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やらなきゃいけないことがあるのに、つい後回しにしてしまう。そんな経験をしたことがある人は多いでしょう。
誰にでもある先延ばし。その悩みを解決するシンプルな方法が『15分ルール』です。今回は、このルールに関するTEDトークを紹介します。
タイトルは、The 15 minute rule （15分ルール）
ジャーナリストの Caroline Buchanan（キャロリン・ブキャナン）さんのトークです。
15分だけやってみる
収録は2017年9月。長さは13分。イタリアで行われたイベントです。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの紹介はこちら⇒TEDの記事のまとめ（1）ミニマリスト的生き方の参考に
「15分だけやってみる」というシンプルなアイデアを伝えるトークせいか、名言が内容を補強している印象を受けます。
人生を変える15分ルール
きょうは、「15分ルール」についてお話します。これは私の人生を変えてくれました。
このルールを使ったからこそ、私はこのステージに立てましたし、ほかの人も試してくれて、みんなの人生も変わったし、気に入ってくれました。
すごく効果的だから今からシェアしますね。
先日、タクシーの運転手に、このルールのことを話しました。実際、どんなことにも使えるルールです。
転職、お金の管理、人間関係や恋愛にも。
15分ルールで確定申告を乗り越えた
ある時、確定申告の準備に15分ルールを使いました。
多くの人と同じように、確定申告は私の大嫌いな作業。
もともと私は事務仕事が苦手です。でも、確定申告はしなくてはなりませんよね。やらないと刑務所行きだし、刑務所には行きたくありません。
最初は、この作業を避けるためにあらゆることをしました。
たとえば洗濯物から靴下を見つけてペアにするとか。キッチンの床を掃除したり、友人に電話するとか。
でも、ある日、「15分だけやってみよう」と思ったんです。
なぜ15分と思ったかはわかりませんけど。そうひらめきました。
だから時計をセットして、確定申告の準備を始めました。
パソコンにスイッチを入れて、関係書類を見つけて、ファイリングキャビネットのところに行って、さらに書類を見つけて、電卓を探し回って、モニターに向かって、収入と費用という2つの欄を作ったら、アラームが鳴りました。
そのとき、すごく気分がよかったんです。
始めることができたから。悪夢を追い払い、圧倒されていた気持ちから解放されました。
むしろこの作業が楽しかったんです。確定申告が楽しめるなんて夢にも思っていませんでした。
次の15分で、作業はさらに進みました。15分後に作業をやめました。
その時思いました。「これ、すごくうまくいくわ」って。
15分ルールの活用例
ほかのことにも15分ルールを使い始めました。
ワードローブの整理、話しにくいことを人に切り出すこと、「15分ルール」というタイトルの本を書く時にも使いました。
この本を日本で出版するときも、15分ルールを使ったんです。
この本は1月に日本で邦訳版が出版され、今はシリーズ化されています。
15分ルールが効果的だからです。
イタリア語を学ぶのにもこのルールを使っています。今、6％マスターしました。毎日、15分続ければ、少しずつ上達すると思います。
こんなふうに、15分ルールは何にでも使えます。
手つかずのままになっている気が進まない仕事をするのに効果的ですが、新しい生活を始めることにも使えます。
15分が夢を叶える
夢を叶えられますよ。
みなさんが夢を叶えるのを止めるものは何もありません。
トマス・カーライルはこう言いました。
“Our main business is not to see what lies dimly at a distance but to do what lies clearly at hand.”
（私たちの仕事は、遠くにぼんやりあるのを見ることではなく、今ここにしっかり見えるものを見ることだ）。
だから、タイマーをセットして、15分ルールを始めましょう。
もうひとつ私が好きな名言は、
“You are what you do, not what you say you’ll do.”
（人は自分が何をするかで決まる。何をするつもりかを言うことで決まるのではない）。
自分で自分の邪魔をしないで。何かに圧倒されたら、15分ずつやってみてください。
このルールのいいところは、安全でちゃんと実行できるタイムフレームというところ。
満足できるし、想像力を働かせることもできます。
ただ15分やればいいだけです。15分という短い時間に意味のあることを達成できることに驚くでしょう。
ゲーテはこう言っています。
“The moment one definitely commits oneself, then Providence moves too, and all sorts of things occur to help one that would never otherwise have occurred.”
