悩んでいる人

ミニマルな日常

最終更新日: 2022.07.2

ずっと捨てられない物でも、過去の失敗を認めるとあっさり捨てられる。

ページに広告が含まれる場合があります。

 

不用品を捨てることが苦手でも、潔く過去の失敗と向き合い、そこから学んで前に進むほうを選ぶと、どんどん捨てることができます。

その理由と、具体的なやり方を書きます。



もったいない、と言う人

物を捨てられない人は、よく「これ、いつか使うかもしれないから(キッチンツール)」「老後に読むから(本)」「そのうち何かに使えるから(昔集めた資料、昔の作品)」と、捨てないほうがいい理由を口にします。

しかし、これは、すべて捨てない言い訳です。

本人も、うすうす捨てたほうがいいと思っているのです。

しかし、捨てるのは心身ともに面倒だし、時間もかかるので、現状維持を選びます。

そして、その行動を正当化するために、「いつか、何かに使えるから」と言います。

不用品はできるだけ早く捨てたほうが、今の生活も未来もよくなるのに、なぜ、そんなことをするのでしょう?

過去の失敗に向き合いたくないからです。





失敗から目を背けるとガラクタがたまる

過去の失敗を無視するとガラクタがたまる状況を具体的に書きます。

・3年前の夏:あるファッションビルで行われたセールで、買い物好きのK子さんは、あまりの安さに舞い上がり、服や雑貨をたくさん買った。

・買った直後:家に持ち帰ったその日、K子さんは、それなりにハッピーだった。「得しちゃった!」と日記にも書いた。しかし、服も雑貨もなかなか使うことができない。なぜなら、K子さんの家には、衣類も雑貨も腐るほどあったからだ。

・買った数日後:K子さんは、自分がいつものように、セールで失敗したかも? と思った。よくない意思決定をしてしまったわけだ。しかし、その失敗を認めたくないので、買った服はクローゼットのはしっこに、雑貨は、棚の奥のほうになんとなく押し込んだ。

目につかないところに置けば、失敗したことを思い出さなくてすむから。

・現在(買い物から3年後):似たような失敗を重ねた結果、K子さんは、物だらけの部屋にすみ、ただでさえ暑いのに、ひじょうに息苦しい状態に悩まされる。部屋を片付けることを思いつき、「筆子ジャーナル」を読んでいるが、読んでいるだけで何も捨てられない。その理由は、

「いつかそのうち使うかもしれないから」。

K子さんは、3年前に、買い物に失敗したのに、そのことを認めたくないから、買って使っていない物を、とりあえず、目につかないところに押し込んでいます。

「筆子ジャーナル」を読んでいるので、「あの棚の奥のほうに、死蔵品がいっぱいある」ということはうっすら自覚しています。

しかし、捨てません。

いつか、何かに使うかもしれない、と思っているからです。

K子さんの部屋がガラクタで埋まっているのは、買い物に失敗した時に、その失敗から目をそむけたからです。

目をそむけず、失敗に向き合えば、不用品を手放すことができます。

あなたが、K子さんのような行動をしているなら、以下のステップで失敗に向き合ってください。

失敗したと認める

まず、3年前に、買い物に失敗したことを認めます。

買い物に限らず、人は、失敗したことをなかなか認めようとしません。

何かに失敗した、と思うと、恥の気持ちを感じるからです。

自分はだめな人間だ、とか、自分にはこんな欠点や欠陥があるという気持ちです。

これは、とても不快な感情です。

さらに、「失敗した自分を他の人はどんな目で見るだろう? だめな人だと思われたらどうしよう」という恐怖も感じます。

これまた、あまり感じたくない感情です。

だから、たとえ失敗しても、失敗したことを否定しようとします。

しかし、自分が失敗した事実は、否定しようが無視しようが変わりません。

買い物の失敗は、ガラクタとなって、あなたをいつまでも苦しめます。

失敗を「ないことにする」より、「あのとき、私はまずい決断をして、買わなくてもいい服や雑貨を買ってしまった」と認めたほうが、心の重荷が減るし、明るい未来になります。

失敗を認めるのは、その瞬間(数日かかることもある)だけですみますが、失敗したことを否定し続けるのは、何年もやらなければなりません。

失敗してもいい

次に失敗してもいいのだ、と思ってください。

私たちは、失敗することや、失敗を認めることをすごく怖がっていますが、べつに失敗してもいいのです。

そもそも、失敗せずに、生きていくことなんてできません。

K子さんは、日常生活で、買い物だけでなく、ほかにもいろいろな失敗をしていると思います。

会社に遅刻したり、報告書の提出期限を忘れたり、出張の精算の計算を間違えたり、忘れものをしたり、ご飯を固く炊きすぎたり、友達に言うべきでないことを言ったり、など。

その都度、失敗を認め、失敗によるダメージを最小限におさえるためにダメージコントロール(事後処理)をしているはずです。

買い物の失敗に対しても、同じことをすればいいのです。

ダメージを検証する

ダメージコントロールをするために、数年前の買い物の失敗により、どんな損失や被害が出たか、考えてください。

私が思う損失は、以下のとおり。

・無駄にお金を使った(服や雑貨を買うお金を貯金にまわしておけば、貯金が増えたのに)

