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TEDの動画

最終更新日: 2020.11.16

機械に奪われる仕事ーそして残る仕事(TED)

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機械(AI)が得意な仕事と、苦手な仕事を教えてくれるTEDの動画を紹介します。

マシーンが苦手な仕事は、人間の強みを活かせる仕事です。

タイトルは、The jobs we’ll lose to machines — and the ones we won’t transcript(機械のせいで失う仕事と、そうならない仕事)。

邦題は、機械に奪われる仕事ーそして残る仕事。講演者は、機械学習の専門家、Anthony Goldbloom(アンソニー・ゴールドブルーム)さんです。

機械学習(マシーン・ラーニング)とは、人工知能の一要素で、あらかじめ機械にデータを与え、機械がそこから学んで、タスクを行う技術です



機械に取られる仕事、残る仕事:TEDの説明

Machine learning isn’t just for simple tasks like assessing credit risk and sorting mail anymore — today, it’s capable of far more complex applications, like grading essays and diagnosing diseases. With these advances comes an uneasy question: Will a robot do your job in the future?

もはや、機械学習は、(ローンを申し込んだ人の)信用のリスクをみきわめたり、手紙をよりわけたりするシンプルなタスクのためでありません。

今日、機械はずっと複雑な仕事ができます。たとえば、エッセイの採点や病気の診断など。

こうした機械の進歩のせいで、考えたくない質問が思い浮かびます。将来、ロボットがあなたの仕事をするのでしょうか?

収録は2016年の2月。長さは4分36秒。日本語字幕あり。

☆トランスクリプトはこちら⇒Anthony Goldbloom: The jobs we'll lose to machines — and the ones we won't | TED Talk

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

5分未満の短いプレゼンで、英語、日本語とも字幕がそろっています。英語の学習向きなので、単語の意味をたくさん書いておきます。





2つに1つの仕事を機械がする

これは私の姪のヤウイです(かわいい赤ちゃんの写真が映る)。9ヶ月になります。

ヤウイのママは医者で、パパは弁護士。この子が大学に行くころには、両親の仕事は大きく様変わりしているでしょう。

2013年、オックスフォード大学の研究者が、未来の仕事に関する研究をし、およそ2つに1つの仕事が、機械化されるだろうと結論づけました。

人工知能(AI)のなかでも、もっともパワフルな機械学習(machine learning)のせいです。

機械がデータから学び、人間がしていることを真似るのです。

私の会社、カグルでは、最新の機械学習を研究しています。

何百、何千人の専門家が集まり、産業や学究的世界のために重要な問題を解決しようとしています。

その結果、機械ができること、できないこと、機械がとって変わるだろう仕事についてわかってきました。

どんどん進歩した機械学習

機械学習が、産業で使われるようになったのは1990年代初頭で、はじめはごく単純な仕事をしていました。

ローンの申込書から、信用リスクを調べたり、手書きの郵便番号を読み取って、手紙の仕分けをしたりというタスクです。

しかし、ここ数年、大きく進歩し、機械学習はもっとずっと複雑なタスクをこなせるようになったのです。

2012年、カグルで、高校生の作文の採点をするアルゴリズムを作るコンペをしました。コンペで勝ったアルゴリズムは、人間の教師がするのと同じ採点をできました。

去年は、もっと難しい課題に挑戦しました。目の写真から、糖尿病による網膜症を見つけることができるかどうか。

このときも、コンペに勝ったアルゴリズムは、人間の眼科医と同等の仕事ができました。

頻度と量が重要な仕事は機械が上

このような仕事は、適切なデータを与えれば、機械は、人間よりうまく行います。

教師は、40年のキャリアの中で、1万の作文を読むでしょう。眼科医は、5万個の目を見るでしょう。

機械は、数分で何百万もの作文や何百万もの目を見ます。

頻度や量がものを言うタスクでは、人間はとても機械にかないません。

しかし、人にできて、機械にできないタスクがあります。

機械が苦手なこと

機械がほとんど進歩していないのは、新しい状況に対応することです。

マシーンは、過去にたくさん見たことのないことを、うまく扱えないのです。

機械学習の根本的な限界は、過去の大量のデータを学ばなければならないことです。

人間は違いますね。私たちは、初めて対処する問題に出会ったとき、一見、何の関係もなさそうなことを結びつけて、解決することができます。

第二次世界大戦中、レーダーの研究をしていた物理学者のパーシー・スペンサーは、マグネトロンがチョコレートをとかすことに気づきました。

彼は電磁放射の知識と料理の知識を結びつけて、電子レンジを発明しました。

これは、創造性を発揮した素晴らしい例ですが、こうした他家受粉は、私たちの日常生活の中で何度も起きています。

創造性の必要な仕事が人間に残る

新しい状況に対処することにおいては、機械は人間にかなわず、そうした仕事は、機械にはできません。

将来の仕事において、これは何を意味するのでしょうか?

