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幸せな人生を送るインスピレーションを得られるTEDの動画を紹介しています。
今回はイギリスの料理人、ジェイミー・オリヴァーのプレゼンです。
ジェイミー・オリヴァーは日本でも人気がありますので、このプレゼンをご覧になったことがある方も多いでしょう。
プレゼンのタイトルは
Teach every child about food(子供たちに食べものについて教えなさい)
日本語のタイトルは「子供達に食の教育を」
子供達に食の教育を:TEDの説明
Sharing powerful stories from his anti-obesity project in Huntington, West Virginia — and a shocking image of the sugar we eat — TED Prize winner Jamie Oliver makes the case for an all-out assault on our ignorance of food.
TEDプライズ受賞者のジェイミー・オリヴァーが、ウェストバージニア州のハンティントンでの「肥満撲滅プロジェクト」の活動を、私たちが食べている砂糖のショッキングなイメージとともに伝えます。
オリバーは私たちの食に関する無知を徹底的に糾弾します。
ジェイミーは料理人であると同時に、food revolution (食育革命)を起こそうとしている活動家でもあります。
これはどういう革命かというと、子供のうちから肥満になり寿命を縮めているイギリスやアメリカの子供たちに、「食べ物」のことをちゃんと教えて、もっと健康になってもらおう、という活動です。なぜ太るのかと言うと家庭や学校で加工食品やファーストフードばかり食べているからです。
子供は自分で食べ物を用意できませんから、大人の責任ですが。
健康にいい食品を食べるのはごく普通のことですが、こんな簡単なことが現代はとても難しいのです。
というのもあまりに加工食品が出回ってしまい、それが「ふつうの食べ物」なんだと多くの人々が思いこんでいるからです。
それでは講演をごらんください。全部で21分。日本語字幕版です。お時間のない方むけに動画のあとに要約をつけます。
最初の15分ぐらいが問題の現状と提示、最後の5分で解決策を話しています。
トランスクリプトはこちら⇒Jamie Oliver: Teach every child about food | TED Talk | TED.com
TEDについてはこちらに書いています▶もう自己啓発本を読む必要なし~成功するため8つの秘密とは?(TED)
Teach every child about food 要約
食べ物が肥満を作り、肥満が人を殺す
アメリカ人は自分たちの食べているものによって死んでしまいます。
私の名はジェイミー・オリヴァー。34歳。イギリスのエセックス出身。過去7年間、自分のやり方で人の命を救うために活動しています。
私は医者ではなく料理人です。高価な器具は持ちませんが、代わりに情報を伝え教育しています。
家庭において食べ物はとても大切。それは人生を決めると信じています。現在の我々の食習慣は最低です。1番ひどいのがアメリカ。最も不健康な国です。
全員が食事のために死ぬ危険があるのです。アメリカ人の1番の死因は食事によるものです。これは世界的な傾向です。
つまり肥満により死んでしまうのです。肥満起因の病気のケアに、ヘルスケアの10%が使われています。10年後にはこの2倍になると思われます。
私はここに食育革命(food revolution)を起こしに来ました。今こそ立ち上がるべきです。
ウェストバージニア州のハンティントンに行きました。こんな人たちに会ったのです。
[ここで肥満により余命いくばくもない少女や、肥満に悩む子供たちの写真]
[家庭(Home)、街角(Main St)、学校(School)と描かれた三角形のスライドの表示]
家庭、学校、街角の食べ物を改善すべし
