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片付けや家事を後回しにして、あとでストレスを感じている人に「1回で終わらせるルール」をお伝えします。
先延ばしグセを治すのに効果的な方法です。9月もきょうで終わり。よければ、10月の30日間チャレンジで取り組んでみてください。
1回で終わらせるルールとは?
1回で終わらせるルールとは、その名のとおり、あるタスクや案件の処理を1回で終了することです。何かを手にしたそのときに、最後までやってしまうのです。
もともとは、生産性向上やタイムマネジメントの方法として提唱されています。
よく例にあがるのがメール処理です。
メールチェック中、開いたそのメールに対するアクションを、その場で終わらせます。
返事が必要なら、すぐに返事を書いて送信。読んですむだけのメールなら、読んだら即削除。取っておく必要があるなら、すぐに別のフォルダーに入れる、という具合です。
とりあえずそのままにして、またあとで処理を考える、ということをしません。
実際、私もこの方法を心がけるようにしたら、受信箱に未処理メールがたまることがなくなりました。
特に、「返事をするのが難しい。とっても答えにくい」と思うメールほど1回で済ませるようにしています。
メールチェックの頻度や時間は決めています⇒メールチェックしすぎていませんか?メールに支配されないシンプルな暮しのすすめ
仕事では、他の人の意見を聞かないと返事ができないケースが多いかもしれません。しかし、自分の裁量で最後まで完了できるメールは、できるだけ早く処理すれば、受信箱の中はいつもスッキリです。
なぜ1回で終わらせると片付けが進むのか?
1回で処理することを心がけると、部屋の片付けも進みます。
部屋にガラクタがたまってしまうのは、多くの場合、処理を1回で終わらせないからです。
例をあげます。
楽天市場に注文した洋服が届きました。箱を開けます、洋服は取り出して、着てみます。包装資材はそのままそのへんに放置。ひどい人になると、買ったばかりの洋服を、ソファやダイニングテーブルの上に置いたままにします。
サイズが合わなくて、「返品しようかな?」と思っても、その場で決めないので、なんとなく段ボール箱や袋に入ったまま、洋服はそのあたりに放置されます。
会社から帰ってきて、ジャケットを脱ぎます。このとき、脱いだその足で、ハンガーにかけないので、ジャケットは椅子の背や、床の上にとどまります。
新聞、雑誌、郵便物など外から紙類が入ってきます。まず読むために紙類にさわります。さわって、読んで、そのへんにちょい置きします。
部屋にガラクタをためこむ人は、何かを手にしたとき、それをどう処理するか、その場で決めない(わからない)ので、なんとなくそのへんに置いてしまうのです。
最後まで完了させていないわけです。
この「最後まで終わらせない行為」が積み重なって、汚部屋になります。
そこで何かを手にしたとき、その場で1回だけで処理することを心がければ、物がたまりにくくなるのです。
通販で買った服は、箱から出して着てみたら、すぐにクローゼットやタンスなど所定の位置に置きます。
すぐに使えるようスタンバイしておくと死蔵することも防げます⇒物をためないコツ。「買ったらすぐに使おうルール」のすすめ
段ボール箱などの包装資材も、その場で解体して、すぐに資源ごみに出せるように準備します。
返品するかどうか迷ったら、その場で決めます。
帰宅後脱いだジャケットは、そのままハンガーや、洗濯物入れなど所定の位置に移動させます。
書類を手にしたら、読んでいらない物はすぐにゴミ箱へ。返信が必要なものはすぐに返信して、本体はゴミ箱へ、取っておくべきものは、本箱へ、など、中間地点に置くことなしに、最後までダイレクトに作業をしてしまうのです。
1回で終わらせるルールが向いているタスク
このルールを摘要するのに向いているのは、比較的単純な作業です。
短時間のうちに終わる処理、作業の完了までに体力、知力がそこまで必要ではない物、2つか3つのアクションで終了するタスクで試してください。
たとえば以下の物の処理は、その場で終わらせやすいです。
●メール
●買ってきたもの
●取り入れた洗濯もの
●もらい物、贈り物
●郵便物
●食事に使ったお皿
●予約の電話を入れること
1つひとつは別に難しいタスクではないのに、なぜか後回しにしてしまう人が多いのです。
そうするのが習慣になっているから、めんどくさいから、疲れていてやる気がないからなど、理由はさまざまでしょう。
しかし、ここをぐっとがまんして、その場その場で片付けておくと、あとが本当にラクになります。
いま片付けないと、その後、処理が完了するまで心の中で重荷になるため、ストレスもばかになりません。
できない時はその理由を考えて改善する
