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不用品を捨てることが苦手でも、潔く過去の失敗と向き合い、そこから学んで前に進むほうを選ぶと、どんどん捨てることができます。
その理由と、具体的なやり方を書きます。
もったいない、と言う人
物を捨てられない人は、よく「これ、いつか使うかもしれないから(キッチンツール)」「老後に読むから(本)」「そのうち何かに使えるから(昔集めた資料、昔の作品)」と、捨てないほうがいい理由を口にします。
しかし、これは、すべて捨てない言い訳です。
本人も、うすうす捨てたほうがいいと思っているのです。
しかし、捨てるのは心身ともに面倒だし、時間もかかるので、現状維持を選びます。
そして、その行動を正当化するために、「いつか、何かに使えるから」と言います。
不用品はできるだけ早く捨てたほうが、今の生活も未来もよくなるのに、なぜ、そんなことをするのでしょう?
過去の失敗に向き合いたくないからです。
失敗から目を背けるとガラクタがたまる
過去の失敗を無視するとガラクタがたまる状況を具体的に書きます。
・3年前の夏:あるファッションビルで行われたセールで、買い物好きのK子さんは、あまりの安さに舞い上がり、服や雑貨をたくさん買った。
・買った直後:家に持ち帰ったその日、K子さんは、それなりにハッピーだった。「得しちゃった!」と日記にも書いた。しかし、服も雑貨もなかなか使うことができない。なぜなら、K子さんの家には、衣類も雑貨も腐るほどあったからだ。
・買った数日後:K子さんは、自分がいつものように、セールで失敗したかも? と思った。よくない意思決定をしてしまったわけだ。しかし、その失敗を認めたくないので、買った服はクローゼットのはしっこに、雑貨は、棚の奥のほうになんとなく押し込んだ。
目につかないところに置けば、失敗したことを思い出さなくてすむから。
・現在(買い物から3年後):似たような失敗を重ねた結果、K子さんは、物だらけの部屋にすみ、ただでさえ暑いのに、ひじょうに息苦しい状態に悩まされる。部屋を片付けることを思いつき、「筆子ジャーナル」を読んでいるが、読んでいるだけで何も捨てられない。その理由は、
「いつかそのうち使うかもしれないから」。
K子さんは、3年前に、買い物に失敗したのに、そのことを認めたくないから、買って使っていない物を、とりあえず、目につかないところに押し込んでいます。
「筆子ジャーナル」を読んでいるので、「あの棚の奥のほうに、死蔵品がいっぱいある」ということはうっすら自覚しています。
しかし、捨てません。
いつか、何かに使うかもしれない、と思っているからです。
K子さんの部屋がガラクタで埋まっているのは、買い物に失敗した時に、その失敗から目をそむけたからです。
目をそむけず、失敗に向き合えば、不用品を手放すことができます。
あなたが、K子さんのような行動をしているなら、以下のステップで失敗に向き合ってください。
失敗したと認める
まず、3年前に、買い物に失敗したことを認めます。
買い物に限らず、人は、失敗したことをなかなか認めようとしません。
何かに失敗した、と思うと、恥の気持ちを感じるからです。
自分はだめな人間だ、とか、自分にはこんな欠点や欠陥があるという気持ちです。
これは、とても不快な感情です。
さらに、「失敗した自分を他の人はどんな目で見るだろう? だめな人だと思われたらどうしよう」という恐怖も感じます。
これまた、あまり感じたくない感情です。
だから、たとえ失敗しても、失敗したことを否定しようとします。
しかし、自分が失敗した事実は、否定しようが無視しようが変わりません。
買い物の失敗は、ガラクタとなって、あなたをいつまでも苦しめます。
失敗を「ないことにする」より、「あのとき、私はまずい決断をして、買わなくてもいい服や雑貨を買ってしまった」と認めたほうが、心の重荷が減るし、明るい未来になります。
失敗を認めるのは、その瞬間(数日かかることもある)だけですみますが、失敗したことを否定し続けるのは、何年もやらなければなりません。
失敗してもいい
次に失敗してもいいのだ、と思ってください。
