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最終更新日: 2020.09.22

いただいた服を捨てるのは相手に悪くて:服を捨てない理由とその対策(その5)

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服がありすぎて生活に支障が出ているのにもかかわらず、着ない服をどこまでも所有し続ける心理を考えています。

服を捨てない理由、6つめは、

人にもらった服なので、捨てるのは相手に悪い。恩知らずな人だと思われたくない。

これです。

ギフトを捨てられないのと同じ理由ですね。

両親や友人、先輩などからもらった洋服や着物のみならず、子供用にもらったお古など、着ていない服がずっと押入れに入っている人は、続きを読んでください。



1.もらったらもう自分のもの

いったんもらった贈り物を捨ててはいけない、という考え方は間違っているので、この考えを改めてください。

繰り返します。この考え方は間違っています

もらったものはもう自分のものなので、自分の好きにできます。

贈り物は、もらった人の一生の行動を拘束するものではありません。

もらったからといって、ずっと所有する必要はないのです。

誰かから何かを受け取ることは、結婚のような約束とは違います。

贈り物の交換は譲渡なので、なんの制約も生じません。

賄賂(わいろ)のような、不正な目的のある贈答品を受け取ってしまったのならべつですが、押入れにしまってある古い服、別に賄賂じゃないですよね?

制約があるとしたら、自分で勝手に作っています。

「もらった服はたとえ着なくても、ずっと持っていなければならない」「持っていることが、相手に感謝を表す唯一の方法である」

こんなふうに、自分の頭の中で、思い込んでいるだけ。

この思い込みを捨てましょう。





2.気持ちだけいただいておく

人は、好意や気遣いを示したくて、贈り物をします。

思いを物品にたくして、人にあげるわけです。

この場合、重要なのは、思いであり、物品ではありません。

思いだけ、ありがたく受け取り、物品のほうは、自分の生活に合わせて、使うなり、捨てるなりすればいいのです。

3.くれた人の気持ちを考えてみる

思いを受け取るために、それをくれた人の気持ちを考えてみましょう。

その人は、どんな気持ちで、その服をあなたにくれたのか?

贈り物をする理由は、いろいろ考えられますが、ざっくり分けると2つあります。

自分(贈り主)のための贈り物

自分のニーズを充足させるために、他人に贈り物をすることです。

たとえば、単に着ていない服を厄介払いしたかっただけ、とか。

自分や自分の子供はもう着ないけど、捨てるのはもったいないので、ほかの人に着てもらうために、誰かにあげた。そうすれば、捨てる痛みも感じなくてすむし、責任もとらなくていいもんね、と考えてするプレゼントです。

あるいは、誕生日やクリスマスに人に物をあげるのが習慣なので、その習慣を守りたいから、娘にセーターを買ってあげた、とか。

相手(もらう人)のための贈り物

純粋に相手を喜ばせることが目的の贈り物です。

相手の喜ぶ顔をみたい、相手に少しでも楽しく暮らしてもらいたい、相手に幸せになってほしい、相手の苦境(貧乏で服を買えない)を救いたい、など、相手のためを思ってするギフトです。

2つの中間もあります。自分は厄介払いをしたくてプレゼントするのだが、相手は服をもらって大喜びしている、なんてときもあるでしょう(いわゆる、ウィン-ウィン)。

くれた理由の検討がついたら、相手のゴールが達成されたかどうか考えてください。

厄介払いが目的だったのなら、自分がもらったとき、相手の願いは叶えられています。

相手のゴールはとっくに達成されているのだから、その後、自分がその贈り物をどうしようと、なんら態勢に影響はありません。

相手のゴールが、もらった人を喜ばせることにあったのなら、「もういらないけど、捨てられないんだよね~」と、服を着ないまま、押入れに突っ込んでおくことは、むしろ、相手の願いから離れてしまう行動です。

