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お父さんに「ピアノを手放してもらいたい」と切に願っている読者のお便りに返信します。
具体的にアドバイスを求められたわけではないのですが、お便りに返信を希望されているので、記事で回答することにしました。
この方以外にも、「家族に、(自分の目から見た)ガラクタを捨ててもらいたい、もう少し所持品を整理してもらいたい、でもそうしてくれない、どうしたらいいか?」という質問はとても多いんです。
過去にも類似の質問に答えていますが、今の私の気持ちを書きます。
では、まずメールをシェアしますね。博多ミントさんからいただきました。
父にピアノを手放してもらいたい
件名:ピアノ売ってほしい〜
現在無職なのですが、この期間に自分の終活に片をつけたいと思い、就活ならぬ終活を粛々と進めている30代主婦です。
自分の住む家は数年前から定期的にモノの見直し・断捨離をしてきており、気がつけばだいぶミニマリスト寄りになっていました。
一方、実家に置いてきたモノ(いま思えばありとあらゆる思い出品)は思い切った断捨離はしていなかったのですが今回かなり進められ、アルバムや少しの絵日記くらいにまで絞り込むことができました。(取っておきたいと親が譲らず、手放せなかったものも多数…はたまた捨てていたのにあらぬところにこっそり戻されていたり…驚愕)
人に指摘するより先ずは自分から、と思い自分のモノに関してはスッキリできましたが、いま1番解決したいことは、もう十数年誰も弾いていない(これからも弾く気はない)ピアノを父が手放つ決意ができないことです。(以前は買取や寄付を検討していたようなのですが、今では話をはぶらかされるようで)
そのピアノは父が幼少期に買ってもらったドイツ製の象牙鍵盤の茶色のピアノという何とも個性的なピアノですが、父自体はピアノは小学生で辞めています。(なのに1番思い入れあり?笑)私は嫌々ながらも大学生まで習いました。
先日ピアノのテキストやノートは全て捨ててスッキリしました。
実家はマンションですし、リビングも広くないので一日も早くピアノを手放し少しでも広いスペースができればと思います。
父を説得する術が思いつきません。
話をちゃんと聞いてくれなさそうですし…。
弾いてくれる人の元へ行ったほうが良い、とは話しましたが…。
最後に、私がこの終活で手放したものたちを参考にはならないかもしれませんが記します。
ついつい熱い長文になってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました!
【実家の断捨離〜終活〜】
– 書類(教科書ノート類)
– 手帳(日記)←これを万が一死ぬ前にさっさと捨ててしまいたかった!
– ビデオ
– マンガ
– 絵本・本
– ピアノのテキスト
– おもちゃ・キーホルダーなど
– 賞状・作品など思い出の品
– 思い出の品
– 手紙(靴箱に5箱分ほど)
– デジカメ
– ひょんなとこから出てきた大量の古いお守り ▶︎神社へ
– 外貨 ▶︎両替・残りは募金
ミントさん、はじめまして。メールありがとうございます。
実家の片付け、お疲れさまでした。スッキリしましたね。
30代で終活ってもう死んだあとのことを考えているのですか? まあ、人はいつ死ぬかわからないので、べつに20代や30代で終活を始めてかまわないのですが。
39歳で子供を生み、育てようとしていた私には、なかなか想像できないことです。私はいまだに遺言書の作成もしておりません。
さて、お父さんがピアノを手放さない問題ですが、ミントさんには2つの選択肢があります。
1.お父さんを説得する
2.ピアノはお父さんのものだから、その処遇はお父さんに任せる(自分は関知しない)
それぞれについて、やるべきことを紹介します。
1.お父さんを説得する
ミントさんはもう実家を出ていて、ふだんは現在の自宅に住んでいるのに、もはや他人の家である実家にあるピアノ、しかも、お父さんが所有しているピアノになぜそこまでこだわるのか?
その理由は、私にはわかりません。
お父さんにピアノを処分してもらうことが
・ミントさんにとって、とても重要なことで、自分が死ぬ前にどうしてもこれだけはしておいてもらいたいと思うこと(ピアノの件は終活の1つですよね?)