・部屋の中が狭くなった

・物が増えすぎてストレスが増えた

・物が増えすぎて、管理や探しものに、時間を取られた/今も取られている

つまり、暮らしの質が落ち、お金が減り、自分の精神衛生が悪くなったというダメージがあり、それは今も継続しています。

すべてが、自分に返ってきているだけなので、(今のところ、目に見える形では)ほかの人にはさほど迷惑がかかっていません。

家族がいると、家計のお金を無駄にした、とか、家族の居心地の悪さが損なわれた、ということも起きているかもしれませんが。

ほとんどのダメージが自分に降りかかってきているので、失敗を認めたくない人は、「ちょっと暮らしにくいけど、がまんすればいいか。実家も、友達のL子ちゃんの家も物だらけだし。私だけが、こういう生活をしているわけじゃないわ」と考えて、現状維持を選ぶかもしれません。

現状維持とは、失敗から何の学びも得ない状態なので、また同じ失敗をする可能性があります。

具体的なダメージコントロールをする

ダメージを検証したら、その被害を最小限にするための行動に出てください。

・お金の損失⇒しばらく、買い方を変えてお金を残し、そのお金で補填する。

買い物習慣を変えるヒント⇒よくない買い物のクセを見つけて修正する:余計なものを買わないコツ(その3)

・部屋のスペースの損失⇒いらない物をどんどん捨てれば、スペースができる。

・ストレス増大の問題⇒断捨離や掃除をして環境を整えれば、ストレスも減る

・管理と探しものに時間を取られている問題⇒自分で把握できる量まで物を減らす。

3年前の失敗による損失は、今の暮らし方を変えることでかなり挽回できます。

具体的には、買い物習慣を変え、不用品を捨てるだけでいいのです。

一度にやろうとせず、できることから、少しずつやってください。

失敗から学ぶ

失敗を認める一番のメリットはその失敗から学べることです。

3年前の買い物の失敗からどんなことを学んだから、リストを書いてください。

たとえば、

・セールはお得に見えるが人生単位で見るとお得ではない⇒なぜあなたはセールで買ってしまうのか? かえって損をするのに。

・安物買いの銭失い⇒安物買いの銭失いをやめたほうがいい6つの理由。貧乏人ほど要注意。

・予算を立てないと無駄遣いが増える

・私はセール会場の雰囲気に流されがちなので、セールには行かないほうがいい

・必要なものだけを買う生活にしたほうが、探しものをしなくてすむ

・買い物の喜びはすぐに消える

以上は一般的な学びですが、もっと個人的な学びもあるでしょう。

服は雑貨をいっぱい買うのは、友達L子への対抗心からだ、人と自分の生活を比べるのはやめよう、とか。

ガラクタや死蔵品をずーっとしまいこんで、失敗はなかったふりをしているよりも、このように、さまざまな学びを得たほうが、自分は成長できるし、その時から、生活の質があがります。

無駄遣いしたあとにすべき5つのこと~失敗から学んで改善する。

*****

過去の失敗と向き合うと、あっさりガラクタを捨てられる話をしました。

見に覚えのある人は、ぜひやってみてください。

失敗はよくあることです。失敗したあとのアクションのほうが重要です。





部屋でくつろぐ女性ひとり暮らしがきっかけで断捨離を決行。大変だったけどやってよかった。前のページ

買い物してなくても物が増えるのは、細々としたもらい物が多いから。次のページちょっとした贈り物

ピックアップ記事

  1. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。
  2. 筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。
  3. 新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」3月14日発売のお知らせ(現在予約受け付け…
  4. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。
  5. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…

関連記事

  1. タオルを置いた棚

    ミニマルな日常

    私がタオルをためこむ理由(前編)

    タオル事情を教えてくれた読者のお便り特集です。今回は前半で、3…

  2. 荷物を受取る人

    ミニマルな日常

    「持たない人」への第1歩。これができればスッキリ暮らせる。

    不用品を持たない生活をしたいから、あれこれ捨てているけれど、なかなかう…

  3. 歩く人

    ミニマルな日常

    突然の変化や人生の転機にうまく対応するには?

    大学生の娘が家を出ると言ったので、目の前が暗くなり、心の整理がつきませ…

  4. 青い空と白い雲

    ミニマルな日常

    お盆から始められる、人生をシンプルにしてストレスをなくす5つの方法。

    この週末はお盆休みの人が多いでしょうね。ちょっとペースダウンできるお盆…

  5. 贈り物

    ミニマルな日常

    不用な贈り物を捨てられないのは、世の中の人全員に好かれたいと思っているから。

    「私があげたあれ、使ってる?」と聞かれたとき、うっかり「もう捨てたかな…

  6. 鍵を持つ女性

    ミニマルな日常

    引っ越しをする前にするといいこと~よりシンプルに暮らすために。

    もうすぐ引っ越しをしますが、その前にやっておいたほうがいいことを教えて…

文庫本『それって、必要?』発売中。

「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。
8割捨てればお金が貯まる・バナー
ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,827人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. 4人家族
  2. 片付いた机の上
  3. 片付いたリビングルーム
  4. チャレンジする女性
  5. ベッドにスプレーする女性
  6. 目標に向かう旅をする女性
  7. 引っ越しの荷造りをしている女性
  8. 小さなアパート
  9. 引き出しの中の服
  10. パントリーをチェックしている女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック
1週間で8割捨てる技術
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. ノートに何か書いてる
  2. 朝の街
  3. クリスマス
  4. クローゼット
  5. 衣類の梱包
  6. 服をチェックする女性
  7. 津波
  8. たたんだタオルや服
  9. 歯が痛む。
  10. 野原の中の女性

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP