたが、今回は一番最初の質問のみ、とりあげます。

メールが長いので、読みやすさを考慮して、私のほうで小見出しを入れました。



私は物に執着しているのでしょうか?

コツコツと実家を片付けています

こんにちは。

一昨年秋、「ちょっと前に親父が死んだと思ったら最近兄貴まで死んで、このまま一生遺品を片付け続けるのかと思うと空恐ろしい(大訳)」という内容のメールを送り、メールとブログでご返事をいただきました、Nと申します。

この時の者です⇒物がいっぱいの実家の断捨離や遺品整理で疲れています←質問の回答。

その節は本当にありがとうございました。

あの後も、まあ細々と地道にやっております。筆子様のブログは、いつも楽しく(ほんとに楽しいです!)拝読しています。

今回メール差し上げるのは、ご相談ではなく、「筆子さんならどう考えはるかしら?」という興味です。

急いでるわけではないので、メールでご回答いただかなくてもかまいません。ブログでご意見いただける場合、本文引用は問題ありません。

なお、私はミニマリストではないし、それを志向してもいません。

ただ、物だらけの実家を片付けながら(現在も継続中です)、こうはなりたくないなあとしみじみ思ってはおります。

私は家に物を入れないことは得意です

一つ目は、いわゆる「断捨離」についてです。

一般に、ため込んだものを捨てることを「断捨離」と呼ぶことも多いようですが、

断=新たな物を持ち込まない、捨=既にある物を捨てる、離=物への執着から離れる、

が原義と認識しております。

このうち私、「断」は昔から得意です。子どもの頃から物量過剰の家にうんざりしてたので、とにかく持ち物を増やさないことはずっと心がけてきました。

3足1000円の靴下を1足だけ買うのも平気だし、アマゾンをはじめ通販はよほど必要に迫られないと使わないし、ノベルティももらわないし、100均で買い物もしません。

一方、捨てるのは苦手です

その分「捨」がものすごく苦手で、特に「まだ使えるけどもう使わない物を捨てる」がほんとにダメです。

「寿命を全うさせてやれない」罪悪感がハンパないんです。

ブログの中では、「手放す」と「捨てる」を同列に使っておられることがままありますが、私にとってはこれは雲泥の差です。(これについては後述します)

そんなわけで、私の「断捨離」は、

断はOK、捨は要努力。そして離は、なんか精神論みたいだから無視無視、と、

そういうスタンスで考えていました。

洗濯機をめぐる問題

ところで私には実家と新居があり、今は片付けのために実家7割・新居3割ぐらいで暮らしています。

ところが、洗濯機が新居にしかありません。

なので、実家で3日ぐらい暮らしたら、翌日は洗濯物を持って新居に行って洗濯し、その日は新居に泊まって、また翌日洗い上がりを持って実家に帰ります。

私は会社員なので、洗濯の日は一旦会社へ汚れ物を持参、新居へ帰宅して洗濯。

翌日も洗濯物を持って出勤、実家へ帰宅。という行程をとっており、週に2回洗濯をするために、週4日、重い洗濯物をあっちへこっちへ持ち歩いているのです。この2年間。

このめんどくささを解決するには、実家にも安い洗濯機を買えばいい。

が、あと1~2年で明け渡すつもりの実家のために、新たな家電を増やしたくないのです。

実家を空ける時、1~2年しか使ってない洗濯機の去就に頭を悩ませること必至、と思うと。

(さっさと実家をカラにして新居に移る、という案は、ここではナシとします。これを目標にがんばりすぎて、初年度疲れきってしまったので)

私は物に執着しているのか?

つらつら思うに、これがいわゆる「物への執着」ってことかしら?と。

ここをカラッと考えられる人なら、「必要な物は買えばいいし、不要になったら捨てればいい」で、サクッと洗濯機を買うと思うんです。そんな高いものでもないし。

私が考えないできた「離」が、ココでのしかかってきてる気がします。

「いつ必要になるかわからないから物を持っておきたい」と、「いつ不要になるかわからないから物を持ちたくない」は、同じ業なのかなあ、と、このへんについて、筆子さんや、ミニマリスト志望の方のご意見を聞いてみたいなあと思います。

(実は洗濯機に限らず、「捨てる際の苦悩を思うと買えない」を理由に、読みたい本も買ってない(読んでない)ものが多いです。

気に入った本は何度も読むタイプなので、アーカイブがパンクするのが怖くて…なんですが、すごく本末転倒な気がしています)





Nさん、こんにちは。メールありがとうございます。

いつもブログを楽しく読んでいるとお聞きし、とてもうれしく思います。

いまを生きていない人たち

「いつ必要になるかわからないから、いま使っていない物でも、使わずに持っている」という考えは、「いつ不要になるかわからないから、たとえ必要としている物でも持たずにいる」という考えと、同じ業か、という質問に答えます。

この2つは、いまを生きていない、つまり、いまの暮らしを大事にしていない、いまの生活を充実させることに意識を向けていない、という点で、同じだと思います。

先日、インテリアが好きな方から質問をいただいたのですが⇒インテリアが趣味で、部屋も倉庫も物だらけで困っています

この方は、「もうあと少しで家が建つ。そしたら、いま、倉庫や部屋にある物が全部入るから」という理由で、2年以上ずるずると、汚部屋にお暮らしです。

Nさんは、「もうすぐ、実家は手放すから、そしたら洗濯機はいらなくなるから」という理由で、買わずにいるんですよね。そして、不便な暮らしを強いられています。

お互い、よく似てるんじゃないでしょうか?

