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紙の本と電子書籍の上手な使い分け方を教えてほしいという質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアしますね。古物好きさんからいただきました。
電子書籍に切り替えたいけれど
件名:電子書籍への移行を考えているが値段がネックになっています
あれからブログを読みながら更に物を手放し、努力の甲斐あって以前は物置に何箱も置かれていた自分の物がゼロになり、常に本でパンパンだった本棚にも空きが出てきました。
物が減ると時間も増えるしスッキリして気持ちがよくいい事ばかりなので、もっと身軽になりたくて電子書籍が気になっているのですが、個人的に価格がネックになっています。
何故ならブックオフ等の古本屋を利用すれば紙の本は110円で買えるのに電子書籍は基本は定価でセールでも半額くらいにしかならないからです。
確かに持ち運びができるとか、部屋に物が増えないなどの利点もありますが、普段110円で欲しい本を買えることに慣れていると、定価で電子書籍を買うのはとても高く感じます。
街の図書館も頻繁にありがたく利用させていただいていますが、欲しいジャンルの本が所蔵されていないこともそこそこあり、更に自分の街ではリクエストに発刊年数や頻度の制限があるのです。
自分は本は一度読むと満足することもそこそこあるので、読むごとにフリマアプリや古本屋で売却しているが、思ったより内容がよく売却したくない本が出てきたりすると本が増えてしまいます。
自分はお給料が余り多くないころともあり、冊数を読もうとすると、電子ではお金が足りず紙で読む必要がありますし、何よりこんな薄給の自分が110円で読める本を定価で買うのは贅沢ではないか?
こんな贅沢をしていいのか?
と言う考えが頭によぎります。
筆子さんが考える電子書籍と紙本の上手い使い分けについて考えを聞かせていただきたいです。
古物好きさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
古物好きさんは、以前、コレクションしていた本やゲームソフトを欲しい人に譲った体験を教えてくれた方ですね。
電子書籍と紙本の使い分け方や、そもそも、電子書籍を読むかどうかは、その人の好みとどんな環境で読書をしたいのか、どんな本を読みたいか、読書に何を求めているかで決まるので、すべての人にあてはまる「最適な使い方」はありません。
筆子の場合
私自身は、もう紙の本は買わないようにしています。
場所を取るし、引っ越しのときすごく大変だからです。
先日も、本が100冊ほどある話を書きましたが⇒引っ越しのストレスを軽減する具体的な方法(前編):引っ越し2024、その1
どんなに持っても紙本は100冊が限界です(引っ越しまでに80冊程度にするつもり)。中にはやたら分厚い文法書や重たい辞書もあるので、これ以上紙の本を所有したいとは思いません。
100冊だと、私の使っているバンカーズボックス4つに収まります。入れようと思えばもっと入りますが、本は重いので、たくさん詰め込むと運搬する自分がしんどい思いをします。
日本で売っているボックスだと、以下のものが似たようなサイズです。私のボックスは奥行きは38センチぐらいです。
私が紙本の数を抑えたいのは、賃貸派で、引っ越しをよくするからです。
つまり、私には、「重たい本をたくさん持つことは極力避けたい」という強い希望があり、この条件を優先するから、本は電子書籍か、オーディオブックで読むようにしているんです。
引っ越しをする必要がなくて、本を置く場所もたっぷりあるなら、紙の本を所有して、読書すればいいと思います。
古物好きさんが、安い価格で本を購入する優先順位が高いなら、無理に電子書籍を買わずとも、これまで通りブックオフや図書館で読むものを調達すればいいでしょう。
紙本と電子書籍の使い分けを考えるときチェックするポイントを4つあげますね。
読書体験
いつも電子書籍を読んでいる私ですが、紙の本のほうが読みやすいと思います。
開きたいところをぱかっと開くことができるし、絵や図版もきれいだし、装丁も楽しめるし、どこまで読んだかわかるし、書き込みしたければできるし、目も疲れません(いっぱい読めば疲れますが)。
紙本なら、全部一箇所に置いておけば、どんな本を持っているのか、一目瞭然です。紙の手触りやインクの匂いが好きという人もいます。
私の本の半分以上がフランス語関連だという話は書きましたが、そのほかの本も、語学や趣味の本が多く、小説やエッセイはほとんどありません(まだ読んでいないフランス語の小説が1冊あります)。
小説やエッセイは、電子書籍で読むのに向いていると思いますが、図鑑みたいな本は、紙本のほうが使いやすいです。
特に紙のほうがいいと思う本。
