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家でゆっくり休んだはずなのに、疲れが残っている。
外出先から帰ってきても、なぜかほっとできない。
そんなとき、ものが多いせいだと考えがちですが、原因はそれだけとは限りません。刺激にふれすぎて疲れているのです。
音・光・匂い。この3つを、私たちは知らないうちに家の中へ入れすぎています。
今回は私が一人暮らしになってから進めている、刺激を減らす暮らし方を紹介します。
休まらないのは刺激が多すぎるから
現代の家は、思っている以上に刺激的です。
つけっぱなしのテレビ、ひっきりなしに鳴るスマホの通知、夜中も部屋の中でずっとついている小さなライト、部屋ごとに置かれた芳香剤。
ひとつひとつは小さな刺激でも朝から晩まで浴び続ければ、脳は休むひまがありません。
本人は慣れてしまって、それと気づいてすらいないことが多いのです。
体は家で休もうとしているのに、頭は入ってくる情報を処理し続けている。これでは、いくら寝ても疲れがとれません。
退職後や子どもの独立後は、家にいる時間が長くなるぶん、刺激を受ける量も増えます。
家で仕事をしている人も同じです。
昔はにぎやかなことが好きだったのに、最近は静けさが恋しい。そういう人もいるでしょう。
こんなときは、暮らしを見直すサインです。
私の家にも、音と光があふれていた時期があります。
元夫と暮らしていたころ、彼が家にいる間は、テレビがつけっぱなしでした。
私はもともとテレビを見ない人間です。
彼と向かい合って話しているときも、視界のすみでテレビの光がちらちら動いて、それがうっとうしくてたまりませんでした。
彼はテレビをつけたままよくソファーの上でうたた寝をしていました。
一人暮らしになって、四六時中ついているテレビと離れることができました。
いまの私の家で、勝手に音を出すのは冷蔵庫やファーネス(暖房器具)ぐらいです。
音の流しっぱなしをやめる
3つの刺激の中でいちばんきついのは音なので、ここから手をつけましょう。
耳には、まぶたのようなふたがないので、何もしていないとどんどん音が入ってきます。
やれることは2つあります。音を流しっぱなしにしないこと、聞くときは意識して聞くことです。
さびしいから、長年の習慣だからと、朝起きたらとりあえずテレビやラジオをつける人は多いです。
テレビを消した瞬間、ほっとした経験は、誰にでもあるでしょう。
無音が不安な人は、家事をするあいだだけテレビを消す、こんなところから始めてください。
最初のうちは音がないと間が持たない気がしますが、数日たつと、むしろ静かなほうがラクになります。
そして、好きな音楽やラジオ番組は、ながら聞きではなく、腰を落ち着けて楽しむ時間を取ります。
数を減らしつつ、聞きたいものをしっかり聞くのは、ものを厳選する暮らしと同じです。
私が見るのは主に韓国ドラマで、そのためにFire TV Stick(テレビでネット動画を見られるようにする機器)とモニターを持っています。
ドラマは韓国語の聞き取り練習も兼ねているので、ながら見はしません。
画面に向き合うときだけつけて、見終わったら消します。
最近は、聞き方そのものも見直しています。
耳鳴りが始まったので、ヘッドホンを使う時間を減らしました。
耳の穴に差し込むタイプをやめて、耳全体をおおうオーバーヘッド型に替え、ゆくゆくは手元に小さなスピーカーを置いて、耳をふさがずに聞くつもりです。
音量も、以前より一段下げました。大きな音に慣れると、それが自分の標準になってしまうからです。
私の家のまわりは、ふだんとても静かですが、隣人が芝刈りを始めたり、庭でパーティーが始まったりすると、一気ににぎやかになります。
こういうとき、こちらにできるのは窓を閉めることぐらいです。
自分でコントロールできない音があるので、コントロールできる音を減らすのです。
音を出すのは自分が聞きたいときだけ。そう決めると、家はかなり静かになります。
寝る1時間前に、照明を1つ消す
光ですが、夜、明るすぎないようにしています。
夜遅くまでこうこうと明るい照明の下にいると、体が昼間だと勘違いして、眠りが浅くなります。
照明は早めに落とすことを心がけてください。
部屋が少し暗くなるだけで、体は寝る準備を始めます。
カナダの家は天井の照明より、フロアランプやテーブルランプで部屋のすみを照らすスタイルが主流です。
でも私は、その手のライトをほとんど置いていません。
寝る前はできるだけ暗くしたいからです。
天井照明を使うなら、昼間のような白ではなく、夕方の日差しに近いオレンジ系の電球を選ぶと、夜の部屋がずっと落ち着きます。
調光できるライトなら、夜はいちばん暗い設定にするといいでしょう。
年齢を重ねると、ショッピングモールやスーパーのLED、スマホやパソコンの画面を、昔よりきついと感じることが増えます。
家の中ぐらいは、やわらかい明かりで過ごしましょう。
光だけでなく、目に飛び込んでくるものの多さも、視覚の刺激になるので気をつけてください。
⇒いつもの光景の一部になっている物の見直し:視覚的ノイズを減らす(その5)
匂いは、そもそも入れない
匂いは、ほかの2つと対策が違います。
音や光は、今あるものの使い方を見直しますが、匂いは、製品を買う段階で家に入れないようにします。
心地よい香りを足すのではなく、香りのないものを選ぶのです。
好きな香りやいい香りはリラックスにつながるのでは、と思うかもしれません。
とはいえ、どんなに好きな香りでも、一日中ただよっていれば、鼻と脳は働きっぱなしになります。
私は、香水やオーデコロンをだいぶ前にやめました。
洗濯洗剤やシャンプーなどの日用品も、無香料を選んでいます。
最近は無香料の製品が増えたので、選ぶのに苦労しません。
無香料の暮らしを続けていたら、人工的な香りに敏感になりました。
以前は平気だった柔軟剤の香りを、今はきつく感じます。
敏感になったというより、鼻が本来の状態に戻ったのだと思います。
私だけではなく、香水や柔軟剤、芳香剤の匂いをつらく感じる人は増えています。
香害という言葉も、すっかり定着しました。
まずは、玄関やトイレの芳香剤を1つ撤去して、数日過ごしてみてください。
なくても困らないどころか、こちらのほうがいいと感じるかもしれません。
香りつきの洗剤や柔軟剤がまだ家にあるなら、捨てることはありません。使い切ったら、次から香りがマイルドなものや無香料なものを検討してください。
⇒香料の記事に届いた反響:頭痛、苦手な匂い、外出もつらい現実
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家の中に入れる音・光・匂いを減らすことをおすすめしました。
私が子どもの頃より刺激の総量が増えています。
常時オンの家電、LED照明の普及、スマホのブルーライト、香りつき柔軟剤や洗剤。どれも便利なものなので、これからも増え続けます。
だから、こちらから減らすぐらいで、ちょうどいいのです。
これは、一人暮らしの人だけの話ではありません。
家族と暮らしているなら、全部は無理でも、自分の寝室や、よく座る場所のまわりだけでも低刺激ゾーンにしましょう。
そうやって心と体が休まる家を作ってください。














































