タンスの引き出しの中

ミニマルな日常

最終更新日: 2020.01.28

捨てたあと、必要なときに買い直すことって、本当にできるの?

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いま使わない物を捨てたあと、あとになって必要になったとき、買い足すことが本当にできるのか?

そんなことができるのは、暮らしに余裕がある人だけではないか?

というお便りをいただきました。

このメールに返信します。

まず、お便りを引用しますね。Y太郎さんからいただきました。



必要になったタイミングで、買うことができるの?

こんばんは。

時間があるときにブログの方読ませてもらっています。

私はこんまりさんの本や、カレンキングストンさんの本を読んで物を沢山捨てました。

が、完全には信じきれていなくて、必要なときに買い足すって可能なのか? お金持ちだから出来るのではないか? と疑いをもっています…

こんな思考がお金持ちから遠ざかるのでしょうか?

ゲーム機や電化製品、捨てて後悔してる物がいくつかあり、買い足す余裕も今のところないので(あの時捨てなければ…)とやはり後悔しています。

無くても生きてはいけますが。笑





Y太郎さん、はじめまして。メールありがとうございます。

カレン・キングストンは、未来の自分を信じろ、必要なものは、必要なタイミングで出てくる、といった書き方をしていますね。

断捨離停滞中?見方を変えれば捨てられます~カレン・キングストンに学ぶ

近藤麻理恵さんが、本にどう書いていたか、いま、思い出せないのですが、あの方は、ときめくものを残せ、と言っていますよね?

実用品に関しては、いまの生活に必要な物を残しなさい、とおっしゃっていますかね? まあ、片付けコンサルタントなら、そう言うと思います。

近藤麻理恵の「人生がときめく片づけの魔法」の英語版の感想~ベストセラーの秘密は東洋の神秘にある?

私も、いま、使わない物を捨てても、必要な時がきたら買うことができる、と考えています。

その理由を3つ書きますね。

1.捨てる物のほとんどは余剰品

一度でも、不用品を捨てたことがある人ならわかるでしょうが、家の中にたまっている物のほとんどは、今の生活には必要のない余剰品です。

物をたくさん持っている人は、それだけの物が生活に必要だから持っているわけではありません。

なんとなく、「この先もいるかもしれない」「高かったから捨てるのはもったいない」「あったほうがいいような気がする」という理由で持っている物が多いので、所持品の数が増えるのです。

そうした余剰品は本質的にいらない物なので、今後買い足す必要はそうそう生じません。

もし、ある程度時間がたつと、必要になる物がたくさん含まれているのなら、わざわざ断捨離をしなくても、ガラクタの量はコンスタントに減っていくはずです。 

少なくとも増えはしないでしょう。しかし現実は、知らないうちに物がいっぱいたまってしまうことのほうが多いわけです。

アンデルセン童話に『人魚姫』という有名な物語があります。

彼女は、人間の王子に恋をしたため、自分も人間になりたいと思います。

そして、魔女に「人間にしてくれ」と頼むのですが、このとき、人魚姫は、人間になる代わりに、とても大切なものを3つ捨てます。

家族、人魚の尾、声です。

人間になったら、もう2度と、海の王国には戻れませんし、人間の足を得るため、尾ひれはなくなります。さらに自慢の美声も失います。

おまけに、人間になっても王子の愛を得られなければ、死んで海の泡になるだけです。

それでも、人魚姫は、「私は人間になりたいのです」と言って、大事な物を捨てます。

人魚姫のように、自分の存在に大きくかかわるものを捨てると、再度手に入れるのは難しいかもしれません。

しかし、ふだんの断捨離で、ここまでギリギリの決断をして、捨てている人なんて、いるでしょうか?

