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2歳のお嬢さんをお持ちの方から英語教材を買うべきか、買わざるべきか、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアします。きえさんからです。
英語教材を買ったほうがいいでしょうか?
件名:子どもの英語教材
先日、問い合わせて、お返事ありがとうございました。
最近、悩みが出てきて、筆子さんならどうするかなあ。。とまたしつこくメールさせて頂きました。
すみません^_^;
英語教材を購入しようか迷っています。
これから、小学校でも英語の授業が入ってきたり、英語のリスニングも大学受験などで取り入れたりと、英語力が必要になってくる。
ということで、周りのママ友が、英語教材を買って、小さい頃から、親子で英語に取り組んでいます。
うちの子は、まだ日本語も言えてないのですが、その子たちは、英語の単語を話したりしています。
うちは、子育てで1番大事にしたいことは、
のびのびと遊ぶこと。
自分で生きていく力。
人とのコミュニケーション。
だと思っているのですが、最近、焦ってきました。
小さいうちから、英語を身につけさせてあげた方がいいのかなあ。。
と。
でも、英語教材は高額だし、フルセットで届くので、大量の教材に圧倒されそうです。
親子で毎日取り組む自信もありません。
今は、育休中で時間があるのですが、働き出したら、そんな余裕はなさそうです。
イベントにも行けるのですが、小さい子ども2人連れて都会まで電車で行くのも、自信がないです。
今は、できる範囲で英語ソングのCDを流したりしているんですが、最近、不安になってきてしまって。。
筆子さんなら、どうされますか?
アドバイス頂けたら嬉しいです^_^;
きえさん、こんにちは。お問い合わせありがとうございます。
このメールには、教材をあてがいたいと思っているお子さんの年齢が書いてありません。
わかっているのは、そのお子さんはまだ母語である日本語もしゃべらない状態だということです。
そこで、きえさんから、2018年2月2日にいただいた最初のメールも引用します。いまから3週間ほど前です。
物もお金も大事にしていなかった
件名:断捨離してよかったです(>_<)
上がまだ2さいになっていないこともあり、バタバタしてますが、少しずつ時間を見つけて、物を減らしています。
里帰り出産前に、2人目が増えるなら、うちは狭い賃貸だし、物を減らさなきゃ!!とネットを見ていたら、筆子さんのブログを見つけました。
そこから、子どもたちを寝かしつけた後、筆子さんのブログを毎日チェックして楽しんでいます。
産後は、とにかく物であふれまくって、人が生活するって、どうしてこんなに増えるのー?と改めて感じました。
頂きものがとにかく多くて、ありがたいんですけど、、。
里帰りしていた荷物も本当に多くて、一部屋うまってしまいました(T_T)
でも、今はその部屋は、とりあえずスッキリになりました。
まだまだ、たぶん、ガラクタだらけなんですけど。
断捨離していて、いいことがあったので、ぜひ筆子さんに聞いて頂きたいと思って、問い合わせしてみました。
先日、チャイルドシートの部品が1個なくなって、ショックを受けて、しかも、6万ぐらいするので(T_T)
部品を取り寄せようと思っていたのですが、なんと奥にあったカバンの中に入っていました。
クローゼットの中を断捨離していたら見つかりました。
そのクローゼットの中から、なぜか結婚祝いでもらった祝儀袋が出てきて、3万円も入っていました(;゚д゚)
結婚、何年前にしたっけって感じなのに!!
長女が夏に買ったばかりなのに、なくした片方の靴も使っていなかったゴミ箱から出てきました。
たぶん長女が遊びで入れてしまっていたみたいです。
それは、片方もう捨ててしまったので、使えないんですが(T.T)
ゴミ箱は捨てました。
ほんと、いかに自分が、物が多すぎて、管理もできず、物もお金も大事にしていなかったかを改めて知りました!
筆子さんのブログと出会えてほんとによかったです。
これからも、断捨離しながら、すっきりした生活を目指して楽しんでいきたいと思います。
ありがとうございます。
返信希望としましたが、お忙しいと思うので、できればでいいです(^o^)
シンプルライフにしたいなら本当に必要な物だけを買うこと
ふたつのメールを読めば、答えはおのずから出ています。
きえさんは、
◯断捨離したい
◯すっきり生活をめざしたい
◯楽しみたい
こんな希望を持っています。
その生活を実現するのに、お子さんの英語の教材は必要でしょうか?
いらないと思います。
むしろ、買ってしまうと、希望の生活から遠ざかります。
最初のメールによると、きえさんの長女はもうすぐ2歳(1歳半ぐらい?)。次女は生後3ヶ月~4ヶ月です。
きえさんは育児休暇中なので、この機会に、放置していた片付けに取り組み、なくしたと思っていたものだけでなく、しまってそのままになっていたお金まで見つけます。
その体験から、「いままでは、物をたくさん持ちすぎて、お金も物も大事にしていなかった」と思い、これからはスッキリ生活したい、と考えています。
ということは、高額の英語教材なんて買ってる場合じゃない、と思うのですがいかがでしょうか?
もちろん、必要な物、自分の生活を豊かにしてくれるものは買ってもいいでしょう。
ですが、それ、どうしても必要なんですか?
私の答えはメールを出す前からわかっているはずです。もちろん買いませんよ。
きえさんが、物を増やしてしまった理由、もう一度考えてください。もしかしたら、まわりの親たちの影響を受けて、不用な物を買い過ぎてしまったのではないでしょうか?
きえさんは、ご自身の子育てのポリシーを3つ書かれています。
そういう子育てを実現するために、その英語教材は助けになる物なのか?
