砂糖

健康・アンチエイジング

甘い物をやめるのが難しい7つの理由:砂糖を断捨離するコツ(1)

甘いもの、特に精製された砂糖や、砂糖が入っている食べ物をやめるにはどうしたらいいのかお伝えします。



砂糖がからだにいいという医者はいない

初回は、具体的な方法ではなく、なぜ砂糖をやめるのが難しいのか詳しく説明します。

砂糖を取り巻く状況を理解し、「砂糖断ちは困難である」という心の準備ができれば、継続しやすいのではないでしょうか?

きのう、花粉症対策の記事を書きました。砂糖の摂取を控えめにすると、アレルギー症状が改善されると思います。ひどい花粉症に悩んでいる人は砂糖断ちを試すのもオプションに入れてみては?

花粉症になると、年間25%ぐらい、極端にパフォーマンスが落ちてしまいます。薬を飲んで症状を抑えるのが1番簡単でしょう。ですが、花粉症の季節が来るたびに、薬を飲み続けるのはいやじゃないですか?

甘いものを控えると、花粉症だけでなく、ほかの部分でも健康になれます。

もちろん、健康を決めるのは、砂糖だけではありません。ほかにもいろいろな要因があります。ただ、一般に、現代人は砂糖を摂り過ぎているので、花粉症の薬に手を伸ばす前に、砂糖のことを考えてみてほしいのです。

このブログでは、時々健康にいい食べものを紹介しています。どれも、適度に食べると、体にいいのですが、食べ過ぎるとよくないし、専門家によっては、「いや、この食品はむしろ害になる」という意見もあります。

ところが砂糖に関しては、「砂糖はからだにいいですよ」という医者はあまりいません。

この点、タバコと一緒です。

ただ、完全に砂糖をやめるのは現実的ではありません。この点はタバコとは違います。タバコの成分はタバコにしか入っていませんが、砂糖はありとあらゆる加工食品に入っているからです。

砂糖は社会にしっかりに根付いています。しかも、砂糖を食べる習慣がなくなると、仕事を失ってしまう人があまりに多いので、社会的に「食べちゃだめ」とは、ならないでしょう。少なくとも、私が生きている間は。

そこで、ふだんアレルギーなどが出ていて体調が悪い人は、自主的に砂糖をやめるべきなのです。

☆砂糖をやめるのが難しい7つの理由
便宜上「やめる」という言葉を使っていますが、完全にやめるのは現実的ではないので、「ほぼやめる」と理解してください。

1.甘いものはいつでもどこでも簡単に手に入るから

甘いものは禁止されていないので、コンビニでも100円ショップでも簡単に手に入ります。値段もタバコのように高くありません。アルコールもどこにでもありますが、一応、18歳以上でなければ買えません。

手に入りやすいどころか、企業は積極的に食べることを勧めています。

タバコには、「吸い過ぎると病気になる可能性があります」という文章と怖い肺の断面図がのっているパッケージがありますが、お菓子にはそんなことは一言も書いてありません。

☆え、砂糖ってからだに悪いの?という方はこちらをどうぞ⇒白砂糖はこんなに体に悪い~私が砂糖をやめた理由とは?

2.甘いものは文化と深く深く結びついているから

今、甘いものやスイーツは日常的に食べられていますが、昔は行事や儀式と結びついていました。

今のお菓子の先祖のような、自然な果物ではない、人工的に手を入れて作ったお菓子は、奈良時代以降に遣隋使や遣唐使が伝えたものだそうです。中国大陸から入ってきたわけです。

砂糖(黒糖のかたまり)やお茶も、この頃、日本に入り、茶の湯で使うお茶菓子としてまんじゅうが作られました。これが和菓子の先祖です。

ついで、点心も日本に入り、食事と食事のあいだにお茶を飲みつつ、お菓子を食べるという習慣も生まれました。

室町時代にはポルトガル人が南蛮菓子(カステラ、ビスケット、ボーロ、金平糖など)と一緒に、白砂糖も持ってきたので、さらにお菓子文化が発展。

いろいろな行事でお菓子が活躍するようになりました。日本人はお茶が大好きですから、お茶とお菓子は切り離せません。

現在、お菓子は、ふだんおやつやデザートに食べるだけでなく、いろいろな年中行事に結びついています。

1月は鏡開きで作るお汁粉、2月はバレンタインデーのチョコレート、3月はお雛祭りの甘酒やケーキにホワイトデーのキャンディー、お彼岸のおはぎ。

4月は入学祝いのケーキ、紅白まんじゅう、5月は子供の日の柏餅にちまき、母の日のクッキーとか何かお母さんが好きな甘いもの、6月は何の行事もないせいか、1979年に、全国和菓子協会が6月16日を「和菓子の日」にしています。

なぜこの日が和菓子の日なのか?

