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ガラクタを捨てない人が、考えないコスト(代償)を紹介します。
誰が見てもゴミみたいな物は捨てられるけど、新品同様の物や、まだまだ使えそうな物は捨てにくい。
そういう人は多いと思います。
でも、いくら見た目がきれいでも、使っていない物は捨てないと、家の中はすっきりしません。
「まだきれいな物」を捨てることが苦手な人は、捨てることで生じるコスト(お金)を思い浮かべてためらいます。
そのようなコストを考えるのは当然ですが、コストを考えるなら、ガラクタを持ち続けることで生じるコストも考えてください。
多くの場合、捨てないことで生じるコストのほうが大きいと思います。
捨てると生じると皆がよく思うコスト
最初に、捨てることが苦手な人が、捨てない言い訳としてよく口にするコストを3つ紹介します。
これは、不用品を捨てない人が特にこだわるコストで、私の母からも、何度も同じことを聞いたし、私もそう考えることがあります。
1)これがあとで必要になったときに、新たに買うお金
2)買うときに使ったお金(しっかり使っていないので、購入に使ったお金を回収できていないから捨てたくない)
3)売れば手に入るお金(今、捨ててしまうとフリマアプリで売れなくなる)
それぞれのコストに対する私の考え方は以下のとおりです。
1)これまで何年も使ってなかったから、まず必要にならない。数年たって、全く同じ物を手に入れたいと思うことも考えにくい。そんなに好きで大事なら、とっくの昔に使っているはずではないか?
2)買うときに使ったお金は、何をどうしても回収できない⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
3)「たらればの話」をしているから、いつまでたっても今の生活が充実しない
この3つ以外にも、同じような物を再度見つけるのに使うエネルギーを惜しむ気持ちもあるかもしれません。
特に、衣料品のサイズやフィット感、素材にこだわる人は、「こんなにぴったりした物をまた見つけるのは相当な苦労が伴う。というか、もう見つけることができない」と思うでしょう。
過去に似たような相談をもらったことがあります⇒買えなくなるのが怖くて買いだめする人へ。ストック癖を治す5つの方法。
このように、「2度と同じ物を入手することができない」と心配することはよくあるでしょう。
しかし、今、その商品を使っていなかったら、新たに同じような商品を入手する必要はありません。
次に、捨てない人が考えないコストを紹介します。
ウエルビーイングを損なうコスト
ウエルビーイング(well-being))は、端的に言うと「幸福」、もう少し詳しく説明すると、肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態です。日本でも最近よく聞く言葉なので知っている人も多いでしょう。
ウエルビーイングには、5つの要素があります。
1)キャリア(仕事)ウエルビーイング:時間の使い方から得る幸福。時間をどう使っているか、毎日何をしているか
2)ソーシャル(社会)ウエルビーイング:人とのかかわりから得る幸福
3)ファイナンシャル(経済ウエルビーイング:経済的に幸福か、どんなふうにお金を使っているか(お金がたくさんあればいいわけでもない)
4)フィジカル(身体)ウエルビーイング:身体的に健康か、毎日やりたいことができるエネルギーがあるか
5)コミュニティ・ウエルビーイング:自分が属しているコミュニティでの活動から得る幸福
以上5つのポイントがそこそこ充実していると、人は幸福に近づきます。
しかし、ガラクタがたくさんあると、リソースの話で説明したように⇒物だらけの部屋で暮らしていると、生活の質が落ちる理由(その1)~リソース編
ストレスが増えるので、5つの要素、すべてに影響が出ます。
ガラクタの管理に時間や体力を使い、見栄を張ることにエネルギーを使い、無駄な物を買うことは相変わらず続けるため、せっかくのお金を満足できる買い物に使うことができません。
ガラクタの多さかげんにより、その影響は人によって違いますが、少なくとも私は、ガラクタを全部断捨離し、所持品を少なくしたあとのほうが、ウエルビーイングが向上しました。
ウエルビーイングに興味がある人は、いろいろな本が出ているのでよかったら読んでください。
代表的なものを1冊紹介します。
ガラクタをためこむ生活が、自分のウエルビーイングにどんな影響を与えているか考えてみると、どんなに新品同様の物でも、使っていない物をたくさん持つ続ける生活には代償が伴うと気づくはずです。
