ページに広告が含まれる場合があります。
きょうはゆずっこさんの2つ目の質問に回答します。
シンプルに暮らしたいけど、服も買いたい、こんなときどうすればいいか? という内容です。
まずメールをシェアしますね。
件名:物を減らしたいけど、服も欲しい
2つ目の質問としては、4月から新しい職場で働くこととなりました。
元々ファッションが好きなこともあり、おしゃれをしたい願望が強い方です。
一時期はミニマリストに憧れて、必要最低限の衣服に留め「私服の制服化」をしていましたが、①の影響(筆子注:スニーカーを買い集めること。初回の記事参照⇒ミニマムに暮らしたいのに、スニーカーが好きで買いすぎて、すし詰め状態。どうしたらいい?)やリモートワークによりお家の生活の質を上げたいという気持ちの変化もあり、Amazonですぐにものを買ってしまいリバンド気味です。
新しい環境、新しい人と働く上で、スタイリッシュでおしゃれな人と思われてたい。
外見で魅力的になりたいという願望をとても大きくなってきてます。
次の職場の服装規程は”自由”なため、新しい環境で働いたら、あれを買おう、これを買おう、秋冬になったらジャケットを仕立てようなど考えてしまいます。
その思いが自分としては一つのモチベーションにもなっているのですが、逆にクローゼットは自分が心地いいと思う量の”全体の7割”に抑えたいと思ってます。(現状8割ぐらいなので減らす必要があります。)
1in1outも考えたのですが、なんだかんだで一年に数度着る服がほとんどなためなかなか手放せません。
2つの矛盾する願望
・他人から良く見られたいという思いから欲しいと思っているものの買い物
・クローゼットは7割に抑えたいので今より服を減らしたい
に対してどう向き合っていけばよいかアドバイスいただけますでしょうか?
長文で2つのお題で恐れ入りますが、筆子さんの観点でご意見いただければ嬉しいです。
ゆずっこさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
今月から職場が変わったんですね。転職されたんでしょうか?
この時期、新しい環境で、緊張している人はたくさんいると思うので、とてもタイムリーな質問だと思います。改めて、ご質問、ありがとうございました。
フォーカス先を変える
今度の仕事はファッション関係ですか?
ふつう、職場が変わると、「新しい職場では、こんなふうに仕事をしていきたい、こんなことをなしとげたい」と思うんじゃないかなあ、と私は思いますが、ゆずっこさんは、「こんな人に思われたい」が先に立つようです。
べつに、責めてるわけじゃありません。ゆずっこさんのように、「新しい上司や同僚にこんなふうに思ってほしい」と思うのはごく普通のことですから。
ですが、最初にシンプルに回答すれば、人にどう思われたいかはこのさい置いといて、自分がこの職場で何をしていきたいか、どんなものを作っていきたいか、毎日どんなふうに仕事に取り組みたいか、仕事を通してどんな人間になっていきたいか、そんなことを考えるほうに意識を向ければ、外見で承認欲求を満たす必要がなくなり、新しいスーツも買わなくてすみます。
とは言え、ふだん承認欲求を満たすことで、心のバランスを取っている人、これまで何年もそうしながら生きてきた人に、「承認欲求を減らせ」と言ったところで、減らせないことは、さすがの私にもわかってきました。
去年、セミレギュラーのように登場していただいた柴犬子さんはじめ、承認欲求が強めの方に、手を変え品を変え、何度アドバイスしても(内容はほぼいつも同じ)、なかなか変われないようですから。
そこで、もし、承認欲求のほうを改善していきたい気持ちがない時は、2つの相反する願望のバランスを取ることをおすすめします。
矛盾する願望
人間は矛盾した願望をもつ生き物です。
やせたいけど、ケーキも食べたい。だから、「食べても太らないおやつ」と銘打った商品が発売されたり、そういうおやつを紹介するコンテンツが人気です。
目立ちたくないけど、注目されたい。だから、SNSに投稿する写真や、「いいね!」の数にとても敏感になり、SNSのチェックや投稿に多大なエネルギーを注ぎます。
化粧したいけど、できるだけナチュラルに見られたい。ナチュラルに見られたいなら、無化粧がベストですが、この人にとっては、それではだめで、できるだけ自然に見えるよう、下地やらファンデーションやらを塗り込みます。
思い出品を大事にしたいけど、新しいものもどんどん買いたい。だから、家の中には、新旧2つのガラクタが混在して、何度断捨離しても、片付きません。
