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断ることが苦手な人が、うまく断れるようになるにはどうしたらいいのか?
断れるようになる考え方と練習方法を紹介します。
先日、「私は断れない性格です」という人からメールをいただきました。
友人がベビーグッズをくれると言ったが、不用なので、お礼を言いつつ、ていねいに断ったら、相手から何の返事もない。
断るべきではなかったのだろうか、という内容です。
実は、いま、ソーシャル・ディスタンスを取らなければいけないので、ふだん友達にいいように利用されている人が、健全な人間関係を築くチャンスです。
今こそ、断る練習をするべきではないでしょうか?
メールは引用不可なので、骨組みだけ、簡単に紹介します。
断れない性格
近所に住んでいる友人夫婦にいろいろ頼みごとをされ、そのたびに、承諾している。
たとえば、
◯◯(食品、赤ちゃんグッズ、子供服など)をあげるから取りに来て。
〇〇(某大手スーパー)に行くなら乗せてって。
〇〇(某大手スーパー)に行くなら、△△を買ってきて。(代金はくれない)
正直、友人にいいように使われていると思う。ときには夫も駆り出される。
特にいやなのは、子供関係のものを、「絶対必要になるから」と言われて、押し付けようとすることだ。
実家には、甥や姪の使ったグッズがあるので、どうせもらうなら、実家からもらいたい。
ほかの友人からも、「赤ちゃんグッズをあげるよ~」と言われているが、ガラクタが増えそうで怖い。
ある物をくれるという申し出に、ていねいにお断りをしてみたところ、返事がなく、断らなかったほうがよかったのだろうか、とあれこれ考えてしまい、何が正解なのかわからなくなった。
断って正解
この方は、友達のご夫婦と、すごく仲がいいのだと思います。
世代も家族構成も似ているから、ことあるごとに、一緒に行動したり、助け合ったりして、友達づきあいをしているのでしょう。
ですが、親しい友だちなら、もっとざっくばらんに断ればいいと思います。いちいち気にすることはありません。
相手の人が何の返事もしないのは、単に礼儀知らずだからではないでしょうか?
あるいは、「せっかく親切にあげると言っているのに、断るなんて、失礼ね」とむっとしているのかもしれません。
ですが、もらわずにすんだのでそれでよかったのです。
今後、疎遠になったとしても、これといってダメージはないと思います。
自分の都合ばかり押し付けるのは、本当の友情ではありませんから。
とはいえ、断れない人は、本当に断ることができないので、これを機会に少し断る練習をするといいでしょう。
考え方を3つ、アクションプランを3つ紹介します。
1.断らないとどうなるか考える
本当はいやなのに、断らない。この行動を続けると、どんなことが起きるか考えてください。
すでに、多大なストレスを感じていますが、ほかにもこんなことが起きます。
・いつまでも自己主張できない人間のままでいる
・そういう自分がいやになる
・相手のことをうらむようになる
・部屋の中がいらない物だらけになる
・自分のために時間を使えなくなる
要するに、断らないと、忙しくなり、疲労し、体力がなくなり、へたをすると燃え尽きます。
いやいややっているので、達成感はなく、憤りや敗北感を感じ、ストレスやイライラが増えるので、心の健康にもよくありません。
心身ともに、自分のためにならないのです。
1週間に1度ぐらいは、断らないとどんなことが起きるか、思いだすようにしてください。
2.断るのは境界線を引くことだ、と思う
断るのは、無礼なこと、不親切なこと、と思うのではなく、「単に自分と相手の間に境界線を引くことだ」と思ってください。
境界線について⇒毎日疲れているあなたに。心の境界線を引いてストレスを減らし、自由になる(TED)
自分のリソース(時間、体力、お金など)は有限です。
自分の時間や体力を、困っている友人のために使うことはすばらしいことです。しかし、人のためにリソースを使いすぎて、自分が倒れてしまったら、長い目でみると、友人のためにもよくありません。
自分が倒れないように、最低限のリソースは温存するべきでしょう。
