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お母さんが百均でたくさんの物を買い、私に押し付けるし、夫がどうでもいい物をいつまでも捨てないから家の中が片付かない、どうしたら片付くか、という質問をいただきました。
家族がからむ質問は、事情がよくわからないのでひじょうに答えにくいのですが、回答してみます。
まずメールを紹介します。Yukoさんからです。
家族のせいで家中に物があふれかえっている
件名:買い物依存の母親と、コレクターの夫
いつも楽しく拝見しています。
私は物を少なくシンプルな生活を目指している50代の女性です。
しかし家の中は不要なもので溢れかえり、毎日イライラしています。
その原因は近所に住む買い物依存の高齢の母と、細々したおまけコレクターの夫のせいなのです。
母は昔から買い物依存でしたが、最近は100均ショップで同じものを何個も買って(しかもほぼ毎日)それを我が家に持ってくるのです。
チープな座布団やらキッチン道具、食器、洗剤、食べ物。靴下etc。本当に頭にきます。
何度迷惑だと言っても聞き入れず、受け取らなければ勝手に玄関前に置いていく。
縁を切りたくなります。
もう1人のイライラの原因の夫は、飲み物についてくる小さなおまけや買うともれなくついてくるもの、チケットの半券、レシート、チラシなどを捨てずに、しかも子供の頃から集めたものまで捨てずにしまいこんでいます。
自分の部屋が片付いていない、汚いとは全く思っていないので問題なのです。
私はこの2人を断捨離したいくらいです。
どうすれば良いのでしょう。
どうしたら片付くのでしょう。
もう心療内科のお世話になりそうなくらい悩んでいます。
Yukoさん、お問い合わせありがとうございます。
家中に物があふれかえっているのですね。それは大変ですね。
かなりストレスがたまっているようなので、一度、セラピーを受けてもいいかもしれませんね。
イライラの原因は物だけじゃないと思いますから。
さて、もし私だったらどうするか、ですが、実は似たような質問にもう何度も答えているため、また同じ答えを書くしかありません。
以下の方法を試してみて、うまくいかなかったら、どこがどんなふうにうまくいかないのか書いて、再度質問してください。
1.現状を冷静にアセスメントする
悩んでいるときは、とりあえず何を悩んでいるのか、紙に書くことをおすすめします。
表面的な問題だけでなく、なぜそんなことが起きているのか、その理由も考えて書いてください。
メールを拝見して思ったのですが、お母さんは、「持ってこないで」と娘が言っているのに、なぜ、物をたくさん置いていくのでしょう? 自分の家はもう置き場所がないからでしょうか?
それとも、人の意見は無視する人なのでしょうか?
それとも、Yukoさんの言っていることが伝わっていないのでしょうか?
Yukoさんは「持ってこないでほしい」と頼むとき、理由も話していますか?
人に何かを頼むときは、説得力のある理由をそえたほうが効果的です⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
毅然とした態度で、「いらない物を持ってこないでほしい」と頼んでいますか?
Yukoさんが「たくさん」と思っているだけで、冷静に数えてみると、それほどたくさんでもないのでしょうか?
お母さんは、なぜそんなに大量の物を買うのでしょう?
お金はどこから出ているのでしょうか?
お父さんはいったいどう思っているのでしょうか?
お母さんは娘がかわいいはずなのに、なぜ娘のいやがることをするのでしょう?
娘がいやがっているとわかっていないのでしょうか?
Yukoさんは、お母さんが持ってきたものを、なぜいつまでも家の中に置いておくのでしょう?
こんなふうに、いま家の中で起こっていることとその原因を考えるだけ考えて、紙にがんがん書いてください。
「もう何も思いつかない…」と思ったそのときから、30分はねばって、出し尽くします。
ブレインダンプの要領です⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
2.自分のゴールを書く
次に、現状がどうなったら、自分は満足するのか書いていきます。
Yukoさんが到達したいゴールです。
たとえば、
お母さんが100均に行かなくなる。
お母さんがYukoさんの家に物を全く持ってこなくなる。
ご主人がおまけやらのコレクションをきれいさっぱり捨てる。
こんな感じです。
ゴールは具体的に書いてください。
自分が本当に求めているものは何なのか、ここでもしつこく考えてみます。
自分が求めているものの探し方⇒もったいないから捨てられないという人へ。それは自分の人生で本当に大事なものなんですか?
