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たまの衝動買いは問題ないでしょう。ですが、毎回のように衝動買いをしていると、お金を失い、部屋が散らかるだけでなく、罪悪感やストレスのせいで、暮らしの質が落ちます。
無計画で感情的な買い物を減らすため、衝動買いをしてしまう精神状態を7つにわけて紹介します。
あてはまるパターンがあったら、修正を試みてください。今より、情緒が安定して気分も上向きになるでしょう。
衝動買い・7つのパターン
1.不幸な気分
2.損得勘定大好き
3.心配性なのに楽観的
4.見た目が大事
5.こらえ性ゼロ
6.買い物が楽しいという幻想
7.気持ちに余裕がない
番外:買い物依存症
順番に説明しますね。
1.いつも不幸っぽい
マイナス感情を買い物で帳消ししようとするパターンです。
人は、悲しかったり、さみしかったり、ストレスが多かったり、不安だったり、退屈だったり、イライラしていたり、疲れていたり、絶望しているとき、手っ取り早く買い物をしてハッピーな気持ちになろうとします。
ショッピングは、インスタント・グラティフィケーション(Instant gratification すぐに得られる喜び、即席の喜び)を得る、典型的な活動です。
私が服をたくさん買ってしまったのもこのパターンでした⇒何があなたを買い物に走らせるのか?私の買い物が止まらなかった5つの理由
この場合は、自分の不幸の元をある程度なくせば、買い物が止まります。
以前、買い物が止まらないという相談のメールを寄せてくださった方は、友だちがいなくて寂しいから買い物してしまう、と書いていました。
この場合、寂しくないように友だちを作ればいいわけです。あるいは、きのうも書きましたが、1人の時間を充実させるのもいいです。
きのうの記事⇒恋人への執着や依存を手放し自分の人生を生きる7つのヒント。
いくら買い物しても、友だちはできません。エネルギーと時間とお金を注ぐ方向を変えてください。
2.損得勘定ばかりしている
損得勘定に敏感な人や、損得ずくで行動する人は、セールや「お得な」プロモーションにひっかかって、全然予定していなかったのに、無駄なものを買います。
人間は、皆、損をしたくない、損をするのはいやだ、と思う心理的傾向があります。
これを損失回避と呼びます⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
人間の祖先だと考えられる、オマキザルにも見られる傾向です⇒私たちがお金に関して愚かな決断をしてしまう理由(TED)
それだけ根強い反応ですが、生まれもった性格やこれまでの体験、現在の環境などによって、この傾向がとても強い人がいます。
「元を取りたい」とか「元が取れた」という言葉が口癖になっている人、割引率の高いものを買うと異様な喜びを感じる人、いかにセールで安く手に入れたか、人に自慢する人は、損得勘定に敏感だと思います。
しかし、サルのプレゼンで心理学者が語っているように、人がする損得勘定はあくまでも、その場その場で相対的に行う計算(というか思い込み)です。
きっちり勘定しているようで、ひじょうに不合理な決断をしていることが多いのです。
かくして、オール半額、期間限定、季節限定品という言葉に舞い上がって、すぐにゴミになるものを買ってしまいます。
この性格のせいで、無駄遣いが増えている人は、とっさにする損得勘定はとりあえず、横におき、もっと理性的な計算をしてください。
– 予算はあるのか
– 本当に使うのか
– 本当に好きなのか
– 本当に必要なのか
こんなことを考えるのです。
3.心配性だけど楽観的
心配性な人は、手持ちのストックが切れるのを恐れているので、まとめ買いをします。愛用品が安くなっていると、喜んで衝動買いします。
サイズのあった靴や下着を見つけると「もう2度と見つからない」と思って、予備を買います。
こちらで紹介しているヒロコさんは典型的な例です⇒買えなくなるのが怖くて買いだめする人へ。ストック癖を治す5つの方法。
なんでも、2つずつ買う人、必ずスペアを用意している人もここにあてはまります。
こういう人は、心配性ですが、同時に理不尽なまでに楽観的です。
なぜ楽観的か?
