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本を減らしたいけど、なかなか捨てられない人へ、本のタイプ別に、捨てられるようになる考え方を紹介します。
まず、長年、断捨離候補であるものの、捨てるのに手こずっている本を見てください。
そして、自分がその本を持っている理由や、その本が自分にもたらしてくれている価値を考えて以下の5つのタイプに分けます。
1.思い出のある本
2.いつか必要になるかもしれない本
3.値段が高かったので持っている本
4.野望ガラクタ⇒なかなか捨てられない「なりたい自分になるために買った物」を断捨離する方法
5.そのうち読む、とずっと思っている本
年明けから、私は、毎日不用品を1個捨てる活動を実践していますが、たいてい本か書類を捨てています。
以下のように考えて処分していますよ。
1.思い出のある本
「子どものときよく読んだ」とか、自分ではなく、「自分の子どもが昔よく読んだ」という本は、読むために持っているのではなく、思い出の品として持っている本です。
こういう本はもはや私は持っていませんが、昔捨てた、『のんちゃんジャーナル』は、この手の本だったと思います。
『のんちゃんジャーナル』について⇒2015年、断捨離してよかったもの(古いもの編)~捨てるからこそよみがえる思い出
思い出の品となっている本を持ち続ける理由は、「その思い出を忘れたくないから」ですよね?
そこで、思い出だけ抽出して、本体は捨てます。
思い出のみ残す方法
本があることで、思い出す内容のみを残す方法は、いろいろありますが、ここでは3つ紹介します。
本の写真(デジタル)をとって、本体を捨てる
本の表紙を見れば、「あ~、この本は、昔私がよく読んだ本だ」と思います。
その本にまつわる思い出を書き残す
ノートに本のタイトルや著者を書き、その本にまつわる思い出を数行書いて、本体を捨てます。
ボイスレコーダーを使って、声で記録してもいいでしょう。聞き返すのに時間がかかりますが。
頭の中に残す
「どうしてもその思い出を忘れたくない」「それはとても重要な思い出なんだ」「その本にまつわる思い出を忘れてしまうと、私はからっぽになって、生きている意味がない」。
こんなふうに思うなら、その思い出を記憶してしまえばいいでしょう。
頭の中に残せば、写真のデータをなくそうが、本の思い出を書いたノートをなくそうが、忘れません。
「え、そんな、覚えられないわよ」とおっしゃる方もいるかもしれません。
大丈夫です。
肝心要(かんじんかなめ)の部分だけ、覚えておけばいいのです。
つまり、誰も読まず、ほこりをかぶっているのに、今もその本を持って、ときどき思い出したい内容の本質の部分のみを。
本質を洗い出したら、あとは、それを毎日人に話してきかせたり、朝起きたときや、寝る前に思い出したりするのを一定期間繰り返せば、頭に刻み込まれます。
私たちは、自分の名前や年齢を忘れないし、小学校で習った九九も忘れません。会社から家に帰る道も忘れません。
「本当に、本当に、大事な思い出なんだ~~~~っ!」という思い出なら、忘れません。
参考⇒思い出の品を捨てるのが苦手な人は、こんなふうに考えてみては?
2.いつか必要になって読む本
ここ、数年読んでないし、いまも読んでないけど、いつかそのうち必要になるの。だって大事なことがいっぱい書いてあるんですもの。
そんな本は、「いつか必要になる」という理由で、本箱に入っています。
大学の教科書なんかは、このカテゴリーに入るかもしれません。
読もうと思って買ったけど、すぐに読めず、そのままになっているが、その本を残しているのは、そこにある情報を捨てたくないからです。
いろいろと重要なことが記されている、と感じているのでしょう。
有用な情報を捨てるのがこわい、と思ったら
せっかく買い集めた情報をみすみす捨てるのはいやだ、と思うときは、次のように考えてください。
必要な情報はすべてインターネットにある
どんなに検索しても、インターネットに出てこない情報はあるにはありますが、生活情報なら、みな出てきます。
論文や政府の統計情報も読むことができます(閲覧するのに、いくばくかのお金を払う必要はあるかもしれません)。
しかも、インターネットなら、新しい情報にアクセスすることができます。
少なくとも、ずっと前に出版された教科書よりは、新しい情報です。
もはやそれは自分にとって必要な情報ではない
「大事な情報がのっている」と言いながら、その本をずっと読まないのは、いまの自分には必要のない情報だからです。
買ったときは、それなりに必要性を感じていたのかもしれません。しかし、その後、時間がたつうちに、自分も社会も変わったので、「もう必要ではなくなった」と考えられます。
5年ほど前のこと、私は、よく『源氏物語』を読んでいて、「原文で読むために、古文の勉強でもしようかしらん?」と思い、日本の本屋(honto)で古文関係の本を3冊ほど買って、カナダに送ってもらいました。
しかし、ろくに読まなかったので捨てました。
いま、「あ~、あの本があればなあ」とは、全く思いません。今年は、別のジャンルの本を読んでいるからです。
大事なら、なぜ、今すぐ読まないのか?
