ページに広告が含まれる場合があります。
アメリカの主婦に家事を教えるサイト、フライレディネット(flylady.net)の主催者、フライレディ(flylady)の体験談、2回めです。
この体験談には、汚屋敷の住人だった、ズボラ主婦がどんなふうにして片付け習慣を身につけたのか書かれています。
フライレディは小さな習慣を1つずつ1ヶ月かけてものにしてきました。
今回は5月から8月まで。当時フライレディがやっていた仕事の話や、お母さんの病気のことも書かれています。
フライレディの歴史 1999年12月25日
5月の目標:週間家事をする
5月の目標は週ごとの家事をすること。
「掃除をする日」が必要だと思いました。そこで、ウィークリープラン(週間プラン)をたてました。
月曜日は掃除の日、火曜日は予定のない自由な日、水曜日はまた掃除の日、木曜日は用事のために外出する日、金曜日はデスクワークをし、夜は夫と過ごす特别な日。
カードに、その週やるべき掃除や用事、その他を書いて分類しておきました。
掃除は月曜日にすることにし、ずっとそれを守りました。家の中の掃除する場所を分けて、1度に1箇所だけ掃除するようにしていました。
ただの家がだんだん家庭らしくなってきました。計画を立ててやってみたら、このプランが自分に合っているとわかりました。主人も気に入ってくれましたよ。
コミュニティの友だちも、私がちゃんとやれるように助けてくれました。自分のルーティンや週間プラン、家を場所ごとに掃除していることを友だちに伝えました。メールしてくれたら、自分のプランのコピーを送るよ、と。ダウンロードしてもらっていたのです。
100通は送ったと思います。
6月:朝と夜のルーティンは定着した
6月になると、私のルーティンはほぼ決まってきました。少し調整しただけです。夜寝る前のルーティンに、翌朝の服をそろえることと、身体のお手入れを追加。
朝のルーティンも少し変えるだけですみました。小切手を切った分だけ、残高から引くことや、朝の瞑想を付け加えました。ここまで来るのに半年かかりましたが、誇らしい気持ちでいっぱいでした。
この年の前半は、家族にとっては大変な時期でした。母がまた心臓の発作を起こしたので、私は裁判所に許可をもらいに走り、母に関する仕事を管理できるようにしました。7月に母を私の家があるノースカロライナ州に引っ越しさせました。
部屋をきれいにしながらも、自分の新しい仕事である、郡政委員(county commissioner)の仕事を週に30~40時間やっていました。忙しかったのに、ちゃんとやれていたことに自分でも驚きでした。簡単だったんです。
7月と8月:多忙ながらもルーティンは継続
7月と8月はすごく多忙でした。何度かテネシーに行って、母の家を掃除しました。母の家を売るためです。
それからポートランドに飛び、SHEの会議に出席しました。コミュニティで知り合った友だちに出会えたのはとても素晴らしいことでしたね。
私は日々のルーティンを続けていました。私がいなくても、我が家はきれいでした。つまり、私がいたから部屋が汚れていたんですね。
8月中に、SHEのコミュニティに新しく入ってきた人がメンターを探すのを手伝いました。50組ぐらいです。こうして、多くの人がSHEのシステムを学ぶことができました。
・・・抄訳ここまで・・・・
☆原文はこちら⇒FlyLady’s Personal Testimonial – December 25, 1999 | FlyLady.net
☆この続きはこちら⇒片付けられない女に必要なのは、掃除道具ではなく生活習慣を変えること
なぜフライレディはフライレディなのか?
