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お店の人がくれる販促品を断りにくい、というお便りをいただきました。
そこで、レジでしっかり「いりません」ということができる人になる方法を紹介します。
まず、メールをシェアしますね。ころころさんからです。
店で断るのがとてもむずかしいです
件名:難しいです
毎日ブログを楽しみにしています!
昨日、今日のブログを読んでいて、「NO」という、貰わないことの大切さを改めて感じたのですが……
断るって、難しいです!
意識しだしてから気が付いたのですが、販促品を渡す時に相手の方が言う言葉、
「これ、使って下さいね」
こちらが喜んで受け取るのが前提になってます。
そうやってにこやかに渡されると、
「(そんなもの)要りません」って、断りたい、断りたいのに断れない。
相手の期待を裏切るのが嫌なんですね……。
私は40代も半ば。いい年のおばちゃんですが、おばちゃんの図々しさをもってしても、やっぱり断るって罪悪感あります。
「どうしますか?」って、聞いてくれればいいのに!!と、自分の情けなさを相手のせいにしてしまいます。
結局、どこのゴミ箱に入れるかだけの違いで、世の中的にはゴミを増やしてしまった、と、思いながら捨てています。
反射的に、尚かつ相手を不快にさせない言い方で、「No」を言えるようになるのが今後の課題です。
筆子さんの記事にも、断り方はたくさん書いていただいてると思うので、読み返して頑張ります。
それでは、これからも色々な記事を楽しみにしています。
ころころさん、こんにちは。
記事の感想、ありがとうございました。とてもうれしいです。
さて、きのう、きょうの記事とは以下の2つですね。
油断禁物。うっかり物を家にいれるといつまでも居座る:ミニマリストへの道(111・終)
ゴミを出さないことを意識すれば暮らしは自然にシンプルになる。
ともに、最初から不用品を家に入れなければ、あとで断捨離で苦しむことはないのだ、という記事です。
特に日本は、ノベルティや、粗品、おまけ、付録をもらう機会が多いので、いらない物をもらわない人になれば、かなりスッキリ暮らせるわけです。
そこで、「断るのってむずかしい…」と思っている、ころころさんのような人に、実は、そんなにむずかしくないということをお伝えすることにしました。
以下の方法を試してください。
1.むずかしいと思い込まない
サンプル品やおまけ、ポイントカードを店頭で断るのはさほど難しくありません。
「あ、ありがとうございます。でも、いりません」と言うだけでOKです。英語の No Thank You(ノー、サンキュー)です。
実際、断っている人もたくさんいるのです。ゴミなし生活を実践しているベア・ジョンソンはもちろんそうでしょうが、私も断っています。
名古屋に里帰り中、買い物したときは、かなりのエネルギーを注いで断り続けました。⇒モノをもらわないのも一苦労~不用品を「もらわない」ためのミニマリストの努力と工夫
断れば、たいての人が、「あ、そうですか」と言って、わかってくれます。
すんなりいかなかったのは、リンクした記事にも書いていますが、娘のiPhoneのケースを買うために入った、栄の路面店。ここの店長さん(だと思う)は、女性でしたが、なかなかわかってくれませんでした。
ですが、これはレアなケースです。
いままであまりやったことがないことを始めると、最初は誰でも難しさを感じるものです。
しかし、毎回そうしているうちに、そのうちそれが普通になります。今度は断らないと違和感を感じるようになります。
これは、どんなこともそうですよね?