Nさんが執着しているもの

そうした、いまを大事にしないライフスタイルが、断捨離の「離」で話していることと同じか、つまり私は物に執着しているのか、ですが、これは違うと思います。

Nさんが執着しているのは、「物を100%、完璧に使い切る(Nさんの言葉で言えば、寿命を全うさせる)こと」だと思います。

使い切ることに、とてもこだわっているのです。

例をあげれば、

・スマホやアイパッドを買ったら、すべての機能を使い切りたいから(支払った金額の元を取りたいから)、使い方を調べるのに多大な時間とエネルギーを使う、ずっと「便利な使い方」を探し続ける

・そのガジェットを利用しつつも、いつも、「もっと上手な(得する)利用法があるんじゃないか? 自分の使い方では損をしているのではないか」と考え、いま、便利に使っている現実を、肯定的に受け止められない

・買った物についてきただけのショップの袋やクッキーの空き缶を、なんとかして、別のことに使いたいとがんばる。べつの用途に使うまでは、捨てないで持っている。そのため、その袋や缶を整理せいとんしたり、管理する方法まで考えるはめになる

こんな人たちです。

いわゆる貧乏性、または欲が深い人と言えましょう。

私も、以前はその傾向が強く、付録をなんとか使いこなそうと無駄なことにエネルギーを注いできました⇒2度と付録目当てで雑誌を買わないと誓った日:ミニマリストへの道(53)

しかし、すべての物を100%使い切ることは、なかなかできません。なぜなら人の暮らしは変わるからです。

自分で使い切れなかったら、ほかの人に譲れば、また便利に使ってくれるチャンスが生まれるでしょう。

だから、私は使っていない物(いらない物)を、無理に自分で使おうとせずに、必要だと思っている人に渡したほうがいいと考えています。

そのためには、物を家の外に出す、つまり、自分の所有物でなくする必要があります。

しかも、物はいつか必ず不要になります。用済みになるんです。

自分が一生持ち続けるものは、自分の肉体、さらには、肉親とのつながりといった目に見えないものです。

いつかは必ず不要になるのだから、「これを買っても、いつ不要になるかわからない」という恐怖を感じる必要はありません。

洗濯機の問題について

今回の問い合わせは、ただ、筆子の意見を聞きたいだけで、何か解決したい問題があって、そのためのアドバイスを求めているわけではない、とNさんは書かれています。

ですので、これから書くことは余分なことかもしれませんが、一応、洗濯機についても、書いておきます。

もし、私がNさんだったらどうするか?

新居にある洗濯機を実家に持ってくる

いま、生活の拠点は実家なのですよね? それなら、そこに洗濯機を持ってこればいいだけではないでしょうか?

「実家は物だらけで洗濯機を置く場所なんてない」など、さまざまな問題(障害と思えるもの)があって、新居に置いているのかもしれませんが。

コインランドリーを利用する

実家のそばにコインランドリーがあったら、そこで洗濯します。

「新居に洗濯機があるのにもったいない」と思うかもしれません。しかし、1人の人間に、家が2つも3つもあったら、そういうことが起きるのは致し方ないのです。

「ちゃんと洗濯機を使わないともったいない」と思うその裏で、Nさんは、貴重な時間と体力を失っています。

すると、実家の片付けだってなかなかすすみません。私はコインランドリーに支払うお金より、時間のほうが大事だと考えます。

お金は、また入ってきますが、失った時間は2度と戻ってきません。

その点についてはこちらの動画をごらんください⇒ミニマリストの部屋公開~最小限のモノで生活して40歳でリタイヤした男

洗濯機を借りる

家具や家電をレンタルしている業者がいます。そうしたサービスを利用して、洗濯機を借り、それで洗濯します。

手洗い(大物はコインランドリー)

一人暮らしをする人の中には、洗濯機を持たない人もいます。

私も、学生時代(カナダでの話)、一時期、洗濯機がなかったことがあり、そのときは、手洗いをしていました。

当時は、べッドに寝ていたから、シーツや枕カバーを使っていました。

いまは、寝具はぐーんと減らしたし⇒ミニマルな寝床を実現~床に毛布をひいて寝るようになって4ヶ月、こんな変化あり、複雑な服装をしないので、体力がなくなった老後であっても、洗濯機がなくてもいけるかもしれない、と思います。

カナダの場合、賃貸だと洗濯機がついてくるので、ふつうに使っていますが。

以上の4つの解決策がうまくいかなかったら、その時、はじめて、洗濯機を買うことを考えるでしょう。

その他言っておきたいこと

ミニマリストといっても、価値観はさまざまです。すべてのミニマリストが私と同じように考えるとはいえません。

きょう書いたのは、あくまで私個人の意見です。

それと、私は、やましたひでこさんが話している断捨離についてそんなに詳しくありません。

本を1冊読んだだけです⇒やましたひでこの『基本の断捨離21のルール』をミニマリストの視点で読んだ感想

「断捨離」という本が世に出て、話題になっていたとき(2010年?)、すでにカナダにいたので、そんな本のことは何も知らなかったし、テレビ、新聞、雑誌というメディアでも見ていませんでした。

ですから、あくまで、ウィキペディアに書いてある「断捨離の離は、物への執着をなくすことである」という意味に照らし合わせて、ご質問に回答しました。

それでは、2つ目、3つ目の質問にはまた後日回答しますね。しばらくお待ちください。





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