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耳の健康シリーズ。今回は耳鳴りの原因についてお伝えします。
一時的な耳鳴りはわりとよくあること。一説によると日本人の10~20%の人が耳鳴りを体験しているそうです。
私も耳鳴りに悩んでいました
私も、2014年のはじめ頃、キーンとした高い音の耳鳴りが数ヶ月続いたことがあります。片耳(右)だけです。その後、おさまっていたのですが、去年(2015年)の秋ごろ、また右耳で耳鳴りが始まり2、3ヶ月続きました。
このときはもう少し低い音だったと思います(すでにおさまってしまったので思い出せません)。いずれの場合もひじょうに不快でした。
「耳鳴りが止まらない」と悩み、いろいろ調べていたのですが、「気にしすぎるとよくない」というのを読み、あまり気にしないことにしました。そのうちその状態に慣れてしまい、放置。知らないうちに止まりました(単におさまっているだけかもしれません)。
最初の耳鳴りは、西式甲田療法に従って、食事を変え、どんどんやせていった時期におきたので、そのせいではないかと思っています。
去年の耳鳴りは、忙しい時期に起きたので、睡眠不足のせいではなかったでしょうか?
老化によっても耳鳴りは起きます。耳鳴りの多くは心配のないものですが、脳の病気のせいで鳴っている場合もあります。
耳鳴りの原因を探るにあたって、まず、人はどうやって音を聞いているのか、そのメカニズムから説明しますね。
人はどうやって音を聞くのか?
人間は、太鼓の音や鳥のさえずりなどの空中の振動を、耳の中で電気信号に変え、脳がその信号を音だと認識します(ざっくりとした説明です)。
昔、学校で耳の構造は3つにわかれると習ったと思います。
外側から外耳(がいじ)、中耳(ちゅうじ)、内耳(ないじ)です。
外耳は耳の穴(入り口)から鼓膜までの部分。外界に開いていて、空気中の音の振動をキャッチするようになっています。
その奥から蝸牛(かぎゅう)の手前までが中耳です。ここには耳小骨(じしょうこつ)という骨があります。
その奥の内耳には、蝸牛というかたつむりのようにうずまき状になった器官があります。
耳の穴から入った振動(圧力)は、鼓膜(薄い膜)をふるわせます。この振動が、奥の内耳に伝わります。
蝸牛は音を音として認識するのにとても大切な部分です。うずまきの中には、細かい毛がはえており、さらに液体(リンパ液)も流れています。
ごく簡単に言うと、内耳に伝わった音の振動が、うずまきの中のリンパ液をゆらし、これによって毛が動くことで、音の波が電気信号に変わります。そしてこれが脳に行きます。脳はその信号を音だと認識します。
ちなみに、このリンパ液はなんとなく入っているわけではありません。蝸牛の上部分の三半規管(さんはんきかん)の中の液体は、体の動きとともにゆれて、体の釣り合いを取る(平衡感覚をつかさどる)のに大切な働きをしています。
以上説明したことを、子供むけに、アニメでわかりやすく説明している動画を紹介します(英語です)。さらに理解を深めたい方はごらんください。
☆耳用語プチリスト☆
outer ear 外耳 またの名をpinna、 auricle ともに耳介(じかい)のこと。
middle ear 中耳
inner ear 内耳
ear canal 外耳道(耳の共鳴と伝達をする)
earwax 耳あか(耳に異物が入らないように守っている)
ossicule (耳の)小さな骨 os(骨)に -icle 「小さい」という意味の接頭語がついたもの。
cochlea 蝸牛(かぎゅう)。蝸牛はもともと「かたつむり」のこと。
動画は5分ちょっとです。英語の字幕つき。
なぜ耳鳴りが起きるのか?