そんなに大事なことが書いてあるなら、今すぐ読んでください。
とはいえ、いまは、別の本を読んでいたり、他のことで忙しいのかもしれません。
そこで、1日5分、と時間を決めて、読み始めるといいでしょう。1日5分でも、ほどなく読み終わります。
私は、90分~2時間の映画を、1日5~15分ずつ見る、ということがよくあります(まとまった時間をとれないため)。本も、毎日お風呂で15分~20分ずつ読んでいます。
このようにちまちま読んでいると、小説だと、前の内容を忘れて、「あれ、なんだったっけ?」と浦島太郎状態になることがあります。
しかし、情報の取得が目的で読む本、つまり、レファレンス関係の本は、断続的に読んでも大丈夫です。
それにまるごと1冊「大事な情報」が書いてあるわけでもないでしょう。
3.買ったお金がもったいない本
ずっと読んでいないし、これからも読まない。だけど、この本は、とても高かったのだ、だから捨てるのはもったいない。
このような本も、人によっては捨てにくいかもしれません。
お金がもったいない、と思ったら
捨てるなんて、もったいないよね、と思ったら、以下のように考えてみてください。
過去のある1点で、その本にお金を◯十万円払ったからといって、いまも、その本にそれだけの価値があるとは限らない
買ったとき、「この本は30万円払う価値がある」と思ったとしても、いまは、自分にとっては1円の価値もないかもしれません。
価値がないどころか、スペースを占領し、シミ(紙魚、本を食べる虫)を引き寄せ、むしろ負の遺産になっていることのほうが多いです。
そこに置いたままにしていても、支払ったお金は返ってこない
これについては過去記事を読んでください。
高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
このままここに置いておく価値があるのか?
紙の本は、時間がたつにつれて劣化します。
ページが黄ばんだり、虫(シミ)がついたり、退色したり、カビくさくなったり、製本によっては、パラパラとページが落ちてきたり。
本をたくさん入れた重たい本箱を置いておくと、たたみや床がたわんできたりもします。
「大事なの」と言って、放置していると、劣化が進むので、それなりに管理する必要が生じます。もちろんスペースも取られます。
その本にそれだけのスペースや労力、時間を投資する価値があるかどうか考えてみると、「そこまでは大事ではない」と気づき、手放すことができます。
参考⇒辞書や聖書、大型の本が断捨離できない、など3つの質問に回答しました。
4.野望ガラクタ、本バージョン
「これを買って読むと、私は、いまとは違う、こんな素敵な人になれそうだ」という期待や夢、願望を込めて買った本は、なかなか捨てられないかもしれません。
なりたい自分になるために買ったのに、使わずに放置され、ガラクタ化しているものを、私は「野望ガラクタ」と呼んでいますが⇒なかなか捨てられない「なりたい自分になるために買った物」を断捨離する方法
それの本バージョンです。
たとえば、「読むと、賢くなりそうだ」と思って買った本、教養のある大人になるために買った本、英語をマスターするために買った本など。
このような本を捨てることは、自分の希望や夢も捨てること、と思ってしまうので、なかなか捨てられないのです。
以下のように考えてはどうでしょうか?
野望ガラクタ本を捨てるには?
野望ガラクタを捨てるのは、そんなに難しくありません。現実的になるだけです。
自分に正直になる
この本を、いつか、自分は本当に読むのか、自分に正直に、客観的に考えて、結論を出します。
本を読むには時間が必要です。
それだけの時間を本当に費やす気があるのでしょうか?
