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母親の遺品、父親の介護用品、ペット用品など、物があふれた家で悩む読者の質問に回答します。
断捨離したいけど、現実は物が増える一方だそうです。
まずメールをシェアします。Sさんからです。
物がどんどん増え、うつになりそうです
件名:断捨離できません
初めまして、Sと申します。
断捨離したくてしたくて、するべきだと思うのですが、どうしても、できません。
とは言え、昔の私は非常に少ないもので満足でき、ミニマリストに近い感じでした。
独身で一人暮らしだった時期は確かに常にスッキリした部屋で、結婚後も義母に「生活感がない」とか夫に「食器棚を買おう、テレビを買おう」と言われても必要ないときっぱり言っていたぐらいです。
現在は実家の父が要介護なので別居し、実家住まいなのですが、捨てられないどころか物が増える一方の生活です。
その訳は、
亡くなった母のものが捨てられない
要介護の父は自分のものを処分したくない
要介護なので介護用品が増える
秋田犬とヨウムがいるので、そのために必要なものが削れない
犬と鳥と高齢者の洗濯物が多く、洗い替えやストックが多い
ブログ、ホームページはありませんが、YouTubeをやっているので家の中のものにあふれた感じはわかると思います。
山になっている洗濯物たち(毛布、タオル類)はガンガン使用するので、捨てても買い直すことになるのでやはり捨てられないという悪循環です。
しまいこんで出してきて使う時間的余裕がないので、すぐにさっと掴んで使えるように、というスタイルなのも見苦しい原因の一つです。
鬱になりそうです。
Sさん、お便りありがとうございます。
YouTubeの動画、拝見しました。秋田犬、2匹飼っておられるのでしょうか?
お父さんと秋田犬2匹とヨウムの世話でお忙しい毎日ですね。
たまには、自宅に戻って、家事もしていると思いますし。
Sさんには、7つアドバイスすることにしました。
1.現在の状態は自分が作っていると自覚する
最初におすすめしたいことは、「現在の、物だらけの部屋に住む生活は、自分が選んでそうしている」と自覚することです。
お父さんの介護をすることになったのは、Sさんのせいではありませんし、実家に大きな犬が2匹と、ヨウムがいるのも、Sさんの選択ではないと思います。
デイサービスのお迎えを待っている間、お父さんが、犬に話しかけている動画を拝見しました。この犬たちはお父さんのペットですよね?
一方、お父さんをどんなふうに介護するか、犬たちをどんなふうに世話するか、どんな介護用品をどの程度導入するかは、ある程度ご自身で決められます。
洗濯ものに囲まれて、うつになりそうな暮らしは、自分ではどうしようもないことではなく、自分が選んでいるのだ、とわかれば、自分で少しずつ改善していくことができます。
「いまの状態は自分の選択だ」と思うのはひじょうに重要なので、まずこの点を押さえてください。
2.やらなくていいことを見つける
Sさんは、お父さんの介護や身の回りのことをし、犬と鳥の世話をし、YouTubeに動画を毎日のようにアップしていますよね?
どのぐらいの頻度でお父さんがデイサービスに行っておられるのかわかりませんが、それだけやれば、時間の余裕がなくなるのもしかたがないだろう、と思います。
一度、ご自身の毎日のスケジュールを調べて、やらなくてもいいことを探してください。
やらなくてもいいことはもうやめてしまうのです。
YouTubeに動画をアップするのは、気分転換になっているでしょうから、やめる必要はありません。ですが、1日に2度もアップしなくてもいいんじゃないですか?
動画をあげる頻度を落とせば、もっと自分の時間ができるし、休息もできます。
静かに自分の心と向き合う時間を作れば、「うつになりそうだ」と思うまでストレスをためることはなくなります。
1人になる時間は大事だという話⇒自分1人の時間を持つ5つの方法。時には他人の声や視線を断捨離する。
3.思い込みを捨てる
介護用品が増える、ペット用品も増える、それは仕方がない、と思い込むのをやめます。
介護のレベルがあがると、新しい介護用品がいるから、数が増えるのですよね? その場合は、もう使っていない介護用品を回収してもらって、増えすぎないようにすればいいと思います。
介護用品もペット用品も、増やそうと思えば、いくらでも、増えるます。日常使う物と同じように、「使わない物は捨てよう」としっかり線引きすれば、そんなに増えないのではないでしょうか?