その仕事を機械ができるかどうかは、1つの質問にかかっています。

どの程度、頻度や量が関係のあるタスクなのか? どれだけ、新しい状況に対応する必要がある仕事なのか?

頻度と量が関係のある仕事については、機械は日に日に、上手になっています。

すでに、作文の採点をし、特定の病気を診断できます。

数年後には、会計検査や契約書を読むこともするでしょう。

それでも会計士や弁護士は必要です。より複雑な税務の仕事や、前例のない訴訟を扱うために。

しかし、機械のせいで、仕事は少なくなり、こうした仕事につくのは難しくなるでしょう。

新しいことに挑戦しよう

さて、先ほども言いましたが、機械は、新しい状況の対処においては、進歩していません。

販促キャンペーンのための宣伝文句は、消費者の注意を引きつける必要があります。経営戦略においては、市場のニッチを見つけることが必要です。

これまで誰もやらなかったことをしなければなりませんね。

効果的な宣伝文句や、有効な経営戦略を考えるのは人間の仕事として残るでしょう。

だから、ヤウイ、将来何をしようとも、毎日、新しいことに挑戦しなさい。

そうすれば、機械の上を行くことができるよ。

//// 抄訳ここまで ////

単語の意味など

Kaggle カグル  世界中の機械学習やデータ・サイエンスにかかわっている人が集うコミュティ・プラットフォーム、Googleの子会社。

algorithm  アルゴリズム、ある問題を解くための特定の演算方式。

diabetic retinopathy  糖尿病網膜症

ophthalmologist  眼科医

magnetron  マグネトロン、磁電管

ophthalmologist  電磁放射

cross-pollination  異花受粉、他家受粉。花粉が別の個体または別の株の花のめしべについたときに受精できること。

audit  会計検査、監査、決算 

boilerplate  契約書のモデル文

pathbreaking  先駆的な、革新的な

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古いものはもう捨てたほうがいい

プレゼンをごらんになって、どう思いましたか?

子供の育て方、これからの自分の生き方など、さまざまな面で、示唆を得られるプレゼンですが、ミニマルライフの観点から言えるのは、

古い物はもう捨てたほうがいいんじゃない?

です。

特に、昔、仕事で使って、いま全然見ていない書類は、もう断捨離したほうがいいでしょう。

大量のデータから、特定のパターンを見つけるのは機械がやるから、自分で分析する必要ないですよね?

というか、その書類、見てなかったら、何の意味もないし。虫やカビのエサになるだけです。

さらに、古いものに執着していると、毎日、現状維持にとどまってしまい、新しいものが入って来ないし、新しい世界に行くこともできません。

つまり、新しいことに挑戦するのとは真逆の生き方です。

この生き方をしていると、いつか機械に仕事を取られてしまうかもしれません。

どんどん新しいこと(べつに大きなことである必要はない)に挑戦して、人間の強みである、クリエイティビティを養うべきです。

以前、書いた気もしますが、新卒で入った会社で、経理の人と、伝票の処理でもめたことがあります。

担当者(私と同期でした)は、「だって、私はそういうふうに教えてもらったから」といって、やり方を変えようとしませんでした。

この時、「は? 何を杓子定規なこと言っとるんじゃ? もっと臨機応変に対応せんかい」と思ったことを、今も覚えています。

あまりに、強く思ったので、30年以上たった今も覚えているのです。

すでにある学説や過去の判例にこだわりすぎると、現状に対応した仕事ができないですよね?

そういう意味でも、古い書類は捨てたほうがいいと思います。

*****

過去のデータをたくさん見て覚え、そこからパターンを見つけ、タスクを処理することは、規模は違いますが、学生が試験でやっていることです。

教科書に書いてあることをインプットして、答案用紙にアウトプットしていますよね?

まあ、いまは事情が違うかもしれません。私が学生のときはそうでした。

これは、機械がやるから、これから社会に出る人間はこのスキルばかり磨くのは危険です。

創造性を養うことも意識したほうがいいです。

クリエイティブになる方法は、過去記事にたくさん書いているので、参考にしてください。

たとえばこれ⇒よりよく生きる技術としてのクリエイティビティ(TED)

ミニマルライフは、創造性を培うことにも役立つのでおすすめですよ。





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