まず、いくらたくさん買っても、自分は全部使い切る(食べきる)ことができる、と考えています。
靴なんてそんなに簡単にだめになりません。毎日同じジョギングシューズをはいて、走ったり、歩いたりしている私の靴はわりと早くだめになります。それでも半年はもちます。
2足も3足も持っているとなかなか減らないので、だんだん飽きてきて、別のよさそうな靴を見つけると、また2足買いをしたりします。
かくして、下駄箱と玄関のたたきに靴があふれるのです。
楽観ポイントはもう1つあります。今の生活がずっと続くと考えていることです。
人の生活は日々、少しずつ変化しています。時に、大きく変化することもあります。
足のサイズは変わらないかもしれませんが、下着や服のサイズは変わることがあります。仕事が変わって、傾向の違う服を着用することだってあるでしょう。
好みや嗜好も変わります。
まとめ買いする人は、「いまの自分」のために大量買いをしているのですが、「いまの自分」は1ヶ月後、3ヶ月後、半年、1年とたつうちに、考え方も生活環境も変わるのです。
ストックを買いすぎると、時間がたつと使い切れなくなり、ガラクタ化します。
この問題を解消するには、「変わらないものなど何もない」と知ることです⇒人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)
4.見た目が大事
見た目や社会的ステータスにこだわる人も衝動買いが多いです。
なぜか?
人と比べることが好きだからです。
自分と人を比べることは、実はそんなに簡単にできません。人間は1人ひとり環境も性格も違うからです。
ところが、人と比べることが好きな人は、どうしても比べたいがために、見た目というわかりやすいポイントで比較します。
住んでいる家、乗っている車、使っている家具や雑貨、着ている服、持っているバッグ、はいている靴、顔に塗りたくるコスメなど。
見た目を整えるには、物を使うのがいちばん手っ取り早いです。
かくして、お店で何かを見ると、「そういえば、これ友だちの◯◯さんが、持ってたやつだ。私も買おう」と考えます。
幸か不幸か、日本では見た目の素敵な物が、わりと買いやすい値段で豊富に揃っています。ネット通販もとても便利です。働いていない主婦でも作れるクレジットカードもあります。
買いやすい環境にあるし、メディアの広告もあるし、素敵に見せたいと思っている人は、どんどん買い物してしまいます。
インスタを見て、衝動買いしてしまうのはこのパターンです⇒節約したいならSNS(特にインスタグラム)は見ないほうがいい6つの理由。
人と比べることを控えると、この手の衝動買いは減っていきます。
見栄を張らない方法を参考にしてください⇒見栄っ張りをやめて身の丈に合った暮らしをする6つのヒント。
5.こらえ性ゼロ
自制心がない人も衝動買いが多いです。あたりまえですね。
「かわいい~ほしい!」という気持ちが先行して、それを買ったあとのことは何も考えていません。
– 支払いはどうするのか?
– どこに置くのか?
– いつ、どこで、どんなふうに使うのか?
こんなことは、ちらりとも脳裏をよぎりません。
これが原因で、買い物の失敗が多い人は、自制しない行動のせいで、自分の生活がどんなふうになっているのか、考えてみるといいでしょう。
洋服を買うのが止まらない人は、まじめに洋服ノートを書いてください⇒服の買い過ぎ防止に効果がある「洋服ノート」の作り方。
自制心がある人のほうが、何ごとも成功しやすいと言われています⇒人生で成功したいなら自制心を持て~マシュマロ・テストに学ぶ成功法則(TED)
自分の暮らしに不満があるなら、自制心を鍛えることで改善されるかもしれません。
マシュマロの実験の記事に、自制心を鍛える方法を4つ書いています。マシュマロを食べない方法ですが、マシュマロをふだん自分が衝動買いしているものに、置き換えれば、戦略が見つかります。
ごく自然にがまんすることができるようになると、人間関係も改善されるし、日々のストレスも減ります。もちろん貯金も貯まります。
6.買い物が楽しいと思い込んでいる
衝動買いなくして、何の人生ぞ。買い物をするのは楽しいし、ポジティブなことだ。人生は買い物をするためにある。
このように思っている人は、もちろん衝動買いが多いです。
楽しんでいるなら、そのまま続ければいいと思います。ですが、自分で自分を欺いていることがあります。
「楽しいから、いい!」と思っているその買い物のせいで、何か不都合なことが起きているかもしれません。
こんなことはありませんか?
