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部屋は片付いているのに心にもやもやがある、なぜでしょうか?、という質問をいただきました。この記事で回答します。
まず、メールをシェアします。Mさんからです。
部屋は綺麗なのに心はもやもや
こんにちは 筆子さん。いつもブログを拝見させていただいてます。
私は現在実家ぐらしで、1人部屋です。
数年前から断捨離を始めて、今でも定期的に行っています。
部屋は、綺麗なほうだと思います。
服や本、雑貨の半分以上は手放しました。床に物はないし収納スペースの3分の1以上は常にあいています。
掃除も完璧ではないですが、週に2、3回はハタキと掃除機かけをしてます。シーツ類も今では1週間ごとに洗濯をしています。
でもなぜか、心がモヤモヤします。
すっきりしないんです。昔は、こんなことなかったんですが。
部屋に余計なものがあるのかと考えてしまいます。でも、残っているものは私の中では使うものだと思うのです。残っているものは、ソファやベッド、本棚などの家具と服、本、文房具ぐらいです。
部屋が片付いていると心がスッキリするあの感覚が最近ありません。
なぜなのか・・・もし、よければアドバイスをしていただきたいです。よろしくお願いします。
Mさん、メールありがとうございます。
スッキリせず、もやもや感がある理由を4つ考えました。
1.単に断捨離に飽きた
2.表面的な片付けに終わっている
3.断捨離に過度の期待をしている
4.問題は別のところにある
1つずつ説明します。
1.断捨離に飽きた
断捨離を始めたばかりの頃は、たいていの人が「楽しい」と思います。グシャグシャの部屋が次第にきれいになっていくと、気分がスッキリします。
ただ、人は何ごとにも飽きるので、最初の喜びや爽快感もそのうち失われます。
以前は物があふれていて、ストレスが多かったけど、今はそこそこ片付いており、その状態に慣れてしまったのです。綺麗な部屋が当たり前になり、特に何の感激もないわけです。
断捨離が停滞している、と言えなくもありません。
停滞している場合はこちらをお試しください⇒断捨離停滞中?見方を変えれば捨てられます~カレン・キングストンに学ぶ
2.表面的な断捨離に終わっている
まだ捨て足りないから心がスッキリしない、という理由も考えられます。
私は片付けには2つのステージがあると思います。
1.簡単に捨てられる物を捨てる段階
2.自分という人間を変えるような物を捨てる段階
ほとんどの人は1番にとどまります。
1の段階で捨てるのはこんなものです。
・明らかなゴミ
・もう着ない服
・もう使わない道具
・昔学校で使った参考書
・もう終わったプロジェクトの資料
・もともと好きでなかったもの
・もともと興味のなかったもの
つまり、今の自分の生活に関係のないものを捨てるのがこの段階です。
2の段階で捨てるのは、
・ずっと必要だと思っていたけど本当はいらなかった物
・今、実際に使っているけど、これからは使わずに生きようと決めた物
・手放したほうがいいとは思っているものの勇気がなくてなかなか手放せずにいた物
・物理的ではない精神的なもの(思い込み、ネガティブな考え)
思い出の品は物によっては1でもあり、2でもあります。
2のステージの断捨離をまじめにやっていると、以下のことを考えるようになります。
・私って本当はどんな人なんだろう。
・私はこれからどうしたいのだろう。
・私は自分の人生に何を求めているのだろう。
・私の理想の生活って何だろう。
・私が本当にほしいものは何なのだろう。
こういうことを考えながら捨てていると、「ああ、私はこんなことがやりたかったのかも」とうっすらと自分の望みがわかり、それを実現するために、何か新しいことをするようになるかもしれません。
断捨離をすると身の回りがきれいになるだけでなく、心も整ってくる、と言われます。
物がたくさんあった状態から、少ない状態にするプロセスで、その人が、いろいろなことを考えたり、気づいたり、自分を変えようとするからです。
人生の目的が見えてきて、それに向かって進むようになれば、わくわくするほどではないにしても、もやもやは感じないと思います。
3.断捨離に過度の期待をしている
片付けさえすれば、心はスッキリ、ハッピーになる、という考えを持っていると、「こんなに片付けているのに、なぜハッピーにならないのだ?」ともやもやするかもしれません。
片付けたところで別に幸せにはならないからです。