（人が一度コミットすると、摂理も動き出し、それまでには決して起こらなかったような様々な出来事が起きて、その人を助ける）。
本当にその通りなんです。
最適な活用法
15分ルールを一番効果的に活用する方法は、3日間にわたって15分の作業を3回することです。
最初の2回は、アラームがなったら作業をやめてください。たとえ、そのまま続けたくても。
3回目のセッションでは、好きなだけ続けてもいいけれど、飽きたり、疲れたり、うんざりしたらやめましょう。
そして、その次はまた15分だけ行ってください。
男性、女性、子供、みんなこのルールを使いました。すごくシニカルな人でも、やってみて、「信じられない。楽しかったし、まるでメアリー・ポピンズみたいだ」と言いました。
“Find the fun and snap! The job’s a game.”
（楽しみを見つけてぱっとやる！ 仕事はゲームよ）。
心構えが結果を左右する
態度がすべてを変えます。
15分ルールのおかげで、私は前より幸せになりました。
幸せを見つけたり、依存症を治したり、ほかのどんなことにもこのルールを使えます。
トマス・ジェファーソンはこう言っています。
“Nothing can stop the man with the right mental attitude from achieving his goal. Nothing on earth can help the man with the wrong mental attitude.”
（正しい心構えを持つ人が、目標を達成するのを止めるものは何もない。間違った心構えを持つ人は、地上にある何ものも助けることができない）。
皆さんもぜひ試してください。
とにかくスタートしよう
最初の15分はブレインストーミングに使ってください。とにかくスタートしましょう。
アンソニー・トロロープは15分単位で執筆するのを続けて、少なくとも小説を47本完成させました。
私は娘に、「思考を賢く選べ」と言っています。もし、あまりいい気分でないのは、おそらくろくでもないことを考えているからです。
よりよい思考を選んでください。
大切なのは意欲と熱意です。
それらを失ってしまったら、15分ルールを使って再び見つけてください。
私の好きな言葉があります。
“God moves mountains, but He expects us to have a shovel in our hands.”
（神は山を動かすが、私たちが手にシャベルを持つことを期待している）。
私のトークがきっかけで、皆さんが、今日シャベルとして15分ルールを使ってみてくれることを願っています。
そうすれば、とても楽しい明日がやってきます。
■ブキャナンさんの本です■
始めることが大事
ブキャナンさんがシェアしたいアイデアはとてもシンプルなので、このトークは、一見すると内容が薄いように感じるかもしれません。
しかし、シンプルライフを目指す人にとって、この『15分だけやってみる』というアプローチは、非常に強力です。
私も、やりたくないタスクはタイマーをかけて2分だけやってみることをおすすめしていますが、このように短い時間に区切って覚悟を決めて行うことには、以下のメリットがあります。
・開始することができる
どんなタスクも、やりたいことも、始めないことには現状は何も変わりません。
・完璧主義を手放すきっかけになる
何かを開始できないとき、完璧主義に陥っている場合が多いので、見切り発車することで、「準備を完璧にしなくてもいい体験」をすることができます。
・実際に状況が変わる
ブキャナンさんが言っているように、15分というのは短いようで、けっこう長く、毎日15分ずつ部屋の片付けをやってみると、遠からず、かなりスッキリします。
どんなタスクにも応用できるので、今年、やろうと思っていたけど、きょうまで先延ばししてしまったタスクを開始するのに使ってみてはどうでしょうか？
いい変化があったらまたメールで教えてください。
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ブキャナンさんの本は読んだことがないのですが、「15分だけやってみる」というアイデアひとつだけで、どうやって1冊の本になっているのか知りたいところです。
ですが、こういうちょっとしたアイデアが、何かを変える大きな可能性を秘めています。
『たった15分で現実を変える。』このシンプルなやり方が、あなたの生活にどんな変化をもたらすのか、ぜひ試してみてください。