新しい習慣が身につくまで時間がかかるのです。あまり「むずかしいわ~」と思い込まないでください。
2.断れない理由を全部書き出し、1つひとつ解決していく
「ノーと言うのはむずかしい」で思考停止してしまうと、何も変わらないので、なぜ、断るのがむずかしいのか、考えられる理由をすべて紙に書き出してください。
ブレインダンプをやってとことん書くことをおすすめします。
ブレインダンプとは⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
断れない理由をリストアップ
ころころさんのお便りには2つ理由が書いてあります。
・相手の期待を裏切りたくない
・断ると罪悪感を感じる
ほかにも、いろいろ理由があると思います。過去、断れなかったときの状況を思い出しその理由を書き、今後「断れなかった」という体験をしたら、また理由を書いていってください。
たとえばこんな理由が考えられます。
・だまってもらうほうがストレスを感じない
・いつもの習慣でついもらってしまう
・口を開くのが面倒
・ほかのお客さんに変な人と思われる
・レジの人に嫌われる
・目立ちたくない
・もともと苦手なタイプの定員さんだ
・店が混んでいるので、レジでのやりとりはあまりしたくない
・いつも大急ぎで買い物しているから、店頭でのやりとりはミニマムにしたい
・日本語をうまく使えない
断れない要因を1つひとつクリアする
断ることができなかった理由を出すだけ出したら、「どうしたら断ることができたか?」を考えてみます。
上に書いた理由を見てもらうとわかるように、物理的に断れないのではなくて、自分が断らない選択をしていることが多いと思います。
究極の理由は、「相手に〇〇だと思われたくない」かもしれませんね。
ですが、いつも記事に書いているように、相手がどう思うか、どんな反応をするかは、自分ではコントロールできないのです。
自分がコントロールできないことにあまりフォーカスしないほうがいいです。
もちろん、社会生活をするうえで、無礼なことはするべきではないですが、店で販促品を断ることってエチケットに反することでしょうか?
違いますよね?
その店で何かを買ったからといって、販促品をもらって帰る義務なんて生じません。
おまけを断ることはべつに図々しいことでもなんでもないのです。
「お店で販促品を断ることは図々しいことだ」という思い込みを捨ててください。そうすれば、断ることに罪悪感を感じることもないでしょう。
「いつも店が混んでいるから、店頭でやりとりできない」といった物理的な問題に関しては、混んでない時間に買い物に行くなどの対策をすればいいですね。
3.計画をたて、断る練習をする
断れない理由を出し、どうしたら断れることができるか考えてみたら、次は、実際に断るために計画をたて、練習します。
これまであまりやってこなかったことをできるようにするために、計画と練習はひじょうに有効です。
断り方をプランニング
たとえばこんな計画を立てます。
・本屋さんで文庫本を買うときは、「いつも使っているカバーがあるから」と言って紙のカバーを辞退しよう。
・いつもサンプルをくれるコスメのお店では、「敏感肌だから」といって断ろう。
・サランラップやアルミホイルをくれる新聞やさんには、「定番しか使わないから」といって断ろう。
ころころさんが、どこで、いつ、どんな物を断れないのか、具体的な状況がわからないため、具体的な断り方も書けません。ご自身の状況に合わせて、自分で考えてください。
何も考えていないと、とっさに言葉が出てこず、いつものパターンでもらってしまいます。
尚、断るときは、ただ、「いりません!」というよりも、「~だからいりません」と理由をそえると、相手も納得しやすくなります。
この点については、Influence: The Psychology of Persuasion(邦題:影響力の武器)という本に出てきます。
そえる理由はべつにロジカルなものでなくてかまいません。
本にはコピー機を借りるときの例が出てきます。「これ、コピーしなきゃならないのでコピーさせてください」という、よくよく考えると、理由になってない理由でも、何の理由もつけないより、相手は、イエスと言ってくれるのです。
私はオリジナルをオーディオブックで聞いたのですが、内容はともかく、because (なぜならば~)という言葉を使えばいい、とのことでした。
人間は、いろいろなことに理由を求める生き物だからでしょうね。
断る練習をする
計画を立てたら、つぎはシミュレーションします。
