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ふだんまめに不用品を捨てている人でも、ずっと片付けを先延ばししている物があったりします。見ないふりを決め込んでいるガラクタです。
今週は、「いつか、時間ができたときに片付けよう」とか、「いつかは、片付けるよ、いつかは(でも、それは、今じゃない)」と放置しているものに、手をつけてみましょう。
手順を3つに分けて紹介します。
名付けて、浅瀬でチャプチャプ方式です。
いきなり飛び込まなくてもいい
覚えておいてほしいのは、いきなりざぶーんと渦中に飛び込まなくてもいいことです。
浅瀬から、そろそろ入ってください。それでも、作業を積み重ねれば、着実に片付きます。
気持ち的に、「ちょっと負担だな」と思っている物や場所はなかなか片付けに着手できません。
恐怖やめんどくささがあるからです。
まだ何も始めていないのに、「いったん始めると、すごく大変なことになりそうだ」という恐ろしさや、「すごく、めんどうなことになりそうだ」というしんどさを、ありありと想像してしまうから、始めることができません。
これまで不用品を捨てたことがない人は、経験不足ゆえに、「私にできるのかしら? 失敗しそう。失敗したらいやだな」という、怖さも感じているでしょう。
確かに、いきなり、海の真ん中にダイビングしたら、経験不足の人は、おぼれます。
しかし、浅瀬からそろそろと入っていけば、むずかしいことはやらなくてすむのです。
今のあなたにも十分できます。
では、具体的なやり方を見ていきましょう。
浅瀬に足を入れる:思い出す
まず、浅瀬に足をつけます。
ふだんは考えないようにしている「いつかは片付けようと思っているもの」を思いだしてください。
・買ったけど、箱に入れたまま、押入れにしまってある調理家電
・もらったけど、包装もとかずに、しまってある食器
・使い終わって、そのまま、引き出しの奥に放置した昔のガジェットやケーブル
・いつかどうにかしたいと思って、箱詰めしてある思い出品(学生時代の教科書や、古い写真、手紙)
・処分を先延ばしにしている、部屋のはしっこやテーブルの上に積まれた雑誌や書類
・買いすぎてしまった手芸の材料
・いつか、時間ができたときにやろうと思っている英語の教材
半ば永遠に処分を放置中のそれは、部屋のよく見えるところにあるかもしれないし、押入れやクローゼットの奥のほうにあって見えないかもしれません。
すぐ見えるところにあっても、ふだんは見ていませんから、今日、じっくり見てください。
押入れの奥にある物は、取り出してみましょう。
そして、放置していたものとしっかり向き合います。
久しぶりにあった、昔なじみのように。
対象と向き合い、その存在をしっかり確認する、放置中のものをちゃんと見る。その対象に意識を向ける。
これが、浅瀬に足を入れることです。
浅瀬で水遊びする:書く・話す
浅瀬に入ったら、チャプチャプ、水遊びをします。慣らし運転みたいな感じです。
ここでは、思考の散歩をします。
放置していたものに対する考えを、思い巡らします。
だまって考えてもいいのですが、おすすめは、書くこと、または話すことです。
自分の気持ちをアウトプットしてください。
書く
モーニングページを書いている人は、放置しているものに対する思いをつらつらと書き綴ってください。
どうして、ずっと片付けず放置しているのか?
このまま放置していると、何が起こると思うか?
いつかは片付けると言っているけれど、本当にその気があるのか?
