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物に感情移入しすぎて、いらない物(特に思い出の品)を捨てられない人に試してほしい気持ちの折り合い方を5つ紹介します。
感情移入とは、こわれた人形を見て、「人形さん、痛いよね」と思い、いらなくなった服をゴミ箱に捨てるのは、「服が汚れてかわいそうだ」と感じるようなことです。
物は物に過ぎないが
人間は物を擬人化したり、物に対して自分を投影したり、共感したりします。
物に名前をつける人、物を「この子」「あの子」「~ちゃん」、相棒、パートナー、心の友、と呼ぶ人もいるでしょう。
私の夫も、かつて自分のパソコンを「アリス」と名付けていました。
人間は想像力があるので、人形が痛いと思うはずはないし、服だって汚れていやだと思うわけがないのに(人形や服は、生き物ではないので、そんなことは絶対起きない)、理屈は関係なく、しっかりそう思ってしまうのです。
この傾向は誰でもありますが、やりすぎると、家が不用品だらけになります。
もしあなたが、いちいち物に感情移入するタイプなら、以下の方法をお試しください。
1.感情にどっぷりひたる
捨てたいけど、いろいろな思いがたっぷり詰まっているため、捨てられないものを1つ選び、それに対して、どんな思いを抱いているのか、気が済むまで感じてください。
たとえば、小さい頃使っていた人形を捨てたいけど、かわいそうすぎて捨てられないとします。
この場合、期間を決めて、毎日15分、その「かわいそうだ」という気持ちを存分に感じるのです。
自分の感じていることを感じる、とも言えます。
30日間チャレンジでやってみるといいでしょう⇒小さな習慣を積み上げる~30日間チャレンジの成功の秘訣はこれだ
たぶん、「捨てるなんてかわいそう」「あのときは、こんなことがあった、あんあこともあった、でもこの人形はいつも私と一緒にいてくれた、ずっと私を励ましてくれた」などなど、人形に対する思いを、2~3日感じてみるだけで、憑き物(つきもの)が落ちる瞬間が来ると思います。
コツは、毎日15分だけ、がっつり思いにひたることです。
2.感情をアウトプットする
物に対する思いを言葉にしてください。
具体的な言葉にして誰かに話すか、文章にして紙に書いてください(デジタルでもOK)。
話す相手は家族や親しい友人がいいでしょう。わけのわからない思い出話を、さえぎらずにじっくり聞いてくれる人を見つけてください。
そんな人がいないときは、ペットや人形、鏡の中に自分に話してもいいです。
話す相手がいないときは、文章にすれば、誰の時間も奪いません。
おすすめはモーニングページ⇒ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
ブレインダンプで、感じていることをリストアップしてもいいでしょう⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
マインドマップにするのもいいかもしれません⇒上手に学びたいなら、マインドマップを始めよう(TED)
書いたことを誰かに読んでもらいたいときは、「私の思い出玉手箱」というタイトルのブログ(インスタグラムでもいい)を解説して、毎日、思い出品についてえんえんに語る方法もあります。
ブログなら写真ものせられます。
実際、昔あったことや、昭和の思い出をテーマにブログを書いている人は、たくさんいます。
このように具体的な言葉にしてアウトプットすると、自分の中でどろどろとうずまいている執着が昇華されるので、「捨てられない!」とがしっとしがみついている手をゆるめることができます。
3.物がなくても思い出があることを確認する
片付けの世界では、思い出は物にあるのではなく、自分の心の中にある、とよく言われます。
私も何度も書いています。
これは、あたりまえのことです。
思い出は、どんなに必死に探しても、自分の脳内以外の場所には、見つかりません。
しかし、思い出品にしがみついている人は、「物がないと忘れてしまう」と恐れています。
そこで、物がなくても、思い出があることを確認してください。
実際あります。
私は思い出品はほとんど持っていません(写真が数枚ある程度)が、思い出はあります。
たくさんあります。
このブログにも、昔のことや、生まれ育った名古屋の話をよく書いています。
これらは、皆、私の脳内にあるものを文字にしただけで、子供のとき書いた日記帳を参照しているわけではないし、学生時代に就学旅行で買ったキーホルダーを見ながら書いているわけでもありません。
全部頭の中にあるのです。
子供が小さかったときの思い出もたくさんありますが、子供が使っていた服やバッグなんて手元に1つもありません。
昔よく行った場所が夢に出てくることもしばしばあります。
これは私だけではないはずです。あなたにも、物はないけれど、覚えていることは山のようにあるのではないですか?