フライレディはノースカロライナ州に住んでいて(今も住んでいると思います)、county commissioner という仕事をやっていました。
郡政委員ですが、市会議員のような仕事でしょうか。よく知りません。
ある女性がノースカロライナの議会に、郡政委員の席を獲得しましたが、11月にその仕事をやめたので、フライレディがあとを継ぐことになったそうです。
フライレディは1999年の1月から、この仕事に就きました。それと同時に、SHEのコミュニティに入って、SHEのシステムを使って家を片付け始めたのです。
SHEについては前の記事に詳しく書いています⇒必ず汚家はきれいにできる。ただし片付け習慣は1日では身につかない
フライレディは彼女のハンドルネームで、本名は マーラ・シリー(Marla Cilley)です。年齢不詳ですが、2007年の夏のある記事に、51歳と書いてあったので、1956年生まれでしょうか。私より3つ年上です。
政治の世界に入ったのは1998年で、その前は別の仕事をしていたようです。
そのうちの1つがフライフィッシングを教えること。彼女はフライフィッシィングが得意で、どこかのカレッジで教えていたそうです。
SHEのコミュニティに入って、ハンドルネームを考えあぐねていたとき、ほかのメンバーがフライレディ(Flylady)がいいわよ、と言ったので、この名前を採用。
flylady は「飛ぶ婦人」ではなく、フライフィッシィング(fly-fishing)のフライだったのです。ちなみに、フライフィッシィングは毛ばりで釣りをすること。毛ばりは、水棲昆虫の形に似せた針です。
フライレディが自分自身のコミュニティを作ってしばらくしたあと、メンバーが、Finallly Love Yourself (とうとう自分自身を愛する)というアクロニムを思いつきました。
アクロニム(acronym)は、単語の先頭の文字をくっつけて作った言葉です。
フライレディは、家事ができず、汚家に住んで苦しんでいる人に、家事の仕方を身につけてもらうことで、自信を取り戻してもらいたい、もっと自分を大事にしてもらいたい、と思っています。このアクロニムはそんな彼女の理念にぴったりでした。
忙しい人こそ片付けのルーティンが必要
フライレディネットの読者は専業主婦(主夫)が多いです。といっても、アメリカは共働きが普通ですから、子供が小さくて、一時的に専業主婦になっている人たちだと思います。
そのため、フライレディネットをあまりよく知らない、働いている主婦に「あれはずっと家にいる主婦のためのもの。私たちにはそんな時間はないわ」と批判されることがあります。
しかし、フライレディが、自分自身で片付けシステムを生み出したとき、彼女は働いており、しかもお母さんの世話もしていました。
地図で見るとテネシー州(TN)はノースカロライナ州(NC)のすぐ隣ですが、1つの州の面積が広大なので、もし、中央や東のはしっこに住んでいたら、相当遠いです。
ポートランドは、オレゴン州(OR)で1番大きな都市で、アメリカの北西です。ノースカロライナからは3500キロ以上あると思います。
☆アメリカの白地図はこちらからお借りしました⇒地図 アメリカの地図と地理
フライレディの片付けのルーティンは、忙しい人にこそ、有効なのです。忙しいからこそ、自分の生活にあった家事のシステムを作るべきです。
システムがないと、毎回行き当たりばったりで片付けることになり、部屋がきれいになりません。断捨離にしても、いくら捨てても、一方で買い物をしていたら、片付くものも片付きません。家をきれいにするシステムが必要なのです。
もちろん、こうしたシステムは、時間の余裕があるがゆえに、だらだら家事をしがちな人にも役立ちます。
よくインタビューで、フライレディは「あなたはもともと家事が得意だったのですか?」と聞かれます。
それに対して、「いえいえ、とんでもありません。もともと家事が得意な人は、他人に家事を教えることなんてできませんよ。何も考えなくても、うまく家事をやれてしまうのですから」と答えています。
確かにそうですね。
これは母国語の文法を外国人に説明できないのと同じことです。理由なんてなく、ほぼ自動的にその言葉をしゃべることができるのですから。
パソコンのプログラムのマニュアル本なんかでも、そういうことが得意な人が書いて、やはり何もかもわかっている人がチェックして出版されているのではないか、と思うことがあります。
それを得意な人には苦手な人の気持ちなんてわからないのです。
フライレディは家事が苦手だったからこそ、ずぼら主婦にも使えるシステムを生み出すことができたのですね。
それではこの続きをお楽しみに。