以前、ペットの物が増えて片付かない、という相談に記事で回答しました。さらに、ペットとシンプルライフを送っている方のメールを紹介した記事もあるので、参考にしてください。
4.1つずつ捨てる
とりあえず、捨てやすいものから、1つずつ捨ててください。
それこそ、1日に1つでもかまいません。
「ああ、断捨離したいけど、できない~~~~~っ」とストレスをかかえて、足踏みしているのが一番まずい状態です。
1つでも捨てれば、それだけ、スッキリした空間に近づきます。
先日、汚部屋の片付け方の記事を書いたのでよければ参考にしてください⇒部屋が汚いけど、何から始めていいかわからない。この問題を解決するごくシンプルな方法。
この記事では、いったい何が部屋を汚くしているのか、観察することから始めることをおすすめしています。
Sさんは、家にたくさんある物をメールに書かれていますが、それらは、Sさんにとって、「捨てられないもの」ですよね?
もっと捨てやすいもので、あふれているものは、ないでしょうか?
5.遺品を捨てることについて
まだお元気なお父さんのものは、捨てるべきではありません。
しかし、もう亡くなってしまったお母さんの物はある程度、整理できると思います。
お母さんの物を使う人は、もういないのだから、すべては「思い出の品」「形見」という位置づけですよね?
しかし、ブログに何度も書いているように、思い出の品はそんなにたくさんはいらないのです。
仮に、いまあるお母さんの物を全部捨てたとしても、Sさんは、絶対お母さんのことを忘れません。
お気に入りの物や、思い入れのある物をほんの少しだけ大事にすることにして、残りは捨ててしまっても、お母さんを粗末にすることにはなりません。
もし私がSさんのお母さんだったら、自分の残した物のせいで、娘がきゅうくつに暮らしていて、「うつになりそう!」とストレスをかかえていたら、いやだなあ、と思います。
娘には笑顔で暮らしていてほしいですからね。
遺品の断捨離について⇒親の遺品整理中、悲しみや後悔でいっぱいになったらこうする。
6.自分を大事にする
疲れすぎないように、自分を大事にしてください。
介護をしていると、時間もエネルギーも取られるし、思い通りにならないこともたくさんあって、べつに物だらけでなくてもストレスがたまります。
ですから、あまりよくばっていろいろなことをしようとせず、意識してペースを落とし、体力を温存してください。
さらに、心の整理をするために、気持ちを文章にして書くことをおすすめします。
モーニングページを書く要領です⇒ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ。
「そんな時間はない」と思うなら、日記でもいいし⇒日記を書くことは心の断捨離に効果的。10年日記を使っています、1日5分でも、思っていることを紙に書くと、ずいぶんすっきりします。
心の中にゴミがいっぱいあると、部屋の中にもゴミがたまりますから、物理的な物だけでなく、心の掃除も心がけてください。
7.現実を受け入れる
最後に、いまの状況を受け入れて、現実的なラインで、片付けをすることをおすすめします。
Sさんは、もともとは、物が少ないほうが好きで、ミニマルライフを送っていたとのこと。
しかし、今は、お父さんのものや、介護用品や、ペットの物と、物だらけの環境にいます。
自分の理想とかけはなれすぎている、そのギャップもストレスの元になっているのかもしれません。
理想と現実の違いによるストレス⇒理想と現実のギャップにがっかりして動けなくなったときの対処法。
実家は、自分の家ではないし、介護が必要な人や、ペットがいれば、物が増えるのはあたりまえです。
シンプルライフにするにしても、現実的なラインで折り合いをつけ、ハードルをあげすぎないようにしてください。
それでは、Sさん、どうぞお元気で。
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今回は、介護用品やペット用品がありすぎて、片付かない、という相談に回答しました。
介護産業の市場規模はどんどん拡大していますから、いわゆる便利グッズなどもたくさん売られていて、いらない物がたまりやすい状況にあるのではないか、と想像しています。
必要な物は買うべきです。ですが、いらない物は、極力、家に入れず、不用になった物はどんどん手放していけば、「介護用品のせいで片付かない」ということは少なくなると思います。