3.現状とゴールのギャップを埋める
現状と、自分のめざすゴールが出揃ったら、そのギャップを埋めていきます。
どうしたら、今の生活を少しでも改善できるか、対策を出してください。
これも紙に書いていきます。
対策を考えるときのコツは以下のとおりです。
他人を変えようとするのではなく、自分の思考や行動を変えることに意識を向ける
古くからの読者には、耳にたこかもしれませんが、自分がコントロールできないことをやっきになってコントロールしようとしても疲れるだけです。
こんなふうに考えてください⇒夫が断捨離を邪魔しても「他人はコントロールできない」ことを知っておく
家族の行動には愛でこたえる
お母さんもご主人も、Yukoさんを苦しめようとして物を持ってきたり、集めているわけではないと思います。
とくにお母さんは、善意で物をもってきているのでしょう。
私の母も、「砂糖は食べないようにしいるから、砂糖入りの食品は送らないでね」と頼んでいるのに、大麦ダクワーズやらのお菓子を送ってきます。
「あの子は、砂糖を食べないとかいってるけど、たまには食べたいんじゃないかしら。これは身体にいいし、おいしいし」なんて思っているのかもしれません。
人は、自分の見たいものだけを見て、聞きたいことを聞く傾向があり、なんでも自分の都合のいいように解釈します。
これは私の母だけではなく、Yukoさんのお母さんも、Yukoさんご自身も、私もそうです。
よって、自分の意見を伝えても、相手が自分の思ったようには解釈しない、なんてことは日常茶飯事です。
そのとき、「こんなに言ってるのに! き~~~~っ! お母さん、いい加減にしてよ!」と怒りを炸裂させるのは逆効果だし、自分の心臓にもよくありません。
「き~~~っ!」と思うのを無理やりおさえるべきではないですが、「ほんとにもう!」と思ったそのあとは、できるだけ早く気持ちを切り替えてください。そして、相手の不愉快な行動に対して、愛をもってこたえることを意識します。
粘り強くことにあたる
これまで何年もそうだったことが、きゅうにがらっと新しい状況になることはありません。たまに無理やりそうなることがありますが、あとで反動がきます。
自分の目標にむかって、時間をかけて粘り強く努力してください。
必要なときは第三者の手を借りる
お便りの中にお父さんが登場していないのですが、もうお亡くなりになっているのでしょうか?
お父さんがいらっしゃるなら、お母さんの暴走する買い物をコントロールするのに手助けをしてくれると思います。
お金を渡さなかったり、クレジットカードを取り上げてしまえば、買い物ができなくなりますから。
お母さんが自分の収入で買い物しているなら、この方法は使えませんが。
もしお母さんが真正買い物依存症なら、セラピーを受けることで改善されるかもしれません。お母さんに話して、一度一緒に相談にいってください。
買い物依存症の症状はこちらに書いています⇒どうしても買い物が止まらない。買い物依存症を自分で治す方法
家族の依存症を治すのに必要なのも、愛と忍耐です。
依存症の治し方⇒なぜ人はいろいろなものに依存してしまうのか?依存する原因を知って克服する。
小さなことを1つずつやっていく
1番の現状の洗い出し、2番のゴール設定をまじめにしっかり書くと、対策もたくさん出てくると思います。
その量に圧倒されるかもしれませんが、効果のありそうなことから順番に1つずつクリアしていってください。ただ頭の中で悩んでいるより、実際に書き出して、アクションを起こしたほうが精神衛生にもいいです。
できることに意識を向ける
人が悩んでいるときは問題にばかり意識を向けて、視野がせまくなり、ひじょうにネガティブ思考になっています。
これをふまえて、いまの自分ができることに意識を向け、すでに自分が手にしているよいものについて考えてください。
現象は同じでも、考え方次第で、事態は違うように見えるものです。
視野が狭くなったら読んでほしい記事⇒人はネガティブ思考を引きずるようにできている話と、そこから抜け出す方法(TED)
うまくいかなかった原因を考えて改善する
アクションプランを考えて、実行にうつしたあと、結果が思わしくないことはいくらでもあります。
そんなとき、なぜうまくいかなかったのか、考えてみて、必要に応じてやり方を変えてください。
もちろん1回や2回ではだめだけど、3回目、4回目、5回目で成功する、というプランもあります。
睡眠をしっかりとり体調を整える
体調が悪いとネガティブ思考になるので、いつも元気でいられるように工夫してください。
睡眠、休息、定期的な運動、からだにいい食事が基本です。
すぐにイライラする人には、砂糖を控えることをおすすめしています⇒甘いものを食べ過ぎない4つのゆるいやり方。段階的に砂糖断ちしたい方へ。
自分のやり方を押し付けない
自分のやり方に両手をあげて賛成してくれる人なんて、自分ぐらいです。
相手には相手のやり方があるので、あまり自分のやり方をゴリ押ししないようにします。
シンプルライフが好きな人もいれば、たくさん物を買って人に配るのが幸せ、と感じている人もいるし、細々としたものを一生涯かけて集め続けたい、と思っている人もいます。
他人のライフスタイルは尊重し、寛容になったほうがいいです。
結局、イライラしてしまうのは、状況が自分の思い通りにいかない、と感じているからです。
そこで、「自分の思い通りにことが運ぶ世界像」のあり方を少し変えてください。確実にイライラが減ります。
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夫の汚部屋にほとほと困っています。どうしたらいいですか?←質問の回答
これらはほんの一例です。
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今回は物を増やす家族が引き起こす悩みに回答しました。
どんな悩みもそうですが、一番最初にできることは、自分の行動を振り返り、修正することです。
袋小路にはまっていると思っても、そこに自分を追い込んでしまったのは自分自身であることが多いのです。
あとはコミュニケーションですね。不満があるのに、口にせず、「こうしてくれればいいのに!」と思ってぷりぷりしている人が意外にたくさんいます。