リップクリーム

ミニマリストへの道

最終更新日: 2019.05.5

おまけにつられて物を増やす人:ミニマリストへの道、番外編4

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かなりのタメコミアンだった私が、物を増やしたプロセスを振り返っています。

今回は、化粧品会社のエイボン(Avon)のカタログ通販で、無駄な物をためこんだ体験を紹介します。

フェリシモ(昔はハイセンス)と同じくらいの時期に利用し始めました。

今はもちろん、昔もろくに化粧をしなかったのですが、私はうっかりエイボンレディ(エイボン化粧品を売る人)になってしまったのです。

それもこれも、景品に弱すぎたからです。



エイボンとは?

ここでちょっとエイボンという会社について書いておきます。

エイボンは正式な名前をエイボン・プロダクツという化粧品会社で、現在は本社はイギリスのロンドンにありますが、もともとはアメリカのコスメメーカーです。

日本では資生堂や旧カネボウという国産メーカーのシェアが大きいから、あまり知られていないと思いますが、世界で5番目に大きい化粧品の会社です。

この会社の特徴は直販することです。

もしかしたら今はネットのサイトから直接買えるかもしれませんが、当時(1970年~80年代)は、エイボンレディという人から、買うことになっていました。

直販の会社としては、アムエイの次に、大きな会社です。





エイボンレディが誕生した背景

この会社はいまから140年ほど前の1880年代に、デイヴィッド・H・マコーネルというビジネスマンが作りました。

マコーネルさんは、もともとはドア・ツー・ドア(1件、1件売り歩くこと)で、本を売っていたのですが、なかなか売れず生活に困っていました。彼は、もっと本を売るために、おまけとして、無料の香水をつけてみました。

この香水、マコーネルさんが自分で作っていたそうです。彼は、本を売るだけでなく、自分用の香水を作ったりもしていました。

家で香水を作りつつ、本を売り歩いていたら、訪問先の奥さんたちは、本よりも香水に強い興味を示しました。

彼は、「本より香水のほうが売れるんじゃないの?」と思い、カリフォルニア・パヒューム・カンパニーという会社を作り、香水の製造を拡大しました。

この香水がやたら売れて忙しくなったのです。

マコーネルさんは、自分だけでなく、ほかの人にも売ってもらおうと思い、顧客である奥さんたちをセールス要員としてリクルートしました。

当時の主婦は、外に働きにいかないのが普通で、何とかして、少しでも家計を助けたいという気持ちが強かったのです。

きっと、マコーネルさんは、本や香水を売るたびに、「ほしいけど、お金がなくて」という奥さんたちの話をたくさん聞いていたのでしょう。

彼は、奥さんたちにお金を稼ぐチャンスをあげたい、と思ったのです。

1886年にエイボンレディの第1号が誕生しました。

1920年代に、マコーネルさんは、イギリスのストラットフォード・アポン・エイボンを訪れ、その後、自分の香水のブランド名をエイボンに変えました。1930年代に、息子さんが、会社をついだとき、会社名もエイボンになりました。

その後、会社はどんどん大きくなったのですが、今も基本的に、エイボンはエイボンレディから買うことになっています。

エイボンは、ある意味、1人の男性とたくさんの女性たちの夢が作った会社といえます。ところが、私の場合は、家計を助けるどころか、お金が無駄に出ていき、使わない化粧品のサンプルやおまけががたまる、という最悪のパターンになったのです。

