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断捨離している家族の手伝いをする方法、後編です。
前編では、心構えを書きました。
1.決めるのはあくまで本人だと知る
2.まず自分が変わる
この2つです。
後編では、具体的に何をすべきか、書いていきます。
3.話し合う
いきなり、お父さんやお母さんに、「これ、もう捨てなよ!」と言うのではなく、なぜ、あなたが、そんなことを、親、配偶者、子供とはいえ、他人に指示するのか、その理由を率直に、家族に伝えてください。
捨てたほうがいいと口出しするその理由もいわず、「捨てろ、捨てろ」と言うのは効果がないし、言われたほうは気分を害します。
話し合いをするときは、家族の意見にも耳を傾けてください。
家族の意見と、自分の要望を照らし合わせ、妥協点を見つける努力をします。
アイ・メッセージ
話をするときは、「ここに箱があると、私が動きにくいから」とか、「ダイニングテーブルに新聞を積みっぱなしだと、ご飯を食べるまえに動かないといけなくて、大変だから」というように、「私が困るから、協力してほしい」と伝えたほうがうまくいきます。
「ユー・メッセージ(you message)ではなく、アイ・メッセージ(I message)を使え」と聞いたことがある人もいるでしょう。
アイ・メッセージは、「私は~」から始まるメッセージです。
たとえば、フリーザーの中に食べ物がびっしり入っているので、お母さんに少し片付けてもらいたいとします。
アイ・メッセージの例:
フリーザーの中がいっぱいだと、(私は)取り出しにくいし、(私は)アイスクリームがあまり冷えないみたい(に感じる)。お母さん、少し冷凍してあるものを食べて、すっきりさせてくれない? そうすると、(私は)使いやすくなって助かるんだけど。
日本語ではたいてい主語を省略するので、わかりやすくするために、カッコ書きで付け加えました。
同じことをユー・メッセージを使っていうと、
(お母さんが)何でもかんでもフリーザーに詰め込んでるから、使いにくいし、アイスクリームも冷えないみたい。お母さん、ちょっと片付けてよ。
ユー・メッセージには、「あなたがこういうことをした/しているから」とか、「こうしたからあなたはこうなった、こうするからあなたはこうなる」というように、「あなたは」という主語がどこかに入ります。
あなたが片付けない、あなたがためこむ、あなたが散らかす、あなたがよけいな物をくれる。
このような言い方をすると、他人を攻める口調になるので避けたほうがいです。
アイ・メッセージでも、言い方だけがていねいで、実際は自分本位で感じの悪いメッセージもありますが、けんかにはなりにくいでしょう。
4.手本を示す
身を持って手本を示すと、家族の行動が変わります。
親にしてほしいことを、まずは自分が行ってください。
同居、別居に関わらず、自分のガラクタはきれいさっぱり捨てます。
実家の断捨離の第一段階は、そこにある自分の物を全部捨てることです。
完全に捨てきれていなくても、日々捨てるよう努力してください。
自分はシンプルに暮らしていないのに、家族に、「ガラクタ、捨ててよ」と言っても、相手は、「は? そういう自分は何? あちこちに、あんたのガラクタがあるじゃない」と反感を感じるだけ。
他人のことにあれこれ口出しせず、自分の不用品を捨てて、スッキリ、楽しく暮らす。
そうすれば、家族にシンプルライフの本当の価値を見せることができます。
すると、家族の物との付き合い方も変わるのです。
先日、たまたま、浅田美代子さんの記事を読んだのですが、昔は宝石や化粧品なんかにこだわっていた浅田さんは、物を買わず、シンプルに暮らしている樹木希林さんの影響で、物に対するこだわりがなくなったそうです。
人は、身近にいる人の影響を受けるのです。
5.物を増やさない
親に家の中を片付けてほしいなら、親の物を増やしてはいけません。
自分の物を親に押し付けるのはもちろんだめだし、親に物をプレゼントするのも控えます。
断捨離しているのに、なかなか片付かないとしたら、相変わらず、物を買ったり、もらったりして、家に入れているからです。
