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50歳、60歳とある程度、年齢を重ねた人が、これまでの生涯をかけてためこんできた物を捨てるコツを紹介しています。
前編では以下の5つをおすすめしました。
1.物をたくさん持っていることに気づく
2.今後したい生活をイメージする
3.目標を立て、アクションプランを考え実践
4.捨てる時間を確保する
5.難しいと思ったら、他の人と捨てる
では、この続き、いきます。今回も5つ紹介します。
6.今すぐスタートする
スタートするなんてあたりまえのことですが、そうしない人がたくさんいます。
さっそく今日から、どしどし捨て始めてください。
若ければ、先延ばししても、あとで取り返しがつくかもしれません。
しかし、年を取っている人は、残り時間が少ないので、さっさと捨てないと、ガラクタがびっしり詰まった住みにくい家で、晩年を過ごすはめになります。
それに、年々、体力が衰えていくので、元気なうちに、きれいさっぱり捨てておいたほうが自分もラクです。
先延ばしをしない
情報を集めるのはほどほどにしましょう。
片付け本をたくさん読んだり、断捨離のブログの記事を読んだりする時間があるなら、その時間、1つでも不用品を捨てるべきです。
いくら片付け方を見たり、聞いたり、読んだりしても、物は減りません。
ここ何年も、物を捨てることが流行っていて、片付け本、片付けセミナー、YouTubeの動画、人の片付けを見せるリアリティ・ショーがたくさんあります。
「片付け方」やノウハウが山のように出回っているので、その手の情報を追い求め、消費することに時間を使っていると、片付ける時間がなくなりますよ。
片付け方を読むのが好きな人は、「もっとも最適な片付け方」「うまく捨てられる方法」を探しているのかもしれません。
しかし、片付けに着手したくないがために、情報集めに時間をかけることがよくあるのです。
片付け方を探しているあいだは、しんどい捨て作業をしなくてすみますから。
いらない物を捨てるだけですし、どんな捨て方をしようと、つらいときはつらいので、腹をくくって、さっさと不用品を捨ててください。
自己啓発書(片付けや貯金の本)を読んでも何も身につかず、本ばかり買ってしまう問題。
7.プライドを捨てる
物と自分の価値を切り離して考えてください。
大きな家や、美しい庭、いろいろと買い集めた素敵な家具調度が、プライドのよりどころになっていることがあります。
物は、成功した私の象徴、センスのいい自分を表すもの、がんばった自分の証(あかし)なのです。
いい物をいっぱい持っている私は、人から金持ちに見られる私。まだまだ使える物を、なぜ今、捨てなきゃいけないの? せっかく集めた物を捨てると、みなに貧乏人だと思われちゃう。
こんな気持ちが、片付けの邪魔になります。
「私はそんなふうには思っていません」とあなたは言うかもしれません。
しかし、程度の差こそあれ、私たちは、いつも、人からどう見られるかをとても気にしていますよね?
全然必要ない物が家にたくさんあるのも、他人の評価をあげるために行動しているからです
・経済力を見せつけるためにいろいろ買う
・センスのいいところを見せつけるためにいろいろ買う
・すごい人だと思われたくていろいろ買う(野望ガラクタ⇒なかなか捨てられない「なりたい自分になるために買った物」を断捨離する方法
・皆の仲間になりたくて、はやりのもの、ほかの人が持っているものを同じように買う
・本当はいらないのに、いい人と思われたいので、断ることができずにあれこれもらう
こんなふうに。
人生の最後ぐらい、もっと自分らしく暮らしたいと思いませんか?
自分の価値を物に投影させるのはいい加減にやめましょう。
人の価値は、どんな物を持っているかで決まるのではなく、どんなふうに生きているかで決まります。
そう考えると、物に対する執着も消えていきますよ。
8.誰かのために持つのをやめる
私は、使っていないけど、これは、娘に、あちらは孫にあげましょう。私が死んだあと、皆で使ってくれればうれしいわ。
こんなふうに考えて、誰かのためにたくさんの物を持つのはやめましょう。
ポイントは、今の自分が使うかどうか。
他人のために物を持つのではなく、自分のために持つと決める潔く捨てることができます。
以前、「私の生きた証を残したいから、自分の手作り品をあなたに託したい」という義理のお母さんに「いりません」と断れなくて困っている読者のメールを紹介したことがあります。
義理母の手作りのプレゼントを受け取りたくないけど、断って悲しませたくない。どうしたらいいの?
