車の運転

ミニマルな日常

最終更新日: 2020.12.22

ペーパードライバー歴20年、もう免許は返納すべきか?

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運転免許を捨てるかどうか迷っている人から、筆子さんはどう考えますか、と質問をいただきました。

この質問に回答します。

差し出し人は、銀時計さんです。



免許を返納を迷っています

件名:使わない運転免許証

こんにちは。

いつもご丁寧にお返事いただいてありがとうございます。

今、断捨離で一番手こずっているかもしれないものと対峙しています。

よければご意見伺いたいです。

私はペーパードライバー歴20年です。

先日、運転免許の更新はがきが届いて、もう更新せずに手放すべきか迷っています。

この20年、就職や結婚のタイミングでペーパードライバー講習に数回行きましたが、克服はできていません。

結婚以来、姑には「介護が必要になったら乗れないでは困る」。

夫には「いつも運転手みたいになるのは負担だ」と言われてきました。

私も乗れた方がいいけれど、精神的にも技術的にも向いていません。

今は夫が運転してくれるので、事故を起こすかもしれないリスクを負ってまで乗る必要性も感じないのです。

むしろ車を手放して、自転車や電車、タクシーだけの生活でも、車がなければないでいいとさえ思っています。

(今のところ街なかに住んでいるので、少し不便になるだけです。)

実は数年前にも免許を捨てようとしたことがありました。

その時は、実父に「いつか乗るかもしれないし、高額なお金(父に出してもらいました)と手間をかけて取ったんだから・・・」と諭されました。

ところが、先日、夫から、「乗れないのに免許を持っていると、更新代や更新の手間がかかるだけ。何より周りに乗る努力を怠っていると判断されて、プレッシャーにもなっているだろうから、もう手放しては。」と進言されました。

(夫や姑はもう私が乗る可能性はあきらめています)

私も薄々感じていたので、今回捨てようとしました。

でも、「もしかしたら、いつか田舎に住む実の両親の介護が必要になったときに田舎道を運転するくらいなら出来るかもしれない・・・」という考えが浮かびました。

それでもやっぱり、その発想自体が想定外なのです。

(多分、その時は違うかたちで対処することになるでしょう。)

以前、筆子さんに「自分の判断と責任をもって捨てていこう」と言っていただきました。

仰る通りです。

自分の行動は人に決めてもらうことではありませんよね。

しかしながら、筆子さんだったらどう考えるか、ご意見を伺いたいです。

若輩者で申し訳ありません・・・よろしくお願いします。





銀時計さん、こんにちは。お便りありがとうございます。

銀時計さん、いろいろ書いておられますが、結局、車の運転をしたくないんですよね?

それなら免許は不用なので、返納するの一択です。

自分で決める方法

私だったらどう考えるか?

このブログをまめに読んでいたら、わざわざ聞かなくても想像つくと思います。

私に、「◯◯を捨てたほうがいいでしょうか?」、と聞いてくる人は、すでに、自分の中では答えが出ています。

ただ、人間は何かを失うことがすごく怖いので、いざ捨てようとすると、「でも、こういう時は、必要かもしれない」「将来の、こんな時のために持っていたほうがいいかもしれない」と、いろいろ考えだして捨てられないのです。

失うことが恐ろしい話⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

さらに、自分で決めることが苦手な人は、決めてくれそうな人に、背中を押してもらいたいと考えます。

誰かに、「捨ててもいいですよ。大丈夫ですよ」と言われて、初めて、安心して捨てられるのです。

私は、不用品は捨てたほうがいいと考えており、その考えについて、毎日のように発信しているから、たいてい、「捨ててもいいですよ」と答えます。

銀時計さんにとって、私、筆子は、背中押し係なのです。

また、同じことを書きますが、自分で決めないと、自分で決められることができるようになりません。

先日、古い漫画本を捨てようかどうか迷っている、という質問に答えましたが⇒昔の漫画を捨てたほうがいいのか? 迷ったときの決め方。

この記事でおすすめしている、コストとベネフィットを全部だして、照らし合わせて判断する方法をとってはどうでしょうか?

いつか運転すると思うなら、今すぐ運転してみたら?