きっかけは無料のサンプル

エイボンレディになってしまったきっかけは何かの雑誌で見て、無料の口紅のサンプルとカタログを取り寄せたことです。

まあ、いつものパターンです。

昔の私は「無料の◯◯」、「無料サンプル」、「無料プレゼント」という文字を見ると、「おお、これはもらわなければ損だ」と反応するおろかな思考回路の持ち主でした。

口紅だったと思いますが、もしかしたら、香水のサンプルだったかもしれません。

先ほども書いたように、エイボンの前進は香水の会社だったので、香水のサンプルということも充分考えられます。

私はまだ学生でした。

カタログを申し込んだら、すぐに自宅に女の人から電話がかかってきました。

「カタログをお届けします」。

やってきたのは、30代半ばぐらいのシックなグレーのカーディガンを着た美しい方でした。もちろん、ばっちり化粧をしています。

この方がエイボンレディさんですが、エイボンレディさんのまとめ役であるゾーンマネージャーだったと思います。

この人が、私にカタログを手渡しながら、エイボンレディになるようにすすめたのです。

エイボンレディになると、カタログにのっている価格より、いくらか(2割ぐらい?)安く買うことができます。

さらに、カタログを他人に見せて、その人から注文をとることもできます。この場合はカタログの価格です。

エイボンにまとめて注文するのは、エイボンレディの自分。カタログ価格とエイボンレディ価格の差額が収入になる仕組みです。

「べつに無理に売らなくてもいいのよ。自分の分だけを買ってもいいし。ノルマみたいなのもないから。

でも、売れるのよ。だって、女性はね、こういうふうにあなたが、カタログを見ているとね、みんな興味を持つものよ」

そう言って、グレーのカーディガンの人は、カタログをパラパラっとめくってみせました。

私は、昔からひどい人見知りで、どう考えても営業向きではありません。

ですが、ノーと言えない人間でもあったので、「自分が安く買えるのならいいか」、とエイボンレディになってしまいました。

最初のお客さんはそのゾーンマネージャーです。

彼女はエイボンレディ歴30秒ほどの、まだよくわかってない私から、オーデコロンを買ってくれました。クラシックな丸いボトルの香水でした。

彼女は商品を持っていて、私に、注文の伝票の書き方を教えてくれました。

グレーのカーディガンの人は、帰り際に、私の着ていた服に目をやりました。

「そのセーターとっても素敵ね。私も紫好きなの。でも、きのう着たから…。」

かすかな香水の香りをのこし、彼女は去って行きました。この人に会うことは2度とありませんでした。

無理やり化粧品を買うことになる

案の定、人前でカタログをパラパラとめくることなんて、私にはできませんでした。

1度だけ、短大の学食で、オムライスを食べながらめくってみましたが、誰も興味を持ちませんでした。

当然です。私は「華のように美しい人、あんなふうになりたい」と周囲から認識されていたわけではないのですから。実際は、ノーメイクのもっさりしたタイプで、まわりの女学生から浮いていました。

どちらかというと、「あんなふうにだけはなりたくない」と思われる方です。

その後、私は、自分と母の分だけをちょっぴり注文し続けました。

3週間ごとにカタログが変わります。注文の締切が近づくと、母に「ねえ、なんか注文するもんない?」と注文を強いました。

そもそも化粧をしない私は、ろくに買う物がありません。

それでも、10年ほど、エイボンのカタログを取り続けていました。最初はふつうサイズのカタログが届いていましたが、注文しないことが続くと、カタログのサイズが小さくなりました。

なぜエイボンを続けていたかというと、ものすごくおまけが充実していたからです(昔の筆子基準)。

注文額に応じて、ピアスやブローチ、ポーチなんかがもらえました。私に買えるぐらいだったので、出費はそんなに大きな金額ではなかったと思います。

化粧品の値段も、エイボンはそんなに高くないと思います(というより、一般メーカーの化粧品が高すぎるのでしょう)。

おまけのみならず、サンプルもたくさんもらえました。店舗がない直販・カタログ通販なので、サンプルは重要です。今のエイボンは知りませんが。

まあ、化粧品会社はどこもたくさんサンプルを作るでしょうね。

こんなふうに、おまけに弱いばかりに、私は、20代のとき化粧をしないエイボンレディとして生息していたのです。

手放すのに苦労した口紅のサンプル

エイボンで買い集めた製品やおまけ、サンプルは1つをのぞいて、結局、すべて手放しました。

今でも、使っているエイボンの商品はこちらで紹介している淡水パールのピアスです⇒アクセサリーはピアスだけ、3組持っています~カジュアル系主婦ミニマリストの持ち物公開(写真つき) 2番のピアスです。

26か27歳のとき、エイボンのカタログを見て買いました。当時はアクセサリーなどもカタログにのっていました。

捨てたほうがいいかもしれないと思いつつ、「捨てるのがもったいないと思う思考」のせいで、だらだらと持ち続けていたものに、口紅のサンプルセットがあります。

このサンプルは小さい口紅の形をしており、当時はかわいく思えたのです。口紅のベース(台?)は白いプラスチック、ふたは透明なプラスチックです。

いまでも、オークションにこのサンプルを出している人を見かけます。

サンプルを使ってふたをかぶせると、そのふたに口紅がべとっとついて、一気に薄汚れた雰囲気になります。

このサンプルをほとんど未使用でたくさん持っていて、専用のケースに入れていました。今となっては、何とバカなことをしていたのであろうか、と思うのみです。

化粧品、特ににサンプルはどんどん劣化するので、使うか、捨てるかさっさと決めるべきでしたね。

この記事を当時の私に読ませたいぐらいです⇒化粧品の収納に悩む前に断捨離を。コスメの捨て方9のステップ。

化粧品の捨て時についてはこちらに書いています⇒口紅を最後まで使い切る方法。化粧品の使用期限も確認しておこう

きょうの話をまとめると、私がガラクタを増やした要因は以下の3つになります。

●ノーと言えない
●本質的にいらない物をおまけ欲しさに無理に注文する
●自分のやっていることの愚かさに気づかず、何年も繰り返す

皆さんには、こんな失敗をしてほしくないと考えています。

ミニマリストへの道、本編はこちらから⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?(1)~物がたくさんあっても幸せではなかった

この続きはこちら⇒ブルガリアヨーグルトの砂糖をため込んだ話:ミニマリストへの道、番外編5

**********

記事で紹介したピアスは、淡水パールだと思いますが、宝石に強くないので、違っていたらすみません。

実は、去年の春に、同じ記事で紹介しているペリドットのピアスについて、これはエメラルドではないですか、というメールをもらったことがあります。

ペリドット特有のダブリング(エッジが2重に見える現象)がない、とメールに書かれていました。

エメラルドはペリドットより高いと思うので、エメラルドなら、エメラルドだと覚えているはずです。だから、グリーンのほうは、ペリドットであるという自信がありますが、パールのほうはあやふやです。





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