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「持たない暮らし」を目指すとき、セルフエスティームが低いとうまく行きません。セルフエスティームを高める工夫が必要です。その準備として、この記事ではセルフエスティームとはどんなものなのかお伝えします。
セルフエスティームとは?
セルフエスティームは英語のself-esteemから来た言葉。self は「自分自身」、esteem は「尊重する」という意味の動詞です。
「自分を尊重する気持ち」なので、英和辞典には、「自尊心、うぬぼれ」という訳が書いてあります。ですが、これはちょっと違います。
特に「うぬぼれ」は全然違います。うぬぼれの強い人って、嫌なやつですから。
自尊心やうぬぼれは、ネガティブな意味で使われることもありますが、セルフエスティームはもっとポジティブな意味です。
自分を大切に思う気持ち、今の自分を好きな気持ち、自己肯定感や自信、自分でいることに対する居心地よさ、といったものがセルフエスティームです。
日本語には、セルフエスティームとしっかり重なる言葉がありません。もともと、こういう概念がなかったのだと思われます。
日本社会では、ずっと、自分より別のものが大事だったのでしょう。
英語では、self-esteem が高い(high ハイ)、低い(low ロー)と表現します。
最初はみんな高いセルフエスティームを持っている
私が初めてself-esteemという言葉を聞いたのは、20年ぐらい前です。当時、カナダの短大に通っていましたが、同級生にシングルマザーがいました。Lさんとします。
Lさんは、私と同じぐらいの年令で、その頃、30代半ば過ぎぐらい。4歳の娘がいて、よくその子の話をしていました。
ある時、Lさんが、「娘のセルフエスティームをあげるための本を探しているから、一緒に図書館に行こう」と言いました。
そのとき初めて、セルフエスティームという言葉を聞きました。一応それが何であるのか説明してもらいましたが、「ふーん、教育熱心なんだな、Lさんは」と思っただけでした。
後に、私も母親になりましたが、娘のセルフエスティームをどうこうしようと考えたことはありません。わざわざ高めようとしなくても、特に高圧的に接したりしなければ、子供のセルフエスティームはふつうに培われていくと思います。
子供はそのままで大丈夫だと思うのです。小さな子供は天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん 宇宙の中で、自分が一番尊いと思う気持ち)と思っており、怖いものなしです。
できるだけ、そのままの子供を受け入れてあげれば、特にセルフエスティームを高める努力をしなくてもいいのです。
ですが、唯我独尊状態では社会生活ができないので、人は、成長するにつれて、家庭や学校でいろいろと心が折れる体験をします。そのため、必要以上に、セルフエスティームが低くなってしまう人が多いのです。
セルフエスティームが低いと物が増える
毎日「筆子ジャーナル」にお便りをいただいていますが、心を病んでいる人が多い、という印象です。
本格的な病気になって治療中でなくても、軽いうつを患っていたり、過度のストレスに悩み、物をためこんでいる人が少なくありません。
こういう人は例外なくセルフエスティームが低いです。
自分のことが嫌いなので、心が満たされず、それを埋めるために、買い物に依存したり、不用なものをたくさんためこんでしまうのです。
心を癒やすために買い物をする話⇒自分では気づかない。無駄遣いの根本的な原因とその対策。
ローセルフエスティームは、ブランド物を買って自分を誇示したり、整形してみたり、無理なダイエットをしたり、1円でも多くお金を稼ぐために人をだましたりという行動につながります。
こんなことをしてもセルフエスティームは上がらないので、いつまでたっても、気持ちが満たされません。
いくら物をたくさん持っても、幸せになれないのは、セルフエスティームが改善されないからです。
セルフエスティームを高めれば、もう余計な物は必要ありません。自分自身でいることが楽しいので、物に頼らなくてもよくなります。
いわゆる自分軸がしっかりしている状態です。
そこでセルフエスティームを高めたいのですが、そうするためには、それがいったいどういう状態なのか、知っておかなければなりません。
