携帯電話を持っている手

TEDの動画

ティーンエイジャーが語るスマホ依存の問題(TED)

スマホ依存の問題について、端的に語っている6分半のTEDトークを紹介します。なんとなくスマホを使って、なんとなく時間を無駄にしている人におすすめです。

タイトルは、Cell Phone Addiction(スマホ依存症)

8年生(中学2年)の Tanner Welton(タナー・ウエルトン)さんの講演です。



スマホ依存:TEDの説明

Tanner has a comedic and uncanny way of noticing everyday events. He draws people in while entertaining them about his personal experiences pertaining to social interactions and common cell phone usage amongst the youth of today.

タナーは、日常のできごとをユーモラスに、不思議な見方で気づいています。今日の若者のSMSでのやりとりやスマホの使用について、おもしろく、自信の経験を語っています。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

日本ではガラケーとスマホを区別しますが、英語圏では、すべて cell phone とか mobile phone と呼びます。

今日のティーンエイジャーの大半はスマホを持っていると思うので、訳文では、cell phone を「スマホ」と訳しました。

増えているスマホ依存

8割の子供が5分ごとにスマホをチェックしていると知っていますか?

こんには。僕はタナー・ウォルトンです。きょうはスマホ依存についてお話します。

僕自身も依存しているかもしれませんが、だからと言って、そのことについて話せないわけではありません。

実際、僕以上にこの件についてよく知っている人がいるでしょうか?

多くの人が、さまざまなものに依存していますが、僕は、スマホ依存が、一番多いと思います。

たぶん、皆さんの多くは、「自分はそうじゃない」と思っているでしょう。

でも、1日、何回、スマホを使ったり、チェックするか考えてみてください。

ノモフォビア

スマホが手元にないとどうなりますか? 落ち着いていられますか? それとも焦りますか?

スマホがないとパニックアタックになる人が実際にいます。この状態はノモフォビアと呼ばれています。僕自身は、「電話がない恐怖症」と呼ぶのを好みますが。

ノモフォビアは、ポケットの中にスマホがなかったり、スマホを見つけられないと、パニックになることです。

僕も、家で何度かそうなりました。そういう人は多くて、中国には15億人の人がいますが、多くの人が、スマホ依存です。

その数は、カナダのほぼ4分の3の人口にあたります。親たちは、スマホ依存の子どもたちを治療施設に送り込みます。

英国、スペイン、ほかの国でも同様のことが起きています。そのうちカナダにもそういう施設かできるでしょう。

スマホに依存する理由

なぜ、人はスマホに依存してしまうのか?

僕はこう思います。

ソーシャルメディアについて考えてみましょう。写真を投稿すると、10秒もたたないうちに、「いいね!」が4つつきます。

4つの「いいね」はささいなことですが、気持ちに大きな影響を与えます。

10秒ほど続く幸せは、脳に「もっと欲しい」というメッセージを送ります。だから次々と写真を投稿して、どれだけ「いいね」がつくか見るのです。その結果、5分ごとに、誰かが自分の写真に「いいね」をつけたかチェックしてしまいます。

たとえ、その「いいね」が見ず知らずの人がつけたものであっても。

こんな時間の使い方はもったいないと僕は思います。

コミュニケーションが変わった

これは子供だけじゃなくて大人もやっています。最近、人々はお互いに口をききません。

レストランのテーブルで、デートしているカップルが互いを見ることもなく、それぞれ、スマホをチェックしています。

誰か別の人とやりとりしていたり、ディナーの写真を撮って、そこにいない誰かに送ったりしているんです。

まるで、ヴァーチャルの世界に生きているように。愛する人たちとともに時間を過ごすより、他人がしていることや、他人が考えていることに気持ちが向いています。

スマホ依存には別の面もあります。家庭内で会話しません。同じ家に住んでいるのに、テキストメッセージでやりとりをします。

階段の上り下りが大変だから、じかに口をきかないのでしょうか?

コミュニケーションするのに固定電話を使う人も、いまだにいますけどね。家の電話がなったら、それは、セールスか70歳の祖父母です。

この状態は何か変ですよね。

ファビング

ファビングと呼ばれる問題もあります。目の前にいる人より、自分の電話により注意を向けることです。皆さんも身に覚えがありませんか?