綺麗な部屋に住んでいる人が必ずしも幸せか、というとそんなことはありません。
何もない部屋に住んでいても、もやもやをかかえている人はいます。
いらない物を捨てて、身辺をすっきりすると、気分が軽くなったり、さっぱりするのは本当です。だからと言って、部屋をきれいにしさえすれば、即、幸せになるのか、といったらもちろんそんなことはないのです。
いくら部屋がきれいになっても、自分が変わってなかったら、本質的なところは何も変わっていません。
ここにとんでもない汚部屋に住んでいた人がいて、すべてを業者に片付けてもらったとします。
最初は部屋がきれいになって、生まれ変わったような気分かもしれません。ですが、本人は何も変容していません。
汚部屋を作ってしまった原因や習慣は何も解消されていないので、時間がたてばまた汚部屋になっていくでしょう。
表面的な膿(うみ)を取っただけで、原因を解消しないと問題の解決にはならないのです。
今、シンプルライフやミニマリストがはやっていて、どちらかというと、「常に片付いていてきれいな部屋」や「何もない部屋」は良いものだ、と受け取られています。
だから、「幸せになるために」「もっと充実した人生にするために」熱心に片付ける人も多いですね。
ですが、部屋の状態は表層的なことにすぎません。
片付けをしていると、次第に頭の混乱がおさまってきますが、「部屋を片付けさえすれば幸せになるはず」「断捨離すれば運が開ける」という考えは間違っています。
人生の目的は部屋を片付けることではないからです。
断捨離は単に、より自分らしい暮らしをするための1つの方法に過ぎません。
「きれいにしているから、もやもやもなくなるはず」という期待を抱いていると、かえってストレスがたまります。
こちらもお読みください⇒断捨離しているのにイライラします~断捨離に好転反応はあるか?
4.問題は別のところにある
Mさんのもやもやの正体は、部屋を片付けとは何の関係のないところにあるのかもしれません。
くしゃくしゃの部屋はストレスの原因になりますが、ストレスの元になるものはほかにもたくさんあります⇒イライラには理由がある。ストレスをおこす7つのものを知り、自分で取り除こう。
以前、暮らしに不満はないけど、心が満たされない、という相談をいただいたことがあります⇒心が満たされない、むなしい時にやってみてほしい5つのこと。
相談者さんから後ほどメールをいただき、自分には不用なことがまだあって、それを手放してみた、という返事をいただきました。
それは物理的な物ではなく、この方が、長年自分では「楽しみ」だと思っていたある習慣でした。
Mさんにも、毎日の暮らしの中で、ちょっと不満に思うこととか、問題に感じていることが、部屋のこと以外であるのではないでしょうか?
部屋がきれいかきたないか、なんてわりと瑣末なことですよね?人間その気になればどこにでも住めます。
それよりも、仕事のこと、将来のこと、人間関係のこと、金銭的なことなどで、何か、自分では不本意に思っていることや、やりたいと思っているのにやらずにがまんしていることはないでしょうか?
問題があるけれど、自分ではどうしようもできないと思っていたり、考えたくないので、部屋の片付けに逃げている、ということも考えられます。
私も真の問題から目をそむけ、片付けさえすれば開運するかも、と思っていた時期がありました。
以前、全くの無職で、経済的に全面的に夫に頼っているのが嫌でしたが、その問題に対して、あまり積極的に動くことはしていませんでした。
問題に直面したくないので、趣味(語学やお菓子作り、ボランティア)に逃げていました。自分に都合のいい言い訳をいっぱい作って。
このような現実逃避をしていると、心は晴れません。
完全に問題は解決できないにしても、逃げるのはやめて、まずはその問題に向き合うと、いや~な不安からは解消されます。
別の不安が生まれるかもしれませんが、どんよりとした不安ではありません。
「特に問題はない」と思うかもしれませんが、念のため、今、ご自身がかかえている不満や、こうなったらいいな、と思っていることを書き出してみてください。
何か気づくかもしれません。
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捨てれば幸せになる、というのはとても短絡的な考え方です。とりたてて不幸にはならないと思いますが、別の問題も解決していかないと幸せにはなれません。
何も考えず、さくさく捨てるのはストレス解消になりますが、ある程度捨てて、心の余裕ができたら、これからの道も考えてみてください。