セルフエスティームが地に落ちている人は、自信満々だったときのことをすっかり忘れています。
高セルフエスティーム状態をイメージしやすいように、セルフエスティームの高い人の特徴を以下に書きます。
セルフエスティームが高い人の特徴
ちょうどいいセルフエスティームを持っている人はこんな人です。
1.自分を大事にする
自分のことを大事に思っているので、自分を痛めつけるようなことはしません。
運動して体調を整えたり、ジャンクフードではなく、健康にいいものを食べたり、夜はしっかり寝ます。ストレスがたまりすぎないように気をつけています。
2.他人を大事にする
自分と他人は違って当然とわかっているので、違うからといって、他人をないがしろにしたりはしません。
自分自身を大事にできない人は、真の意味で他の人を大切にすることができません。
セルフエスティームの低い人は、自分が嫌いですから、他の人も好きになれないのです。
3.成長することを楽しんでいる
向上心があって、毎日少しずつでも、成長したいと思っています。意味のある人生、充実した人生を送りたいと願っていて、自分なりに努力しています。
4.自分のことを信じている
基本的に自分の能力や性格に満足しているし、自分の強みも知っているので、「自分は大丈夫だ」と思っています。
5.他の人の意見を聞くことができる
他人の意見にオープンです。それは、他人のことを尊重できるから、というより、「私は大丈夫だ」という気持ちがあるからだと思います
頑固すぎる人や、周囲のことをコントロールしないと気がすまない人は、自分に自信がありません。セルフエスティームが低いと、「常に自分が正しい」と、証明できないと心配なのです。
頑固さを取り除く方法⇒頑固さを手放して、軽やかに断捨離する5つの方法。
6.自分で物事を決めることができる
自分自身の価値観を持ち、たいていのことは自分で決めます。人に言われたことにも耳を傾けますが、基本は、自分がよいと思ったことをします。
これは、「自分の人生は、自分の責任なのだ」という気持ちの表れです。
7.自分の欲しいもの、必要なものがわかっている
世の中や、自分自身に関して現実的な見方をしているので、自分の進みたいところ、欲しいものが比較的クリアになっています。
等身大の自分を受け入れています。
セルフエスティームが低いと、自分を過小評価しがちで、足りないものばかり目につきます。
☆セルフエスティームを高める方法はこちら⇒セルフエスティームを高めて自信を取り戻す10の方法
8.問題解決能力が高い
外的状況にふりまわされにくいので、自分の問題に集中でき、解決策を見つけることができます。
9.人間関係は良好
自分も他人も大事にしているので、周囲の人と友好的な関係を築いています。人のことが好きだし、人からも好かれています。
10.人と自分を比べない
自分に自信があるので、外的な承認を必要としません。よって、人と自分を比べたりはしません。
比べるのをやめる方法⇒人と自分を比べるのをやめる方法。比較をやめれば物を減らせる。
11.自分の意見を述べることができる
他人に自分の考えていることや、自分がほしいもの、必要なものをはっきりと伝えることができます。
そのとき、大きな声をあげたりはしません。静かに、礼儀正しく、自分の意見を伝えます。
12.自分の心の奥底までおりていける
セルフエスティームが高い人は、心の奥のほうまでおりていって、探求できる人です。そして、独創的なことを思いつきます。
潜在能力を引っ張り上げることができるのです。
世の中には、すごく底の浅い人がいます。底が浅いというのも抽象的な言い方ですが、あまり深く考えず、その場その場の状況に反応しながら生きている人です。
ごく表面的な生き方と言えます。底の浅い人は、自分の中にある可能性に気づいていません。
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一言で言うと、セルフエスティームが高い人は、幸せな人生を送っています。とは言え、人間ですので、体調が悪かったり、何かとんでもなく不幸な出来事に出遭えば、セルフエスティームが下がることもあるでしょう。
ですが、基本的に自分が好きなので、そのうち気持ちを立て直すことができます。
先にも書いたように、私は誰でも最初は高いセルフエスティームを持っていると思っています。
もとの自分に戻れば、また自分を好きになることができます。