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新しいことに挑戦したいけれど、自信がなくて一歩踏み出せない人におすすめのTEDトークを紹介します。
タイトルは、How to challenge your negative self-talk (自分のネガティブなセルフトークにチャレンジする方法)。
ジャグラーの Josh Green ジョシュ・グリーンさんのプレゼンです。
ネガティブなセルフトーク:TEDの説明
Josh Green shares a powerful and relatable journey of self-discovery through juggling. By recounting his audition experience as a novice juggler, Josh delves into the internal voices of self-doubt and the societal pressures that can hinder personal growth.
He emphasizes the importance of challenging these negative voices, practicing resilience, and embracing opportunities even when feeling unprepared.
ジョシュ・グリーンはジャグリングしながらした、パワフルで多くの人に関係のある自己発見の旅についてシェアします。
新米ジャグラーとしてのオーディションの体験を話しながら、ジョシュは自分の中にある自己不信の声と、成長を妨げる社会的プレッシャーについて掘り下げます。
彼は、ネガティブな声に立ち向かい、レジリアンスを発揮し、準備ができていないと感じても、機会を大切にしてチャレンジすることが重要だと説きます。
収録は2024年の1月、動画の長さは11分半、動画のあとに抄訳を書きます。
★TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
グリーンさんの独特のユーモアが光るプレゼンです。
否定的な声を取り込んでしまった
[ジャグリングしながら]
これはごく普通のジャグリングに見えますよね。まあ、その通りです。でも、ボールを落として、私は意味深い発見をしたんです。
私の人生の中で、最悪で一番恥ずかしい瞬間に考えました。
子供のときは俳優になりたかったんです。このときはまだ誰にも何も言われませんでしたから。
「だめ」という声は聞こえませんでした。
幼すぎる、背が低すぎる、太りすぎている、馬鹿すぎる、十分じゃないなんて声は。
成長したあと聞くことになったこういう声をまだ聞いていなかったので、私は、エージェントを見つけることにしたんですが、その過程でいろいろな声が聞こえるようになりました。
まだ準備ができていない、ふさわしいルックスじゃない、十分ではない、と。
残念ながら、私はそういう声を取り込んでしまいました。
エキストラから開始
だから、安全な場所から始めることにしました。エキストラ(バックグラウンドパフォーマー)のエージェントを見つけました。
後ろのほうで静かにしてればいい役です。学校の劇で木の役をするようなものです。劇に参加するだけで幸せなんです。
でもある日、エージェントからはじめてのオーディションについて電話がありました。
「ジャグリングできるでしょ?」と言われ「もちろん」と答えました。
「じゃあ、明日9時、オーディションよ」
実はこの時、私はジャグリングをしたことがありませんでした。
だから、ジャグリングできる友人に電話して、その夜特訓してもらいました。夜が空けるころにはなんとか5秒間は3つのボールをジャグリングできるようになりました。
翌日、オーディションに行きました。そこにはプロのジャグラーや奇術師がたくさんいて、ボールを6つ何気なくジャグリングしながらおしゃべりをしていました。
皆、すごくうまくて圧倒されました。
オーディション会場で聞いた声
そして例の声が聞こえたんです。
「おまえは、十分うまくない。ここにいるべきじゃない」と。
恥をかかないために、その場から去りたかったけれど、深呼吸して、5秒はジャグリングできることを思い出し、席につきました。
はたから見れば、私は余裕があり自信に満ちていたと思いますが、内心はすごく緊張し、冷や汗でシャツがぐっしょり濡れていました。
オーディションの部屋に行き、挨拶をしてからジャグリングを始めました。
苦しそうな顔で、部屋のあちこちを動きながら、5秒過ぎましたが、誰も私を止めません。
そして、ボールを落としたんです。
このときほど馬鹿げた表情をしたことはありません。私は審査している人たちをじっと見て、彼らは私をじっと見ました。
どうしていいかわからず、とりあえず、ボールを拾い、何もなかったかのようにジャグリングを始めました。笑顔を作ろうとしたけれど、苦しそうな表情しかできませんでした。
彼らはすぐに私を止めました。「ここまででいいです、ありがとう。次の人」
このとき、私の中で「ほら、十分じゃないって言っただろ。失敗したじゃないか」という声がまた聞こえました。
役を得た
翌日、エージェントから電話があり、どうだったか聞かれました。
「とにかくベストは尽くしたので、次はがんばります」と答えたところ、「やったわよ。役をゲットできたわ」と言われたんです。
え、待って、なんだって?
