病気の人

ミニマルな日常

最終更新日: 2020.05.7

断捨離をすると体調が悪くなる、は思い込みにすぎない。

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断捨離をすると必ず体調が悪くなります。体調が悪くならないように、捨てるときに塩をまいたりするなど、回避する方法がありましたら教えてください。

今回は、この質問に回答します。

まず、メールをシェアします。星花火さんからいただきました。



断捨離すると体調が悪くなります

件名:断捨離

断捨離をしたら体調が悪くなった、

不幸が重なったとの投稿に対してのご回答が、申し訳ないのですが説得力に乏しく納得しかねるのでメッセージを送らせていただく次第です。

ご寛恕のほど。

小生も不用になった衣類を処分すると必ず体調が悪くなります。

一度や二度ならまだしも三度四度と続いたので怖くなり今はしていません。

人の話ではこのようなことは結構あるようにも聞いています。

私がアドバイスを受けたいのは、例えば捨てる時に神仏(私は無神論者で信仰心は薄い)に祈るとか塩をまくとか、あるいはそれに類することをすることで邪気?が払われることがあればお聞きしたいと思います。





星花火さん、こんにちは。メールありがとうございます。

メールアドレスが記載されていなかったので、直接返事を送ることができませんでした。

こちらで答えますね。

捨てるときに、神仏に祈ったり、塩をまく必要はありません。

なぜなら、断捨離しても、体調は悪くならないからです。

もちろん、そうしたいなら止めませんが、私はしません。

病気になる要因はさまざま

星花火さんは、こちらの記事を読んでくださったのだと思います⇒いらない物を捨てると体調が悪くなる? いえ、病気になる原因はほかにもたくさんあります。

この記事で書いたことをまとめると、

結論:物を捨てても病気にならない

根拠:病気になる理由はほかにもたくさんあるので、物を捨てたから、健康を害したと結論づけることはできない

病気になる理由として、以下の10個をあげました。

– 栄養バランスの悪い食事

– 水分をしっかりとっていない

– 睡眠不足

– 手が汚い

– ストレスが多い

– 運動不足

– 過労

– 免疫低下

– 毒物(化学物質、ニコチンなど)の過度の摂取

– 体質・持ってうまれた遺伝子

このリストに追加すると、

– 暴飲暴食、不摂生

– ただの偶然(思いあたるふしがないけれど病気になる)

– はからずも病原菌(細菌やウイルス)が体内に入り込んだ

– 慢性的な炎症など、すでに体のどこかで不調が起きているが、大きな病気として顕在化していない

以上の要因が複数合わさって、体調が悪くなります。

つまり、複合的な要因のせいで、体調が悪くなるのです。

この記事のどこに納得できないのか、なぜ、説得力がないと感じるのか、もう少し詳しく教えていただきたいです。

それとも、星花火さんが読まれたのはこちらの記事ですか? ⇒使わない物をためすぎると心が病む話。捨てなければ夢も希望もない。 この記事には、「まだ使える物を捨てたから、物に呪われたみたいです」という読者のメールを紹介しています。

星花火さんは、4回断捨離したら、体調が悪くなったそうですが、4回じゃ、データとして少ないと思いませんか?

4000回断捨離したら、毎回、あるいは、7割ぐらい、体調が悪くなったのなら、捨てることと、体調に因果関係があると考えるのもわかります。

ですが、4回では、それこそ説得力に欠けます。

それと、私、ものすごく何回も断捨離してますが、体調は変わりません。この点について、星花火さんはどう説明されますか?

断捨離した回数は数えたことはありませんが、少なくとも、私はここ10年、毎日のように不用品を捨てています。

大半の物は捨て終わったので、いまは、デジタルなものや思考のガラクタ、やらなくてもいいことを、意識的に手放しています。

ですが、体調は変わりません。むしろよくなっています。

ただし、私は健康でいられるように、いろいろ努力しているので、断捨離のおかげで健康になった、とは言いません。

人は自分の都合のいい情報だけを信じる

「人の話ではこのようなことは結構あるようにも聞いています」

人の話って、誰の話で、結構ある、とはどの程度の頻度であるのでしょうか?

その人たちは、ふだん健康体で、毎日、とてもヘルシーな暮らしをしており、ちょっとやそっとでは病気になりそうにない若者ですか?