このことをご自身で体験して、腑に落としてください。
大事な思い出は、物がなくても、勝手に脳内に記憶されています。「これがないと忘れてしまう!」と恐れる必要はないのです。
4.罪悪感を手放す
不用品を捨てられない理由の1つに罪悪感(悪いことをしたと思う気持ち)があります。
・せっかく両親にもらったのだから、捨てるのは申し訳ない⇒両親にもらったものを大事にできないことが申し訳ない、捨てるのはもっと申し訳ない。ちゃんと喜んで使うべきである。
・高いお金を出したから捨てるのはもったいない⇒高かったのに、使っていないことが、何に対してかはわからないけど、申し訳ない。高いお金を出したものをみすみすゴミにするのは、これまた誰に対してかはわからないけど、申し訳ない。
・先祖代々継承してきた抹茶茶碗だから、捨てるなんてとんでもない⇒ご先祖さまの意志にそむくなんて、よくないことだ。しっかり使うべきなのに、全然使っていなくて、申し訳ない。
このように、物を見るたびに罪悪感を感じて、捨てられない人は、その罪悪感を捨ててください。
罪悪感を感じているだけでは、自分の生活も世の中もこれっぽっちもよくなりません。
以前、「どうしても罪悪感を感じてしまうんです」というお便りを何度もくださった方がいます。
しかし、たとえ、罪悪感を感じても、その罪悪感をえんえんと何十日、何十年も感じ続けるか、捨てる(または棚上げする)かは、自分で選択できます。
罪悪感を感じるのは、その場所に止まっているだけの行為です。
毎日罪悪感を感じて暮していると、心の病気になりかねません。
失敗した、よくないことをしたと思うなら、反省して、その失敗から学びを得て、前に進むのがベストです。
5.マインドフルネス
最後におすすめするのはマインドフルな生活です。
マインドフルな生活は、今、目の前にあるものにしっかり向き合ってする生活です。
マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
思い出品や、思い入れのある品物をたくさん所有して暮らすのは、家を過去の遺物倉庫にしているようなもの。
そのおかげで、今の生活が不便になっています。
たくさんある物が視覚的ノイズというストレスになるし、管理の手間だってばかにできません。大量にある「愛着のある品物たち」は、きょう、自分が本当にしたい生活をすることを阻害しているのです。
過去の思い出品をキープすることが、今の生活の充実より、優先順位が高いのは、あまり健全な暮しではありません。
私たちがその日、使うことができる意識、体力、時間には限界があります。
どれも貴重なリソースですが、思い出品や、感情移入しているものがたくさんあると、そのリソースを食いつぶされてしまいます。
これは、あまりにもったいない状態ですよね?
思い出品の倉庫状態になっている部屋を、今、自分がしたい生活ができる場所、今の自分の気持ちが反映されている場所に変えてください。
思い出・愛着関連記事もどうぞ
思い出品に執着がありすぎて、部屋がスッキリしないときはこうしてください。
どんな思い出の品を残すべきか? 残す物がわからない時読む記事。
山のようにある思い出の品から意味のあるものだけを残すすすめ。
実例あり:今の生活の中で、もっと思い出の品を楽しむ5つのヒント
まとめ記事もあります⇒思い出の品で家を倉庫にするな。たまりすぎた古い物を捨てるコツを書いた記事のまとめ。
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物に強く感情移入してしまう人に、気持ちの整理の付け方を紹介しました。
物に感情移入するのは悪いことではありません。
私にも、心の友としているぬいぐるみがあります。
しかし、自分が思いを寄せている物がありすぎて、生活が不便になっていたら、そうした感情移入は、自分のためにならない不健全な行動なのです。