食べ物をとりまく重要なポイントが3つあります。現代、どんなふうになっているのか見てみましょう。
1)街頭
まず街頭です。ファーストフードの店がそこら中にあります。大企業が牛耳っているのです。スーパーマーケットも同様です。
30年前は地元から新鮮な食べ物を得られたのですが今は違います。ほとんどの食べ物が加工食品で、添加物がいっぱい、余計な材料が入っています。
1食分が大量なのも問題です。食品表示も適切ではなありません。砂糖がいっぱい入っている食品に「ローファット」などと表示しているのですから。
2)家庭
次に家庭です。昔は家庭で食文化が伝わりました。今は違います。たとえば、エドワード家を見てください。
[山のようなピザや冷凍食品、加工食品などからだに悪いものが乗ったテーブルをはさんで話すジェイミーとステイシーがビデオに映し出される(あとで紹介するFood Revolutionのワンシーン)]
ジェイミー「こうした食べ物があなたの子供を早死させるのを知ってほしい」
ステイシー(涙を浮かべながら)「今、すごく悲しくてゆううつです。でも、子供にいい人生を送ってほしいの。食べ物のせいでだめになったんですね。私が、子供たちを殺そうとしているなんて」。
ジェイミー「そうです。でも止められますよ」。
3)学校
次に学校です。私の専門分野です。学校は私たちをクリエイティブにし、素晴らしいことができるようにし、自立できるようにする場所です。
ところが食品については全く注意を払ってこなかった。大勢の子供たちが、場合によっては日に2度食べる大切な給食が問題なんです。
給食のおばさんは悪くないですよ。ベストを尽くしてます。ただ言われたことをしていて、その「言われたこと」が間違っているんです。
給食のシステムは起業家によって運営されており、現場に「食のスペシャリスト」がいない。
実は、子供たちが毎日食べているのはファーストフード、とても加工度の高い食品です。その添加物の数たるや想像を絶します。野菜は充分ではありません。フレンチフライが野菜と思われているのですから。朝ごはんにピザを食べたりして。
私たちは子供に食べ物のことを何一つ教えてないんです。このクリップを見てください。
[ジェイミーがある小学校で、子供たちに野菜を見せて名前を言わせるビデオ。子供たちは野菜の名前をさっぱり知らない(これもFood Revolutionのワンシーン)]
子供が野菜の名前を知らないということは、食べないということです。子供たちに食べ物のことを教えるべきなんです。
学校でミルクを飲みますが、今のミルクはフレイバーや着色料、砂糖が入っています。今や砂糖は何にでも入っています。ミルクにも、清涼飲料水と同じぐらい砂糖が入っているのです。
[ジェイミーは角砂糖で一杯のリアカーを持ってきて、敷物の上に角砂糖を放り投げて行く]
子供は1日大さじ8杯の砂糖をとります。1週間でこれだけになり、1ヶ月でこれだけ。小学校の5年間でこれだけ砂糖をとるんです(がらがらがらと敷物の上で角砂糖の山ができる)ミルクからだけで。
子供の肥満は政府の責任ですよ。
1人1人が協力して今こそ食育革命を
さてこうした状況に対して私たちに何ができるのでしょうか。10年後、子供たちが幸せに生きられるためには、賢く食べる必要があるのです。
スーパーや食品業界の大企業が、健康的な食事の作り方を教えるべきです。
ファーストフード業界の競争は熾烈で、砂糖、塩、脂肪を我々に食べさせようとしています。レストランやファーストフードには行政の介入が必要です。現行の商品に入っている過剰な脂肪、砂糖、その他の「食べ物ではない成分」をカットしてもらうために。
食品表示もきっちりしてもらわなければなりません。
4歳から18,20,24歳までお世話になる学校の給食は、まともで新鮮な地元産の食品を調理して提供するべきです。新しい基準が必要なんです。
学校を卒業したら、自分で料理できるようにレシピを10個は知っておくべきですよ、ライフスキルとして。
大人になったとき料理の仕方を知っていれば、不況とか関係ありません。会社の食堂も同じこと。会社が従業員にまともな食品を食べさせれば、肥満で死ぬことなんてありません。
