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「後悔するのがいやだから、捨てたくない、だけど、物が多すぎる」と悩んでいる人に、すっきりと不用品を手放せる考え方を4つ紹介します。
捨てたあと後悔するのがいやです
後悔が怖くて捨てない人は、こんなふうに考えています。
洋服や昔使っていたもの(思い出の品)、コレクションなどをたくさん持っているから断捨離したい。だけど、捨てた後に、使いたい時が来て、「ああ、捨てなきゃよかった。持っておけばよかった」と後悔しそう。だから、捨てられない。
わりとレアなものなので、捨てたあとヤフオクで高い値段がつきそう。今、失業中だから、そのチャンスをつぶしたくない。
今、家計が苦しいから、捨てて、万が一、必要になったときに新しいものを買うのにお金を使いたくない。
日々いただくメールには他にもいろいろな「捨てられない事情」が書かれています。
要するに「後悔するのがいやだから捨てない」というわけです。
別に後悔したっていいと思うのですよね。
人生何が起こるかわからないので、今、この時、万全の準備をしたら、あとは天命を待つしかない、と思います。
それに、その時になって後悔するかどうかは自分の選択です。
しかし、こう言われて、「そうですね。捨てます!」とあっさり行動に移せる人なら最初から悩まないでしょう。今回は決断を助ける考え方を4つ紹介します。
1.「そのうち使うかも」は単なる言い訳
持っているといつか「ああ、やっぱりあの時捨てなくてよかったと思う時がくる」と言う人に、「いつか使うかも、の『いつか』なんて来ませんが」と言っても、納得しないものです。
私の夫も「万が一のために」なんでも取っておくタイプです。
そりゃあ持っていれば、使うときは来るかもしれません。まだ、使えるものなのですから。
でもなかったらないで大丈夫です。
今、実際に使っていて、それがないと、生命の維持ができないとか、暮らしがまったく成り立たない物は、最初から、誰も「捨てたほうがいいかも」とは思いません。
ここで問題になっているのは、数が多すぎるあまり着ていない服や、大昔に買ったぬいぐるみや雑貨、フィギア、マンガ本、ミニカーなど大量に集めすぎたものです。
「そのうち使うかもしれないから取っておく」というのは、捨てるのがいやだから自分で考えついた言い訳にすぎません。
なぜそんな言い訳をするのかと言うと、人はどんなものも、失うことを嫌うからです。
この心理的傾向は、損失回避と呼ばれます⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
実際、何かを手放すとき、脳の痛みを感じる部分が反応するそうです。前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)と島皮質(とうひしつ)です。
詳しくはこちらに書きました⇒失敗しない断捨離に必要なのは、ときめきや直感より理性を信じること 「不用品を捨てるとき、人は実際に痛みを感じている」をお読みください。
これはどんな人にもある傾向です。多くの人は、痛みを避けるために、「あとで後悔すると困るじゃない?」というもっともらしい理由を作って処分を先延ばしします。
つまり、「あとで必要になったときに、持っていないのはよくありません」という理屈は、一見まともに見えて、単に、今、自分が痛い思いをしたくないから思いついた言い訳にすぎないのです。
2.最悪の事態を考えてみる
それがなかったときに起きる最悪の事態を考えてください。
たとえば、ここに帽子をたくさん持っており、「モスグリーンのベレー帽はあまりかぶっていないし、ほかにもベレー帽はあるので、捨てようかな」と考えている人がいたとします。
しかし、このベレー帽は、手持ちのカーキやグリーン系の服を着たときに合うし、カーキ色のブーツとも合うので、今捨てちゃうと、あとでそういう服を着た時、「ああ、あのベレーがあれば完璧な装いができたのに」と後悔する、と考えています。
こんな時は、このベレー帽がないと、実際にどんなことが起きるのか、最悪の事態を考えてください。
私に言わせれば、グリーンのベレー帽がなかったら、黒いほうをかぶって出かけるだけです。
服やブーツと合わないかもしれませんが、とんでもなく変な組み合わせとも言えません。
あるいは、帽子はまったくかぶらず、スカーフを巻いて外出することもできます。
この場合の最悪なことは、「なんだか変かも」「頭が寂しいかも」「完璧な装いで出かけられない」と自分が思うことだけ。すべて自分の思い込みです。
たぶん他人は何も言いません。言われたとしてもどうってことはありません。
そもそも、グリーンやカーキの服だって、ふだんしょっちゅう着ているわけではないのです。
「これを捨てると後悔しそう」と思うものすべてについて、「最悪の事態って何?」と考えてみてください。
スパチュラを2つ持っているとして、小さい方を捨てたときの最悪の事態は、小さな瓶の中身をこそぎ取るのが困難になる、ぐらいじゃないですか?