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
何を書いていいのかわからないとか、何も思い浮かばないというときは、自分宛てにメールやテキストメッセージ、手紙を書くのもおすすめです。
たまに、「気持ちの整理をしたくて、筆子さんにメールを送りました」というメールを受け取ることがあります。
メールや手紙のように、読み手がいると、言葉や考えを出しやすいのです。
話す
ものを書きたくない人は、人に話してもかまいません。
家族や信頼できる友人に、「家にこんなものがあってね、ずっと放置しているんだけどね。どうしたもんかしらね」と。
話をすると、ダイレクトにフィードバックが返ってくるので、より、浅瀬でチャプチャプできます。
ただ、人の言うことをきかない人や、自分の言うことをいちいち否定する人が相手だと、うまく遊べず、下手すると、そこで水遊びが終了します。
話す相手は、ある程度、選んでください。
複数の人に話しているうちに、次第に考えがまとまってきます。
少し深いところへ:タスクの書き出し
浅瀬で水遊びをして、なんとなく方向性が見えてきたら、いよいよ片付けを開始します。
まず、これからやるタスクを書き出します。
これまでも、「ちょっと大がかりな片付けプロジェクトは、タスクを細分化したり、サブゴールを作ったりして、進めるといい」とお伝えしてきました。
たとえばこれ⇒やるべきことを後回しにしない7つの方法(汚部屋改善)
ところが、この細分化がうまくできなくて、わやわやになるという人がいます。
その場合は、小さめの片付けプロジェクトで、細分化する練習をしてから、少しずつ大きなプロジェクトに取り組むといいでしょう。
ダイニングテーブルの上をきれいにするタスクに着手するとします。
無垢材のウォールナットで、6人がけできる大きめのわりといいテーブルです。
きっと、奮発して買ったのでしょう。温かさや、やすらぎを演出したくて、自然素材にしたと思われます。
ところがいつのまにか、このテーブルは、半分、物置き場になっており、やすらぎどころか、頭痛とストレスのもとになっています。
このテーブルを片付けるために、タスクを細分化してみましょう。
テーブルの上にのっているものが1種類(新聞)だけなら、タスクもそんなに多くありません。
たとえば、
1)何がのっているか調べる(目視)⇒新聞だとわかる
2)新聞をテーブルからどかして、床の上にお置く
3)床の上に置いた新聞の角をそろえて、きれいに重ねる、必要なら新聞をたたみ直す
4)キッチンの小物を入れる引き出しにあるビニールひもを取り出す(ひもがないときは、ひもを買ってくるタスクを追加)
5)そのひもで、新聞紙の束をしばる
6)キッチンの壁に貼ってあるゴミ収集日のカレンダーを見て、廃品回収の日を確認する
7)その日に、新聞束を出せるように、自分のスケジュール帳に予定を書くか、Googleカレンダーにリマインダーをセット
8)回収に出すまで、新聞の束を、押入れの下の段のはしっこに入れておく
9)物がなくなったダイニングテーブルの上を、雑巾でふいてきれいにする
参考⇒今さら人に聞けない机の上の正しい片付け方:「きれい」のキープは難しくない
こちらもどうぞ⇒テーブルの上が片付かない悩みを解決する5つのステップ。
「こんなこと、いちいち考えなくても、できる」と思うかもしれません。
ですが、頭の中でできるなら、テーブルの上はとっくの昔に片付いています(片付けたいという気持ちがあれば、の話です)。
脳内で、うまくタスクを細分化できていないから、いつまでたっても片付かないのです。
片付ける気は十分あるのに、片付けられない、と思ったら、上に書いたように、ばかばかしいと思うほど、細かいタスクを書き出してください。
そして順番にやっていきます。
細分化が苦手な人は、小さな片付けプロジェクトを積み上げるといいですよ。
浅瀬から入る・まとめ
片付けるべきものや場所があり、それに対して「なんだかわからないけど、これはすごく大変なことなんだ」という思い込みがあると、片付けることを先延ばしします。
この段階では、その片付けは、自分には攻略不可能な、恐ろしい魔境への旅立ちのように思えます。
しかし、これはただの思い込みです。
どんなに部屋がごちゃごちゃでも、どんなに物がたくさん詰まっている汚部屋でも、その部屋ができたときは、何も入っていなかったのです。
何もなかった部屋に、まず家具を入れ、それから、家具より小さな物を入れ、さらにそこへ、後から後から、どんどん物を入れたから、物だらけの部屋になっただけです。
べつに、物が細胞分裂して、倍々に増えていくとか、変異して、そこらにべったりくっつくということは起きていません(ほこりやカビ、虫を引き寄せる、ということは起きています)。
部屋のほこりを簡単に減らす9つの方法。まずほこりの元を断て。
その部屋へ物を入れたのは自分にほかなりません。
入れることができたのだから、出すことだって可能です。
1つひとつ、不用品を処分する(部屋の外に出す)行為を積み重ねれば、きれいな部屋になるのです。
片付けイコール魔境へ行くこと、という思い込みはいったん、横に置いてください。
そして、浅瀬から入って、チャプチャプします。
すると、その魔境は、魔境でもなんでもなく、「買ったり、もらったり、作ったりした物が、1つひとつ部屋に入って、できたものだ」「しかも、家に入れたのは私自身だ」とわかります。
魔境に見えるものも、実際は、具体的なタスク(物を増やすこと)が1つひとつ積み重なってできた環境にすぎないのです。
すると、具体的なタスク(物を減らすこと)を、1つひとつやっていけば、部屋はきれいになります。
本当ですよ。
先延ばししてしまうあなたへ
先延ばしはやめて、大事なもののためにスペースを作りなさい(TED)
今すぐやる人になる6つの秘訣。先延ばしグセを手放して今度こそ汚部屋を脱出
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タスクの細分化がうまくできない、というお便りをいただいたので、その前の段階である、浅瀬に入ってチャプチャプする方法を考えてみました。
一番よくないのは、見て見ないふりをして、無視を決め込むことです。
無視をしても、自分の無意識の部分が覚えているから、ずっと心にひっかかっています。
浅瀬でチャプチャプ、ぜひ、お試しください。