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30日間チャレンジとして、今月は砂糖断ちをしています。砂糖の摂取は依存性があるといいますが、本当にそうなのか、それならば離脱症状はあるのか、という点について、私の体験をもとにお伝えします。
なぜみんな甘いものが好きなのか?
中には甘いものが嫌い、という人もいますが、甘いものを好きな人は多いですね。
砂糖に中毒性がある、という研究は多いです。「いや、そんなことはない」という人もいます。まだまだ研究中なのでしょう。ただし、ネズミを使った研究では、麻薬を摂取したときと同じ反応が脳内で起こっていることがわかっています。
仮に中毒性がなくても、砂糖の食べ過ぎがよくないことに異を唱える人はいないでしょう。
砂糖を食べると脳内で「快感」「快いと思う気持ち」を感じるように、ドーパミンなどの神経性物質が出るようになっています。こういうシステムを脳内報酬系といいます。
この点について説明している動画はこちらで紹介しています⇒砂糖への依存性はこうして起きる。甘いものをやめるために1番大切なこととは?
人は食べないと生きていけないので、生命を保ったり、種を保存するような行動をすると、脳は「楽しいよ、うれしいよ」とシグナルを出すようにできているのです。
砂糖を食べるのは気持ちがいいから、またやってね、と脳がからだに覚えこませるわけです。
そうすれは人はその行動を何回も繰り返すからです。
なぜ甘いものを食べると、「よくやった、うれしいね」と脳がシグナルを出すのかというと、昔は甘いものはヘルシーなものだったからです。
たとえば、野原を歩いていて、赤っぽい実があったとします。食べてみて、もし酸っぱかったから、それはまだ熟していないので、それ以上食べちゃいけません。おなかを壊すかもしれません。
もし苦かったり、変な味がしたら腐っているのかもしれません。これも食べちゃいけません。
でも甘かったら、ちゃんと熟して栄養もある食べ物なので、食べていいのです。
母乳もほのかに甘いですし、甘い食べ物には脳がゴーサインを出すのです。甘いものは糖質で、エネルギー源になるので、積極的に食べるべきだったのですね。
ただ、昔はよかったのです。甘いものは果物、甘みのある野菜、穀物(ごはん、さつまいもなど)しかなかったのですから。
ところが今は精製された砂糖を入れた食品がたくさんあり、みんな必要以上に摂り過ぎています。だから、いくら脳がゴーサインを出すからといって、食べ過ぎると、健康になるどころか、逆に病気になる時代なのです。
白砂糖の害はこちら⇒白砂糖はこんなに体に悪い~私が砂糖をやめた理由とは?
みんな砂糖を摂り過ぎている
農林水産省の統計によると、日本人は1人あたり年間25.2キログラム、1日69グラムの砂糖を摂取しているそうです(ナショナルジオグラフィックの日本版のページに書いてありました)。
これには精製糖に異性化糖(デンプンが原料)、加糖調製品(砂糖と人工甘味料を混ぜた加工食品用の原料)も含まれています。
砂糖の種類はこちら⇒健康にいい砂糖はないが、比較的ましな甘味料はある
69グラムは意外に小さい数字ですが、これは平均なので、食べてる人はすごく食べてると思います。ちなみにアメリカ人は95.3グラムだそうです。
2014年にWHO(世界保健機関)が出した砂糖の摂取量(これだけなら摂取してもよいという数字)は1日25グラム(ティースプーン6杯ぐらい)。25グラムは角砂糖で6個~8個です。
角砂糖は種類によって重量が違い、1つが3グラム~4グラム。
たとえば、添加物が少なくて、その意味ではヘルシーなカステラ一切れが角砂糖10個ほど。これだけで1日の摂取量を越えます。ただこのカステラ、一切れ100グラムです。一切れ、50グラムなら角砂糖は半分の5個です。
添加物も砂糖も多いショートケーキは、種類にもよりますが角砂糖8個分。
ちなみにカステラに添加物が少ないのは、たくさん入っている砂糖が保存料の役割を果たすからです。
コカ・コーラ(ふつうのサイズ)が14個。特に清涼飲料水はとてつもなく砂糖が入っているのでこれはもう絶対やめたほうがいいです。
どこまでも便利さを追求する現代社会では、砂糖が入っていない加工食品は少数派なので、スイーツなど甘いおやつを積極的に食べない人でも砂糖は摂り過ぎになりがちです。
加工食品に砂糖が入っているのは、保存料として使いたい場合もありますが、甘みをつけると、人が喜んで食べる(つまり購入する)からです。厳密に言うと、甘みと塩気と脂質の黄金バランスがあり、こういう味ならば、みんながリピートする、という味のする食品を大手の食品会社は開発しています。
このような時代に生きている限り、ふつうの人は知らず知らずのうちに砂糖は過剰に摂取してしまうのです。
私も昔は砂糖をたくさん食べていた
私は甘党です。
事実、以前は、甘いものを大量摂取していました。洋菓子はそうでもありませんが、お汁粉、大福、きんつば、今川焼きなど和菓子が好きでした。
