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ジャンクフード(junk food)は体に悪いということを知らない人はいないでしょう。そもそもジャンクフードのjunkは、「ゴミ」という意味です。
「ゴミのような食べ物」と言いながら、みんな毎日うれしそうに食べています。きょうは、なぜ人はゴミを、いえ、ジャンクフードを食べるのをやめられないのか、その秘密を探ります。
ジャンクフードとは?
そもそもジャンクフードとは何をさすのでしょうか?
ジャンクフードの定義は、これ、というふうには決まっていないのですが、一般に、カロリーは高いのにほとんど栄養がない食べものを指します。
代表的なジャンクフードはポテトチップス、甘いお菓子(クッキーやキャンディ、ケーキ、アイスクリーム)、清涼飲料水(コーラなど甘いもの)、その他のスナックもほとんどジャンクフードです。
食品をジャンクフードたらしめるものは、過剰な砂糖(白砂糖、フルクトースなど)、精製度の高い炭水化物(白い小麦粉)、過剰な脂肪分、過剰な塩分、食品添加物です。
たいていのファーストフードがジャンクです。ハンバーガー、フレンチフライ、フライドチキン。おやつに食べる加工食品も一部の例外をのぞいてジャンク。
たいてい砂糖がいっぱい入っていますから。
とは言え、何がジャンクで、何がそうでないかは時と場合によります。
「ファーストフードでもピザはジャンクではない」という人もいます。確かにクラストとトッピングを選び、食べ過ぎなければジャンクではないかもしれません。食べ過ぎなければ。
厳密に考えると、スーパーに並んでいるもので、本当の食品(リアルフード)でないもの、つまり加工食品は限りなくジャンクに近い気がします。たとえば、インスタントラーメン、カップ麺、コンビニで売っているスイーツなど。
加工食品について⇒加工食品のメリット、デメリットを知り健康的な暮らしを目指す
リアルフードでないものは、全部ジャンクフードと呼んでしまってもいいのかもしれません。
ジャンクフードの中でも、ジャンク度の強いものと、まだましなものがある、と言えばいいでしょうか。
なぜジャンクフードはジャンクと呼ばれるのか?
ジャンクフードがゴミなのは以下のような理由からです。
●栄養がほとんどない
栄養がないのに、カロリーがあるので、体によくありません。どんなふうに体によくないのかは、次の項目でまとめます。
●食べ過ぎてしまう
リアルフードのような満腹感がないし、ある種の中毒性があるので、必要以上に食べ過ぎてしまいます。するとカロリーと塩分を摂り過ぎてしまい、健康に悪影響があります。
食べ過ぎてしまう理由も後述します。
●栄養のある食べものの代わりに食べてしまう
手軽なジャンクフードを食べてしまうことで、本来食べなければならない食品の摂取が妨げられてしまいます。
たとえば、コーラなどの清涼飲料水をたくさん飲んでいたら、水を飲む量が減ります。
健康における水の大切さ⇒こんなに水はからだにいい~今すぐ水を飲むべき7つの理由~ミニマリストへの道(32)
まともな料理を作るより、ファーストフードを食べるほうが簡単だから、そういうものですませてしまう人もたくさんいます。安いし、手軽なファーストフードを買うことは、自炊するよりずっとラクだし、家計にもやさしいかもしれません。
貧乏な人ほど、ジャンクフードを食べ過ぎて、肥満である、と言われます。確かに健康にいい野菜や果物は、高いといえば高いです。
ジャンクフードは工業製品なので、安く作ることができます。
ジャンクフードが健康に及ぼす害
ジャンクフードが体にもたらす害はたくさんあります。代表的なのは
- カロリーを摂り過ぎて肥満ぎみになる
- インスリン抵抗性のもとになる
インスリン抵抗性とは、体内でインスリンが正常に機能しない状態です。この病気になると、すい臓からインスリンが分泌されても、血糖値が下がらず、2型糖尿病になるリスクがぐんとあがります。
詳しくはこちらをどうぞ⇒肥満はもっと大きな問題を秘めているのではないか?(TED)
- 高血圧
- 血糖値があがる
- コレストロール値があがる
- 心臓病の引き金になる
- 頭痛がする
- 動悸
- むくみ
- 歯が悪くなる
- うつ
- 骨が弱くなる
- にきび
これらの症状は単独で表れるのではなく、互いに関連しあっています。
「なぜジャンクフードで頭痛やうつが起きるの?」と思うかもしれません。
ある研究によると、ファーストフード(ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ)や、市販の焼き菓子(ドーナツ、マフィン、クロワッサンなど)は、脳の神経回路に、ある種の影響を与え、これが頭痛や、うつを引き起こす、とのことです。
もちろん、うつになる原因はジャンクフードだけではありません。ジャンクフードをたくさん食べるライフスタイルがよくないとも言えます。
あまりよくない食習慣を持っている人は、生活のほかの部分でも、問題があることが多いです。
忙しすぎてストレスが多いとか、独り身だから食事や睡眠に気を使っていないとか。
現代生活において、毎日、健康にいい物を食べるのは、かなりチャレンジングなことだと思います。
ジャンクフードはうつの直接の原因ではないかもしれませんが、うつの人が食べると症状を悪化させる、と言うことはできるでしょう。必要な栄養がとれませんから。
それに甘いものを食べすぎると、情緒が不安定になるので、その意味でも、ジャンクフードが感情に影響を与えるのは確かです。
甘いものの害について⇒砂糖の害について書いた記事のまとめ
ジャンクフードを食べ過ぎると脳が縮んでしまう、とすら言われています。それも、記憶や学習の鍵を握る部分が小さくなってしまうそうです。
なぜジャンクフードを食べるのをやめられないのか?