この日は、平安時代の承和(じょうわ)(834年~848年)から嘉祥(かじょう)に年号が変わった6月16日にちなんでいます。

この頃、疫病が流行っていたので、仁明天皇は6月16日に年号を変え、16個のお菓子や餅を神前に備えて、厄除けと健康、招福をお祈りしました。

江戸時代までは、6月16日は「嘉祥の日」として、お菓子を食べたり、使用人にお菓子をあげる風習がありました。

また6月は父の日もありますので、甘党のお父さんは少ないかもしれませんが、一応、ブランデーケーキなんてのが発売されます。

7月はお中元でお菓子を贈り、8月はお盆なのでご馳走と一緒にお菓子を食べ、9月は敬老の日があるから紅白のおまんじゅう、それにお月見の団子、お彼岸もあるのでおはぎも食べます。

10月は何もなさそうですが、この頃は天高く馬肥ゆる秋で、何でもおいしい時期なので、行楽弁当とお菓子を食べ、焼き芋が美味しいから、スイートポテトが店に並び、月末になるとハロウインのお菓子です。

11月は七五三の千歳飴、12月はお歳暮でお菓子を贈り、クリスマスにクリスマスケーキを食べます。

これ以外にも、誕生日にはバースデーケーキを食べ、お葬式には常用まんじゅうです。お菓子は年中行事としっかりセットになっているのです。

さらに伝統的な日本料理は、砂糖をたくさん使います。しょうゆと砂糖で甘辛い味付けにする料理が多いですね。台所から砂糖を追放すると、主婦はとたんに何を作っていのかわからず途方にくれるかもしれません。





3.甘いお菓子にはポジティブな思い出がいっぱい

2番の理由と似ているのですが、甘党の人は、小さなときからお菓子にまつわるポジティブな思い出がたくさんあります。

べつに甘党でなくても、例えば幼稚園や学校でパーティみたいなことをしたら、必ずお菓子が登場します。

お菓子がない子供の集まりってちょっと想像つきません。

私の娘も、いろいろな行事を積極的に祝う小学校に行っていました。何かというとクッキーやチョコレートなど甘いお菓子を食べたり、もらったりしたものです。

5、6年前、名古屋に里帰りしたとき、母と「ゲゲゲの女房」(ドラマ)を見ていました。小学生の主人公が夏休みに毎日ラジオ体操に出席したのに、皆勤賞のキャラメルをもらえなかったからどうしたこうした、というエピソードがありました。

これは主人公は背がやたら高いのに、気が小さくて、「キャラメルもらっていません」とはっきり言えないことを表すエピソードです。

主人公のモデルは1932年生まれなので、私の母より1つ年上。

当時10歳として、昭和18年ぐらいです。もうちょっと前かもしれません。戦前から、森永キャラメルみたいなキャラメルがあったのか、と、私は、そのキャラメルの画面がいまだに脳裏に焼き付いています。

ラジオ体操の皆勤賞の景品がキャラメルだったら、これはたぶん一生覚えているんじゃないですか?

何かを達成したら甘いお菓子がもらえたのです。ごほうびにケーキを食べる人がたくさんいるのも不思議はありません。

そのように子供の頃からお菓子はいろいろと楽しい思い出に結びついているので、多くの人は甘いものを見たり、お菓子の話を聞くと、うれしい気分、ほんわかとした気持ちになるのです。

甘い物がなかなかやめられないのは、このポジティブな感情を切り離すのが難しいからです。これは思い出の品を捨てるのが難しいのと同じです。

思い出の品の捨て方⇒思い出の品をさくっと断捨離するコツ~6つの思考で今を生きよ

ただ、思い出の品を断捨離するときと同じように、ケーキは単に小麦粉と砂糖とバターのかたまりであり、それにまつわる思い出は自分の心の中にあるんだ、と思えば感情を切り離すことができます。

しかしこれは「言うは易し」でしょう。人間は感情の生き物ですから。

4.砂糖には依存性がある

砂糖中毒という言葉がありますが、これはあながち誤りでもないと言えます。

砂糖への依存性についてはこちらに詳しく書いています⇒砂糖への依存性はこうして起きる。甘いものをやめるために1番大切なこととは?