そのために、できないときは、「できません」と言ったほうがいいのです。
3.断ることが全体を左右するわけではない
断ると友情が壊れてしまうかもしれない、と恐れるかもしれません。
しかし、小さな頼みごとを、何度か断ったぐらいでは、人間関係はこわれません。
人間関係は線で、承諾したり、断ったりする用件は、その線の上にぽつんぽつんとある点です。
あるポイントで、相手の意に沿うことができなくても、線はずっと続きます。
今回断るのは、相手を友だちとして大事にできないからではなく、たまたま、自分のほうで時間がないからです。
時間があるときは、手伝えることもあるでしょう。
赤ちゃんグッズをもらいたくないのも、物を増やしたくない自分のライフスタイルに合わないから。
それは友情とは何の関係もありません。
では、ここから先は具体的な行動のアドバイスです。
4.ソーシャル・ディスタンスの利用
現在、新型コロナウイルスの感染防止策として、ソーシャル・ディスタンスを取るように言われています。
ほかの人との物理的な接触を避けるために、食事や娯楽を含めて、不要不急の外出をしてはいけないことになっています。
そんなときは、友人に、「◯◯をあげるから取りに来て~」とは言う人はいないでしょう。
万が一、そう言われたら、「感染を広げたくないから遠慮しとく」と言って断ってください。
買い物も週に1度が望ましいので、「何かを買ってきてほしい」と言われたら、「今週の買い物はもう行ってしまった」とか、「当分、オンラインで買い物する」と答えてください。
より安全に食品の買い物をする9つのコツ:新型コロナウイルス感染防止を意識した行動。
5.個人的なことを伝えすぎない
同居している家族でもない友人が、自分の買い物のスケジュールを知っているとしたら、プライバシーに関する情報を出しすぎているのかもしれません。
LINEグループなどでつながっているのでしょうね。
フェイスブックもそうですが、自分の誕生日、出身大学、家族の勤め先、休暇で出かける先、毎週出かけている先といった、個人的なことを伝えすぎないほうがいいと思います。
買い物に行きたかったら、1人でさっさと行けばいいし、誕生日は内輪で祝えばいい。
今は、やたらと私生活を公開する仕組みができており、それを見た友達が、「じゃあ、私の分も買ってきて」とか、「きっと、赤ちゃんグッズがいるから、これあげるわ」と言うわけです。
つまり、自分の家と他人の家との境界線があいまいになりやすいのです。
友人が、自分の家庭にどんどん入り込んでくる無神経な人ならば、LINEグループのような、内々の風通しの悪いグループでつながらないほうがいいと思います。
6.すぐにイエスと言わない
何かを頼まれたとき、すぐにイエスと言わず、一呼吸おくよう、努力してください。
すぐにイエスと言わないですむように、別のフレーズを考えておくといいでしょう。
友人:「赤ちゃんグッズ、もらってくれない。絶対必要になるよ!」
私:「う~ん、絶対、ってことはないよ。人それぞれ、必要なものは違うし」
友人:「お菓子焼いたから、取りに来て~」
私:「う~ん、今月、砂糖断ちしているの。また今度ね」
このように、「う~ん」とか、「ああ、そうなんだ」などの、つなぎ言葉を入れたり、相手の言葉をそのまま繰り返したりするといいでしょう。
友人:「哺乳瓶あげるから、取りに来て~」
私:「え、哺乳瓶あげるから、取りに来て? えーと、あ、私、完全母乳で育てる予定だから、いらないわ」
練習すればうまくなるので、使えそうなフレーズをためておき、ときどき1人で練習してください。
実際に会話をするときは、スピードを落として、落ち着いて、ゆっくり受け答えするようにします。
もともと、自己主張が苦手な場合は、自己主張する練習もするといいでしょう⇒欲しくないときは「いりません」と言え。もっと自己主張する3つの方法。
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いま、友人に実際に会うことはできません。
友人関係を見直すいい機会ではないでしょうか?
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