人間は、自分の信念に合致している情報や、信念を強化する(サポートする)情報を探すものです。

そういう情報が目に入りやすく、反証を述べている情報は無視する傾向があります。

これを確証バイアスと呼びます。

詳しくはこちら⇒物事のとらえ方を決めてしまう3つの偏見(TED)

こちらも読んでください⇒間違っているのに、自分が正しいと感じてしまうのはなぜなのか?(TED)

星花火さんは、自分が無意識のうちに、「断捨離すると体調が悪くなる」という情報を探してはいないでしょうか?

確証バイアスは誰にでもあるので、私は、「断捨離すると、いろいろいいことが起こる」という情報を無意識に探しているかもしれません。

しかし、こんなブログを書いているぐらいですから、断捨離やミニマリズムのデメリットを論じている記事も読んでいるし、「断捨離したら、かえって不幸になった」という読者のお便りも拝見しています。

以下のことは不用品を捨てて起きるデメリットと言えるでしょう。

・大きな環境の変化に気持ちがついていかない

・罪悪感や後悔にさいなまれる

・自分自身や、自分のこれまでの生活に向き合わざるを得ず、それは決して、居心地のいい気分ではない

・うまく捨てられず、ストレス(自己嫌悪、焦りなど)を感じる

・喪失感を感じる(がーっと捨て終わって、次にやることがわからなくなる)

・断捨離が終わっても、もともとある問題が解決していないので、不満や違和感を感じる

・はりきって捨てすぎて、周囲の人との調和が乱れる

・はりきって捨てすぎて、ぎっくり腰や四十肩になる

これらのことは、捨てるペース配分や、考え方を変えることで対処できますし、そうした考え方は、過去記事にたくさん書いています。

星花火さんは、不用品を捨てることで起きるよいことに、目を向けたことはありますか?

悪いことをしたと思うから天罰が当たる

「断捨離は本質的に悪いことである」という信念があると、断捨離したあとに、何か、よくないことが起きると、人は、「ああ、断捨離をしたせいだからだ」と結論づけます。

そこで、物を捨てるという行動をもっとニュートラルにとらえてはどうでしょうか?

近藤麻理恵さんの著書は、「人生がときめく片付けの魔法」というタイトルですが、これはあくまでキャッチコピーです。

そうではなく、「不用品を捨てると、その分だけ、家の中から物が減る」と思ってください。実際そうですが。

物を捨てることに、よいも悪いもないし、人生がいきなりときめきもしなければ、暗転するわけでもない、ただ、物が減るだけなのだ、と。

この点についてはこちらに詳しく書いています⇒断捨離したのに、次々と悪いことが続いて納得できません。

そう思って捨てていれば、断捨離したあとに起きたよくないできごとを、断捨離と結びつける傾向が減ると思います。

自分のラッキーナンバーの日は、よいことが起きる、13日の金曜日には悪いことが起こる、となんとなく思っている人がいます。

あらかじめ、ラッキーナンバーの日⇒よいことが起こりそうだ、13日の金曜日⇒悪いことが起こりそうだ、と思っていると、その人にとって、その日おきたよいことは、ラッキーナンバーのせいになり、悪いことは、13日の金曜日のせいになります。

実際は、日付に特に意味はなく、統計を見れば、13日の金曜日だからといって、事故や殺人が多発しているわけではありません。

あくまで、本人が、「きょうは縁起の悪い日だから」と思っているから、よくないことが起きると、「縁起の悪い日だからだ」と結論づけるだけです。

そもそも、よいこと、悪いことというのも、本人が決めていることですから、すべては本人の勝手な後付けの理由と言えます。

「断捨離をすると、体調が悪くなりやすい」という信念がある人が、たまたま断捨離したあとに、頭痛がしたり、風邪をひいたりすると、「やっぱり、断捨離をしたからだ」と結論づけるのです。

この考え方に納得できないとしても、今回のお便りを拝見した段階で、これ以上説明できることはありません。

できれば、もっと客観的な考え方をしたほうがいいとは思いますが、私の考え方を押し付ける気もありません。

******

近藤麻理恵さんは、物を捨てるときは、捨てる物に「ありがとう」と言いましょう、と本に書いています。そのほうが、自分の気持ちが休まるなら、そうしてもいいでしょう。

断捨離という行為が邪気を発生させるとは思いません。

不用品をわさーっと部屋に置いておくほうが、ネガティブな気で満たされるのではないでしょうか?

捨てようと思ったものを、いつまでもそのへんに置いておくと、そのあたりも、邪気が出るかもしれません。

まあ、こういうのも、それこそ「気のせい」と言えますが。





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