ほかにもやることがいっぱいあるし(しかも、そのどれもあきらめたくないでしょうし)、新しい本は次々と出版され、いまは、本以外にも、消費するコンテンツは大量にあります。
インターネットで読めるニュースやポータルサイトもあるし、漫画もあるし、動画やテレビもあります。
ゲームもあるし、SNSもあります。もちろん、仕事、家事、育児、地域の仕事など、大切な活動もあります。友達と会ってお茶を飲んだり、ショッピングしたりという交際時間も必要でしょう。
私は、毎日、付せんを使って、その日、何時に何をやるか、スケジュールを組んでいます。
付せんを使う話⇒朝のルーティン、50代ミニマリスト主婦の場合。書くことに時間を使っています。
その日の分の付せんを貼ってみると、「1日に使える時間ってほんとうに限りがあるよね」と思います。私の場合、寝る時間が長いため、特にそう思うのかもしれません。
そして、毎日、あっという間に夕方になります。
そのように限られた持ち時間の中、自分は本当にこの本を読むのか、と考えてください。「本当に読むのだ」という強い決意があるのならば、残してもいいでしょう(半年後にチェックすること)。
いつだって希望は持てる
「希望や願望を失うのが怖い「あきらめるのが悲しい」と思っているなら、「希望はいつだって持てる」と思ってください。
実際、夢や願望、希望をもつのは、いつでもどこでも、無料でできます。
それはもしかしたら、これまで胸にいだいていた夢とは違うかもしれません。しかし、もっといまの自分にふさわしい新しい夢でしょう。
人は、変わるので、ずっと同じ夢にしがみつくことはありません。
いらない物を捨てると、新しい風が吹いてきます。
置いておいても夢は叶わない
叶えたい夢があって買ったその本を、ただ、本箱に並べておいても、何も変わりません。
背表紙をながめているだけで、中身が頭にインストールされる、などということはないのです。
使わない野望ガラクタを持ち続けること、イコール、その望みに全く近づかないことです。
近づくためには、実際に読むか、捨てて、新たな道を進むかのどちらかをする必要があります。
5.いつか読む本
さまざまな理由で、これまで読んだことはない、だけどいつか、時間のあるときに読む本、もう読んだけど、またいつか読む本。
そんな本が多すぎて、本箱からあふれている場合もあります。
近藤麻理恵さんは、「いつか読むの、いつかは絶対こないから、本をさわってときめくものだけ残しましょう」と言います。
近藤麻理恵さんとは?⇒近藤麻理恵の「人生がときめく片づけの魔法」の英語版の感想~ベストセラーの秘密は東洋の神秘にある?
しかし、本にさわってときめくってどういうことなんでしょう? 私は、本の表紙に手をあてると、「ひんやりしてる」と思うだけです。
こんまりさんの英語版の本では、「ときめく」は、spark joy (直訳:喜びの火花が放たれる)と訳されています。
このスパーク・ジョイ方式は、それこそ、本がくさるほどあって、「これまで本を断捨離したことなんて、一度もないよ」という人には、有効かもしれません。
そういう人は、「あ、もうこんなのいらない」と思う本が何冊もあるでしょうから。
しかし、私のように、もう何年も、本を捨て続けている人間には、なかなか火花が散りません。
このような「いつか読むかもしれない本」に対しては、本当に読むと決めた本を、「今すぐ読み始める」ことで対応しています。
捨てない本は、読む、というあまりにも当たり前なことをしているのです。
しかし、そういう本が複数ある場合は、いっぺんに読み始めるわけにはいきません。そこで、本箱に「順番に読んでいく本」コーナーを作り、1冊ずつ読んでいます。
他の本も読んでいるので、このコーナーにある本は、それこそ1日数分しか読まないときもありますが、それでも、毎日、少しは読むようにしています。
こうやって、私は積ん読本はなくす努力をしています。
もちろん、「もう読まないな」と思う本は捨てています。
塗ってしまった塗り絵本も(私は1冊ずつすみからすみまで塗ります)、絵がかわいくて、時々眺めて楽しむ本や、絵を描くときのお手本にする本以外は、ばらして、リサイクル用のゴミ袋に入れて捨てています。
関連記事もどうぞ⇒筆子流・本と雑誌の捨て方を書いた記事のまとめ
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きょう紹介した理由以外で、「もういらないのに、いつまでも持っている本」があるなら、よかったら、その理由を教えてください。
インテリアとして置いている本もあるかもしれませんね。インテリアとしての役割を果たしているなら持っていてもいいかもしれません。
それを持つことが、いまの自分のためになっていて、ちゃんと何らかのお役目がある本なら、捨てなくてもいいでしょう。