からだが音を聞くメカニズムのうち、どこかがいつもとは違う動きをしてしまうと、耳鳴りがします。つまり耳か脳(時には歯や血液)の異常です。
1番多いのは、蝸牛の異常です。蝸牛にある小さな毛の細胞は、人が年をとると、体内のほかの細胞同様、順番に死んでしまいます。死ぬ直前にいつもより、動きが活発になり、よけいな信号を脳に送るため、それが耳鳴りになります。
ろうそくが燃え尽きる直前に炎が大きくなるようなものです。
耳鳴りとは、耳の中で小さな細胞が順番に死んでいる現象、とも言えるのです。
もちろんこれ以外でも耳鳴りは起きます。たとえば、何らかの原因で、内耳から信号が流れにくくなると、脳はそれを調整しようとして、全体的に感度をあげようとします。するとよけいな音が聞こえてしまいます。
以下によくある耳鳴りの原因をまとめます。
☆よくある耳鳴りの7つの原因
1.大きな音の聞きすぎ
職業上、1日中大きな音を聞いていたり、ヘッドフォンやイヤホンで大きな音を聞きすぎると耳の器官が疲れて、耳鳴りの原因になります。
大きな音を聞くということは、蝸牛の中のリンパ液が常にぐるぐるぐるぐる回っていることで、そのうち機能不全に陥ってしまいます。
イヤホンで大きな音を聞くのはほどほどにしましょう⇒耳の健康も大事。若い人に増えているイヤホン難聴の予防法
2.耳あかのたまりすぎ
動画に出てきたように、耳あかは耳を守る大切な役目をしていますが、これがたまりすぎると耳をふさいでしまい、本当はない音まで聞こえるようになります。
耳あかにはドライなタイプ(乾性)とねっとりしたタイプ(湿性)があり、日本人のほとんどはドライタイプです。しかしねっとりタイプだと、くっついて、取れにくいので、ときどき専門家に耳掃除をしてもらったほうがいいです。
耳あかは、自分で取るより、医者に取ってもらうことをおすすめします。耳はデリケートな器官ですし、取ってるつもりが、奥に押し込んでいる可能性もあります。
夫は、学生のころ耳あかがたまりすぎて、一時期、全く音が聞こえなくなったことがあるそうです。また、娘にも夫の耳あかが遺伝したのか、小学生のときすごくたまってしまい、医者で取ってもらいました。
事前に、数日間、ミネラルオイルを耳に入れて、耳あかを柔らかくしておくよう指示されたのでそうしました。
医者で取ってもらった晩、娘の耳から血が出て怖かったです。しかし、その後自然に完治しました。
3.頭を打ったせい
脳しんとう(頭部の打撲と、それに続く意識障害)のせいで、耳鳴りがすることもあります。ただ、頭の異常のときは、頭痛、吐き気、めまいも併発します。すぐに医者に行ってください。
4.歯の異常(かみ合わせが悪い、とか)
「歯と耳鳴りと何の関係があるのか」と思うわけですが、よく考えると耳と口はすごくそばにあります。外から見るとそうでもないのですが、頭蓋骨の絵を見ると、よくわかります。顎関節の異常で、耳鳴りがすることがあります。
私は右側の上、奥のほうの歯のインプラント治療をしていますので、そのせいで耳鳴りがした、とも考えられます。
歯医者によく行っている人で、耳鳴りがする場合は、ちょっと歯医者さんに聞いてみる手もあります。
5.薬の副作用
抗生物質、抗うつ剤、鎮痛剤(アスピリン)の副作用で耳鳴りがすることあり。特に服用量が多い場合は。薬をやめれば耳鳴りも止まります。
6.病気のせい
メニエール病などリアルの病気のせいで、耳鳴りがすることももちろんあります。メニエール病は、内耳にあるリンパ液が増えすぎて、水ぶくれのようになっている状態です。
蝸牛にリンパが増えすぎると、耳鳴りや、耳が詰まった感じなど、ちょっとした異常が出ます。三半規管のリンパが増えすぎると、めまいがします。
また、聴神経の腫瘍(良性です)ができる病気や、内耳の骨の異常(耳軟化症)も考えられます。
ほかにも高血圧や糖尿病、アレルギーでも耳鳴りがすることがあります。原因不明で、なかなか耳鳴りが治らないときは、耳鼻科の医者に相談することをおすすめします。
7.ストレスのせい
ストレスが原因で耳鳴りになってしまうこともあります。自律神経失調症でも耳鳴りがします。耳鳴りを気にし過ぎるとかえってそれがストレスになるので、あまり気にしないことをおすすめします。
私も、耳鳴りがしていた時期は、朝はそんなに大きな音でもなく、さして気にならないのに、昼から夕方にかけて、だんだん音が大きくなることがありました。疲れると耳鳴りがひどくなっていたのです。
ストレスはいろいろな病気を引き起こします⇒なぜストレスを感じると、腹痛が起きたり太ったりするのか?
耳鳴りの治し方はこちら⇒耳鳴りの治し方6つ。自宅で手軽にできる方法
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このほかにもアルコールのせいで耳鳴りがすることもあります。かなりの量を長期間飲んでいると、高血圧になってしまうからです。
なぜ高血圧だと耳鳴りになるのか、そのメカニズムはまだ解明されていないようです。
耳鳴りの原因は特定が難しいです。
音がだんだん大きくなっているとか、めまいがする、あるいは音が聞こえなくなってきている(難聴)、という症状があれば、必ずお医者さんに行ってください。
さて、耳鳴りの改善法はまた別の記事に書いていますが、とにかく睡眠をしっかり取ること。まずはこれをやってみてください。毎日8時間、3ヶ月ぐらい継続することをおすすめします。