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自分がたくさん服を持っているのは自覚している。たんすやクローゼットの中がぐしゃぐしゃになっているから少し捨てたいと思う。
「こんな服はもう捨てましょう」と写真つきで教えている、服の捨て方の記事は、雑誌やネットで、何度も何度も読んだ。
しかし、捨てられない。だから、そのままぐしゃぐしゃな状態が続き、ときは2020年7月となった。
この硬直状態から抜け出す方法を書きます。自分が捨てられない理由を見つけて対策すればいいのです。
捨てられない理由はいくつかありますが、今回とりあげるのは以下の2つです。
1.実は捨てるメリットを感じていいない
2.捨てるのが面倒だ
理由1.服を捨てるメリットがわからない
人間は、自分にメリットがあると感じることは特に意識しなくても勝手にします。
私は、昔、「モア・イズ・ベター(何事も多ければ多いほうがよい)」と考えていたので、おまけや景品は積極的にもらい、すでに家に同じものがたくさんあるのに、フェリシモで、パジャマ、タオル、ソックスなどを買い集めていました。
誰に強制されたわけでもありません。ごく自然にそうしていたのです。
服を捨てられない人も、心の奥底で、服を捨てるメリットを何も感じておらず、「やっぱり、服はたくさんあったほうがいいわよね。そのほうがおしゃれできるし、買い物も楽しいし」と思っているのかもしれません。
その場合、服をとことん集める人生を生きても、それはそれでいいのかもしれない、と思います。
いやなことを無理にやる必要はないですから。
「それでも、やっぱり捨てたい」と思うなら、あらためてメリットを確認するといいでしょう。
対策1:着ない服を捨てるメリットを確認
もう着ない服を捨てるメリットはたくさんあります。
過去記事にも書いていますが、ここでは、代表的なものを6つあげます。
1)管理しなくてよくなる
捨てればその後は管理しなくてすみます。
私が、カナダに来たとき、ほとんど服を持ってきませんでした⇒ボストンバッグ1つの生活のはずがなぜこんなふうに?~ミニマリストへの道(9)
しかし、実家には、私が買った、わりといい服が残っていたので、母は、1,2度クリーニングに出していました。
これらの服は、何年かのちに、私が断捨離しました(クリーニング代は無駄になったわけです)。
クリーニングに出して、そのまま放置したため、虫に食われて穴があいていた服もあります。
着ない服を持っていると、このように、無駄な管理をするはめになるのです。
こうした現象を私は、「無駄は無駄を再生産する」と呼んでいます。
ずいぶん前に読んだ、『「収納」するより、「捨て」なさい』という本に書いてあった言葉です。
断捨離生活のモットーは『収納』するより『捨て』なさい:ミニマリストへの道(12)
服の管理の代表は、衣替えです⇒秋の衣替えをする前はいらない服を捨てるチャンス。
服の数を減らして、ちゃんと着る服だけを、同じ場所にしまうことができれば、衣替えしなくてすむようになりますよ。
管理しなくてもよくなると、管理に使っていた時間やお金、エネルギーを、もっと別のことにまわせます。
「忙しいから断捨離できない」とメールをくださる人がいますが、いま、忙しい人ほど、物を減らすべきだと私は考えています。
2)スペースがあく
着る服だろうが、着ない服だろうが、家に置いておけば、スペースを取ります。
着ない服を手放せば、その分、スペースがあきます。
日本は国土が狭いので、スペースは貴重ではないでしょうか?
手放さない限り、着ない服の取るスペースのために、家賃や、住宅ローンを払いつづけることになります。
そういう人に限って、「私はお金がない。もっと給料があがればいいのに。そうしたら、もっと幸せになるのに」と思っています。
3)朝着る服に迷わずにすむ
服が少ないとその日着る服をさっと決められます。
迷うのは、選択肢が多すぎるからです。
なんの選択もできないより、選択肢が多いほうが豊かな生活だと言えますが、過ぎたるは及ばざるがごとしです。
意識して選択肢を減らさないと、来年も再来年も、朝着るものに迷って、もんもんとしなければなりません。
朝一番から、あまり重要とは言えないことで、あれこれ迷ってストレスを感じるのは、いやではありませんか?
迷うのは当たり前と思っているかもしれませんが、数を減らしさえすれば、さっと決められ、快適に身支度できます。
バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?
朝着る服に迷う人は、ほかの物(化粧品、バッグ、靴、シャンプーなど)もたくさん取り揃えていることが多いので、ほかの場面でも、迷うことが多く、疲れているんじゃないでしょうか?
4)視覚的ストレスが減る
ぐしゃぐしゃな部屋とスッキリした部屋。
あなたはどちらに住みたいですか?
私はスッキリとした部屋のほうが好きです。
部屋をスッキリさせるために、大きなマンションに引っ越したり、高価な家具や収納グッズを買ったりする必要はありません。
不要なものを取り去るだけでいいのです。
5)物を大事にできる
多くの人は、「自分が好きで買った物は、できれば大事にして長く使いたい」という願いを持っています。
衣類も同じでしょう。
おしゃれ好きを自認しているなら、なおさら、衣類を大事にしたいんじゃないですか?
