ダンボール箱に物を入れている女性

ミニマルな日常

売る?寄付する?不用品の処分で迷ったときの決め方

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読者の方から、ものの手放し方についてご相談をいただきました。今回はそのお便りにお答えします。

ある程度、ものを減らして暮らしがすっきりしてくると、新たな悩みが出てきます。

それは、「もう不要だとわかっているけれど、まだ使えるし、捨てるには惜しいもの」をどう処分するかという悩みです。

はじめは明らかなゴミや不要品が多いため、断捨離は調子よく進みます。けれど、ものの量が減ってくると、今度は「売るか」「寄付するか」「取っておくか」で迷い始める――そんな段階に入る人が少なくありません。

ものを大切にしてきたからこそ、手放すときに生まれる葛藤。

こんなとき、どうすればいいのか、一緒に考えてみましょう。

まず、お便りを紹介しますね。はやとさんからいただきました。



売るべきか、寄付するべきか

筆子さん、こんにちは。

初めてメッセージを送らせていただきます。

北海道に住む、63歳・独身の男性、はやとと申します。

数年前に退職し、今は週に数回、地元の図書館で司書のサポートをしています。

以前からシンプルライフやミニマリズムに興味があり、筆子さんのブログもよく拝見しています。特に捨てることに関する記事は何度も読み返しました。

私もここ数年でずいぶん身の回りのものを整理しました。実家の倉庫を片付けたのをきっかけに、自宅の物も見直すようになり、ものの総量は以前の半分以下に減りました。

ただ、最近は悩みが出てきました。

処分できる明らかな不用品が少なくなってきたのです。

今、目につくのは、状態のいい衣類や雑貨、本、CDなど。どれも「もったいない」と思えてしまい、手放すのに躊躇しています。

特に音楽や本に関しては思い入れがあるものも多く、「誰かに使ってほしい」「売れたらいいな」と考えてしまいます。

実際、メルカリも利用していますが、数がまとまらないと出品しにくいです。

売りたい気持ちとすぐに手放したい気持ちの間で揺れてしまい、時々、寄付したあとに「もう少し取っておけば売れたかもしれないな…」と思ってしまうこともあります。

筆子さんがよく書かれている「物がないほうが自由に生きられる」という考えには共感しています。

でも私のような世代の人間には、物を大事にする精神が根強く、つい貧乏性が出てしまいます。

こんなとき、どう気持ちを整理したらいいでしょうか。





はやとさん、こんにちは。お便りありがとうございます。

処分するものが減った今、「売りたい気持ち」と「すぐに手放したい気持ち」の間で迷っているのですね。

確かに、好きなものは、そのままゴミにするより、誰かに使ってもらいたいと思いますよね。ただ、そうするには手間も時間もかかります。それでもいいなら、売るほうを選べばいいでしょう。

でも、私はあまり売ることにこだわらないほうが、断捨離はスムーズに進むと思います。

つまり、廃棄、寄付、譲渡を選んだほうが、家の中は早くきれいになります。

この記事では、はやとさんの迷いが減り、納得できる選択ができるよう、考え方を3つ提案しますね。

売るのは悪くない。でも「コスト」も意識しよう

売ること自体は決して悪い選択ではありません。「売れるかもしれない」と思う気持ちは、ものを大切にしたい、活かしたいという思いの現れです。

ただし、売るためには必ずコストがかかります。

たとえば、出品作業の手間、写真を撮って説明文を書く時間、梱包・発送の準備。そして、売れるまでの保管スペース、さらに、「まだ家に残っている」という気がかり。

とくに、単価の安いものは、費用対効果が低くなりがちです。1冊200円の本を売るために30分かけて準備するのは、自分の人生の時間の使い方として納得できるか? と考えてみましょう。

「売れるまで取っておく」というのは、言い換えれば「まだ持っている状態」です。

手放したいのに、手放せていない。その矛盾がストレスになることもあります。

売るなら、すぐ動く。迷うなら、別の方法を選ぶ。そんなふうに考えてみてはどうでしょうか?

不用品をお金にしようと考えて、なかなか手放せないときの解決法5つ

寄付は誰かに託す選択

寄付というと、無償で手放すことだと思われがちですが、実はもっと前向きな行為です。

自分がもう使わなくなったものを、必要としている誰かに託す。ただ廃棄するより、ずっと価値のある選択と言えるでしょう。

実際、私はまだ使えそうな不用品はいつも寄付しています。

不用品を処分するときはお金にすることを考えないとシンプルにできる

日本ではカナダより手軽に寄付ができないかもしれません。でも、寄付品の受け入れ先は、地域のチャリティショップ、福祉施設、シェルター、フードバンクなどいろいろあります。検索すれば、寄付先を見つけるのはそんなに手間ではありません。

使わなくなった服や日用品が、誰かの生活の助けになる。そう思えば、もったいない気持ちも少しは軽くなるのではないでしょうか。

もちろん、寄付したあとに「やっぱりあれ、売れたかも」と思うことがあるかもしれません。安く売ってしまったと後悔する人もいます。

ですが、後悔はほんの一瞬。時間が経てば、すぐに消えます。

手放したことによって得られる空間のゆとりや心の軽さのほうに意識を向けると、後悔は簡単に手放せますよ。

「もったいない」は、過去にとらわれる感情

手放すときに出てくる「もったいない」という気持ち。不用品を捨てようとする誰もが感じる感情です。

「もったいない」は、過去の自分の努力や思いを大切にしたいという気持ちの表れと考えることができます。

自分が働いて得たお金で買った、時間を使って選んだ、少しは使って思い出もある、だから寄付するのはもったいない、というように。

ですが、今の自分が大切にしたいものは何でしょうか?

「すっきりした空間で落ち着いて暮らしたい」「探し物のない生活をしたい」「ものに時間も気力も奪われたくない」と感じているなら、「もったいない」という感情を大事にしすぎるのは、今の暮らしをよくすることを妨げることかもしれません。

「もったいない」とは、過去に払ったお金や手間にとらわれる気持ち。

一方で、今の自分が望んでいるのは、スッキリした環境、時間の自由、気持ちの軽さ。

この2つは、多くの場合、両立しません。

今、そしてこれからの自分のための行動をしたいなら、「もったいない」という気持ちにこだわりすぎないほうがいいでしょう。

最後に:手放しに迷いはつきもの。でも大事なのは今の自分

ものを手放すときに迷うのは、ごく自然なことです。特に、まだ使えるもの、思い入れのあるものは、誰かに売りたい、お金にしたい、と思うでしょう。

ですが、そうした気持ちに振り回されてしまうと、手放すタイミングを逃して、いつまでも部屋が片付かない、気持ちが落ち着かない…こんな状態になります。

売るのも寄付するのも、どちらも正解です。

ただ私は、「売れるかもしれない」という未来へ期待するより、「今、自分がどう暮らしたいか」という視点で処分方法を選んだほうが、納得できる手放し方ができると思います。

すぐに使えるスペースが増えることや管理の手間が減ることは、思っている以上に日々の満足度を上げてくれますよ。

今、そして少し先の暮らしの充実につながる選択をするようにしましょう。

「もったいない」や「惜しい」と思ってしまったときは、その感情にふたをするのではなく、自分に問いかけてください。

「私は、これからどんな暮らしがしたいのか?」

その答えが、手放し方を教えてくれます。





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