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先日まで無印良品週間で全商品10パーセント引きでした。現在は楽天スーパーSALE開催中のようです。
セール期間中は、商品の値段が下がっているから、利用するとお得に思うかもしれません。しかし、お金を貯めたいと願うなら、セールの利用は最小限にとどめたほうがいいです。
その理由は4つです。
1.買い物の優先順位が入れ替わる
2.時間と労力を無駄にする
3.買いすぎる
4.後々までダメージが残る
それぞれ詳しく説明します。
1.買い物の優先順位が入れ替わる
セールで一番問題なのは、買い物の優先順位が変わってしまうことです。
ふつうは、必要だから物を買います。これがもっとも優先するべきポイントです。
ところが、セールでは、べつに必要ではないが、値段が下がっているから買うという行動に出る人が、たくさんいます。
私も昔、セールや福袋が好きだったのでよくわかります。
デパートやファッションビルで、たまたまセール商品のワゴンがあると、「なんかいいものないかしら」とワゴンの中をがさがさ探して、たいして必要ではないものを買っていました。
洋服、バッグ、雑貨などです。
べつに、いますぐ、それが必要ではないのに、値段が下がっているから、買わないと損だと思ってしまうのです。
もちろん、欲しくないものは買いません。欲しいから買うのですが、必要ではないのです。
それが欲しいということと、それが必要であるということは似ているようで大きく違います。
この点についてこちらに詳しく書いています⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること
20代~30代前半の頃の私は、割引になっているし、これがあってもいいかも、かわいいし、買っとくか、というノリで買っていました。
昔はリアル店舗と通信販売しかなかったから、まだよかったのです。いまは、インターネットがあるから、人がセールで必要ではないものを買ってしまう率がぐーんとあがりました。
なぜなら、「セールを利用して、こんな物を買った、あんな物を買った、これ、とってもいいよ、お得だよ」とブログやSNSで、自分とは生活環境も趣味も嗜好も違う人が、写真つきで報告したり、情報をシェアするからです。
それを見ると大半の人は、「ああ、私も買ってみよう」と思うのではないでしょうか?
人が買っていると、自分も欲しくなるのは人間の自然な反応です。しかし、繰り返しますがそれは必要な物ではありません。
必要ではないので、結果的にガラクタとクレジットカードの支払いが増えます。
お金を貯めたいと思っている人が、買い物で一番重視すべきポイントは、本当に必要なものを買うこと。それなのに、セールを利用すると、ほかの人がよいと言っているものを買うことが、重要になってしまうのです。
多くの人は欲しいと思った商品を定価より安く買っているから、バカなことをしている、という自覚はありません。むしろ、自分は買い物上手だと思っているでしょう。
しかし、セールで買った商品の一生を最後まで追い、その結果を検証すれば、自分はまずい意思決定をしたことに気づきます。
ただ、人は、自分の間違いを認めるのがいやなので、なかなか失敗だとは思いません。何かうまい言い訳を考えて、「セールで買ったのはお得だった」という結論を出すでしょう(このポイントは4で詳しく説明します)。
2.時間と労力が無駄になる
セールで物を買うことが好きな人は、いつもセール情報にアンテナを立てています。ネット通販のお得情報を集めている人は、メルマガを購読していたり、同好の士とメーリングリストやコミュニティを作っているかもしれません。
インスタグラムを熱心にチェックしている人もいるでしょう。インスタではこんな現象が起こることもあります⇒節約したいならSNS(特にインスタグラム)は見ないほうがいい6つの理由。
私も、安物の服(プチプラの服)を紹介しているブログを、よく見えていた時期があります。2006年~2008頃のことです。40代半ばでした。ひどい時は、毎日のようにそうしたブログをチェックしていました。
お金がなかったのでめったに買いませんでしたが、それでも数にして15~20着ぐらい、プチプラの服を買いました。
その頃の購入履歴はみんな楽天市場に残っています。この時買った服の数着は実際にしっかり着ましたが、ほとんどはあまり着ないまま断捨離しました。
必要だから買ったわけではないので、当然の結果です。
買ったお金ももったいなかったですが、毎日「プチプラの服はないかしら」とぼーっとインターネットをやっていた時間が、いまにして思うとひじょうにもったいなかったです。
そんなことしている暇があるなら、なんらかの利益を生み出す仕事をするべきか、仕事につながる作業や思考をするべきだっのです。
現代は、情報があふれている時代です。セール情報も追い求めようとするときりがありません。日々、必要でない物を安く買うための情報を探して集めることに、時間と労力を使って、本当にすべきことについて考えることができなくなります。
情報を追い求めすぎると、人生をあやまる話⇒情報の断捨離のススメ。頭の中も片付けないと、何もできないまま人生が終わる。
3.買いすぎる
セール商品は値段が安いので、ふだんは買わないものも買ってしまいます。つまり買い過ぎるのです。
たとえ、それがいま、必要だと思うものでも、必要以上の量を買ってしまうのではないでしょうか? 1年分買いだめしたりするわけです。
