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高齢者が転びやすい理由と、その対策をミニマリストの視点からお伝えします。
先日アンチエイジングの記事に、以前近所に住んでいたおじいさんが、スーパーで転んでからあれよあれよという間に弱ってしまった話を書きました。
お年寄りの怪我の原因で1番多いのが転倒です。
ここで言うお年寄りは65歳以上。これぐらいになると転びやすくなるのです。65歳以上の人、5人に1人は、年に1回以上は転ぶと考えられています。転んだからといって必ずしも怪我をするわけではありませんが、骨がもろくなっていると、簡単に折れてしまいます。
高齢者の4大骨折というのがあります。太ももの付け根、背骨、手首、肩の骨です。
太ももの付け根の骨は、大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)という名前。80歳以上で、ここを骨折すると、5年後の生存率は3割低下するそうです。
転倒、骨折、寝たきりというプロセスをたどり、あの世に旅立ってしまうのです。前述のおじいさんも転ばなければもっと長生きできたはずです。
自宅に高齢者がいる方は、もちろんのこと、これから高齢になる私たちも今から予防しておいたほうがいいですね。
というのも、高齢者の転倒は、肉体的要因と、生活習慣に負うところが多いからです。
お年寄りがよく転ぶ理由
高齢者がよく転ぶ理由は2つあります。内的要因と外的要因です。
1.内的要因
内的要因は1つだけ。老化です。
もちろん転倒するときは、いくつかの原因が重なりあうと思います。飲んでいる薬の影響もあるでしょう。しかし、年を取らなければ起こらないことばかりです。
残念なことに、年をとってくると身体のあちこちにガタが来て、転びやすくなってしまうのです。悲しいですがこれが現実です。
たとえばこんな衰えが転倒を起こします。
●筋力の低下
年をとるとだんだん筋肉が減り、筋力も落ちます。特に脚の筋力が落ちていると転びやすいです。
●バランスが取れなくなる
加齢により平衡感覚が鈍くなります。そしてバランスをくずして転びます。
●視力が低下
足元がよく見えないため、段差や足元にある障害物にに気づかず転倒。
●認知障害
認知症の問題はさまざまですが、たとえば、注意障害があれば、ぼーっとそのへんのものにつまづきますし、記憶障害があれば、同じところで何度も転びます。
もう若いころみたいに、しゃきしゃき動けないのです。お年寄りはいたわってあげなくてはなりません。
2.外的要因
外的要因は転びやすい環境です。
たとえば、家の中にガラクタがあるのはとっても危険。この理由1つだけでも、高齢の両親の家は断捨離するべきです。
そこまで高齢者ではない私でも、娘の部屋に落ちているものにつまづいて、ひやっとすることがたびたびあります。
転倒を防止する方法
年を取ったからといって必ず転ばなければならないわけではありません。若いうちからこんなふうに予防できます。
1.身体を鍛えておく
バランス感覚や、柔軟性、筋力を向上させる運動をします。80歳になって急に運動しようとすると大変なので、若いときから意識して運動しておくべきです。
足腰が丈夫だと、脳も若々しいという研究があります。スクワットなど、自宅で簡単に始められるのでおすすめです。
30日間スクワットチャレンジについて⇒30日スクワットチャレンジを50代主婦が実践中~効果のほどは?