エージェントがメールしてきた脚本にあった私の役は、「バカな道化師(Stupid Jester)」でした。
ここまで聞いて、何が起こったか概略はおわかりだと思います。でもここから、私が、自分のネガティブな声をいなすのに役立ったことをお伝えします。
それは自分の声じゃない
まず、そうした声は、みなさんの声ではありません。「私は十分じゃない」なんて考えながら生まれる子供はいません。
ネガティブな声は、人生で出会うほんの数人の人たちの声なんです。先生、親、いじめっ子、パートーナーなど。
この声は外からやってきて、少しずつ自分の中に入っていきます。でも、自分の声ではありません。それは誰か別の人の声だから、聞く必要はないんです。
キャスティング・ディレクターだって、自分の中にそういう声があります。彼らの上司も、「私はちゃんと仕事ができているかな?」という声が心の中にあるんです。
あなたを面接する人や、デートの相手も同じです。確信がある人なんていません。
だからこそ、スティーブ・ジョブズが、「誰も自分が求めているものを知らない。それをあなたが彼らにあげるまでは」と言ったんです。
練習すべし
もう1つの発見は、練習です。
私は自分のネガティブな声に負けないで、最初のオーディションに行っただけでなく、ちゃんと練習もしました。
安全なところから、小さなスケールで。まずエキストラから始めました。
後ろのほうで、できるだけ目立たないように歩く役です。
あなたの場合、どこが安全でしょうか? 安全なところでいったん始めれば、加速がついて止まりません。
でも、始めなければなりません。
その場に行く
その場に行くことも必要です。
私は「ジャグリングはできない」と断ることもできました。オーディションに行かないこともできました。
会場にすごいジャグラーがたくさんいるのを見て、帰ることだってできました。
でも、私はその場にいました。「私は十分じゃない」とう声が聞こえてきましたが、残ってオーディションに参加しました。
彼らが探している役に私がぴったりかもしれないから。そして、実際、その通りでした。
もし私がオーディションを受けなければ、ショーは私なしで行われたでしょう。ほかのジャグラーが役を得て、私はそれでもよかったと思います。
でも、それは、自分じゃない誰かが私の人生を生きることです。
今、せっかくの機会を断ったから、自分の最高の人生を生きているなんて言える人は何人いるでしょう?
だから、機会にはイエスと言い、その場に行くべきなんです。
サポートを求める
役を得たのは、私1人の力ではなかったと皆さんも気づいたでしょう。
ジャグリングはできなかったけど、できる人を私は知っていました。
私よりいろいろなことを知っている才能ある人たちに囲まれ、彼らが、私のことをよく思ってくれているのは、私の世界を広げるのに本当に助けになりました。
このオーディションに関して言えば、ピンチから成長することができました。
電話をすれば、手助けしてくる人たちのことを考えてください。
すべてがバラ色ではない
もう1つ、痛みのある発見もありました。すべてが夢のように進むわけではないということです。
たいていの映画では描かれない過酷な現実もあります。
私はエキストラを2年以上やって、ようやく最初のオーディションのチャンスを得ました。このとき自分の中にある声は本当に大きかったんです。
このオーディションのあと、30回オーディションを受けて、1回、役を得ることができました。ステージでジョークを50言って、笑ってもらえたのは1つだけ。
自分でも覚えていないほど、たくさんのビジネスで失敗しました。
だからこそ、安全なところから始めて、練習を続け、その場に行き続け、サポートを得ることが重要なのです。
というのも、積極的な行動を積み重ねていけば、否定的な声を黙らせるのに役立つからです。
挑戦がいい人生につながる
忍耐は、否定的な声を遠ざけて、より充実した人生を導いてくれます。
私は、演技に挑戦し、とてもいい演技のキャリアを築け、それはコメディアンのキャリアにつながり、全国をツアーして、海の底に2分以上いたり、人の命を救ったりなんて体験をし、いま、はじめて、TEDxに参加しています。
否定的な声が聞こえても、その瞬間を大事にしたからこうしたことが起きました。
先の見えない人生は恐ろしいです。だから私たちは、安全な場所にとどまろうとします。そうすれば、否定的な声は聞こえませんから。
はじめてのオーディションのために、5時間、ジャグリングを練習していたとき、「きみには無理だって」という声がずっと聞こえていました。
でも、その声から逃れようとするのではなく、自分にはできないと感じていた自分の一部を受け入れて、「どうして、僕は十分じゃないんだ?」と言いました。
私は練習し、その場に行き、自分の場所を手に入れました。
皆さんもそうしてください。
というのも、「私は十分じゃない」という声が聞こえるのは、みなさんが正しいことをしているからです。
あなたは人がする経験を大事にし、自分の枠から出ようとしているんです。
正直に言うと、ボールを落とすのは、いいアイデアではありません。でも、私の人生に起きた最良のできごとの1つでした。
もし、皆さんに機会が訪れ、「私は十分じゃない」という声が聞こえても、ボールを落とさず、真逆のことをしてください。
//// 抄訳ここまで ////
否定的な声に惑わされないことに役立つほかのトーク
スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式のスピーチからミニマリストが学んだこと
成功と失敗、そして創り続ける力:エリザベス・ギルバート(TED)
否定的な声は自分の声じゃない
グリーンさんのトークで特に印象的だったのは、「あなたにはできない、あなたは十分じゃない」という否定的な声は、自分の声ではなく、誰か別の人の声であるというところです。
外から聞こえてくる自信を失わせる声を、私たちは、内在化して、自分の声だと思ってしまいます。
でも、そうした声を頭から信じてはいけません。
本当にそうなのか、立ち止まって考えることが大切です。
グリーンさんは、キャスティングディレクターや周囲の人たちも同じように不安やプレッシャーを感じていることを指摘しています。
つまり、私たちが自分に厳しいこと言ってしまうように、他の人たちもまた、自分の中で同じような声と闘っているのです。
重要なのは、そうした声に惑わされることなく、行動を続けることだと思います。
グリーンさん自身も、自分が「十分じゃない」と感じた瞬間にこそ、挑戦を続ける価値があると気づいたと言っています。
つまり、否定的な声が聞こえるときこそ、チャンスであり、踏ん張る時なのです。
何かやってみたいことがあるとき、否定的な声が聞こえてきたら、進むべき時だと考えてください。