ページに広告が含まれることがあります。
家にものが多いと、転びやすくなります。
床に置いた衣類や、動線にはみ出した荷物に足を取られるからです。
ですが、ものを減らして床が見えるようになっても、ひやりとする場所は残ります。
今回は、家の中を実際に歩いて、そういう場所を見つけ、安全にする方法を紹介します。
見るのは足元、暗がり、高いところ。ほかにもありますが、まずこの3つから始めるのがおすすめです。
玄関からトイレまで、今日1回歩いてみる
自分の家のことは、どこに何があるか全部わかっている、と思いますよね。
わかっているのは、ものの置き場所であって、そこを通るときに体がどう動くかではありません。
椅子に座って部屋を眺めていても、危ない場所は見つかりません。
実際に通ってみないと、わからないからです。
毎日通っている道なのだから、まずいところがあれば、とっくに気づいているはず。
そう思うかもしれません。
ですが、毎日通っているうちに、体が道順を覚えます。
目で確かめなくても足が出るので、そこに何か落ちていても気づきません。
今日は点検のつもりで、家の中を1周してください。
玄関、トイレ、洗面所、キッチン、寝室。
毎日必ず通る場所をつなぐ道を、順にたどります。
ふだんと同じ速さで、いつも履いているスリッパのまま歩きます。
かかとが脱げそうになったり、フローリングですべったりするなら、そのスリッパを替えてください。
洗濯かごを抱えて通る場所なら、かごを持って通ってみてください。
両手がふさがると、足元が見えなくなります。
それから、昼と夜では見えるものが変わるので、夜にも一度歩いてみましょう。
電気を消したあとの家は、昼間とは別の家です。
歩きながら、気になったところはその場で直します。
あとでやろうと思っていると忘れます。
直すのに5分もかかりません。
めくれた玄関マットの角を直す、ドアの前に置いたかごを移す、階段の手すりに引っかけていた買い物袋を外す。
何度直してもめくれるマットなら、なくしてしまう手もあります。
⇒その玄関マット、本当に必要? マットを捨てると手に入るもの。
なかには、その場では直せないものもあります。
廊下にはみ出している本棚のように、動かすのに人手がいるものです。
これは、いつ誰と動かすかを、その日のうちに決めてください。
あとで考えようと思っていると、半年たっても同じ場所にあります。
足元:昨日置いたものが、いちばん危ない
床にものを置かないこと。これが確実な予防になります。
私は家の中でつまずくことはあまりありませんが、運動神経がいいからではありません。
床に余計なものを置いていないからです。
⇒床置きしない人になるには?~スッキリした部屋を作るために(1)
床にものがあっても、明るくて、急いでいないときなら、よけて歩けます。
問題は、そうでないときです。
宅配便が来て玄関に走るとき。
夜中にトイレに起きたとき。
電話が鳴って、振り返りざまに歩き出すとき。
このとき、床のものは目に入りません。
とくに気をつけたいのは、一時的に置いたものです。
通販のダンボール、まだしまっていない買い物袋、部屋のどこかに置きっぱなしの洗濯もの。
すぐどけるつもりで置いたものは、置いた本人が、そこにあることを忘れます。
ずっと置いてあるものより、昨日から置いてあるもののほうが、足を引っかけやすいのです。
とはいえ、ずっとそこにあるものが安全なわけでもありません。
見慣れてしまうと、そこにあること自体が風景になります。
足元を横切っている延長コードがないか、この機会に確かめてください。
細くて色が濃いものほど、夜は見えません。
以前、読者の方から、こんな相談をいただきました。
その方のお母さんは60代。ものが多い家で、部屋にあったものにつまずいて転び、怪我をしたそうです。
私は67歳で、今のところ転んでも自分で起き上がれます。
ですが、この先ずっとそうとは限りません。
体が動くうちに、床のものを減らしておくほうがラクです。