セルフエスティームに支払うコスト
ガラクタと同居していると、セルフエスティームが下がりますが、これも不用品を持ち続けることで支払うコストの1つです。
セルフエスティームは自己肯定感と訳されることが多いですが、私は「自分を大事に思う気持ち、自分を愛する気持ち」だと考えています。
詳しくはこちら⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴
人は、ガラクタをためこんでいる自分をどんどん嫌いになります。
疲れて仕事から戻ってきたとき、汚部屋を見て、セルフエスティームがあがる人なんていません。
衣類がびっしり入っている洋服ダンスを見ても同じです。
私も若い頃、たくさんの服を洋服ダンスやファンシーケースに詰め込んでいましたが、洋服ダンスの扉をあけて、「ああ、私、こんなに服がいっぱいある。なんてラッキーなんだろう! うれしいな! 明日はどれを着ようかな、るんるん」なんて思ったことは1度もありません。
「あ~、なんとかきれいに片付けなければ」とため息をついていました。
着ない服ばかりでいっぱいのクローゼットを見て、人は幸せな気分にはなりません。
手持ちの服をちゃんと着ていないこと、お金をどぶに捨ててしまったこと、所持品をちゃんと整理できていない自分に罪悪感を感じます。
セルフエスティームが低いと罪悪感や不満などのネガティブな感情を感じやすいと言いますが、罪悪感を感じることが、ますますセルフエスティームを下げてしまうと私は考えています。
セルフエスティームが低い人は、自分を大事にしません。
好きな人のことは、誰でも大事にします。自分が嫌いだと自分のことは、二の次になるのです。
自分とは一生付き合わなければならないので、自分を嫌うのは、かなりの損失です。
下手をすると、一生、不幸な気分のまま生きることになります。
この損失は、「これを捨てちゃうと、あとで買い直すお金がもったいないかも」どころの損失とは比べ物になりません。
不用品を捨てることで、数千円、数万年、数十万円のコストを支払うことになったとしても、セルフエスティームを維持するほうがずっと重要ではないでしょうか?
意識や集中の損失
不用品を捨てない人は、ガラクタによって、集中や意識を失っていることに気づきません。
少し前に視覚的ノイズの話を書きましたが⇒視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。
物がたくさんある環境にいると、それだけで脳が疲れるので、今、やりたいことに集中することが難しくなります。
それでなくても、現代は、人の意識を奪うものがたくさんあります。
スマホにはのべつまくなしに、通知やメッセージが届くし、SNSのタイムラインやゲーム、YouTubeなど、すきま時間を奪うものがたくさんあります。
情報もどんどん流れてくるので、意識していないと頭の中はさまざまな情報や思考でいっぱいになります。
頭の中がいっぱいいっぱいのところに、視覚的ノイズにさらされ、いらない物の管理という不毛にな作業に脳を使っていたら、ますます大事なことに意識を向けることができません。
不用品をたくさん持ち続けている人は、意識を奪われていると言われても、ピンとこないかもしれません。
でも、一度、いつも使っているデスクやダイニングテーブル、キッチンのカウンターにあるものを、きれいさっぱり取り去ってみてください。すごくすっきりして、やりたい作業に集中できるようになります。
かつて私は付箋のヘビーユーザーでしたが、ペーパーレスを目指し始めてから、パソコンまわりにあった付箋を全部取り外しました。すると、ものすごく机周りがすっきりし、とても仕事に集中できるようになりました。
1日の終わりのデスクの片付けもびっくりするほど簡単になりましたよ。
■関連記事もどうぞ⇒もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。
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ガラクタを捨てない人が、あまり考えないコスト(代償)を紹介しました。
どれも支払いたくないコストばかりですが、セルフエスティームに関しては、一度、じっくり考えたほうがいいと思います。
いろいろな人生相談をいただきますが、セルフエスティームがかなり低下した状態で書かれたメールばかりです。
自分が好きで未来を信じることができれば、たいていの問題は解決できるし、そもそも、問題だと感じることもありません。
だまされたと思って、「まだきれいで使えそうな物」もどんどん手放してください。