30日間チャレンジで取り組むときは、特に部屋にたまりがちなものをターゲットにするといいでしょう。
このような方には紙類をターゲットにすることをおすすめします⇒大事な書類もどうでもいい紙も床の上で堆積しているときの片付け方(汚部屋改善)
受信箱にメールをためている人は、メール処理の高速化を心がけるといいでしょう。
30日間チャレンジが初耳の人はこちらをどうぞ⇒マット・カッツに学ぶ30日間で人生を変える方法~30日間チャレンジのススメ(TED)
何度かやってみて、うまくいかないことが多いときは、その理由を考え、解決するようにしてください。
たとえばこんな理由があります。
●しまい場所を思いつかない
どこにしまっていいか全く検討がつかないときは、しまい場所を決めるところから始まります。
けれども、いま手にしているそれは、本当にしまう必要があるのでしょうか? 処理が終わったらすぐに捨てても大丈夫なものかもしれません。
ちょっと考えてみて、「それでもやっぱり、どうしてもしまっておかなければならない」と思うなら、収納場所を考えるしかありません。
しまい場所を決めるのに、すごく時間がかかりそうなときは、一時的な置き場として、床やテーブルではなく、特定の箱や袋に入れるようにしてください。
1ヶ月のチャレンジなので、月末に箱の中身を見直せばよいでしょう。もちろん毎週見直してもいいのですが。
●片付けにくい
収納する場所はあるものの、ひじょうに片付けにくいせいで、そのへんにポイ置きすることがあります。
その場合は、こちらを読んで改善してください⇒なぜ物を出しっぱなしにするのか?その5つの理由と対策法。 「3.しまいにくい場所にしまわなければならない」のところです。ほかの片付け方のコツも参考になります。
●すぐに使うから片付ける気になれない
毎日のように使っているものを、いちいち出したりしまったりするのは確かに面倒です。
私も、リアルタイムの仕事に使っている書類は、ホルダーに入れてデスクの引き出しにいれています。
この場合は、「いま使っている物入れ」という名の定位置を決めて、そこに置いてください。箱でも袋でもバスケットでもいいです。
私が昔勤めていた会計事務所に、顧問先の帳簿や伝票をひとまとめにして、風呂敷に包んでいた税理士がいました。彼の机の上や足元には、紫や群青色、深緑色の色あせた風呂敷包みが積まれており、「何だかな~」と思う風景でしたが、そのまま床やテーブル上に放置するよりはましです。
●しまうと忘れちゃうから
「しまうと忘れるから、ここに置いておく」。片付けない人はよくこういいます。
しかし、そこに放置すると、ほかのゴミに埋もれて、探し出せなくなる、ということを忘れてはいけません。
「忘れちゃうから」というのはすぐに片付けない言い訳かもしれませんね。
それはどうしても目の前に置かなければならないほど、大事なものなのか、自分に問いただしてください。
そもそも大事なものなら、そのへんにポイ置きするべきではありません。
忘れても大丈夫なように、つまり、もう忘れてしまってもいい状態にするためには、いまこの場で処理することが最も有効ではないでしょうか?
最低でも先に進むことを意識する
「その場で何でも終わらせよう」と思っても、うまくいかないことがあるかもしれません。
そんなときは、ほんの少しだけでいいので前に進むことを心がけてください。
ある紙を片付けようと思って、手にしたとき、決められずに元の場所に戻すのは前進ではありません。現状維持です。
この状態を一步前進させるためにはどうしたらいいのか考えてください。あとで整理しやすいように、そのへんの紙とまとめて、角をそろえて、机の上に置いてみるといいかもしれません。
これは処理したことにはなりませんが、少し前進しています。
つぎにその紙束から同じ紙を取り出したら、もうその山に戻すことはできません。何とかして、前より完了に近い状態に持っていってください。
そうやって考えると、紙類の場合、どこかにしまおうとするより、捨ててしまうのが一番簡単です。
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今すぐ片付けない人は、「週末にやればいいや」「もっと時間のあるときに」と日常的に言い訳しています。
「日常的に」というところがポイントです。突発的なできごとが起こったから、後回しにしているのではないのです。
それはいつもの日々の一コマにすぎません。この場合、きょうできないことが、週末や1ヶ月先、はたまた「時間のある時」にできるわけがないのです。
今の自分も、ちょっとあとの自分も同じ自分です。
きょう片付けない人が、この先、片付けられるようになるでしょうか?
将来、片付けられる人になる唯一の方法は、いますぐアクションを起こすことなのです。