スクワットといえば、女優の森光子さんが、毎日、朝75回、夕方75回スクワットをしていたと言われています。ですが、先日ウィキペディアを読んでいたら、「実際は軽めの屈伸運動のようなものだった」と書いてありました。
森光子さんは72歳のとき、体力の衰えを感じて、ジムでトレーナーについて鍛え始めたそうです。もともと舞台女優という身体が資本の仕事を何10年も続けてきた森光子さん。一般のお年寄りに比べて、運動量は多かったと思いますが、やはり70歳ぐらいから体力に不安を感じてしまったのですね。
体操など何か自分の好きな方法で足腰を鍛えておきましょう。最低でも「歩くこと」は始めるべきです。
ウォーキングのメリット⇒ウォーキングはダイエットと健康に不可欠、暮しの質も高くなる
簡単にできるアンチエイジングはこちら⇒意外と知られていない、アンチエイジング効果のある7つの生活習慣
私はやったことがありませんが、バランス感覚を鍛えたり、全身の筋肉を鍛えるには太極拳(タイチー)が良いそうです。太極拳なら、高齢者でも始められますね。
2.自分の足にあった、はき心地のよい靴をはく
高齢になってからパンプスをはく人はあまりいないかもしれませんが、ヒールが低いほうが転びにくいのは明らかです。安定感のある、幅広の靴で、すべりにくいものを選びましょう。スニーカーなど最適です。
3.家の中の照明の最適化
室内が暗いと足元がよく見えないので、灯りに注意します。特に、夜中にトイレに行く人は、廊下、階段、トイレなどに、人の動きを感知して、ふわっと点灯するセンサーライトをつけておくとよいです。
4.室内の断捨離
高齢者住宅などありますが、いきなりそういうところに引っ越しできないと思うので、自宅での安全を確保する対策をします。
先に書いたように、室内にガラクタがあるとつまづきがち。ちゃんと人が歩けるスペースを作り、床や廊下には何も置かないようにします。
家具もやたらに置くと、動線が確保できず、転びやすいです。ドアの開け閉めもスムーズにできるようにしておきます。部屋の出入り口には、物をためてはいけません。
とにかく歩く場所は充分なスペースを確保しておくこと。狭いと転びやすいです。廊下にダンボール箱を積んだりするのもよくありません。廊下は物置ではないです。
この点、歩き始めて、何でも口にいれる赤ん坊のいる家と同じですね。高齢者や赤ん坊でなくても、家の中をきれいに保つことは、健康的な生活に役立ちます。
断捨離すると健康が手に入る話はこちら⇒断捨離マジック~捨てることで手に入る5つの大切なものとは?
お年寄りの家を断捨離するメリット⇒まだ元気で生きている親の家を片付ける4つの理由とは?
5.床をきれいにしておく
すり減ったり、穴のあいたカーペットは取り替え、マットなども、表面が傷んでいたり、大きな毛羽がたっていたり、繊維が出て、つまづく可能性がないかチェックします。
マットそのものにつまづくこともあります。マットがすべりやすいと、マットごとすべって転びます。マットの裏にすべり止めをつけるべきですが、中途半端に置いてあるマットはこのさい断捨離を検討してもいいかもしれません。
惰性でマットを敷いていませんか?⇒その玄関マット、本当に必要? マットを捨てるとこんなものが手に入る
床の上でからまっているコードも撤去します。
飲み物などをこぼしたら、すぐに雑巾でふきます。当たり前のことですが、ズボラな生活をしている人は、こういうことが後回しになります。
6.必要に応じて手すりを設置
お風呂からスムーズに出られるように手すりを取り付けます。またバスルームの床はぬれてすべりやすいのでこの点も注意。
急な階段も手すりが必要かもしれません。玄関も段差があるので、手すりやスロープなど、家庭によって設置を検討してください。
7.家の外の整備
障害物を取り除くのは、室内だけではありません。外回りの安全も確保しましょう。
たとえば、庭仕事の道具は使ったらちゃんとしまったり、狭いスペースに植木や飾り物を置かないようにします。足元がすべりやすくなる植物(苔とか)は取って、通路や歩く場所は、きれいに掃除しておきます。飛び石なども危ないですね。
人の歩くところがコンクリートで、割れかけていたら修理したほうがいいです。毎日その上を歩いていると、それが普通だと思ってしまいますが、一度、足腰が弱くなったお年寄りの目になって点検してください。
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こうしてみてくると、ふだん壊れたものを放置せず、家の中をきれいに整えておくことが転倒防止にずいぶん役立つことがわかります。
若いときから、不用品を断捨離して、できるだけきれいな家で暮らす生活習慣を身につけておけば、高齢になってからの転倒も防げるのです。
現在、家の中に物が多すぎて、動線が確保できていない人は、少し片付けることをおすすめします。今はそれでよくても、そういう暮しを続けていると、いずれはとても危険な状況になってしまいます。