しかし、数が多すぎると、大事にすることができません。
、たんすやクローゼットにぎゅんぎゅんに詰め込み、邪険に扱っています。
満員電車に乗ったとき、「自分はこの社会で尊重されている」と感じるのはなかなか難しいでしょう。
6)罪悪感からの解放
着ない服を手放すと、着ていない罪悪感から解放されます。
「高いお金だして買ったのに、ほとんど着ないなんて、なんてもったいないことをしているんだ私は。給料をドブに捨ててしまったよ」。
こんな罪悪感を感じなくてすむのです。
理由2.捨てるのが面倒だと思う
まだ何も捨てていないうちから、「服を捨てるなんて、すごく大変な作業で、とても面倒だ」と考えてしまうと、捨てることができません。
これはまったくの取越苦労です。
服を捨てるのは、簡単です。
粗大ごみではないので、思い立ったそのときに捨てられます。
乱暴に扱っても、割れたりしませんから、安全に作業できます。
古い服だと、カビがはえているかもしれませんが、おおむね、素手でさわって大丈夫なものばかりです。
重くもないので、体力がない人でも大丈夫。
自治体のホームページで調べれば、捨て方もすぐにわかります。名古屋市の場合は、資源ごみの袋に入れて、指定の日に出すだけです。
私はいろいろな物を捨ててきましたが、服は捨てるのが簡単な部類だと断言できます。
対策2:ハードルを下げる
「服を捨てるのはなんだか面倒くさそう」と思う人は、ハードルを下げてください。
高い目標を掲げるとハードルがあがるので、ひく~い目標にすればいいのです。
高い目標の例
・きょう、いらない服をきれいさっぱり捨てる
・なんの後悔も残らないように、正しい選択をして、本当に大切な服だけを残す
・私らしいおしゃれができるように、完璧なワードローブにする
・インスタグラムで見たあの人のクローゼットのようにする
・できるだけ簡単に、最短で、完璧に捨てる
現実的な目標の例
・とりあえず、もう着ない服を1枚だけクローゼットから出して、資源ごみの袋に入れる(名古屋にお住まいなら)
・「きっと、これはもう着ないな」という服を、引っ張り出して、資源ごみの袋に入れる
・5分間タイマーをセットして、着ない服を選別して、別にしておく(続きは明日にする)
・とりあえず、足元に落ちている服を拾って、行き先を決める(ランドリーバスケットか、資源ごみの袋か?)
・とりあえず、手持ちの服を一箇所に集めてみる
なにかを面倒に感じるのは、その作業が「すごく大変だ」「すごく時間がかかる」「すごく心的エネルギーを要する」「やってもまったく楽しくない」という思い込みがあるからです。
何もやっていないのに、「大変そう」と思い込んでしまい、これが、「面倒だ」という気持ちにさせます。
ハードルをさげて、1つひとつやっていけば、面倒には感じません。
「捨てたあと後悔したくないから、完璧な選択をしたい」という人が多いのですが、この考えが、行動を阻止します。
これを私は、「完璧主義」と呼んでいます。
完璧主義とは? ⇒完璧主義すぎるといつまでたっても部屋が片付かない理由
捨ててみないと、後悔するかどうかなんてわかりません。
それに、後悔したって、べつにいいではありませんか。
もし、「あ~、失敗したなあ」と思っても、服はいくらでも補充できるので、着る服がないなんてことにはなりません。
失敗すると、そこから学べるので、何かを学んで次に行けばいいのです。
いまできることをする
ディズニーのアニメーション映画、Frozen 2(アナと雪の女王 2)の劇中歌に、The next right thing というのがあります。
絶望のどん底に突き落とされたアナが歌います。アナが、うずくまりながら、半泣きになって、「もう私、だめ。無理だ、悲しすぎる」と、始まります。
しかし頭の中で声がします。
But a tiny voice whispers in my mind
You are lost, hope is gone
But you must go on
And do the next right thing
でも、心の中で小さな声がささやきかける
あなたは道に迷ってしまった。希望はどこかへいってしまった
だけと、前に進まなきゃだめ
次の正しいことをやるのよ
「次の正しいこと」、と書くとピンと来ないと思いますが、「とりあえず、いまの自分がやるべきだと思った1つのこと」⇒「いまの私にできること」です。
この歌、汚部屋を片付けられない人のために書いたのかと思うぐらい、「一歩ずつ、進むこと」の重要性を訴えています。
Just do the next right thing
Take a step, step again
It is all that I can to do
The next right thing
I won’t look too far ahead
It’s too much for me to take
But break it down to this next breath, this next step
This next choice is one that I can make
ただ、次の正しいことをするの
一歩進んで、また一歩進んで
それが、今のわたしにできるすべて
次の正しいことを
遠くを見すぎない
それは、いまの私には大変すぎる
でも、この次の呼吸にまで細かくすればいい、この次のステップまで
次の選択は、私ができる選択
こんなふうに歌いながら、アナが立ち上がり、かなり急ながけをのぼって、峡谷の上をジャンプして、光のする方向に出て行くと、夜明けになっています。
このように、一見大変そうに見える服の断捨離も、細分化すれば、簡単です。
がけをのぼるよりはずっと。
この精神で少しずつ服を捨ててください。
この続きはこちら⇒捨てるなんてもったいない、持っていればそのうち何かに使える~服を捨てたいけど捨てられない理由とその対処法(その2)
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服を捨てるのがどうにもこうにもむずかしい。
この硬直を打破する考え方を2つ紹介しました。
捨てるのがむずかしくなる理由を7つ考えたので、残りの5つは別の機会に書きます。
「こんな理由で私は捨てられないのだ」と、自分の壁を自覚している人は、メールをくだされば、記事にします。
それでは、続きをお楽しみに。