みんながこういうこをすべてやれば状況を改善できます。健康を気遣うと同時に、商売として成り立たせることは可能なのです。
特に家庭で料理の仕方を教えるのが大事です。人が人に伝えるのです。
1番大切なのは私たち1人1人の努力が違いを生み出せることを知ることです。
私はハンティントンのキッチンに立ち、コミュニティのみんなと協力してテレビ番組を作りました。地元の企業に支援を呼びかけ、ジャンクフードの給食をまともなものにするために努力しています。
みんながこの改革に向けて歩き始めています。
必ず変えることができますよ。資金が足りないので、アメリカの企業はオバマ夫人のやっていることを支援すべきですね。アメリカでこれができればそれは世界に広がるはずです。
ハンティントンで孤軍奮闘しているとき、アメリカの実力者たちの前で気持ちを伝えたい、そんなふうに願っていました。
すると1ヶ月後、TEDが電話してきて、TEDプライズをくれると言い、きょうこの場にたちました。
私の願い、それは子供たちに食べ物について教え、家族がまた料理を始め、すべての人々が肥満と戦うために、力強い、長く続く運動を皆さんに助けてもらうことです。
・・・要約ここまで・・・
肥満撲滅プロジェクトをがんばるジェイミー・オリバー
15年ぐらい前でしょうか、ジェイミー・オリバー(1975生)はBBCテレビの料理番組、「裸のシェフ(The Naked Chef)で、かわいらしい容姿と軽妙なトークが受けてカリスマシェフとして人気が出ました。もちろん料理もうまいですけど。
しかし意外と硬派な人です。
料理の仕事をしていて、レストランや食品業界と対立するような運動をするのは簡単ではありません。
彼のやっていることはきわめて正しいのですが、アメリカの食品の大企業はとてもパワフルです。
私がこのブログで「砂糖はからだによくないです」と書くのとはわけが違います。
だから勇気があるし、動画を見てわかるとおり、強い信念を持っています。
☆肥満に関する別のTEDのプレゼン⇒肥満はもっと大きな問題を秘めているのではないか?(TED)
ファーストフードと加工食品の恐ろしさ
彼はまずイギリスの学校の給食の改革をやり、次にアメリカに乗り出しました。
こちらは彼のハンティントンでの肥満撲滅プロジェクトのドキュメンタリー、Jamie Oliver’s Food Revolution のPVです。
苦労してますね。それほど、今はファーストフードや加工食品を食べるのが当たり前になっています。
レストランのメニューにのっているし、「食べ物」としてスーパーに売っていますから。でもこうした「食品」は真の食べ物ではありません。
私も人々がこのことにもっと意識を向けてほしいと思います。
子供への食育も大事ですが、問題はこれを販売している企業のもうけ主義。
しかし今、社会全体が「もうかれば何を売ってもいいんだ」という風潮なので、食品の会社だけが悪いとは言えないでしょう。
そして、それを買う消費者がいます。
店の棚に魅力的に並んでいて、それが便利でおいしい商品なら人々は買ってしまいます。どんなに食育を学んで、砂糖はからだに悪いと知識としては知っていても、スーパーやコンビニで毎日のようにおやつを買うのです。
モノを買うのをやめられないのと同じです。
以前加工食品の記事に書きましたが、砂糖、塩、脂肪を絶妙の配合で混ぜると、人々はやみつきになり、食べすぎてしまうのです。意志のチカラはもう関係なく、ほとんど生理的反応です。
▶健康とダイエットの敵~加工食品の3つの害を知っていますか?
こういうことを知っておくべきです。
この手のものを食べ続けながら、どんなに運動したって、スーパーフードを食べたって、美容によいらしいクリームを顔にぬっても意味がありません。
まず、からだに悪いものを「引き算」すべきです。
さらに、現代のやたら忙しい生活、便利なものばかり求めてしまう傾向も問題です。
忙しくなければ、お母さんたちは、ファーストフードや準備に手間のかからない冷凍食品、レトルト、コンビニのお惣菜なんかに手を出さないでしょう。
やることを減らして、もっとゆっくり生きるべきだと思います。結局それが健康につながります。