スマホを学校に持っていけない日や、忘れてしまった日は、ずいぶんと違った1日になります。

学校に行くと、友人たちはみな、スマホを見ていて、SNSで別の人とやりとりしていたり、ビデオゲームをしていたりします。

まるで、人間同士のつながりをなくしたかのようです。みなが使っているのに、自分だけスマホを手放すのはとても難しいのです。

人間同士のつながりと言えば、僕の地元にあるホッケーリンクには、「電話をしまって、子どもたちのプレイに注意を向けてください」という表示があるんです。

眠れない

別の問題もあります。睡眠です。皆、スマホを横に置いて寝たりします。目覚ましに使ったり、よく眠れるアプリを使うために。よくあることですが、ブルーライトがメラトニンの分泌をさまたげると知っていますか?

メラトニンが出ないと脳が睡眠モードになりません。寝る前に脳がすごく活性化されるのは、スマホを使っているためです。

枕元にスマホを置いていると、疲れ目、病気の増加、睡眠不足による自動車事故につながります。

運転を妨げる

スマホを使いながら運転できると考えている人もいますね。道路に注意を向けることより、スマホ上で人が話していることを心配するのに忙しいんです。

実際、携帯電話は多くの自動車事故の原因になっています。

時速90キロで運転しながら、5秒間、テキストメッセージを読むのは、目隠しをした状態でサッカーフィールドを移動するのと同じだと知っていましたか?

真のつながりの回復を

まとめると、スマホにまつわる問題はいろいろありますが、お互いにもっとつながることが必要だと思います。

これまでの人生で最高だった体験の1つは、昨年、ロックリッジキャニオンにサマーキャンプに行ったときです。これは、スマホを持ち込めないキャンプで、携帯電話などを、家に置いてこないと参加できません。

最初の1週間はつらかったけど、参加してよかったです。

すばらしい冒険に出かけたり、今でも交流のある人々との出会いがありました。

きょうのトークから何かを学びたいと思うなら、僕はこんなアドバイスをします。

自分を幸せにしてくれる小さなことに意識を向けてください。今、この瞬間を楽しんでください。

かつてスティーブ・ジョブズが言ったように、「あなたの時間は限られています。だから、誰かべつの人の人生を生きることで無駄にしないでください」。

//// 抄訳ここまで ////

補足

nomophobia スマホや携帯電話がない状態に対する恐怖症。no-mobile-phobia

phubbing ファビング、自分のスマホ(モバイル端末)に気を取られて、目の前の相手や居合わせている人を無視すること。

スティーブ・ジョブズのトーク⇒スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式のスピーチからミニマリストが学んだこと

スマホに関するほかのトーク

スマホは人の思考をどんなふうに変えるか(TED)

スマホなしで生きられるか?(TED)

スマホを使っても気が散らない技術を生み出そう(TED)

スマホやYouTubeがクセになってしまう行動様式を知り、悪習慣を改める(TED)

ソーシャルメディアはやめなさい:カル・ニューポート(TED)

ソーシャルメディアはこころの健康によくないか?(TED)

なぜデジタル機器の画面を見て過ごしていると幸せから遠のくのか?(TED)

長続きする幸せを求める

部屋が片付かない問題の元凶に買い物依存がありますが、買い物依存に関するTEDトークが見つからないので、次善の策としてスマホ依存のトークを紹介しました。

買い物やスマホに依存する仕組みは同じで、お手軽にドーパミンを出して、ハッピーになる行動がくせになって依存します。

スマホは、SNSで「いいね」をもらったり、SNSやニュースのフィードで、どんどん新しい情報にふれることで、ドーパミンが出ます。

買い物は、以前、この記事で書いたように⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。

新しいものを手に入れることに対する期待をいだいたときや、実際に手に入れたときにドーパミンが出ます。

その行為は、一見、無害かつ無邪気な楽しみです。誰かの迷惑になるわけでもありません。買い物は資本主義社会の基礎になるので、メディアは「買い物を控えろ」とはまず言いません。

問題は、こうやってドーパミンを出しても、その幸せ気分が長続きしないことです。だから、何度も同じことを繰り返さなければなりません。

しかも、そうやってドーパミンを出すのがくせになっていると、ドーパミンが出ていないときに、かなり落ち込みます。これは、ドラッグ中毒の人に顕著です。

よって、もし本当幸せになりたいなら、短期的な幸せ(というより快楽)を求めるのはほどほどにして、長期的な幸せを求めたほうがいいです。

そのためには、すべてをお手軽にすませるのではなく、ちょっとめんどくさいことをしたほうがいいでしょう。

たとえば、私の長いブログの記事を読むより、TiktokやYouTubeで動画を見るほうが簡単です。

自炊するより、ジャンクフードを買って食べたほうが簡単です。

しかし、時間をかけて何かを咀嚼したり、じっくり構築したほうが、真の幸せに近づきます。

めんどくさいことは、必ずしも悪いことではないのです。





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