・お父さんにとってとても有益なこと
であり、ピアノを放置すると、お父さんの身に危険(心理的にも物理的にも)が及ぶようなら、説得を試みてください。
説得の方法は過去記事に書いています⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
この記事も参考になるでしょう⇒リフォームをしたがらない両親を説得するには?
説得に必要なのは、コミュニケーションです。「私の話を聞いてくれなさそう」と思い込まず、地道に粘り強く、話をしてください。
話し方のポイントなどは、上でリンクした記事に書いているし、「家族」「説得」「話し合い」というキーワードでブログ内を検索していただくと、類似の質問に回答した記事が出てくるはずです。
2.お父さんの好きにさせる
ピアノはお父さんの物なのだから、お父さんの好きにさせるという方法もあります。
私ならこちらを選びます。
ミントさんは、今、終活をしているけれど、お父さんはそんな気はさらさらないのでは?
ミントさんは30代ですから、お父さんは私の世代か、もしかしたら私よりは若いかもしれませんね。
私は、まだ死ぬとは思っておらず、事故にあうか、大きな病気にかからなければ、80歳ぐらいまでは生きるだろうと思っています(だから、具体的な終活は何もしていない)。
お父さんも私と同じような気持ちでいて、身の回りの物を整理することより、もっと重要なこと、考えたいこと、やりたいことがたくさんあるんじゃないでしょうか?
ピアノを処分することは、お父さんにとってとても優先順位が低いことなのだと思います。
こうしたことは、お父さんにしかわからないことです。
自分が終活をしているからといって、他人に同じことをさせようとするのはよくありません。
3.状況をコントロールしようとしない
物が少ない暮らしはよいことだと信じて、所持品をどんどん減らしていると、家族が捨てない物が気になることがありますよね。
そもそも、人の物は何でもガラクタに見えやすいんです。だから、「捨ててもらいたい、捨ててもらわなくては」と強く思ってしまうことがあります。
ですが、冷静に考えると、他人の物の管理まで自分がすることはないのです。
自分の物の管理だけでも、けっこう大変ですから、お父さんの物はお父さんに管理してもらってはどうでしょうか?
状況を自分の思い通りにしたい、コントロールしたいという気持ちが強いと、他人の物まで、なんとかしたいと考えてしまうものです。
人間誰でも、「物事が思い通りになったらいいな」と思っていますが、この気持ちが強すぎると、ストレスが増えます。
なぜなら、人生には、自分がコントロールできないことがたくさんあるからです。
過去記事にもさんざん書いていますが、自分でコントロールできることや、自分のちからが及ぶ範囲のことで、なおかつ、コントロールすることで、自分にも周囲や社会にもプラスの効果をもたらせることだけをコントロールしようとがんばるのがいいと思います。
自分でコントロールできないことや、自分がしゃしゃりでると、相手のためにならないことは、手出しするのはやめたほうがいいでしょう。
このままでは自分が困る、どうにかしたい、相手に変わってもらいたい。そんなことがあるときは、相手を変えようとするのではなく、自分の思考や行動を変えたり、環境を変えたりするといいですよ。
もし、「実家に行くたびに、ピアノが邪魔ですごい目障りだから、ピアノを捨ててもらいたい」と思うなら、ピアノのない部屋で過ごすか、実家以外の場所で両親に会えばいいですよね。
今は、「父親にピアノを捨ててもらうしか、私の問題の解決策はない」と思っているかもしれませんが、自分ができることを冷静に考えてみると、それ以外の解決策も見えてくるはずです。
それでは、博多ミントさん、これからもお元気でお暮らしください。
■関連記事もどうぞ
趣味のフィルムカメラやデジタルカメラを大量に持っている父。どうしたら捨ててくれるでしょうか?
まとめ記事もあります⇒家族に物を捨ててもらいたい人へ。他人の物が邪魔なときに読む記事のまとめ。
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「実家にあるピアノを処分してもらいたい」と思っている読者のお便りに返信しました。
世の中、いろんな人がいて、ミニマルライフじゃない生き方を好んでいる人もたくさんいます。というか、たぶん、そちらが主流派です。
私も、「自分の物だけを捨てているのならまだしも、他人にそれをすすめるなんて、言語道断」というメールをもらったことがあります。
相手が大事な家族なら、相手の生き方を尊重するほうが、仲良く暮らすことができるでしょう。