カナダに来てからは、和菓子が手に入りにくくなったので、自分で作った焼き菓子をよく食べていました。自分で作っていたからわかりますが、甘さ控えめの日本のレシピでも砂糖はたっぷり入っています。
子供が生まれてから「食の安全」について考えるようになっていましたが、私が気をつけていたのはおもに食品添加物で、なぜか砂糖はノーマークでした。
今思うと不思議ですが、砂糖がからだに悪いことを知らなかったのです。
もちろん食べ過ぎると太るとか、虫歯になるというのは知っていましたから、子供には8歳の頃までは清涼飲料水を飲ませなかったし、プレスクール(保育園のようなもの)におやつを持っていく当番の日は、極力ヘルシーなおやつにしていました(評判が悪かったです)。
しかし、4、5年前から、砂糖はよくない、というのがわかり始め、子供もだんだん大きくなってきたので、前ほど焼き菓子は作らなくなりました。
だからお菓子を食べる量は減っていました。それでも、朝、オートミールを食べ、10時や3時のおやつに、甘いマフィンを1~2個ぱくぱくと食べていましたから、砂糖は摂り過ぎていたと思います。
本格的に砂糖をやめたのは2014年の11月18日
この日、西式甲田療法の本に従って、半日断食を始め、ついでに甘いものもやめました。「マンガでわかる西式甲田療法」という本には、「甘いものは控えめに」とありましたが、砂糖の害も書いてあったので、ばったりとやめてしまいました。
この本についてはこちらに書いています⇒西式甲田療法で健康とダイエットのために朝食を抜くはずが夕食を抜く日々
木枕のページにも書いています⇒木枕でウソのように肩こり解消~健康にいいし、小さいし、床に寝るミニマリストには理想の枕です
しかし、そのあと、反動が来て、甘いものはそれほど欲しくはなかったのですが、リッツクラッカーやシリアルをばりばりと食べてしまいました。今思うと、砂糖だけでなく、糖質の量も減らしていたので、からだが飢餓状態だったのだと思います。
ですが、別に頭痛がするとかイライラするというような離脱症状はありませんでした。一日中、甘いもののことを考えている、ということもなかったです。よって、私の場合、砂糖への依存はなかったと言えるでしょう。
その後日本に里帰りし、ふつうの食事を食べ始めたら、いつにもまして食欲がありました。日本は食べ物がおいしいから、という理由もあります。日本にいるあいだに、13キロ減った体重の50%ぐらい戻りました。
その後カナダに戻ってから数ヶ月かけて、結果的に残りの50%も戻りました。あまり急激に食事の内容を変えるべきではない、と反省し、以来、動物性食品などもちょっぴりですが、適宜食べるようにして、甘いものも週末に限って食べていました。
このあたりはノーエスダイエットをベースにしています⇒ダイエットで100%を目指すと失敗する~ノーエスダイエットをアレンジしてます
去年のクリスマスの頃、ショートブレッドをたくさん食べてしまい、このままずるずる暮らしているとまた砂糖を食べる生活になりそうだったので、先月の下旬にリセットして、砂糖の摂取をやめました。
リセットした話⇒砂糖断ちの1ヶ月:2月の30日間チャレンジ
今回はちょっと厳し目にしていますが、今のところ離脱症状はありません。ただし、反動が来ないように、最初の1週間は、炭水化物を多めに食べました。
具体的にいうと、さつまいもです。オーガニックフードの店でさつまいもを買うとすごく高いのですが、加工されたお菓子よりましですから、ちょっと投資しました。
ちなみにカナダで売っているさつまいもは日本のそれより甘みが少なく、あまりほくほくしていません。
砂糖と疎遠になれば、節約にもなります。チョコレートや甘いお菓子はオーガニックのさつまいもより安いかもしれませんが、甘いだけで栄養はないし、トランス脂肪酸というおまけまでついてきます。
私、それでなくても、歯の治療に尋常でないお金を使っていますので、これ以上、病気をかかえたくないのです。
砂糖の離脱症状は人によって異なると思う
上に書いたように、私の場合、完全に砂糖をやめる前から、かなり摂取は減っていたので、それもあって離脱症状は出ていないのだと思います。ということは、いきなりやめず、1日おき、2日おき、と摂取頻度を落としていくといいかもしれません。
砂糖は、食品として口から摂取するので、報酬系を活性化するにしても、麻薬に比べて作用は穏やかなはずです。食道から胃腸に行き、消化されて血中に糖分が放出されるわけですから。
とは言え、今、主食代わりに甘いおやつを食べている人は、もっときつい離脱症状があるかもしれません。
甘いおやつは、食べるのが習慣になっている部分もあります。食品として欲しているわけではないのに、食べるとストレス解消になるから食べている、という状態です。
これはその生活習慣を起こしている原因を改善すれば、食べる必要はなくなるでしょう。薬物依存症を治すには、医学的な治療より、人間的な愛が必要だ、という学者もいます。
社会的に寂しかったり、つらいことが多かったり、空虚な気分だと、薬物やある一定の行動(買い物、仕事、ギャンブル、インターネット、SNS、ゲームなど)に病的に依存してしまうからです。
また来週、砂糖断ちの様子をお伝えしますね。