依存性があるので、やめにくいわけです。

5.砂糖は何にでも入っている

加工食品にはたいてい砂糖が入っていると言っても過言ではありません。甘いものに分類されないパスタのソースやカレー粉にも入っています。

たまたま今、うちに味の素のコンソメとハウスのこくまろカレーがあるので原材料を記載している箇所の写真をとってみました。

コンソメの原材料

味の素のコンソメ

こくまろカレーの原材料

ハウスのこくまろカレー(甘口)


両方とも砂糖が入っていますね。こくまろカレーは甘口なので砂糖が多めに入っているのかもしれません。

私、以前は味の素のコンソメで作った(単にお湯をそそぐだけ)スープが大好物でした。ところが、砂糖を摂らないようにして、しばらくしてからなめてみたら、変な甘みを感じて、食べられなくなりました。

☆意外なものに砂糖が入っている話⇒砂糖を減らすために今日からできる10のこと 目標1日25グラム

砂糖は食品会社にとってはとても便利な食品です。こんな利点があります。

味を整える、おいしくする
砂糖は甘みをつけるだけでなく、酸味や苦味を和らげるし、塩と油とうまく合わせると、おいしくなります。素材の悪い加工食品は砂糖で味を向上させています。

防腐剤の役割あり
特にでんぷんの老化を防いだり脂質の酸化を防ぎます。果物の砂糖漬けはこの性質を利用したものです。甘いお菓子はなかなか悪くなりません。

固める力がある
高温にするとキャラメルやべっこう飴みたいにねっとりしますが、冷えてもこの状態を保っています。だから飴を作ることができます。

食べ物においしそうな焼き色をつける
糖化の話で書きましたが、アミノ酸を含むものと一緒に砂糖を加熱すると(焦げると)茶色になります。

これがパンの焼色とか、カステラの茶色の部分とか、三笠焼きの茶色いところとか、ホットケーキの焼き色になり、おいしそうに見えます。香ばしい匂いもしますね。

糖化について⇒砂糖がお肌にとても悪い理由。アンチエイジングしたいなら抗糖化ケアもすべし

ほかにもパンの発酵を助けるとか、タンパク質を柔らかくするなどいろいろな働きがあります。卵焼きを塩だけで仕上げると固くなりますが、砂糖を入れるとふっくらします。ついでにおいしそうな焼色もつきます。煮魚に「てり」をつけるのも砂糖の力です。

砂糖はタンパク質の構造の変化(タンパク質の変性)を遅くし、水を引き付けるので卵白に砂糖を入れると、きめの細かいつやつやしたおいしそうなメレンゲができます。ほかにもおいしい食べ物やお菓子の影に、砂糖の活躍があるのです。

このように砂糖はとても便利な食品なのでさまざまな加工品に入っています。単に甘いだけならここまで使われることもなかったでしょう。

6.砂糖を抜くとたぶん食費が高くなる

我が家で砂糖をほとんど食べないのは私だけなので、確証はありませんが、砂糖を取らないようにすると、加工品はアウトですから、たぶん食費があがります。

安い加工食品は、砂糖、脂質、塩で味を整えています。この3つが入ってないとまずくて食べられないはずです。

しかし、砂糖をやめると、こういう加工食品は食べないことになるので、ホールフードから手作りすることになります。

また加工食品でも、砂糖(人工甘味料含む)の入っていないもの、材料を厳選したものは高価です。

よって、おそらく食費があがります。ファーストフードも食べられなくなりますから。甘くないはずのパンにも砂糖が入っています。

実際私はかなり食費がかかっているのですが、これはオーガニックフードの店で買っているせいかもしれません。

7.砂糖を抜くとたぶん調理の手間が増える

6番と同じ理由で、加工食品(調味料含む)を使えないので、何でも一から作ることになり、人によっては面倒に感じるかもしれません。

たとえば、スープは味の素のコンソメを使わず、鶏ガラから取る、というふうになります。

できるだけシンプルな調理にしておけばそれほどの手間でもありませんが、忙しい主婦は困りそうです。

* * * * *
このように砂糖を抜くためにはいくつか越えなければならないハードルがあります。

食費については、今、食費を安くあげて、あとで医療費をたくさん払うか、今、食費にお金をかけ、あとで医療費を払わないようにするか、という選択になるとも言えます。

しかし、砂糖をやめたからと言って、年をとったとき病気にならないとは言えません。無理に砂糖をやめてストレスを感じると、それが病気の原因になりますからね。

次回は具体的な砂糖のやめ方をお伝えする予定です。





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