世間では、買いだめはお得だという説が優勢ですが、私は違うと考えています。
まとめ買いは害があると思う理由はこちら⇒まとめ買いが節約にならない4つの理由。むしろガラクタを増やす危険な買い方。
ストックをためすぎるとコストがかかる話はこちら⇒多すぎるストックをただちに断捨離すべき理由。過剰在庫は資産ではない
現代社会では、「物をたくさん持ってるほうが、幸せなんだ」とか、「物を持っているのは成功者の証(あかし)」という根強い価値観があります。何も考えていないと、物を買いすぎる方向に走ります。
おまけに日本では、素敵な物、便利な物が、手頃な値段でたくさん売っているし、買い物そのものもとてもしやすいので、やはり、何も考えていないと、絶対買いすぎます。
今から5年前、2012年にNHKのフランス語を学ぶラジオ講座で、ドミニック・ローホーさんのインタビューを教材にした講座がありました。タイトルは「ドミニック流シンプルライフに学ぶ一歩先のフランス語」です。
ドミニック・ローホーさんって誰?という方はこちらをどうぞ⇒片付け本というより哲学の本?ドミニック・ローホーの「シンプルに生きる」の感想
初回のインタビューで、ドミニックさんは、日本人は物をひじょうにたくさん持っているという話をしていました。フランス人も物はそれなりに持っていますが、それは人からもらったり、いったん手にした物を捨てないからだそうです。
しかし、日本人が物をたくさん持っているのは、ドミニックさんによれば、ものすごくたくさん、膨大な量の物を買うからです。私も全く同感です。
買い物が多い理由の1つは、すべての物が美しく、魅力的にディスプレイされていて、店の雰囲気も店員さんの感じもよいから、とドミニックさんは続けていました。
店に入ると、手ぶらで出ることができないのです。
このように、買い物を促進する要素に満ちあふれている社会に生きているのですから、これに値引きという、一見お得そうなポイントが加われば、買い物が加速するのは、当然の結果なのです。
私も、もし日本に住んでいたら、もっと100均や無印良品で雑貨を買ってしまっていたかもしれません。
4.後々までダメージが残る
セールで不必要な物を買ってしまって、ガラクタと支払いが増えるのは、わりと短期的な結果です。問題は、セールによる無駄買いが長期的なデメリットを生み出すことです。
断捨離をしている人は、いったん物を家に入れると、ひじょうに捨てにくいことはよくご存知だと思います。
買った本人はセールの戦利品(だけど本質はガラクタ)をなかなか捨てません。
いまは使わないけど、いつか使うかもしれない、と思ってずっと押し入れに入れておいたりします。
私もプチプラで買った服をきれいさっぱり捨てたのは、2014年か15年のことです。4~6年はクローゼットや棚に着ない服をしまっていたのです。その間、1度引っ越しもしています。
「セールで失敗した」と該当の品をあっさりと手放せる人は少数派ではないでしょうか。
いまの自分ではない、未来の自分が使うかもしれない、と期待したり、自分ではなく、子供や孫が使うかもしれないと想像したり、何か別の使い方ができるかもしれないと思って、執着します。
執着する理由の1つは、人はもともと物を失いたくないという欲求があるからです。また、いったん手にいれたものの価値を大目に見積もってしまう傾向もあります。
この点についてはこちらの記事で詳しく説明しています⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
もう1つの理由は、自分の失敗を認めたくないからです。
人は、口では「失敗しちゃった」と言うかもしれませんが、心の奥底では、なかなか自分の過失を認めません。
自分の非を認めると、「自分はそれなりにちゃんとしている、まんざらでもない」という自己肯定感が大きくゆらぐからです。自分は大丈夫だと思えないと生きていけませんので、みんな、本能的に自己肯定感を保とうとします。
そこで、失敗しなかった理由や言い訳を考えます。
無駄な買い物に関しても、本人としては、失敗ではなかったのですから、捨てたりせず、ずっと放置したり、無理やり使おうとします。そして何年もたってから、自分の愚かな買い物の記憶がだいぶ薄れたころ(前より客観的に行動を見られるようになったころ)、ようやく断捨離します。
少なくとも私はそうでした。
うまい言い訳を考えついた本人は、物を買ってから断捨離するまでにこうむったこと(物の管理に費やしたリソースやストレス)に直面していません。しかし、本人が気づいてないだけで、そこには大きな損失があるのです。
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セールで物を買うことが必ずしも損だとはいいません。かねてから、自分が必要だと思っていて、「30日間待つノート」にも書いてある品物がセールになっているタイミングで買うのは、賢い買い物といえます。
「30日間待つノート」とは、必要だ、欲しい、と思った品物を書き留めるノートです。1ヶ月待っても、まだ欲しいと思っていたら、買い物にゴーサインを出します。
しかし、セールで、「30日間待つノート」にのっているアイテムだけを買って満足できる人ってそんなにいないと思います。
何かしら、余分な物を買ってしまうでしょう。
だからこそ、お金を貯めたい、シンプルライフにしたいと思うなら、セールは要注意であり、通常の買い物よりもずっと慎重になるべきなのです。