そんな時はスプーンを使えばいいし、どうしても中身をきっちりこそぎ取らないと気がすまないのなら、その時になってからサイズの合うスパチュラを買うか、誰かに借りればいいのです。
スパチュラ1本捨てても、この世の終わりが来るわけではありません。
もちろん、毎日のようにスパチュラ(小)を使っているなら捨てようなんて思わないでくださいね。
最悪の事態を考えると、「捨てたところで、べつにそこまで大変なことは起きない」とわかるんじゃないでしょうか?
3.テストしてみる
「これ捨てると困りそう」と思うものは、すべて箱に入れて、半年ぐらいどこか別の場所に置いてみてください。
私はこの箱を執行猶予箱と呼んでいます。
それなしで実際暮らしてみるのです。
ほとんどの場合、なくても普通に暮らせる、となります。
人は、箱に入れたり、どこかにしまって、見えなくすると、その物の存在を忘れてしまいます。
箱には「捨てると困るかもしれない物」とでも書いておいてください。箱に入れておく期間は人それぞれですが、半年で充分ではないでしょうか?
心配なら1年でもいいです。今日から1年後の日付を書いておき、使わなかったものは、その日が来たら処分してください。
着ない洋服を箱詰めするプロジェクト333はこのバリエーション⇒ミニマリストらしいファッションの選び方。プロジェクト333のすすめ。
執行猶予箱方式の成功のポイントは、捨て忘れない、ということです。
どうしても先のことが心配な人は、こんなふうにテストランするのも1つのやり方です。
☆後悔したらしたで、こんな方法で解消できます⇒捨てなければよかった。後悔の念を解消する6つのステップ。
☆相手はたかが物、人生にはもっと大事なことがあります⇒後悔することを恐れないで・キャサリン・シュルツ(TED)
4.捨てない選択に後悔はないのか?
「いつか使うとき、なかったら困る」と言う人は、マインドフルネスと対極の生き方をしています。
マインドフルネスとは、今、この時の自分の気持ち、体、状況に心を向ける生き方です。
詳しくはこちらをどうぞ⇒暮らしにマインドフルネスを取り入れてより自由になる(TED)
「あとで困るから」「年をとったときに使うかもしれない」「いつか時間ができたら読む本なの」「これはあとで子供が着るかもしれないし」「孫(まだ生まれていない)が使うかもしれないわ」。
こんな理由でたくさんの不用品を持ち続ける人は、まったくもって、「今の自分の暮らし」に目を向けていません。
先のことを考えるのもいいのですが、今の現実にも目を向けてください。今、こんなことが起きているのでないのですか?
●服が多すぎて、クローゼットが満杯。引っ張り出すのに一苦労。
●朝、なかなか着ていく服が決まらず、いつも遅刻寸前。ストレスいっぱい。
●休みの日は終日片付けに追われている。
●必要なものがさっと取り出せたためしがない。
●本棚に本がぎっしり。縦に横にと乱雑に入っているので、見た目がひじょうに悪い(視覚的ノイズによるストレス)。
●同じ本や同じ雑貨を買ってしまうことがある(時間と労力の無駄遣い)。
本当に起きるのかどうかわからない将来のことを考えるより、目の前の現実をなんとかするほうが先だと思いませんか?
人は、今この時にフォーカスしないと、ストレスが募り、あまり幸せに暮らすことができません。
「これ、いつかいるかもしれない」と考えがちな人は、今、捨てないことで、先々、後悔しないのか考えてみてください。
あとで必要なときがあるかもしれないので、とりあえずみんな捨てずに持っておくということは、今後も、こういうガラクタと一緒に暮らし続け、先のことばかり心配する人生を送るということです。
その選択に後悔はありませんか?
これまでと同じことをしていたら、暮らしは変わりません。