– クレジットカードの請求がふくれあがって、使うべきところにお金がまわせない
– 貯金がない
– 家の中に使っていない物があふれてストレスになっている
– 物が増えすぎて、物理的に生活しにくくなっている
– 買い物ばかりしていて仕事・家事がおろそかになっている
– 完全に汚部屋になっている
– 自分で不用品を捨てられないので、家族や友だちに「プレゼント」と称して押し付けている
思い当たるふしがあったら、「買い物は楽しいから、いいんだ」という考え方を改めたほうがいいかもしれません。
7.気持ちの余裕がない
頭が混乱していて、気持ちに余裕がない人は、衝動買いが多い、というリサーチがあります。
さまざまな考えで頭の中がぐしゃぐしゃだと、客観的な意志決定ができないのです。
心のスペースがゴミでいっぱいなので、冷静に考えられないのですね。
たとえば、子供を連れて、夕食の買い物に行ったとします。
今晩の献立が決まっていないので、セール品を見ながら、「何にしようかな~」と考えているところに、上の子(幼稚園児)が何かギャーギャー言い始めると、そっちに気を取られます。
子供が静かになったあと、スマホを取り出し、レシピをチェックしようとすると、友だちからLINEにメッセージが入っているのでそっちを読み始めます。
すると今度は下の子(赤ちゃん、ベビーカーの中)が泣き始めます。
こんな状態では、まともに考えることはできないのです。
よって、「あ~、もうどうでもいい!」と、お高いお惣菜を買ってしまったり、帰りにマクドナルドに寄ってしまったりします。
人間のメンタルスペースや意志の力は有限です。他のことに使いすぎると、買い物の意志決定に使う分がなくなってしまうのです。
こんなとき、どうしたらいいのでしょうか?
子供を買い物に連れていくしかないなら、少なくとも、夕飯の献立は、先に決めておき、きっちり買い物リストを書いて持参したほうがいいです。
スマホなど気を散らす物は、買い物中には手にしません。
前もって、早め早めに準備しておくことで、心のスペースを確保できます。
ふだんから意識して「気を散らす物」を生活から取り除いてください。
番外:買い物依存症の人
最後は買い物依存の人です。買い物することがすっかり習慣になっていて、日常生活に支障が出ている人はここに入ります。
買い物するたびに、脳の報酬系が活発になり、ドーパミンが出ているものと思われます。
重症の依存症は自分で治すことは難しいので、専門家の助けを借りるといいでしょう。セラピーを受けるのもいいです。
なんとか自力で治せそうなレベルなら、こちらの方法を試してください⇒どうしてもやめられない。買い物依存症ぎみの人が、自分で克服するためにできること。
こちらも読んでください⇒どうしても買い物が止まらない。買い物依存症を自分で治す方法
ネット通販の場合はこちら⇒買い物依存症を治す11の方法(ネット通販編)
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衝動的な買い物をしてしまう、7つの精神状態をお伝えしました。
実際には、さまざまな感情や気持ちが入り乱れて、衝動買いという結果を生んでいます。
特に自分の傾向の強いものから、順番にタックルして戦略を立ててください。
衝動買いはなくならないでしょうが、次第に規模が小さくなっていきます。