私を含めて、みな、けっこう生ぬるい断捨離をしています。

よって、きょう、いらない物を捨てて、5年後に必要になったとしても、3000円ほどあれば、簡単に買い直せると私は考えます。

Y太郎さんは、ゲームや家電を捨てて後悔していて、いま、買い直す余裕がない、と書かれています。

余裕がないんじゃなくて、大事な物じゃないから買っていないだけです。

2.不用品がたくさんある人は金持ち

Y太郎さんのいう、「お金持ち」がどういう人たちであるのか、定かではありませんが、毎日、不要な物をたくさん捨てることができる人は、それだけの、無駄な物にお金を使うことができた人であり、そうした無駄な物を大量にしまうスペース(住環境)を持てる、ある程度、お金を持っている人、暮らしに余裕のある人です。

100円均一ショプで1個100円で売っている雑貨でも、100個買えば1万円です。

本気で不用品を捨て始めてみると、いらない物の100個や200個、簡単に出ます。

1000個捨てチャレンジを、2回、3回とする方もいます。

持たない暮らしに近づく1000個捨てチャレンジの楽しみ方。

捨てた物にどれだけお金を費やしたか計算してみると、けっこうな金額になると思います。

私も、以前、楽天市場で使った金額を計算したり、2018年に画材(塗り絵グッズ)に使った金額を計算したことがあります。

買った画材を管理するノートを作っています。

こちらの記事でノートを紹介⇒明るい1年をすごすためにおすすめしたい5つの習慣。

それはもうびっくりするような金額で、目をおおいたくなりました。

連日、部屋の中からいらない物をわさわさ出せる人は、それだけの物を買い、管理し(収納グッズを買ったり、衣類をクリーニングしたり)、置くスペースを持てる生活基盤がある人です。

つまり、豊かな生活をしている人たちなのです。

そのような人たちは、5年後、10年後に、生活雑貨や家電が必要になっても、十分買うことが可能である、と私は考えます。

3.いらない物を捨てればお金が残る

不用品なのに、「これを捨てるのは損だ」という判断をして、捨てない人がいます。

この洋服は高かったから、この本は専門書で高かったから、これは珍しい品物で今、買うと、高いから、といった理由で、捨てません。

しかし、使っていないほうが、もったいないことをしている、とは過去記事に何度も書いています。

もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。

自分や家族がいま、使っていなかったら、どんなに素晴らしくて高価な品物でも、その価値は発揮されません。

つまり、「価値があるから捨てない」と思っているそれは、自分にとっては何の価値もないのです。

誰か他の人(本当に使う人)にとって価値があるだけなのに、自分にとって価値があると誤解しているだけです。

そういう、自分には何の価値もない物にスペースをあてがい、掃除し、整理し、入れ物を見つける、つまり管理する生活は自分のリソースを奪う生活です。

自分のリソースは、自分の時間と言い換えることができます。

いらない物を手放して、ほかのことに使えるはずの時間を、自分には何の価値もないものに注ぎ込む生活をやめれば、無駄に使っていたリソースが手元に残ります。

今後、何かを買う必要が生じたら、そのリソースを使えばいいのです。

短期のアルバイトをして、数万円作れば、必要な物はなんでも買えるのです。

実際、私も、30年前は、休みのたびに、部屋の掃除に疲れ果てていました。しかし、物を大幅に減らした現在は、家事も楽になり、時間ができ、その時間をブログを書くことにあてています。

足かせになって、自分のリソースを奪うものを手放せば、経済的にも、暮らしは豊かになるのです。

関連記事もどうぞ:

あとで必要になったときに買うお金がもったいなくて捨てられない、という質問の回答。

物を捨てたことをすごく後悔して苦しい時の対処法。

「しまった!捨てるんじゃなかった」後悔しない断捨離のやり方

よりよい決断をする3つの方法、コンピュータのように考える(TED)

******

人間は、すでに終わった過去のことを後悔し、何が起こるかわからない未来のことを心配しがちです。

ですが、大事なのは「いま」です。

いまの自分の生活の充実に意識を向ければ、「今日、これを捨てると、あとで必要になったとき、それを買うお金を、はたして自分は持っているのだろうか?」なんてことは考えません。

先のことは誰にもわかりませんし、私たちの生活は、どんどん変わっていきます。

人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)

実際、私が、30代の頃は、いまのように、みながスマホを持ってインターネットに接続する時代なんて全く想像していませんでした。

電子書籍の登場も予想していなかったので、「老後の楽しみのために」重たい全集を買い揃えたりもしました(後に処分しました)。

18歳のときは、英語のネイティブ音声を手に入れるのに苦労していました。

みな、ほんの30年~40年前のできごとです。

これからの30年でも、いろいろなことが大きく変わるでしょう。

不確定な未来における買い物の心配をするのは、ほどほどにしたほうがいいですよ。





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