このお母さんほど、はっきり自覚していなくても、多くの人は、「このまま死ぬのはさみしい」、「この世に何か残したい」、「私のことを忘れないでほしい」と思っています。
「死を恐れるあまり、人は永遠に生きられる道を探している。その1つが何かをこの世に残すことだ」、とある哲学者は言いました⇒死について私達が信じる4つの物語(TED)
あとに残したい気持ちが強すぎて、使っていない物を、自宅にたくさん残しても、あとで、その場所を片付ける人が困るだけです。
私たちが、「これは大事な物だ」と思うとき、たいていそれは、その本人にとってだけ大事な物です。
本人がいなくなってしまうと、大半は始末すべきガラクタとなります。
形見分けすると言っても、昔のように物がない時代ならいざしらず、今は、皆、十分すぎるほど物を持っているので、「なんとかもらっていただく」という形になります。
実際、実家の片付けをした人は、「もらってくれる人がいて助かった」「引き取ってくれるところがあってラッキーでした」と言っています。
自分が生きた証は、人から人への影響として残り、いやでも継承されますから、物をたくさん残そうと思わなくても大丈夫ですよ。
9.本当に持っていたいものを残す
長いあいだ生きているうちに、私たちはたくさんの物を所有します。
その中から、今後も本当に持っていたい物だけを残し、不用な物はもちろんのこと、持っていなくていい物も、このさい手放してください。
家にある物には、愛着がわきますし、せっかく所有しているのを捨てるのはもったいないと誰もが思います。
授かり効果のせいで捨てられない物を捨てられるようになる考え方
ですが、使っていなければ持っていても意味がないと思いませんか?
意味があるとしたら、先ほども書いたプライドのよりどころとして、または、物がたくさんある安心感やきれいに並べて感じる自己満足をもたらすものとしてでしょう。
しかし、自尊心、安心感、満足感は、物がなくても、得られます。
むしろ、そうした感情を物にもとめていると、いくら物を買い集めても満足できません。
持っているだけで安心感がある心のよりどころみたいな物は誰でも持っていると思います。
しかし、そうした物は数多くは必要ありません。
むしろ、物の数が多すぎると、大事な物が見えなくなります。
たくさんある物の管理に、時間や意識、お金、体力を使うことになり、本当に大事な物を大事にできなくなるのです。
レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない
10.楽しむなら今
現在、平均寿命が伸びているので、50歳、60歳は現役で、老後はまだ先のこと、という感覚でいる人も多いと思います。
そういう人が陥りがちな罠は、「これは老後の楽しみのために取っておこう」と、今、使わない物を手元に残すことです。
まだ読んでいない本を老後に読むつもりでと残そうとし、老後に思い出にひたりたいからと、子供のときから持っているオルゴールや絵本を手放さないのです。
ですが、「老後」が来たとき、自分が今と同じままではありません。
人間、いつ病気になったり、死んだりするかわからないし、年をとっている人ほど、そうなる可能性があがります。
私たちは、「先のことが心配だから」と言いながら、あれこれ物をためこむわりには、自分が年をとって、病気になり、老衰し、死んでいくことは、あまり考えません。
ごく自然に楽観してしまうのです⇒楽観主義バイアスを知って、よりよい人生を生きる(TED)
しかし、冷静に考えれば、若い人より残り時間が短いのは確かなのですから、読みたい本があるなら今読むべきだし、オルゴールを聞いて思い出にひたりたいなら、今そうするべきなのです。
自分を取り巻く環境もどんどん変わっていきます。
私は1959年(昭和34年)生まれですが、20代の頃、まさか、自分が60歳のときに、インターネットがこんなに普及して、日本の人とビデオ通話したり、スマホで好きなときに動画を見たりできるなんて夢にも思っていませんでした。
これから、5年、10年たつうちに、よくも悪くも状況はどんどん変化します。
変化する世の中⇒不確かな未来をどうやって生きていくか?(TED)
あとの楽しみに、などと言って物を残さず、今使うことを心がけてください。
今、使うことができないなら、手放して本当に使ってくれる人の手に渡しましょう。
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人生の後半にさしかかった人が、不用品を捨てるコツを紹介しました。
物をたくさん持っている人は気づかないと思いますが、物が少ないほうが、生活はしやすいですよ。
たくさん持っていても、使い切れなければ重荷になるだけです。