⇒床の上が物だらけになる10の理由。対策すればきれいに保てる。
暗がり:夜と早朝に通る道に、明かりを足す
夜中にトイレに起きるとき、電気をつけずに歩いていませんか。窓から近所の電柱の明かりが入るから、それで大丈夫だと思っていたりして。
家族が寝ていると、廊下の明かりをつけるのがはばかられます。
一人暮らしでも、まぶしくて目が覚めるから、つけないという人は多いです。
危ないのは、暗い部屋そのものより、明かりをつけに行くまでの数歩です。
寝室のドアから廊下のスイッチまで、3歩か4歩。
その数歩を、いちばん眠くて、いちばん足元が見えない状態で通っています。
年を取ると、暗さに目が慣れるまでの時間が長くなります。
若いころのように、数秒で見えるようにはなりません。
ここは、片づけでは解決しません。
ものを減らすのではなく、足す判断をしてください。
私は、人感センサーと明暗センサーが付いたナイトライト(コンセントに直接差して使う、小さな常夜灯)を、4個セットで買いました。
あたりが暗くなると自動で待機に入り、人が前を通ったときだけ点灯します。
スイッチを探さなくていいのが、何よりありがたいところです。
明るすぎないので、目がすっかり覚めてしまうこともありません。
まずは1つ、寝室からトイレまでの通り道に付けてみてください。
通り道の途中にコンセントがなければ、電池式で壁に貼れるタイプもあります。
スマホの明かりで足元を照らしている人もいるでしょう。
それでも歩けますが、片手がふさがるし、スマホは明るすぎるので、そのあと寝つきが悪くなります。
手ぶらで通れるようにしておくほうがいいです。
新聞を取りに行く早朝の玄関と、階段の下り口にも、1つずつ付けておくと安心です。
高いところ:椅子に乗って手を伸ばさない
収納の本を読むと、あまり使わないものは上の棚へ、と書いてあります。
たしかに手の届く場所が空くので、使いやすい家になります。
ただ、たまにしか使わないものでも、いつかは取ることになります。
そのとき踏み台がないと、手近の椅子に乗ってしまいます。
以前、料理の煙で火災報知器が鳴ったとき、私もそうしました。
報知器は天井に付いていて、私は背が低いので、手が届きませんでした。
早く止めたい一心で、キャスターの付いた椅子に乗りました。
うちの床はつるつるしていて、キャスターの付いたものがよくすべります。
手を伸ばした瞬間に椅子がズルズルとすべり、落ちました。
お尻を強打して、しばらく起き上がれませんでした。ものすごく痛かったんですが、それよりもこんなものに乗ってしまった自分のバカさ加減にあきれました。
今は、モップの柄で報知器のボタンを押して止めています。
下から見上げるとボタンの位置がはっきりしないので、柄の先で天井を何度かつつくことになりますが、それでも椅子に乗るよりずっといいです。
そもそも、報知器を鳴らさないようにするのが先です。
鍋を火にかけたまま、その場を離れないように気をつけています。
高いところの用事は、乗らずに済ませられるなら、そのほうが安全です。
踏み台を運んでくる手間もありません。
高いところに置きがちなのは、日用品のストック、季節はずれの衣類、めったに使わない小さな家電でしょうか。
月に何度か取りに行っているものは、下ろしてください。
目線から腰までのあいだ、背伸びをしなくても届く高さに置きます。
上の棚に残していいのは、年に1回出すかどうかのものだけです。
その1回のために場所を取っているなら、手放してしまってもいいかもしれません。
⇒「退職したら片づける」は危険な先送り。体力がある今こそ手放しどき
****
今回おすすめしたのは、家じゅうを完全に安全な場所にする方法ではありません。
段差をなくして、手すりを付けて、と考えると、リフォームの話になります。
そこまでしなくても、毎日通る道を押さえておけば、家の中でひやりとすることは減ります。
一度、点検のつもりで歩いてみてください。














































