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断捨離中、すべて大事だ、どれも必要なものばかりだ、捨てるものなんて何もない。
そう思っていっこうに部屋が片付かない人に、「大事なもの」について考えてみることをおすすめします。
「捨てようかどうしようか考え中のもの」だけをじーっと見ていると、大事なものに思えますが、視点を変えて、人生における大事なものについて考えてください。
大事なものをあぶりだせる3つの質問を紹介します。
1.これは私が望みたい人生を生きるのを助けてくれるか?
断捨離を始める人は、皆、「片付けてこんなふうに暮らしたい」という、なんらかの望む形やライフスタイルがあります。
今、「捨てる? 捨てない?」と思いながら見ているものが、そういう暮らしに自分をいざなってくれるかどうか考えてください。
私は、本や文房具をすごくたくさん捨てました。
長くブログを読んでいる人はおわかりでしょうが、私は、基本的に、本も文房具も好きです。
でも、それらをたくさん所有して、散らからないように、それなりにきれいに管理することはもうしたくないと思いました。
時間も体力も取られますから。
一時期は、本が本箱に収まりきらず、家のあちこちに積み重ねられていましたが、そういう光景を見るのも嫌でした。
視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。
それに、本なら「まだ読んでいない」、文房具なら「まだ使っていない」という、いつかはちゃんと消費しなければならないという義務感やプレッシャーを感じていて、そういうプレッシャーからも逃れたかったのです。
実際、捨ててみたら、べつに本や文房具がたくさんなくても、十分、楽しく暮らせるし、あまりものを持たずに身軽に暮らしたいという私の生き方に合っていることに気づきました。
望む人生がわからないときは?
「望む人生なんて、突然聞かれてもよくわからないな~」と思うなら、人生の節目節目に、自分が何を考えているか思い出してください。
1年を振り返って、「ああ、もっと~ができたらよかったなあ」と、思うときの「~」に入るものが、あなたにとって重要なことだし、その重要なことをするのを助けてくれるものが、大事なものです。
多くの人にとって、家族や友人は大事ですから、「ああ、もっと家族と時間を過ごせばよかったのに」とか、「もっと、友人AやBと会えたらよかったのに」と思うんじゃないでしょうか?
家族と共に過ごすことは、大事なことだとわかっているのに、そうできない事情があった。では、それは何なのか?
私のように、物理的にすごく遠いところに住んでいると、そう気軽には会えません。
ですが、わりと近くに住んでいるのに会えないとしたら、お互い忙しいからですよね?
つまり、時間がない。では、その時間をどんなふうに使っていたから忙しかったのか?
お金を得るために働いていたから忙しかったのだとしたら、何のためにお金を得ていたのか?
ニーズだけでなく、ウォンツまで買おうとしていたから長時間働くはめになったのかもしれません。
ニーズ(必要なもの)とウォンツ(欲しいもの)に敏感になる:知らないうちにお金が貯まる行動案(その6)
こんなふうに、自分がしたかったことをはばんでしまうものについて考えてみると、望む人生や、望んでいない人生が見えてくるでしょう。
人生の節目で、一番大きなものは、自分が死ぬ時です。死ぬ時には、「したかったこと」がありありと思い浮かぶでしょう。
でも、ふつう死ぬタイミングは自分では選べないし、死は思いがけない時にやってきます。
だから、自分が死ぬことを想定して、そのとき何を後悔するか、逆に、やってよかったと思うか、考えてみると効果的です。
死を前にして何を思うか? ある救急救命士による臨終の告白(TED)
2.やっていきたいことや追求したいことに本当に関係があるか?