相手は、あくまで、あなたの幸せを願っていたのだから。

4.恩知らずを定義してみる

「恩知らずに思われたくない」という理由で、もらった服を処分しないなら、恩知らずとはどういうことなのか、一度考えてください。

辞書を見ると、恩知らずは、「恩を受けてもありがたいと思わず、それに報いる気のないこと。またそういう人」とあります。

恩は、「人から受ける、感謝すべき行為」です。

恩知らずにならないベストな行動は、もらった服を、喜んで毎日着ることでしょう。

こころの底から、うれしく、るんるんと。

着るたびに相手の愛情に包まれている気がして、感謝の気持ちがわき、笑顔になれば尚いいです。

しかし、衣類には、サイズや好み、流行の制約があるので、なかなかそうはなれないことも多いものです。

もらった人が、すでに大量の服をもっていたら、活躍の機会も限られてしまいます。

この場合、恩知らずにならない次善の策は、もらったときに、感謝して、気持ちだけ受け取り、誰か、着てくれる人にまわすか、資源ごみにして循環させることだと思います。

本当に恩知らずになりたくないのなら、押入れの中に入れっぱなしにして、「こんな物くれちゃって、ほんとにもう」と相手を恨む選択をしてはいけません。

「恩知らずに思われたくないから」と言いながら、ずーっと押入れに服を入れている人は、「恩知らず」の意味を知らないか、捨てなくてもすむ(現状維持のままでいける)、手頃な言い訳がほしい、と思っているんじゃないですか?

これは、「もったいないから」と言って、物をずーっと押入れの中にしまっているのと同じ状態です。

言葉の意味をよく考えてみると、もっと恩にむくいる行動ができます。

5.自分が贈るときはどうか?

「贈った人の気持ちなんて、贈った人ではない、私にはわかりません」と思う人もいるかもしれません。

その場合は、自分が人に服をあげるとき、どんな気持ちでいるか想像してください。

たとえば、セーターをあげたとしましょう。

相手がそのセーターを気に入らなくても、一生、押入れに入れていてほしいかどうか。

引っ越しをするたびに、段ボール箱に、セーターを丸めて入れ、家からトラックへ、そのトラックから新しい家へ運んでほしいかどうか?

転勤でやたら引っ越しが多いのに、毎回そうしてほしいかどうか?

大雨で避難勧告が出た時、大きなリュックにそのセーターを詰めて、雨の中、ぐしょぬれになって歩いてほしいかどうか?

そんなふうに思わないでしょ?

「気に入って着てくれたらうれしいけど、そうでなかったら、処分でも何でもしてくれ」と思ってあげるんじゃないですか?

というよりも、「気に入って着てくれたらうれしいな」と思うところで止まっていて、気に入らない場合のことなんて、考えずにあげる人が大半だと思います。

つまり、贈る方は、気に入らないケースについては、何も考えておらず、そういうときは、もらった人がなんとかするでしょ、といった気持ちでいるのです。

その「なんとかする」が、人に譲る、資源ごみにする、であっても、贈る側はなんとも思いません。

さあ、これで、人からもらった服を処分する気になれましたね。

気が変わらないうちに、早速捨てましょう。

服を捨てられない理由と対策・これまでに書いた記事

着ていない服を捨てたい。でも、捨てるのはむずかしい。そんなときはこう考えてみる(その1)

理由1:捨てるメリットを感じていない

理由2:捨てるのが面倒だ

捨てるなんてもったいない、持っていればそのうち何かに使える~服を捨てたいけど捨てられない理由とその対処法(その2)

理由3:捨てるのはもったいない

心が痛むから捨てられない~服を捨てない理由とその対策(その3)

理由4:心が痛むから

これを着るべきだ、という義務感が服を増やす:服を捨てない理由とその対策(その4)

理由5:「私はこれを着るべきだ」「この服を持っているべきだ」という義務感。

ギフトについて⇒「贈り物」という名のガラクタを増やさない7つの方法。

******

人からもらった服を捨てられる考え方を紹介しました。

ギフトは自分で選んだ物ではないから、自分で買った物より気に入らない可能性が高いはずです。

それなのに、「贈り物を気に入らないなんて思っちゃ、罰(ばち)があたる」と感じて、罰当たりにならないために、押入れにしまい込む人が多いのです。

「気に入らなくてもべつに不思議はない、むしろ当然だ」と考え、自分がそれを好きではないという事実を、素直に受け入れてください。そうすれば、ほかの物と同じように、さくさく処分できるでしょう。

服を捨てられない理由、ほかにありましたら、お問い合わせからお気軽にメールをください。

お待ちしています。





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