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子供のとき、人をいじめた過去があります。そのことを思うと、いま、とてもつらいです。どうしたらいいでしょうか、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアしますね。凪さんからです。
いじめた過去を思い出してつらいです
件名:いじめた過去、この先どうしたら
40代、小学生の子の母です。私は過去にいじめをしました。
子どもの時には何も考えずに過ごしてきましたが、年を重ねいろいろな方たちと関わってきて、母になり、なんてひどいことをしたのだろうと、その子の気持ち、親の気持ちを考えると本当に申し訳なく思います。
私はこのまま幸せに暮らしていてもいいのか?
こんな私が母親をしていていいのか? と考えます。
じゃあ私は死ねばいいのか?
それで解決する話でもないですし、いじめたことは絶対に忘れませんし、忘れてはいけないことだと思っています。
いじめた過去を思い出しては辛くなる… どう考えたら、どう行動したらいいかわかりません。
凪さん、はじめまして。お便りありがとうございます。
死んでも何も変わりませんね。というより、お子さんやご主人、親が悲しむから、凪さんは、ますます後悔することが増えます。まあ、死んでしまったら、何も感じませんが。
過去を思い出して辛くなる人は、過去の再定義(再解釈)をしてはどうか、ときのうの記事に書きました⇒悪いのは自分ではない。自分を責めてもしかたがない4つのできごと。
別の記事にも同じことを何回か書いています。
たとえば、この記事⇒過去の嫌な記憶を消す7つの方法。辛い思い出はこうして手放す。
こんな記事もあります⇒お金を使うときに罪悪感を感じる。罪の意識を手放す方法を知りたい←質問の回答
凪さん、やってみましたか?
自分の思考の枠内で行うことなので、もしかしたらうまくいかないかもしれませんが、とりあえずやってみてください。
自分一人だと、うまくいかないときは、セラピストと一緒にやるといいです。
「どう考えたら、どう行動したらいいかわかりません」と書かれていますが、「どうしたらいいかわかりません」と、思考停止しているから、わからないのです。
これまで、人をいじめたことが自分を苦しめている状況を解決するために、実際に何かやってみたことは、ありますか? いじめた相手につぐないをするために、何かしたことがありますか?
ただ、単に、「ああ、悪いことしてしまった。後悔している。つらい。自分はなんてひどい人間なんだろう」と罪悪感を感じているだけでは、何も変わりません。
過去のことを考えるたびにつらくなり、周囲もどんよりするだけです。たった1つのあやまちのせいで、いまが台無しになるわけです。
「いじめたことを忘れてはいけない」と書かれていますが、罪悪感を感じるためだけに覚えているのなら意味がありません。
自分がやったことに対して、強い罪悪感を感じるだけの人生を生きることが、自分自身やいじめた相手、関係者に対する最良の生き方でしょうか?
私はそうは思いません。
きのうも書きましたが、過去のできごとから学んで、前に進むのがベストだと思います。きわめて単純なことです。
毎日ブログを読んでいる人には、繰り返しになりますが、もう一度、過去を再解釈する話を書きますね。
1.自分のあやまちを検証する
まず、過去のあやまちを客観的に検証してください。どんな状況で、どんなことをしてしまったのか? なぜ、そんなことをしてしまったのか、ということです。
紙に書いたり、信頼できる人に話すといいと思います。
「ひどいことしてしまった」「あやまちを犯してしまった」と考えている人の中には、実際には、そこまでひどいことをしていない人もいます。
きのうも書きましたが、自分には責任のないことに関して、やたらと自分を責める人がいます。
何かうまくいかないことがあったとき、掘り下げて考えたり、行動するのが面倒なので、とりあえず、自分が悪いことにしておこう、と考える人もいます。
社会通念や人のものさしで、できごとを判断して、「自分が悪い」と考える人もいます。
2.自分を許す
凪さんが他人をいじめた理由が、「当時、自分はまだ子供で、ことの善悪がわかっていなかった」であるなら、そういう自分を受け入れ、許してください。
人間は失敗をする生き物です。わざと失敗をしようとするわけでもありません。
意図せず、間違いをおかしてしまうのです。
同じ失敗や間違いを何度も繰り返す人もいます。
「人間は完璧ではない」という限界を受け入れるべきです。
人間は完璧ではありませんが、変わったり、成長したりすることはできます。
どうしても自分を許せないときは、なぜ、自分は自分を許そうとしないのか、そこを考えてください。許さないままでいることで、自分は何を手に入れたいのか、ということです。
罪悪感を感じていれば、現状維持のまま、新しいことをしなくてすみます。そのほうが楽だから、いつまでも、過去のたった1つの失敗にこだわっている、というケースもあるでしょう。