むしろ、足かせになると思います。
さて、ここまでは、「物を増やさない」という観点からお話しましたが、以下は、バイリンガル育児という面から、英語教材を買うべきかどうか、書いてみます。
2歳未満のこどもに英語教材を与えていったいどうしたいのか?
お便りには、「小さいうちから、英語を身につけさせてあげた方がいいのかなあ」と書かれています。
これ、具体的にはどういうことなのか、ご自身でもっと明確にしてください。「英語を身につける」ではあまりに漠然としています。
きえさんは、その教材を使って、どんな状態を実現したいのでしょうか?
英語を好きになってもらいたい、小学校のとき英語でよい成績をとってもらいたい、ほかの友達と同じことをしてもらいたい、などなどご自身でその教材を買う理由を考えてみてください。
そもそも、なぜ、お子さんに英語を身につけさせたいのですか?
大学受験に有利だからですか?
それって、いわゆる勉強のための勉強です。
日本人はずっと受験に受かるための英語の勉強をやってきました。だから、長年、英語を勉強することにエネルギーを注いでいるわりには、英語で意思疎通させることが苦手な人が多いです。
現時点の日本の教育制度において、「学校でいい成績をとるための英語の勉強」をさせると、英語を使えるようにはならないでしょう。
むしろ、英語を嫌いになってしまいそうです。
それに、16年後の大学受験は、いまとずいぶん変わっているのではないでしょうか?
外国語を話す仕事は人工知能(AI)に取って代わられる、と考えられています。すでに、人工知能接客システムが開発されていますし、東京五輪でも、案内にAIを利用する計画が進められています。
もちろん、ふつうの人が、精度の高いAIを手軽に利用する状況になるまでには、まだ時間がかかるでしょう。ですが、社会は確実にその方向に向かっています。
そんな時代になったとき、人間に必要なのは、何か国語もしゃべる能力ではなく、自分の意見を持ち、それをまともに表現し、伝達できる能力です。
ますますグローバル化が進んで、外国の人と交流することが増えるでしょう。
その時、英語を話すことができたら便利かもしれませんが、異文化に対する偏見や、自分とは異なる意見に対して不寛容な態度を持っていると、いくら外国語をぺらぺらしゃべれてもたいして意味がありません。
こんなふうに、なぜ自分はこの教材を導入したいのか、その理由をあれこれ検討してみると、本当に必要かどうか見えてきます。
子どもにプレッシャーをかけすぎないほうがいい
最後に言いたいのは、あまり小さいうちから子どもにプレッシャーをかけないほうがいい、ということです。
親が教育熱心すぎると、子どもの気持ちの負担になってしまい、のびのびと育たないからです。
この記事の最後に実例をあげています⇒年末年始に財布のひもがゆるむ人はプレゼントの買い過ぎに気をつけるべし。
私の娘(現在19歳)の父親は英語ネイティブで、母親は日本語ネイティブです。カナダの英語圏で育ったので、娘の母語は英語で、日本語はほとんど解しません。
娘が幼いころから、私が毎日しゃべっていた、「ご飯だよ」「テレビばかり見ちゃだめだよ」「おやすみ」「それ、いらないならもう捨てなさい」といった言葉を聞けば、意味はわかるようですが、娘の口からは全く日本語は出てきません。
私と似た状況にある人で、子どもをバイリンガルにしたいとがんばる人は多いです。が、私はあえてそうしませんでした。
英語環境で、日本語も同じように流暢に話すように育て上げるのは、それなりの努力がいります。
私が娘と話すときは、日本語オンリーにするとか、毎年のように里帰りに連れていき日本語にふれさせるとか、日本人の友達とたくさん交流させるとか、
日本のテレビが見られるようにケーブルテレビと契約し、日本語の番組を見せるとか、日本語の本を読み聞かせるとか、そういったことです。
しかし、学校では英語ですから、英語だってちゃんと使えるようにサポートしなければなりません。
こうしたことは、子どもにとってかなり負担になります。
特に私の娘は、もともと本を読むのがそんなに好きではないし、日本文化にもさして興味を示しませんでした。これは父親の影響もあるでしょうが、私自身、娘を日本人に仕立て上げたいという強い希望はなかったのです。
カナダの英語圏で生まれて育てば、ごく自然に英語ネイティブになります。そこにあえて日本語をもちこむのは不自然で、娘のストレスになるから、そんなことはやりたくありませんでした。
もちろん、ほかにも事情はいろいろありましたが。
日本に興味がなければべつにそれでいい。本人が興味のあることを自主的に追求し、得意なことをさらに得意になってもらいたい、と考えていました。
人生のどこかで娘本人が、日本語を学ぶことが必要だと思ったら、そのとき習得すればいいのです。
私と同様に父親が英語ネイティブの子どもを持つ日本人の友達は、「子どもに日本語を話せるようになってもらいたい」と言っていました。
その理由は「私の気持ちをわかってもらいたいから」です。
でもこれって、親の勝手な都合です。それに、同じ日本語を話していても、大きくすれ違っている親子なんていくらでもいます。
言葉は伝達に使うツールですが、それを使えることよりも、いかに使うかが大事です。つまり使いこなせる、ということよりも、話したり書いたりして発信する、その内容が重要なのです。
発信する内容を決めるのはその人の人間性です。
高額の英語教材が、2歳未満の子どもの人間性を育てるのに役立つと思うなら、買ってもいいでしょう。それはきえさんの決めることです。
繰り返しになりますが、私なら買いません。