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物をたくさん買っても、お金が出ていくだけで幸せになれないのに、なぜ人は物を買い続けるのでしょうか?
この記事では、人が物を買う、ごく基本的な理由を7つあげます。
私たちが、物質的な物を使って実現しようとしていることを、物を使わずに実現できるとわかれば、買い物をセーブできます。
1.生きるのに必要だから(ニーズ)
水、食べ物、最低限の衣類などは生きていくのに必要だから買います。いわゆるニーズ(needs)です。
また、多少の道具もないと、原始人さながらの生活になってしまって、不便きわまりないですから、こういう物も必要ですね。
生きるのにどうしても必要な物は買うしかないので、削ることはできません。ですが、何がニーズで、何がウォンツ(欲しいもの)なのかの線引きは自分がします。ニーズとウォンツについて自分なりに、検証し、考えることで、ニーズを減らすことができます。
私のニーズはこちらに書いています⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること
2.便利だから
多くの人は、生きるのに必要な分以上の道具を持っています。というのも、そういう物があると便利だからです。
人は怠け者なので、自分が実現したいことを、できるだけ早く、簡単に達成させてくれるものを常に探しています。
利便性を求めて買うものには、洗濯機、掃除機、冷蔵庫、スマホなどがあります。
このような物を買うことを私は別に否定しません。家にも種々の道具があります。
ただ、それがあることで本当に自分の生活が便利になるのか、買う前によく考えるべきでしょう。こちらの記事に書きましたが⇒まとめ買いが節約にならない4つの理由。むしろガラクタを増やす危険な買い方。 冷蔵庫の2台持ちなどは、無駄を生み出し、結果的に生活の質を落とすことがあるのではないでしょうか?
また、便利さばかりを追い求めると、かえって不便になることもあります。
我が家はカーペット敷きなので、掃除機はあったほうがいいと思いますが、フローリングなら、ほうきと雑巾、モップで対応できます。
掃除機はうるさいし、ほこりを撒き散らすし、もちろん電気代も必要。我が家の掃除機は、紙パックの交換が面倒、という不便もあります。
ほうきならさっと手にすることができますが、掃除機は、巻きつけてあるコードを引っぱり出さなければなりません。掃除が嫌いな人ほど、掃除に至るまでの手順を簡略すべきでしょう。
3.足りない(と感じる)から
何かが足りないと思うので買ってしまいます。
消費主義や物質主義を特に、加速させているのは、この「足りない」と思う気持ちです。
何かが不足していて足りない、と心配する気持ちは、人の進化を助けている、つまり進化のメカニズムなんだ、という学者もいます。
こういう気持ちがないと警戒心もなくなるので、人類は滅びてしまう、という考え方です。
もちろん、「足りない」という気持ちがなければ、文明の進化もなかったでしょう。
ですが、「足りない」状況を、物ではなく、別の方法で解決することもできます。すぐに物を買ってしまうと、問題を解決する能力を鍛えることができません。
特に、子供にいろいろな物を先回りして与えることは、子供の脳の発達(考える力)を著しく阻害してしまうのではないでしょうか?
関連⇒子供のおもちゃが増えすぎて片付かない?極論を言えば買ったおもちゃは必要なし
不足感にさいなまれていると幸せにもなれません⇒こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?