私が紙の参考書や問題集をけっこうもっているのは、デジタル版がないとか、もはや紙もデジタルも手に入らないという理由もありますが、紙のほうが勉強しやすいからです。紙本だと、紙をさわるから、電子書籍を読むときより、脳にたくさんの刺激がいきます。
ただ、電子書籍は、フォントのサイズを変えることができるので、老眼の私には、電子書籍のほうが読みやすいときが多々あります。
利便性(持ち運びしやすさ)
電子書籍は持ち運びしやすいというメリットがあります。スマホ、タブレット、E-リーダーで読めますから。
通勤や通学の途中、出先で読書することが多いなら、電子書籍のほうが使いやすいです。
紙本をメインで使っていたときは、どこかに出かけるときは、必ず本をバッグに入れて持ち運んでいました。
日本に里帰りするときも、飛行機の中で読むために、本をバックパックに入れて機内に持ち込んだし、預けるスーツケースには、実家で読むつもりの本を数冊入れていました。
でも、今はKindleを1つ持って行くだけで事足ります。
いつも自宅で本を読んでいるなら、本を持ち運ぶのは買って帰るときだけですから、電子書籍にする必要はないかもしれません。
価格
紙の本は古本として安く購入できるし、図書館から借りて読むこともできます。
ただ、必ずしも自分の読みたい本が古本として市場に出回っているとは限らないし、図書館にもないかもしれません。
その場合は、新刊を買うことになるから、紙本のほうが安くあがるとは言えないでしょう。
古物好きさんは、「読みたい本が110円で買える」と書いておられますが、毎回、そうではないと思います。
本を買うのにあまりお金を使いたくないから、ブックオフの棚にあるものの中から、おもしろそうなものを選ぶという感じではないでしょうか?
電子書籍は通常、定価で販売されていますが、たまにセールになることもあるし、読み放題サービスで、お得に読むこともできます。
内容にこだわらなければ、ほぼ無料で読むことができる本もたくさんあります。
私が、時間があったら読みたいなと思う本もけっこうありますよ。
たとえば、これはパブリックドメインだから安く読める小説の例です。
太宰の複数の作品が集められているから100円しますが、1作ずつ読むなら、無料で読めます。
こちらは、Kindle本のUnnlimitedサービス(読み放題サービス)で、安く読める本の例。
所有・保存
紙の本を買ったら、自分の家の書棚に保管します。
人に貸すこともできます。
電子書籍の場合、本だけを誰かに貸すことはできず、自分のE-リーダーごと人に貸さないと読んでもらえません。
昔、娘が高校の課題で、ある小説を読む必要があったとき、私が電子書籍を買い、Kindleを娘に貸しました。娘が電子書籍を読んだのは、あれが最初で最後だと思います。
電子書籍はクラウド上にあるので、E-リーダーから削除しても、またダウンロードすればいつでも読めます。
ただ、アマゾンのアカウントを削除したり、アマゾン側から、使用停止処分を受けると、自分で買った本なのに、アマゾンのクラウドにある電子書籍が読めなくなります。
電子書籍は、本を購入したというより、本を利用する権利を買ったと考えるほうがいいかもしれません。
私も、ずいぶん前に、カナダのアマゾンができたとき、アメリカのアマゾンで使っていたメールアドレスを変えたとき(詳細は忘れましたが)、アメリカのアマゾンで買ったKindle本がすべて消えたことがあります。
このときは、そんなに冊数を買っていなかったし、端末(14年前に購入した第2世代のKindle)に全部ダウンロードしてあったので、本そのものは読むことができました。
アカウントの統合のトラブルで買ったKindle本が読めなくなることは、ないことではないし、ほかのプラットフォームもサービスそのものが停止すれば、読めなくなるでしょう。
だから、絶対失いたくない、死ぬまで手元に置きたいと思う本は、紙本で買って、いつも枕元に置いておくといいかもしれません(火事になったら、この本をつかんで逃げる)。
私は、買った本が読めなくなっても、「読みたくなったらまた買えばいっか」と思うほうだし、その本を読みたいと思っているのは、買ったときがピークなので(そのうち興味が変わる)、消えてもどうってことはありませんが、「所有すること」を重要視する場合は、紙の本をおすすめします。
古物好きさん、一度、電子書籍を読んでみてはどうでしょうか?
友達に、Kindleを使っている人がいたら、見せてもらってください。専用のE-Readerは意外と読みやすいですよ。最近は、防水機能もあるので、お風呂で読んでも大丈夫です。
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読者の質問に回答しました。
最近は手持ちの本をデジタル化してくれる業者もたくさんいます。
少しお金がかかりますが(筆子的にはかなり安価)、そういうサービスを利用して、110円で買って気に入った本をデジタル化して保存するのもいいと思います。