私たちは、失敗することや、失敗を認めることをすごく怖がっていますが、べつに失敗してもいいのです。
そもそも、失敗せずに、生きていくことなんてできません。
K子さんは、日常生活で、買い物だけでなく、ほかにもいろいろな失敗をしていると思います。
会社に遅刻したり、報告書の提出期限を忘れたり、出張の精算の計算を間違えたり、忘れものをしたり、ご飯を固く炊きすぎたり、友達に言うべきでないことを言ったり、など。
その都度、失敗を認め、失敗によるダメージを最小限におさえるためにダメージコントロール(事後処理)をしているはずです。
買い物の失敗に対しても、同じことをすればいいのです。
ダメージを検証する
ダメージコントロールをするために、数年前の買い物の失敗により、どんな損失や被害が出たか、考えてください。
私が思う損失は、以下のとおり。
・無駄にお金を使った(服や雑貨を買うお金を貯金にまわしておけば、貯金が増えたのに)
・部屋の中が狭くなった
・物が増えすぎてストレスが増えた
・物が増えすぎて、管理や探しものに、時間を取られた/今も取られている
つまり、暮らしの質が落ち、お金が減り、自分の精神衛生が悪くなったというダメージがあり、それは今も継続しています。
すべてが、自分に返ってきているだけなので、(今のところ、目に見える形では)ほかの人にはさほど迷惑がかかっていません。
家族がいると、家計のお金を無駄にした、とか、家族の居心地の悪さが損なわれた、ということも起きているかもしれませんが。
ほとんどのダメージが自分に降りかかってきているので、失敗を認めたくない人は、「ちょっと暮らしにくいけど、がまんすればいいか。実家も、友達のL子ちゃんの家も物だらけだし。私だけが、こういう生活をしているわけじゃないわ」と考えて、現状維持を選ぶかもしれません。
現状維持とは、失敗から何の学びも得ない状態なので、また同じ失敗をする可能性があります。
具体的なダメージコントロールをする
ダメージを検証したら、その被害を最小限にするための行動に出てください。
・お金の損失⇒しばらく、買い方を変えてお金を残し、そのお金で補填する。
買い物習慣を変えるヒント⇒よくない買い物のクセを見つけて修正する:余計なものを買わないコツ(その3)
・部屋のスペースの損失⇒いらない物をどんどん捨てれば、スペースができる。
・ストレス増大の問題⇒断捨離や掃除をして環境を整えれば、ストレスも減る
・管理と探しものに時間を取られている問題⇒自分で把握できる量まで物を減らす。
3年前の失敗による損失は、今の暮らし方を変えることでかなり挽回できます。
具体的には、買い物習慣を変え、不用品を捨てるだけでいいのです。
一度にやろうとせず、できることから、少しずつやってください。
失敗から学ぶ
失敗を認める一番のメリットはその失敗から学べることです。
3年前の買い物の失敗からどんなことを学んだから、リストを書いてください。
たとえば、
・セールはお得に見えるが人生単位で見るとお得ではない⇒なぜあなたはセールで買ってしまうのか? かえって損をするのに。
・安物買いの銭失い⇒安物買いの銭失いをやめたほうがいい6つの理由。貧乏人ほど要注意。
・予算を立てないと無駄遣いが増える
・私はセール会場の雰囲気に流されがちなので、セールには行かないほうがいい
・必要なものだけを買う生活にしたほうが、探しものをしなくてすむ
・買い物の喜びはすぐに消える
以上は一般的な学びですが、もっと個人的な学びもあるでしょう。
服は雑貨をいっぱい買うのは、友達L子への対抗心からだ、人と自分の生活を比べるのはやめよう、とか。
ガラクタや死蔵品をずーっとしまいこんで、失敗はなかったふりをしているよりも、このように、さまざまな学びを得たほうが、自分は成長できるし、その時から、生活の質があがります。
無駄遣いしたあとにすべき5つのこと~失敗から学んで改善する。
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過去の失敗と向き合うと、あっさりガラクタを捨てられる話をしました。
見に覚えのある人は、ぜひやってみてください。
失敗はよくあることです。失敗したあとのアクションのほうが重要です。