4.自分の格をあげるため
自分の威信を高めるために、いろいろと物を買う人がいます。
ステータスシンボルとして物を手に入れて、うれしい気持ちが、ずっと続いているのなら、別に買ってもいいかなと思います。
ただ、「むなしい」と思っているなら、物の力で自分を光らせることは少し控えたほうがいいかもしれません。
「威信」は英語でprestige (プレステージ)といいます。この言葉の語源は、ラテン語のprestrigeia です。意味は「幻想、魔術師のごまかし」。stige は「強くひっぱる」という意味で、preは強調です。
つまり、物によって自分を強く引っ張りあげているのです。あまり無理に引っ張り上げると、かえってつらくなります。
名声を求めるなら、物でなはく人間性で勝負することもできるし、そもそも名声なんてそんなにいらない、という考え方もできます。
5.人に好かれたいから
なぜ人は名声を追い求めるのかというと、他の人に好かれたいという気持ちがあるからでしょうね。
人間は社会的動物なので、他人に嫌われたら社会生活をしにくくなります。
最新のiPhoneを買ったり、高級車を乗り回したり、高級住宅地に邸宅を構えるのも、結局、人に好かれたいからなのかもしれません。
ところが、皮肉なことに、物を持ちすぎていることで、かえって他人から妬まれる人もいます。
やはり、人間性が問題なのではないでしょうか。
人に好かれたいから、物を買って贈り物をすることもあります。吉田兼好は、よき友達の条件として3つあげていますが、その1つは、「物くるる友」です。あとの2つは、医者と「知恵ある友」。
物をあげるのも悪くないですが、物でないものをあげても、よい友だちだ、と感謝されます。
6.自己を成長させるため
人はもともと前向きな性質を持って生まれてくると私は考えています。わざわざこの世をはかなむために生まれてくるのも変な話です。
前向きなので、自己成長のために、物を買うことがあります。
書籍や、趣味や勉強、スポーツの道具をたくさん揃えてしまうのは、こういう前向きな気持ちのせいですね。
ただ、自己の成長にそこまで物は必要なかったりします
そうやってたまってしまったのが野望ガラクタです⇒なかなか捨てられない「なりたい自分になるために買った物」を断捨離する方法
多くの道具を揃えることから始める人は、自分を成長させてくれるものの本質について考えてください。
自己成長という前向きな理由で物を買っているように見えて、実は単に不安を解消するために買っていることもあります。
7.心の余白を埋めるため(幸せになるため)
現代人が余計な物を買う理由のナンバーワンはこれではないでしょうか?
買い物をするとストレス解消になるし、退屈しのぎに物を買ってしまうこともあります。
また欲しいものが別にあるけれど、それを手に入れるのが難しいか、あるいは無理なので、代替行為として買い物をする、ということがあります。
たとえば、親の愛が得られなくてさびしいので、物を買い集めることで、心の空白を埋めるといったことです。
人は買い物をすると気分がよくなります。何かを買おうと思ったときから、脳の報酬系が活性化され、ドーパミンが分泌されます。
ドーパミンは、快感や満足感をもたらします。
何か新しいこと、チャレンジングなことに遭遇するとドーパミンが出ます。ショッピングは新しいものを手に入れる行為です。未知の物を見たり、着たことがなかった服を試着すると、ドーパミンが出て嬉しい楽しい気分になります。
ドーパミンは、実際に物を買っているときより、これから何か楽しいことがあるんだ、と期待しているときにたくさん分泌されます。
お店で素敵な靴を見ると、ドーパミンがばーっと出てわくわくします。
その靴は、自分がふだん履いているフラットシューズではなく、どこに履いていったらいいのかわからない9センチヒールのど派手なクリスチャンルブタンの靴です。
でも、その体験が自分にとって新しければ新しいほどエキサイティングなので、うれしいのです。
そのうれしさを持続させようと、人は自分が履きそうにない靴を買ってしまいます。買ってすぐにドーパミンレベルは減少します。使い道のない靴はガラクタになります。
このような行為をしないために有効なのは、買い物をしているときに脳内で何が起こっているのか意識することと、買い物以外で、幸福感を得られる生活を送ることだと思います。
未知のチャレンジを前にすると、ドーパミンが分泌されるので、常に挑戦する人生を送るのがいいのではないでしょうか?挑戦する環境は、他人は関係なく、自分1人で作りだすことができます。
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きょうは7つだけ理由をあげましたが、細かく見ていくと、人が物を買う理由は実にたくさんあります。好奇心を満たすため、というのもありますね。
安いものを買う人は、好奇心にかられて、ということが多いような気がします。「100円でどのぐらい使えるんだろう?」という質問の答えを知りたいから100均グッズを買うのです。
衝動買いをしないために、欲しい物をノートに書いて30日待つ方法を以前お伝えしました。ついでに、なぜそれが欲しいのか、そのものによって自分が実現したいことを書き添えると、余計な買い物が減ります。
ポイントは、とにかくしつこく考え続けることです。答えに正解、不正解はありません。考えることで、意識的な買い物に近づけるのです。