今回、免許の返納をためらわせている一番の理由が、「将来、田舎道を走るかもしれないこと」なら、将来を待たず、今すぐ、人通りの少ない道で車の運転の練習をしてください。

ご主人の車があるでしょうから、それを使えばいいですね。

何だったら、ご主人に横に乗ってもらえばいいでしょう。

カナダでは、免許を取るとき、先に学科試験を受けて、パスする必要があります(これは独学で取得できる)。

その後、実地練習のためにドライビングスクールに行く人もいますが、規定の免許と運転歴のある人が横に乗っていれば、公道を走ることができるので、親と一緒に練習してから運転免許試験を受ける人もいます。

ドライビングスクールは必須ではなく、リソースの1つです。

銀時計さんは、すでに免許はあるわけですから、公道を走ることができます。

ご両親の介護のために、田舎道を走るのが、何年後のことかはわかりませんが、いま、ちょっと運転してみて、「だめそうだ。やっぱり運転は嫌いだ」と思ったら、この先、田舎道を走ることはないでしょう。

先延ばしはもうやめる

銀時計さんは、これまで、義理のお母さんに、「介護が必要になったら、運転できないのは困るわ。運転してちょうだい」と言われ、ご主人にも、「僕はこの家の運転手じゃない。君も運転してくれ」と言われてきました。

銀時計さん自身が、「本当にそうだよね。私も運転しなくては」と切実に思っていたら、ペーパードライバー講習もあるし、個人出張レッスンもあるから、過去20年の間に、運転できる状態にしていたはずです。

そうしなかったのは、銀時計さんに全くそうする気がなかったからです。

人間は自分がしたいことしかしません。

今やりたくないことを、将来のいつかわからない時点で、急にやりたくなるなんてまずないです。

人間は、いきなりガラッと変わったりはしません。

必要に迫られてやるしかなくなるということはあるでしょう。

免許を持っていると、「私は運転が嫌いだし、運転するのは不安だから、できれば運転したくない。だけど、将来、こういう時には、運転しなきゃならないんだよね。その日が来ないといいなあ」と無意識のうちに、ネガティブなことを考えます。

運転しなければならないのに、それをずっと先延ばししているようなものです。

何かを先延ばしするのはすごくストレスです。

銀時計さんがペーパードライバーでいる限り、この先延ばしはずっと続きます。

免許を返してしまえば、この先延ばしは終わります。未完了のことが1つ終わるのです。

断捨離をして「未完了の問題」にきちっと片を付けろ~実録・親の家を片付ける(10)

「でも、それは運転するという可能性を捨てることだ」と考えるかもしれません。

しかし、いま、免許を返したって、この先、免許を取り直すのはふつうにできるから(学科試験と実技試験に受かればまた免許を取得できる)、可能性を捨てたとは言えないでしょう。

お父さんにはお金を返す

数年前、免許を返納しようとしたとき、お父さんに、「高いお金を出して取ったのにもったいない」と言われたそうですね。

いつも書いているように、過去に支払ったお金はもう返ってこないので、ここはすっぱりあきらめるべきです。

高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません

失ったものを取り戻したいと思うな:部屋が物だらけになる理由(その7)

ただ、そのお金を出したのは、お父さんだから、今さらではありますが、支払ってもらった分を、お父さんに返してはどうでしょうか?

分割払いで。

返してしまえば、お父さんが「お金がもったいないだろう」と言われても、「自分のお金だから、自分で好きに使えばいいのだ」と思えます。

お父さんは、受け取らないかもしれませんが、返すことを申し出れば、銀時計さんの気持ちをわかってくれ、銀時計さんの好きにさせてくれるでしょう。

免許を取るときに使った手間や労力は、何らかの形で、自分の中に残っているから、無駄になったとは思いません。

・・・ とにかく、一度練習してみてください。乗ってみると、「意外にいける」と思うかもしれません。

*****

私は昔、日本で免許を取ったのですが、カナダに来てから失効させて、今に至ります。

カナダは車社会ですが、これまで自分で運転できなくて困ったことはありません(まわりに迷惑をかけていたことはあるかもしれません)。

家で仕事しているし、車に乗ってあちこち行きたいと思うタイプじゃないからです(移動するのが嫌い)。

4年前までは、我が家には1台も車がありませんでした。

その後、娘が18歳のときに、免許をとり、中古車を買い(私が買った)、夫もずっと免許がなかったのに(理由は知らないが失効していた)、復活させたらしく、ものすごく安い中古車を買って、いま、通勤に使っています。

ですが、娘や夫の車に乗せてもらうこともめったにありません。

遠くの歯医者に行く時と、気温がとても低いときに、近くの医者に行かねばならないときだけです。

夫も娘も都合がつかないときで、気温がマイナス30度以下の日に外出せねばならないなら、Uber(スマホのアプリで完結する配車サービス)を使おうと考えています。

車を運転できなくても、なんとかなります。

要は、自分が運転をしたいか、したくないか、車を持ちたいか、持ちたくないかです。

自分の気持ちに沿う選択をしておくのがベストだと思います。





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