いずれにしても、たった1つの間違いに意識を向けるのではなく、自分がしてきたよいことにも目を向けてください。
3.相手にあやまって和解する
必要だと思うなら、相手にあやまって和解してください。
とは言え、「自分の心を軽くするため」という自己本位な理由からあやまると、事態は悪化するかもしれません。
面と向かって話そうとすると、「いまさら、嫌なことを蒸し返さないでよ」と言われるかもしれないので、手紙を書くのがいいかもしれません。
☆2018/09/09追記
この件に関して、いじめられた体験があるYさんからメールをいただきました。ここに引用します。
相手(いじめられた側)からしたら困ることではないかと思うのです。
私は過去にいじめられた経験がありますが(思い出すと嫌な気持ちになる程度のいじめでその後の人生をダメにされるほどではありません)もし何年も経って相手から手紙を受け取ったら、と考えたら恐怖でしかありません。
もしかしたら相談者さんのように改心しているかもしれませんが、直接向き合っても、ましてや手紙では疑いしか持てません。罠か何かだと疑うでしょう。
住所が知られていることも率直に言って怖いです。
一人暮らしで賃貸だったら引っ越しを検討するレベルの恐怖です。引っ越せない事情があったら防犯を強化すると思います。
いじめられた人が皆、こう思うとは限りませんが、これは少数意見でしょうか。
いじめた人がその経験のせいでクヨクヨして一生過ごして欲しいわけではありませんが、謝られても許すこともないと思います(これは完全に個人的な意見です)
私だったらいじめた人にしてもらいたいのは、教育です。過去は変えられませんが未来のために努力はできます。
いじめた経験を多くの人に語って、いじめをしてはいけないと啓蒙活動をして欲しいです。
どうか、いじめられた人をこれ以上傷つけずに、自分にできることをしていってもらいたいものです。
Yさん、お便りありがとうございます。
私自身はいじめられた体験もいじめた体験もありませんが、自分がもし誰かをいじめたことを後悔していて、あやまるチャンスがあるなら、あやまると思います。
許されるか許されないかは別にして。
自分の間違いをあやまって、和解するのがベストだと思うのは、メールを読んだいまも変わりません。
また相手を傷つける可能性もありますが、そうならない可能性もあるんじゃないですか?
4.過去の過ちから学んで今後に活かす
自分がしてしまった間違いから、何か学べることがあるか、考えてください。
人が人をいじめる理由はいろいろあります。
寂しさや不安があるから、人をいじめて、グループのボスになり、心のバランスを取ろうとする人がいます。
家庭や学校でストレスが多いから、そのはけ口として、弱い者をいじめる人もいます。
心が狭くて、自分と違うものや異質なものに対して理解を示せず、高圧的になる人もいます。
家で親にいじめられているから、そういうコミュニケーションの仕方を学んで、学校で弱い相手を見つけていじめる人もいます。
自分がいじめられるのを恐れて、いじめる側につく人もいます。
実際、学校で起こるいじめの対象は、ほんの小さなことがきっかけで変わります。特にいまの子どもたちは、小さいときからスマホを使って、SNSでやりとりをしているから、対面のコミュニケーションが苦手な人も増えているかもしれません。
人間は、生まれてすぐは、人をいじめることなんて、何も知りません。けれども、力関係が作用する社会の中で育つから、いじめることで、優位に立とうとする人も多いですね。
もちろん、同じ社会の中で生きているのに、人をいじめる人もいれば、いじめられている人を助ける人もいるし、まわりに同調するだけの人もいます。
凪さんが、人をいじめてしまった理由が、自分の弱さにあるのなら、そこを改善していくように努力してはどうでしょうか?
「偏見や思い込みが強すぎた」と思うなら、今後は柔軟な考え方をして、周囲の人に親切にする生き方をすればいいですね。
ご自身のお子さんが困ったときに、いつでも相談にのれる親になるとか、いじめ相談窓口のボランティアをやるとか、できることはいろいろあるでしょう。
過去の失敗にフォーカスするのではなく、そこから学べることに意識を向け、行動していけば、なりたい自分に近づきます。
過去のわだかまりに執着している人に参考になる記事
問題の前で立ち止まったままでいるか、それとも前に進むか(TED)
人は何度でも再出発できる。はみ出し者であることの美しさ(TED)
本当の自分に出会う:セルフエスティームをあげるマニュアル(TED)
ただでさえからっぽの人生なのに、持ち物も全部捨ててしまってもいいの?
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今回は読者の質問に答えました。
いつも書いていますが、人生の質は、できごとが決めるのではなく、起きたことに対する自分の反応や考え方で決まります。
この考え方に同意できない人もいるでしょうが、こう思っておいたほうが、ストレスが少ないし、自分のちからを感じることができるし、希望が生まれますよ。