捨てたいけど、捨てたくない。これなんて、このブログに何度も登場している究極の相反する願望です。
ほかにも、相反する願望をもつことはよくあって、たくさんのドラマや小説のテーマになっています。
その場その場で決める
相反する願望があり、どちらを優先するかを決めるとき、多くの人は、その場のフィーリングで決めていると思います。
これは、その場の直感で対応する方法です。
一応ダイエットをしているけど、ケーキを食べたいと思ったら、あっさり食べてしまう。食べすぎて、体重が増えたりしたら、ちょっとダイエットをきびしめにする。
節約をめざしているけど、欲しいものがあって、その時の自分が「買ってもよし!」と自分に言ったら、素直に買う。クレジットカードの請求がいっぱい来たら、「あ、このままではまずい」と焦り、翌月は、買わない挑戦をしてバランスを取る。
誰でもできる『買わない挑戦』の始め方。自分ルールで楽しく実践。
ゆずっこさんの場合で言えば、欲しい服は、多少悩みつつも、買いたいときにどんどん買います。クローゼットが満杯になったら、着てない服を探して適当に処分して、服でいっぱいにならないようにします。
その場その場で対応していても、長期的に見れば、バランスが取れると思います。
右に振れ過ぎたら、左に戻るのは、世の中の流れと同じです。
ただ、振り返りや反省ということをしないまま、その場その場で決めると、左右どちらかに大きく振れすぎて固定してしまい、困った事になる恐れがあります。
いつも、そのときの気分で決めるのは、感情の起伏が激しい人、理性的な思考をあまりしない人にはおすすめしたくありません。
価値観にそって決める
いろいろな欲望や願望があるけれど、その中でも一番大事にしたいことを最優先して前に進む方法もあります。
このやり方は、その場の気分や感情で決めるより、めんどくさいです。
思考力も要求されます。内省する時間も必要です。いつも、気分よくいられるわけでもありません。特には、「すごく大事に思えるもの」を捨てる勇気も必要です。
きのう自分が大事にしたいものを大切にする人生に近づく話を紹介しましたが⇒小さな一歩のパワー(TED)、このトークで言っていた、どんなにつらくても、戦ってでも手に入れたい価値ある人生に近づく行動です。
今、ゆずっこさんは、皆に素敵だと言ってもらいたいから、服をたくさん買いたいと思っていますが、同時に、あまりクローゼットの中に服を入れすぎず、できるだけシンプルに暮らしたいという気持ちもあります。
ですが、この2つの願望がが並んでいるもう1つ上の次元に、「もっと私はこうしたいんだ~」「こんな人生を求めているんだ~」という希望や欲望があるはずです。
それは、以下の2つの質問に答えてみると見つかると思います。
1)なぜ、おしゃれをして、「素敵な人だ」「センスいいね」と思われる必要があるのか?
2)なぜ、もっとミニマルに暮らしたいのか? なぜ、クローゼットに入れる服は7割程度にしたいのか?
質問に答えて、ゆずっこさんにとって、もっとも重要な願望に気づいてください。
そして、その願望を達成するのに、より近づく選択をしてください。
もし、自分の本当の願望が見つからないときは、価値観の記事を読んでみてください。
自分の価値観に沿った暮らしをするには?:心を満たす方法(その2)
答えはすぐに見つからないかもしれないし、「これだ!」と思ったことが、時間とともに変わる可能性もありますが、考えてみることが重要です。
考えるときは、モーニングノートやブレインダンプなど、自分の思考を具体的な言葉にする作業をするのが効果的です。
モーニングページの書き方、やり方を教えてほしいという質問の回答。
自分が一番大事にしたいことを大事にできていると、他人の言うことはさほど重要ではなくなりますから、少ないスニーカーやジャケットで、十分楽しく生きられると思います。
もちろん、いろいろ考えた結果、ファッションにだけは、自分のリソースを注ぎたいと思うなら、それはそれでいいです。
ただ、先日の回答でも書きましたが、靴や服の数が少なくてもおしゃれを楽しむことはできます。
参考⇒マインドレスからマインドフルへ、ファッションを変えていく(TED)
今回の記事が、ゆずっこさんの参考になることを祈っています。新しい職場で元気にご活躍ください。
*****
読者の質問に回答しました。4月は環境が変わって緊張する時期ですね。
気持ち的に疲れることも多いかもしれませんが、ぜひ、振り返りをして、自分らしい暮らしを貫いてください。
それでは、あなたも、質問や感想がありましたら、お気軽にメールください。お待ちしています。