実際にどういうふうにしゃべるか考えて、口に出しください。
もっとしっかり練習したいときは、ご主人とロールプレイングしてみてください。
ロールプレイング(役割演技)は、実際に起こりそうな場面を想定し、複数の人がそれぞれの役を演じて、問題の解決法を習得する学習法です。
会社の研修なんかでよくやりますよね。自分が店員になったり、お客さんになったり、その他のお客さんになったりしてやってください。
想像力のある人なら、1人でもできます。ペットやぬいぐるみ相手にしゃべってみてもいいです。
そこまでやりたくない場合は、何度も口に出す、とか、頭の中で何度も繰り返す、という練習でもいいです。
フィードバックを分析して調節
ひとしきり練習をしたら、実際に断ってみます。
うまく断れればよいのですが、断れないこともあると思います。
そのときは、なぜ断れなかったのか、さらに状況を分析します。理由を洗い出し、また計画をたて練習します。
何かをうまくやるためには、計画と練習は欠かせません。
一連の流れは、こちらの記事を参照してください⇒上手になりたいと思っていることをきっちり上達させる方法(TED)
4.その他のアプローチ
実際に断る以外にも、ころころさんにできることがあります。
お客様の窓口にメールする
いらないサンプルをもらいすぎて困る、ということを窓口にメールしてください。
メールしたからといって、配布する販促品が減るとは限りません。
しかし、そういう声がたくさん集まれば、「販促品をもらって迷惑なお客様もいる」とか「こういう販促方法はいまの時代に合っていないのかもしれない」と企業や店が考えるきっかけになります。
たとえ事態がすぐに改善しなくても、自分の声を企業に伝えるのは大事だと思います。
販促品をもらう機会そのものを減らす
その店に行かなければ、販促品も集まらないわけですから、買い物そのものを減らすことも検討できそうです。
あるいは、別の店で買ってもいいですね。
断るのがうまい人と買い物に行く
私のような人が家族にいるなら一緒に行って断ってもらえばいいです。
また、ゼロウエイスト(ゴミをできるだけ出さない生活)をめざしている人と買い物に行けば、余計なものも買わないし、友達がレジで断ったあと、「私もいりません」といえば、断りやすいです。
実際、誰と買い物に行くかはひじょうに大切です。過不足なく買い物したいなら、自分1人で行くのがベストです。が、「断れない」という事情があるなら、ほかの人の助けを借りることも考えてください。
なんでもはっきり言う子どもと言ってもいいかもしれません。
子どもを連れていると、店の人が、「はい、これ、どうぞ」と勝手に子どもにおまけを渡す、なんてことがあるので、どちらかというと逆効果かもしれませんが。
ゼロウエイストを目指していることを身体で示す
Zero Waste のTシャツが、日本にあるかどうかわかりませんが、そのような自分のポリシーを表すTシャツを着て、態度で示すのもいいかと思います。
先日、プレゼントを紹介したカルガリー・アヴァンシーノさんは、Don’t Drink Soda (清涼飲料水を飲むな)というTシャツを着ていました⇒砂糖漬けの生活から抜けだし健康になる5つの方法(TED)
こういうTシャツを着ていると、うっかり甘い物を飲みそうになったとき、自制が働きます。人間は自分の信念に反する行動はできるだけしたくないからです。
相手も、「ああ、この人、砂糖断ちしてるのね」と思うでしょう。
Zero Waste のTシャツにも同じ効果を期待できます。
断れる人になるための参考記事
ノーと言えるマインドセットや具体的な言い方は過去記事にもたくさん書いています。
ほしくないプレゼントの上手な断り方。これ以上余計な物を家に入れないために。
欲しくないときは「いりません」と言え。もっと自己主張する3つの方法。
義理母が余計なものをくれる問題の解決法は、きっぱりノーと言うことに尽きる。
いらない贈り物をきっぱりと断る方法。プレゼントを受け取ってはいけない時もある。
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きょうは、お店で販促品をうまく断るスキルを身につける方法をお伝えしました。
「できるだけ相手を不快にさせずに断りたい」とメールに書いてくる人がいます。
ですが、販促品なんて、ごくふつうに断れば、相手は不快になりようがありません。もし不快になるとしたら、それは相手の問題です。
自分にはコントロールできないことですから、ここにこだわりすぎないでください。