趣味や過去の仕事にかかわるものを整理するときは、自分が今後もずっとやっていきたいことに関係があるかどうか考えてみましょう。
先日、「いつか使うかもしれないもの」を見切る考え方を紹介しました。
いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。
この記事で、自分との関係が終わっているかどうか、これからも関係を続けたいかどうか考えてみることをおすすめしましたが、関係を続けたいものとは、この先もずっとやっていきたいことです。
私はブログを書くことも語学も、何らかの事情でそうできなくなるまで、ずっと続けると思います。
そうすることが好きですから。
だからブログを書くのに使っているパソコンや今使っている語学アプリは、捨てません。
でも、一見、これからも続けたいことに関係がありそうな、文具や古い参考書などは、たくさん捨てました。
自分の持ち時間は限られているので、教材がたくさんあっても使い切れません。むしろ、それらの管理に時間を取られて、やりたいことに使う時間が削られてしまうのです。
私はけっこう長い間、たくさんあるものをうまく収納する方法に関する情報を探していました。
本屋で立ち読みしたり、実際にムック本を購入して読んだりし、さらに、本にあった収納法を試したりすることに、時間と労力を使っていたんです。
でも、今になってみると、使わない教材なんてさっさと手放して、それらを管理するのに使っていたリソースを、本来やりたかったはずの仕事や趣味をする時間に使えばよかったと思います。
自分がやりたいことに関係のあるものは、一見大事に見えますが、たくさんありすぎると、肝心の「やりたいこと」を行うのを邪魔する存在になります。
それもこれも、手持ちのリソース(時間、スペース、体力、意識)が有限だからです。
まだ若くて、生涯追求したいことがピンと来ないなら、これから5年~10年のタイムスパンで、自分が追求したいことについて考えてください。
それはべつに、仕事や修行みたいな真剣勝負を求められることである必要はなく、自分が好きなことや楽しめることでOKにです。
ガーデニングとか楽器の演奏とか料理とかいろいろありますよね。
私も、最近はずっと休んでいますが、塗り絵は再開したいので、塗り絵本を色鉛筆はまだ持っています。
3.それがあると自分らしくいられるか?
自分らしく生きるのに必要なものは大事なもので、あってもなくても自分は変わらないと思うものは特に大事ではないものです。
衣類の選択などには、この「自分らしさ」は重要な鍵になるでしょう。
40年ぐらい前、私は日本で派遣社員でしたが、派遣先で歌手の金井克子似のべつの派遣社員に会いました。同年代だったと思います。
ある時、この人が、くすんだピンクのロングのフレアースカートをどこかにひっかけて、かぎ裂きを作ったことがありまして、修理してもらうとかそういう話をしていたときに、「このスカートは、自分らしくいられるからすごく好きなの」と言ったのです。
当時の私は、給料のほとんどを衣類の購入にあてて、着ない服をたくさん洋服ダンスにためこんでいた人間でしたが、「なるほど、そういうふうに服と付き合えるといいよね」と思いました。
心の奥底で感動したせいで、40年たっても、このエピソードを覚えています。
服やバッグ以外でも、日々使う食器やちょっとした雑貨には、「自分が自分らしくいられること」を実現させてくれるものがあると思います。
心が落ち着くというか、ここ以外にあり場所はないからここにあるというか。
そう確信できるものは、大事なもので、そういう確信がもてないものは、大事なものではないでしょう。
汚部屋には、今はたまたまここにあるけど、べつに、他の場所にあっても、どうってことないものたちがたくさんあります。
最後に、「自分らしさ」をベースに残すものを選ぶとき、気をつけるポイントを2つお伝えします。
まず、「自分らしさ」やセルフイメージは、不変ではなく変わることがあります。
たとえば、きのうお便りを紹介した読者は⇒おしゃれでキラキラ輝いている人を見るとうらやましくて、買い物したくなる問題の解決法。
ちょっと前までは自分にとっても周囲の人にとっても、「お酒をよく飲む人」でしたが、飲むのをやめて、今は「飲まない人」になっています。
また、自分について嘘を信じている人もたくさんいます。「自分は何もできない」「自分はダメ人間だ」と思っている人は、意外とたくさんいますが、これは嘘です。
このような人たちは、何らかの理由で自分について大きな誤解をしており、その誤解をベースに、自分らしさを定義しています。嘘を信じたまま、自分らしいものをキープすると、実際は、全く自分らしくないものを残してしまうので注意してください。
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自分にとって大事なものをあぶりだす質問を3つ紹介しました。
以前、ものをじーっと見るのではなく、もっと上の次元に立って、全体を俯瞰(ふかん)することをおすすめしました。
大事なものについて考えてみることも、全体像を見るのに役立ちます。
ぜひ試してください。