事ほど左様にジャンクフードは危険な食べものなのに、多くの人は、食べることをやめません。その理由は:
●おいしいから
ジャンクフードを食べるとある種の強烈なおいしい感覚が口の中にひろがります。このセンセーションの元は、味だけでなく、香りや食感、舌触りが大きな役割を果たしています。
食品メーカーは多大なお金をかけて、人々がおいしいと思う食感を研究しています。
ハンバーガーの肉のジューシーな味わい、ポテトチップスのパリパリ、コンビニスイーツのスポンジのやわらかさやしっとり感、クリームのとろとろ感、白玉だんごのもちもち感、ソーダが口の中ではじける感じ。こんなものを開発するために、メーカーは日夜研究しているのです。
こういう食感はみんな作られたものです。
●脳の報酬系をうまく刺激する
人が、種(しゅ)の保存(サバイバル)に役立つ行動をすると、脳は「よくやった、またやってね」というサインを出します。このサインを出すのが報酬系です。
脳が「またやってね」と人に命じるとき、「うれしい、ハッピー、快感だ」という気持を生じさせます。
種の保存に直接かかわる行動の代表は、「食べること」です。
物を食べると、「それはいいことです」という印に、脳は、ドーパミンなど、気分のよくなる神経物質を分泌します。
おいしいものなら、何を食べても、うれしい気持になるのですが、ジャンクフードはとりわけ、脳が喜び快感を感じる味を持っています。
食べるたびに、毎回、脳は「よくやった、また食べてね」というサインをガンガン出します。すると、ジャンクフードを食べることがすっかり習慣になってしまうのです。
習慣が作られるメカニズム⇒悪い習慣を断ち切る簡単な方法(TED)マインドフルネストレーニングのすすめ
なぜこんなふうに脳が喜ぶかというと、食品メーカーは人(脳)が大好きな塩分、砂糖、脂肪分の配分を研究し、そのように食べものを作っているからなのです。
●満腹感があまりないので食べ過ぎてしまう
ポテトチップスを一袋まるごと食べてしまう人がいるのは、カロリーは充分に取りながらも、脳に、「もう満腹です」という信号がいかないからです。
あまり噛まないまま胃に送り込まれる食べ物は、満腹中枢を刺激しません。
ジャンクフードは食べやすく、短時間にささっと食べることができる食品が多いです。
最近ポテトチップスを食べていないので、味を忘れつつあるのですが、パリパリとしているものの、口の中でとけるような感じがしますよね?
おやつはあまり噛まなくても食べられてしまう物が多いです。
ジャンクフードにあまり満腹感がないのは、食感や食べやすさだけではなく、その栄養(タンパク質、脂肪、炭水化物など)の構成にも要因があるそうです。
口や胃の中にある細胞は、これらの栄養を感じ取り、脳に満腹感に関する情報を送るのですが、ジャンクフードは、「まだおなかいっぱいでない」という情報を送るようにデザインされているのです。
恐ろしいですね。
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そもそもジャンクフードというのは、メーカーが金儲けのために作っている食べ物なのです。人類の健康や幸福のために供給されているものではありません。
ジャンクフードを食べるのは完全に習慣。大人は自己責任ですが、小さい子供に安易に与えないほうがいいでしょう。
うちの娘は夫の影響で、子供のころは、そこそこハンバーガーを食べていました。しかし今はそれほどでもありません。
友達に、ヨーロッパ系の人が少ないせいか、外出したときはアジアンなファーストフードを食べることが多いようです。これはこれで、あまりヘルシーではないけれど、多少はましだと思っています。