捨てるだけでなく、必要以上に家の中に物を入れないことを意識してください。
家族の物を少なくしたかったら、その人たちに、物をあげるべきではありません。
この考え方は、とくに相手が子供のとき、役立ちます。
子供の物が増えるのは、親やまわりの人間が子供に物を買い与えるからです。
6.物をためこなくてすむ環境を作る
同居している家族が物をためこんだり、散らかしたりする、その原因を考えて、そうなりにくい環境を提供します。
物をためこむ原因
・不用品を捨てる発想がない
・忙しくて掃除もままならない
・過去にしがみつき、今を生きていない
・未来の心配をして、今を生きていない(先を心配しすぎて、大量にストックする)
・自分に自信がないので、所持品で自分を格上げしようとする
・物がたくさんあると安心できるという幻想の持ち主
・見栄っ張り
・収納スペースがたっぷりある
・買物好き(長年の習慣)
・買物ぐらいしかやることがない
・物をコレクションする趣味がある
・寂しいから物を買ってこころをなぐさめる
ほかにも理由はあるでしょう。家族がなぜ、物をためこむのか考えて、本人がそうしなくてもすむ環境にすれば、ためこむのをやめます。
物をたくさん買ってためこむお母さんは、寂しいことが多いので、一緒にどこかに行ったり、孫の顔をまめに見せたりすればいいですね。
物を捨てる発想がない人には、4番に書いたように、シンプルライフという生き方を、身を持って示したり、一緒に、家の中を片付ける番組を見たりすればいいでしょう。
不用品を捨てない4つのタイプ。自分の性格を知り、片付けに活かす。
物が散らかる原因
・物の絶対量が多い
・物のしまい場所がない(よって床に放置)
・物をしまいにくい生活環境
・散らかっても、自分(家族に物を片付けてほしい側)が片付けるので、本人は、物が多くても、さほど苦しんでいない
こんなことが考えられます。
物の絶対量が多いときは、これ以上増えない努力をします。先にあげたように、よけいな物を買い与えないでください。
しまい場所がないなら、自分が物入れにしていた場所を片付けて、相手に提供します。
しまいにくい環境にするため、収納法など工夫してください。
物をしまいやすい収納にする5つのコツ。片付け方を変えて汚部屋脱出。
いつも、自分が先回りして片付けているなら、それはやめ、物の多い不便さを、本人に味わってもらいます。
7.その他の工夫
その他、家族の断捨離を助けるためにできるちょっとしたことがあります。
1)一緒に片付ける
週に1度、あるいは月に1度、一緒に片付けるイベントをします。
ゴミの日の前にやってみてはどうでしょうか?
墓参り、大掃除、クリスマスパーティ、誕生日パーティなど、家族揃って行うイベントがあると思いますが、その中に、片付けパーティも入れてください。
2)もっとも気になるものを片付けてもらう
「全部捨ててほしい」と思うでしょうが、もっとも気になるもの、ひっかかるものを捨ててもらうことを目標にします。
自分が一番気になっていることをクリアできれば、問題はほぼ解決します。
3)捨てやすいものから捨ててもらう
もっとも気になるものをクリアしてもらいたいが、家族の抵抗の壁が厚い、こんなときは、捨てやすいものから、捨ててもらいます。
思い出の品は捨てにくい、と言われますが、人それぞれでしょう。
私はむしろ、コレクション品が捨てにくいのではないかと思います。これまで、時間やお金を投資していますから。
4)気長に行う
前編にも書きましたが、自分の断捨離ではないので、思いっきり期待値を下げて、気長につきあってください。
期待しすぎると、自分のストレスが増えるだけです。
ストレスが多い状態では、いいアイデアも思い浮かびません。
前編はこちら⇒家族が不用品を捨てるのを上手にサポートする方法(前編)
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家族の断捨離をサポートする方法を紹介しました。
私の経験では、自分がシンプルに暮らしていたら、人のことはあまり気にならなくなります。
命の危険もないのに、口出ししたくてしょうがないとしたら、自分のほうに問題がある、と考えてください。